カンパニー制とは【事業部制の違いやメリットをご紹介します】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年03月22日

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企業経営をさらに効率的に進めるうえで、大手企業などがカンパニー制を導入しているのをご存じでしょうか。カンパニー制とは、多角的経営を行う大企業に普及している経営システムで、各事業に様々な権限を与えて1つの会社のように運営する制度です。市場や顧客ニーズの変化の激しい現代においてカンパニー制が採用される背景には、スピーディーで柔軟な経営判断ができたり社内競争力を向上させ収益性をUPつなげたいという目的があります。今回はそんなカンパニー制と似たような特徴を持つ事業部制や持株会社制との違いを明らかにし、カンパニー制のメリット・デメリットについて実際に導入している企業の例を交えて解説します。

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カンパニー制とは

事業を独立採算制にして分ける組織形態

カンパニー制とは、社内の事業をそれぞれ別の企業とみなし、独立採算制を取る社内分社制度です。アメリカで始まった制度で、1990年代に日本でも導入する企業が出てきました。それぞれのカンパニーには人事や予算などを決める権限や経営判断をする裁量権などが与えられ、各々1つの会社として経営が行われています。収支に関しても、損益計算書や貸借対照表などをカンパニーごとに行うことで、会計上でも独立した状態となるのが特徴です。

多角経営を行う企業に多い

カンパニー制は多角的な経営を行う企業で普及されている経営システムです。多角的経営を行う企業や事業数の多い企業では、何かを行う際の意思決定に多くの人が関わるため最終決定までに手間と時間がかかってしまいます。カンパニー制を導入することで、カンパニーごとに意思決定や実行することができるため提案や承認などの手間が省け、スピード感を持って業務を行うことが可能です。そのため、多角的経営を行う企業で採用される傾向にあります。

カンパニー制と事業部制の違い

事業部制は独立型ではない

カンパニー制と似たような組織編成としては事業部制が挙げられます。どちらも事業ごとに一定の権限を別けている点では同じですが、カンパニー制と事業部制では与えられている権限に違いがあります。事業部制では人事や経営判断など重要事項は本部が管轄していて完全に独立しているわけではありません。それに対してカンパニー制では重要事項においても権限が与えられているため、同じ企業内ではありますが独立した会社のような経営がされています。

カンパニー制と持株会社制の違い

持株会社は実際の事業には介入しない別会社

カンパニー制と似たような組織編成として、他にも持株会社制があります。持株会社制は、株式を保有することで傘下となっている企業を支配する形態です。カンパニー制と持株会社制は持っている権限や組織の形式が似ています。しかし、持株会社の場合は事業には介入しない別会社という扱いのため法的には同じ会社とはみなされません。カンパニー制は、あくまでも同じ企業内で組織分けされたものなので、法的には同一の会社としてみなされます。このように、権限や組織の形式は似ていますが会社の在り方に違いがあります。

カンパニー制のメリット

柔軟な組織改革ができる

カンパニー制のメリットとしては、組織を分けることでチャンスを的確に捉えてニーズに応じた対応がしやすくなることが挙げられます。各カンパニーには人事権や経営を判断する権利など様々な権限が与えられています。これらの権限を持つことで市場の変化や顧客のニーズ、社会情勢を敏感に捉えることができ、それに応じて柔軟に対応することができるようになります。またその変化に合わせてカンパニー内の必要な組織改革も独自で行うことが可能です。

素早い意思決定ができる

カンパニー制を導入すれば、素早い意思決定が可能になります。企業にとって、素早い意思決定はビジネスを成功させるうえでとても重要です。しかし企業規模が大きくなると何かを行う場合の許可に時間がかかってしまったり、上層部と現場との間で状況把握にギャップが発生してしまったりします。その結果、ビジネスのチャンスを逃してしまう可能性があります。カンパニー制のように各事業が裁量を持てば、意思決定までのプロセスを短縮させ現場の状況に応じた的確で素早い意思決定を行うことが可能になるでしょう。

組織図がシンプルになり責任の所在が明確化する

カンパニー制によって組織が細分化されると企業内の組織図がシンプルになります。これによって、各事業の責任の所在が明確化されるというメリットがあります。複数の事業部が関わって業務を行っている状態では責任の所在に不透明さが出てしまいます。しかし、カンパニー制では、各カンパニーが財務状況を含めて責任を持って業務に当たっているため、業績の良し悪しが明確化されていきます。その結果として、企業内部の競争力の向上が促され収益拡大や事業の効率化へとつながっていきます。

経営者の視点で考えられる社員が増える

カンパニー制のメリットとして、経営者の視点で考えられる社員が増えるということも挙げられます。カンパニー制では、各カンパニーが1つの会社として扱われるため、それぞれが経営的な判断を行わなければなりません。そのため、各カンパニーの責任者は経営者としての視点が必要となり、経営戦略を考えていかなければならないでしょう。このような経験は実際に経営者や役員になるまで得られませんが、カンパニー制を導入することによって早いうちから経営に関わるノウハウを身につけることができます。そうして培われたノウハウやスキルは企業にとっても大きな財産となるでしょう。

カンパニー制のデメリット

カンパニーごとに分断が起こる可能性がある

カンパニー制にはデメリットもあります。各カンパニーがそれぞれの会社として独立して業務を行うため、別のカンパニーとの交流が少なくなり、独自のやり方しかできなくなってしまう可能性があります。企業を大きくし業績を伸ばしていくためには、事業間の垣根を越えたアイデアの創出や連携業務、情報共有が時には必要です。カンパニー間の関係が薄くなってしまうことで、必要な連携が取れずビジネスチャンスを逸してしまうことも考えられます。各カンパニーは独立していますが、必要な連携は取れる仕組みづくりが大切でしょう。

重複部門が生まれることでコストが増える

カンパニー制ではそれぞれが1つの会社として経営を行うため、それぞれに人事や経理など会社運営に関わる役職が必要となります。これは本来なら本部が集約して行う部門ですが、カンパニー制では各カンパニーで人材を配置しなければなりません。しかし、このことによって企業内に重複する部門が複数生まれてしまいそこにかかるコストが増えてしまいます。必要コストではありますが、その費用対効果をしっかりと考えていかなければならないでしょう

不正・隠蔽のリスクが高まる

カンパニー制を導入することで、不正・隠蔽のリスクが高まる可能性があります。組織構造はシンプルとなり、各カンパニーでの競争力の向上が促される一方で、社員は過度に結果を求める状況に陥りやすくなります。そのため、結果主義が行き過ぎてしまうと、不利益になるものや都合の悪いものに対して不正を行ったり隠蔽してしまったりするリスクが高くなります。また、各カンパニーが独立しているため、本社からの管理が行き届かず不正や隠蔽に気づきにくいという状況にもなりかねません。カンパニーを独立させ権限を与えることは重要ですが、管理体制もしっかりと整えていかなければなりません。

カンパニー制で失敗しないようにするためには

本社からカンパニー経営に干渉しすぎない

カンパニー制には各カンパニーに強力な権限が与えられていて独自の判断や素早い意思決定ができるというメリットがあります。そのメリットを活かすためには、各カンパニーに与えられている権限を活かしてもらうことが大切です。最低限の関わりは必要ですが、過干渉になるとカンパニーの判断を鈍らせ業務に支障や遅れが出てしまう可能性があります。本社からの干渉はなるべく少なくし、各カンパニーがその中で迅速な意思決定ができるように体制を整えておくことが重要でしょう。

人事・組織評価の基準を統一する

カンパニー制を導入することによって、企業内に競争意識や結果主義の考えを生み出すことができます。そのため、成果を公平・平等に評価できる基準を定めておかなければなりません。しかし、人事評価や組織評価の基準に差があると社員の不満やモチベーションの低下を招くおそれがあります。各カンパニーで業務内容に違いがあるので、どのカンパニーにもわかりやすく社員が納得できるような評価基準も設けることが大切です。基準の統一をすることで、社員の業務意識を向上させ利益を最大化することにつながっていくでしょう。

カンパニー間の交流を確保する

カンパニー制を導入するとカンパニー内の結束は強くなる傾向にありますが、反対に他のカンパニーとの関係性が希薄になる可能性があります。また、カンパニー制は競争意識を生みやすい環境のため他カンパニーとの積極的な交流がはばかられることもあります。その結果、本来であれば必要だった協力や連携が取れず、業績の悪化や停滞につながるかもしれません。企業はカンパニー内だけではなく外部とのコミュニケーションや情報共有ができる場を常に確保し、交流を促していく必要があります。

カンパニー制を導入している企業

ソニー

ソニーは日本で初めてカンパニー制を導入した企業です。1992年、ソニーの業績は赤字に転落しました。その要因の1つとして、過度に細分化された組織により業務の効率性の低下が生じてしまったことが挙げられます。これを踏まえ1994年に、より自律的な組織を目指し、事業本部を8つのカンパニーに分け、各責任者としてプレジデントを置き大きな責任と権限を与えました。その結果、より自律的な小さな会社と小さな社長を生み出し業績の劇的な回復につながっています。

トヨタ

トヨタでは2016年4月より7カンパニー制が導入されています。7カンパニー制では、事業を製品群別に7つに分け開発から製造までが一体化されています。このトヨタの新体制では「もっといいクルマづくり」「人材育成」の実践に重きが置かれ、巨大なトヨタという大企業での意思決定の迅速化や完結化が目的とされました。また、各カンパニーの責任者には専務役員がそれぞれ就任することで、今後のトヨタを引っ張る人材に経営者としての経験を積ませる狙いもあります。トヨタの7カンパニー制は1年後には10カンパニー制へと再編成されました。

リコー

リコーでは、2021年4月にカンパニー制を導入することが発表されました。これまで取り組んできたOAメーカーから脱皮し、デジタルサービス会社へと事業構造の転換や収益性の向上が目的とされています。具体的には、事業ドメインごとの5つのビジネスユニットとグループ本社に組織体制を刷新しました。それにより、各ビジネスユニットが開発から生産、販売までの一貫体制を構築し自律的に事業運営を行う体制へと移行されます。この制度は、激変する事業環境に迅速に対応し、企業価値の最大化につながると期待されています。

まとめ

カンパニー制で多角経営でも柔軟な企業経営を

現代は市場や社会情勢、事業環境の変化が激しい時代です。顧客のニーズも常に変化を続けています。そのような中でしっかりと需要を掴み取るには、迅速な判断や柔軟な対応が欠かせません。大企業や多角的経営の企業にとっても経営判断を素早く行えるように社内環境を整えておくことは非常に重要になってきます。カンパニー制を導入することで組織体制がスリム化し、スピード感のある対応やカンパニーごとの柔軟な対応が可能となります。管理や評価の見直し、コスト増への考慮などのリスクも存在しますが、柔軟な経営判断ができるような体制を整えておくという選択肢も考えておく必要があるでしょう。

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