ストレスチェックシステムとは?【注意点や導入する流れなどについて説明します】

記事更新日:2021年06月11日 初回公開日:2021年02月01日

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労働安全衛生法の改正により義務付けられたストレスチェックを円滑に進められる「ストレスチェックシステム」がいま注目を集めています。ストレスチェックには、産業医との連携や高ストレス者への対応など、チェック項目以外にも行わなければならないことが多数あり、頭を抱える人事担当者も少なくありません。数多くあるストレスチェックサービスから、自社にぴったりのサービスを選ぶには迷うこともあるでしょう。今回は、そんなストレスチェックシステムの特徴や比較、メリットや導入を検討する際の注意点など詳しくお伝えしていきます。

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ストレスチェックシステムとは

ストレスチェックの実施を簡単に出来るシステム

ストレスチェックシステムとは、労働安全衛生法に基づき、2015年から特定の事業所で実施が義務付けられている「ストレスチェック」を簡単にできるプログラムです。規定されているチェック項目を満たすだけでなく、トータル的なサポートを担ってくれるため、多くの企業で導入されてきました。評価シートの作成など、一連の流れを半自動で運用できるため、企業と産業医の負担を抑えながら、円滑に費用対効果良く実施することができます。

50人以上の労働者を使用する企業に実施義務あり

ストレスチェックシステムをいざ導入しようと思っても、自社に最適なシステムを選ぶことは簡単ではありません。コストや運用方法、とくに中長期的に続けていくものだからこそ、導入以降は極力手間を省きたいものでしょう。労働安全衛生法の改正に伴い、50人以上の労働者を抱える事業所では全ての従業員に対し、年に1回は実施をしなければならなくなりました。しかし、2017年の厚生労働省労働衛生課の報告によると、実施が義務付けられた事業所のうち、実施報告が出された割合は80%程度のようです。ストレスチェックの義務化に伴い、多くの企業で導入されるものの、運用の手間がネックとなり、実施できていない企業も少なくありません。

ストレスチェック システムができた背景・理由

ストレスチェックは手間がかかる

ストレスチェックを実施する方法には、いくつか種類があるものの厚生労働省が定める「ストレスチェック義務化法案」に対応したストレスチェックを行わなければなりません。また、ストレスチェックを運用するには、実施内容を社内広報することから始まり、産業医との連携や運用システムの構築など、多くのプロセスが必要になります。そのため、総務部に関わらず、部門長などの管理職も多くの時間を割かれてしまい、手間がかかる作業と思っている人も多いでしょう。

メンタルヘルス不調が増加している

近年、メンタルヘルスの不調により休職や退職を余儀なくされる人が増加しています。また、企業としても求職者による人材不足、労災による補償に加え、民事訴訟等の裁判沙汰になるなど、大きなダメージを受けるケースが後を立ちません。そのような背景もあり、まずは従業員自身が「自分のストレス状態を知ること」が重要視されはじめました。従業員自身がメンタルヘルスの不調に気づくことで、企業としても早い段階から改善策を取ることができます。

ストレスチェックシステムのメリット

メンタルヘルス不調を未然に防ぐ事が出来る

ストレスチェックの最大の目的とも言えるのが、従業員が抱えるメンタルヘルス不調を未然に防ぐことです。ストレスの感じ方は個人差があり、自分では気づいていないケースも多々あるでしょう。定期的にストレスチェックを行い、検査結果をフィードバックすることで、自身のストレス負荷に気付くこともできます。「ストレスを溜めすぎないように休暇と取る」「仕事の軽減を申請する」など、鬱などのメンタルヘルス不調を未然に防止することにも大きく役立ちます。

クリックだけでチェックする事が出来る

ストレスチェックの実施方法や質問事項は、厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」を利用し実施することが可能です。しかし、結果票の作成に加え、高ストレス者には医師の面接指導を促すなど、内容は多岐に渡り、実施までに時間を要することもあるでしょう。その点、メンタルチェックシステムでは、ウェブからクリックするだけで集計・データ化、管理や保存など一括で行うことが可能です。さらに厚生労働省が推奨する内容をベースに、企業ごとにストレス耐性に関わる独自項目を追加するなど、カスタマイズすることもできます。

ストレスチェックシステムのデメリット

運用の準備に手間がかかる

ストレスチェックシステムをいざ導入しようと思っても、自社に最適なツールを見つけ出すことは簡単ではありません。企業規模にもよりますが、大きな金額が動くことが想定されます。すべて自社で賄うと費用は抑えられますが、運用にかなりのリソースが割かれることを頭に入れておかなければなりません。このストレスチェックは義務化されたものであり、企業が従業員を雇う上での責務ですので、しっかりと取り組むようにしましょう。

社内だけでは実施できない場合がある

厚生労働省が配布している「ストレスチェック実施プログラム」は、ウェブ上で無料配布されています。ダウンロードをして内容に添って行えば、企業内でも実施することは可能です。しかし、ストレスが高い従業員は産業医の面接を受け、助言を貰う必要があるなど、外部に依頼することも出てくるでしょう。このように社内の人材とリソースだけでは、充分とは言えないこともあります。また、プライバシーを配慮して自社の人間が閲覧できないようにする必要があるなど、ストレスチェックシステムの利用は効率化以外にも重量な役割があります。

ストレスチェックシステムの注意点

プライバシーは保護する

ストレスチェックにおいて、一番配慮しなければならないのが「プライバシーの保護」です。プライバシーの保護が守られていないと、上司の目が気になり本音で言えない人も少なくないでしょう。厚生労働省の規定においてもプライバシーの保護は厳しく指定されており、担当者が個人情報に接触したり、勝手に閲覧することは禁止されています。ストレスチェックシステムを利用することで、社内の実施担当者を介さずに状況チェックやデータ管理などが行えるため、スムーズな実施が可能になります。

従業員の不利益になる取り扱いは禁止されている

ストレスチェックの結果は、産業医や保健師から直接従業員に通知され、その結果を本人の同意なしに閲覧することは禁じられています。また、ストレスチェックに申請した内容により、不利益を被るような人事異動や降格などもできません。調査結果や専門医の指導においては、従業員の心身状態などの個人情報が扱えます。そのため、実施者や専門医、取り扱う事業者には守秘義務が課せられ、違反した場合には罰則が科せられる可能性もあるので注意しましょう。

実施しない場合は罰則がある

労働安全衛生法において、ストレスチェックの実施が義務付けられているものの、仮に実施しなくても企業に罰則はありません。ただし、50人以上の従業員がいる事業所は、労働基準監督署に対してストレスチェックの報告義務があります。そのため、労働安全衛生法に明記されてある「報告義務」をしなかった場合には、50万円以下の罰金を課せられる可能性があります。つまり、ストレスチェックを実施しない場合でも、報告義務は発生するため、適切な時期にしっかりと実施しましょう。

ストレスチェックシステムの比較

jinjer

jinjer(ジンジャー)は、ストレスチェックに特化したプログラムです。Work(仕事)とVital(活力)をかけ合わせた名称からもわかるように、従業員の仕事とコンディションを管理・分析することができます。項目ごとの質問に対し「天気」で答えるという斬新、かつわかりやすいUI・UX形式のアンケートとしても注目されてきました。導入企業からは「回答がしやすい」「従業員の健康や精神状態を管理しやすい」との声も聞こえ、月額料金300円(1人)から導入できます。

ストレスチェッカー

stresschecker(ストレスチェッカー)は、法人向けに展開しているストレスチェックシステムです。1000社以上の導入実績があり、大手企業から官公庁まで利用しているため、安心して利用できるツールのひとつと言えるでしょう。企業の特性に合わせた豊富なカスタマイズ機能やメール文言の変更、集団分析から医師面接へのスムーズな移行など、用途に合わせたプランと内容を完備しています。無料でスタートすることができ、有料では代行プラン(250円/1人)など用途に合わせたプランを選ぶことができます。

アドバンテッジタフネス

アドバンテッジタフネスは、ストレスチェックを用いて健康経営を実現する「組織改善ワンストップサービス」です。20年以上にわたるビッグデータから、科学的・数値的根拠に基づくメンタルヘルスケアサービスを実施。「富士製薬工業株式会社」「国土交通省中部地方整備局 名四国道事務所」など、医薬品やインフラなど幅広い業種に導入されてきました。6プランから自社に適した内容を選択でき、「メンタルタフネス度」というアドバンテッジタフネス独自のストレス度を用いて、生産性向上に直結する組織改善を提案します。

ストレスチェックシステムを導入する流れ

会社に導入する旨の方針を示す

ストレスチェックを導入する際は、まずはストレスチェック制度を実施する方針を従業員に示すことから始まります。その際は「メンタルヘルス不調の未然防止」「働きやすい環境の構築」など、しっかりと実施する目的を伝えるようにしましょう。労務協定に記載する必要があれば、労働組合の決議を取る必要が出てくるかもしれません。実施時期に対して、余裕を持ったスケジュールで取り組むようにしましょう。また、ストレスチェックは「誰が、いつ実施するのか」「面接指導の自主申告の有無」など、想定される質問事項には答えらえるよう事前に準備することをおすすめします。

社内規定として明文化し従業員に知らせる

従業員にストレスチェックの方針を伝え終わったら、話し合いで決まった項目を社内規定として明文化し、周知の事実として従業員に知らせましょう。項目に際しては、ストレスチェックの公平性かつ正統性に加え、従業員の個人情報が守られ、不当な目的でしか利用されない旨も記載すると良いでしょう。はじめは慣れない制度に難色を示す従業員もいるかもしれません。しかし、この制度は国が義務化した制度であり、従業員のメンタルヘルスの軽減に繋がることを根気強く伝えましょう。

実施体制や役割分担を決める

社内規定として決定したら、次は実施体制に伴う役割分担をしていきましょう。ストレスチェックの項目や実施スケジュール、高ストレス者の判断基準や産業医の選出など、事細かに決めていかなければなりません。また、同時に制度全体を統括する責任者と実施者の補助をする者など、一人に過度な負担とならないように選んでいきましょう。面談をする医師や保健師は、厚生労働大臣の定める研修を受けた中から選ぶ必要があるため、事前に何人か候補者を挙げておくと良いでしょう。

まとめ

自社に適したシステムを選択する事が大切です

いかがでしたか。ストレスチェックの実施は、義務化された制度ではありますが、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止できるなど、企業にとっても多くの点で役立ちます。たとえ、従業員数が50人未満の事業所であっても、企業の中長期的な成長のためにはストレスチェックを取り入れることをおすすめします。その際には、規模や方針に沿った自社に適したシステムを選択する事が大切になるでしょう。ストレスチェックシステムは、価格や導入フローなど各社異なるため、導入をする際の参考にして貰えると幸いです。

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