入社前研修の活用【目的や実施内容について詳しく解説します】

記事更新日:2023年06月13日 初回公開日:2023年06月13日

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就職活動が進み内定をもらっても、引き続き就職活動を行う学生は5割以上にのぼると言われています。つまり、学生は内定をもらった会社に入社するとは限らず、もっと待遇の良い企業や自分に合う職種を探す学生が多いということです。企業としては予定していた内定者が入社を辞退するため、穴埋めしなければいけません。そこで注目されているのが、入社前研修であり内定者研修とも呼ばれています。ここでは入社前研修の目的や効果的な研修方法、および注意事項などを詳しく解説致します。内定者に入社前研修を行う方々の参考になれば幸いです。

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入社前研修とは

入社前研修とは

内定者に向けて行われる研修

入社前研修とは、内定者に向けて行われる研修のことを言います。一般企業の入社日は4月1日で、内定から入社までかなりの期間があるため、内定をもらった学生が黙って学業に専念していることは多くありません。もっと良い就職先を探して就職活動を続ける人や、内定をもらった会社について調べることも多いようです。内定者の不安を取り消すためにも入社前研修は有効であり、近年に多く見られる内定取り消しの改善策にもなっています。

入社前研究を行う時期

内定式後に行うことが一般的

入社前研修を行う時期は、内定式後が一般的です。内定式は10月くらいに行われるのが普通となっているので、入社前研修は年内か年明け早々から行われます。内定者といってもまだ学生ですから、学業に支障のない日程で行わなければいけません。とくに遠方から来る内定者もいるため、時間と費用のことも考えてスケジュールを考えることが必要です。内定式後すぐに入社前研修を行う企業もあり、何回かに分けて定期的に研修をする方法が主流となっています

入社前研修の目的

人材を育成する

入社前研修の目的として真っ先に挙げられるのが、人材の育成です。人材を育成するといっても、相手はまだ学生の身分であり入社した訳ではありません。そこで多くの企業は、実務よりも社会人やビジネスマンとしての基本知識を教えることが多いようです。ビジネスマンとしての基本である報連相の重要さや、挨拶および名刺交換の仕方など、内定者も知りたがっていることを研修内容に多く盛り込んでいます。内定者同士でコミュニケーションを取りながら研修を行うことができれば大成功です。

入社前の不安を無くす

入社前研修の目的として、内定者が抱える入社前の不安を無くすことも重要です。内定者は学生であり、社会人としての経験はほとんどありません。自分が内定をもらった企業に向いているのかという不安があり、それが理由で別の職種に変更する人も3割近くにのぼるという調査結果もあります。そのような内定者の不安を払拭するためにも入社前研修は非常に有効です。とくに同じ内定者が集まり同じ研修を受けることにより、共感が得られるとともに仲間意識も生まれて不安が解消されます。

内定辞退者を減らす

入社前研修の最も重要な目的と言えるのが、内定辞退者を減らすことです。昨今では多く内定辞退が現れる起業も多く、内定を渡したからといって安心できません。前述のように、もっと自分に向いた企業へアプローチする学生もいるため、内定者を繋ぎ止めておく必要があります。入社前研修の効果は大きく、多数の企業が入社前研修を導入しているのはこのためです。入社前研修を拒否する学生は内定を辞退する可能性が非常に高く、おおよその入社人員を把握できるメリットもあります。

早期退職の防止

入社前研修は、早期退職の防止にも繋がります。企業とのミスマッチを感じて退職する人の多くは、約1年で辞めています。これは次の転職のために、最低1年は勤めていないと印象が悪くなるためだということです。調査結果により分かっているのは、辞めた人数や時期だけでなく、退職の大半の理由が「思った仕事と違う」というものでした。入社して初めて経験する仕事が、予想とは全く違うということで退職に到っています。入社前研修で仕事を見たり体験したりすることで、早期退職者を減らすことができるでしょう。

同期との繋がりを作る

入社前研修の目的の一つに、同期との繋がりを作ることがあります。同期は将来のライバルとなる社員ですが、入社時は同じ悩みを抱える頼れる仲間です。企業によっては、内定式のあとに懇親会などを開くことで同期同士が話せる場を設けることも多くあります。入社前研修では遠方から来る人たちと他の人たちでスケジュールを合わせるのが難しいため、内定式で同期同士での繋がりを持たせ、入社前研修はオンラインで行う企業もあるようです。

入社前研修の実施例

勉強会を開く

入社前研修の実施例として多く行われているのが勉強会です。勉強会の内容は企業によってそれぞれですが、社会人としてのマナーや会社の全体像を伝えるために、段階を踏んで成長を促すようなスケジュールを組むことが大事です。1ヶ月もしくは2ヶ月に1回のペースで勉強会を継続し、入社後の研修に繋ぐことも方法の一つです。また、内定者は先輩社員や同期となる同じ内定者との意見交換の場を欲しているため、勉強会のあとに簡易な懇親会を行うことも良い方法と言えます。

アルバイトとして勤務する

入社前研修の実施例の一つが、アルバイトとして実際に勤務することです。実際に実務を行うことで、不安が取り除かれるとともに自分のイメージと違う部分なども感じ取れるでしょう。そのため、アルバイトのあとに学生から感想や意見などを聞くことが重要です。入社前に感じた不安を取り除くことで、内定取り消しだけでなく早期退職も防止できます。また実際に仕事をしてもらうことで、入社後の配属先を決定する参考にすることもできます。なお、入社前研修でアルバイトをさせる場合には注意事項もあり、後述していますので是非参考にしてください。

E-Learningを行う

入社前研修に、E-Learningを行う実施例は多くあります。E-Learningは遠方から入社する内定者にも都合が良く、多くの内定者がいても日程を合わせる必要がないため非常に有効です。ただしE-Learningは、個々によって進行度合いなどが異なるため、E-Learningの進捗状況を把握して歩調をできるだけ合わせる必要があります。入社時には全ての内定者が準備したプログラムを終了していることを目指し、同じスタートラインに立たせてあげましょう。

実りある研修にするためのポイント

研修の目的とゴールを把握する

入社前研修では、研修の目的とゴールを把握することが効果を上げるポイントになります。何のために研修をしているのかも分からず、みんなで仲良く集まることもコミュニケーションを取ることにはなるでしょう。しかし実りある研修にしたいのであれば、研修の目的とゴール地点を、研修参加者と講師が共有して行うことが肝要です。目標がなくてはモチベーションも上がらず、研修の成果が出ないばかりか、無駄な時間だけを過ごして参加者の意欲を半減させ内定辞退や早期退職にも繋がります。

現職者にヒアリングを行う

入社前研修にあたり、現職者から聞き取りを行って研修のプログラムに落とし込むことも研修を成功に導くポイントです。実際に現場で働いている人が必要とするスキルは、人事の考えとズレがあることも多くあります。また、内定者は現職者との交流を希望する人も多く、講師として招くことも方法の1つです。研修の場で、現職の先輩から質問に答えてもらえるのは心強い体験になります。もちろん、大事な内定者への教育場面ですから、現職者の選抜も慎重に行うことが重要です。現職者のヒアリングは現場からの要望ですので、参考になる言葉として受け止めましょう。

計画性を持って行う

実りある研修にするためには、計画性を持って行うことが大きなポイントです。また、内定者が期待する研修内容にすることで、効果的な研修とすることができます。内定者が希望しているのは、内定者同士および先輩社員との意見交換や交流です。また仕事内容などに不安を持つ人も多く、勉強会を希望する内定者も少なくありません。多くの人と交流できる場所を設けて勉強会も続けると共に、社会人としての教育やビジネスの基本教育を行うなど、計画的なスケジュールを組んで実行することが大事です。

社会人としての意識を作る

会社が研修で求めるポイントに、学生から社会人への意識の切り替えがあります。内定者の不安解消やスキルの習得も重要ですが、社会人として責任を持った行動と、企業の一員としての自覚をもってもらわなければいけません。入社前の研修で全てを理解できないまでも、ある程度の意識付けをするためには良い機会です。社会人となったならば自分の行いに責任を負う必要があり、自分の行いによって大事な家族だけでなく企業や仲間にも影響を与えることを自覚してもらいましょう。

入社前研修をアルバイトとする場合

アルバイトとして労務を行う場合は賃金を支払う

入社前研修にアルバイトとして労務を行う場合に注意したいのは、労働の対価として賃金を支払うことです。労働基準法によれば強制でなければ労働とは見なさないという捉え方もありますが、たとえ任意参加であったとしても会社が企画した研修であることからも労働として賃金を支払うことが正当と言えます。また、アルバイトの経験がない学生にとっては、自らの労働によって対価としてお金をもらう貴重な体験ができることも大きな財産となるでしょう。賃金を支払うことにより、プロ意識を育成することにも繋がります。

条件によっては労災保険が適用されることもある

入社前研修をアルバイトとする場合には、万が一怪我や事故などに合う場合も全く無いとは言えないため、条件によって労災保険が適用されることも覚えておきましょう。どんな仕事であっても全ての危険から回避することはできません。そのため仕事に従事するものは労災保険に加入して、万が一に備えています。学生によるアルバイトだとしても、仕事中の怪我などは労災扱いになるのが一般的であり、故意に隠すようなことがあれば企業が罰せられることにもなります。軽い怪我でも後で病院にかかるような場合には、労災扱いにするか確認するようにしましょう。

参加できない学生へのサポートも行う

入社前の研修に参加できない学生のサポートを考えておくことも重要なことです。他の内定者が入社前研修をする中で、自分だけ参加できないことで不安になる学生もいます。同期に後れを取ったと引け目を感じることにもなるため、行った研修内容をSNSなどで伝えるなど、オンラインで研修の状況を見せるだけでも不安を払拭できます。研修の参加者だけでなく、理由があって参加できない内定者にも気遣いを見せることで、内定者が安心するとともに企業への信頼も厚くなるでしょう。

まとめ

入社前研修で意識の高い人材育成を行おう

入社前研修と言っても、学生と企業の双方に時間と費用の負担がかかる大事な会社の行事です。目的を持って計画的な研修を行うことで、有意義かつ入社後まで役立つものになります。ただし相手はまだ学生であり本分は学業ですので、強制的に行うこともできず、あまり厳しい研修では内定した学生が辞退することにもなり兼ねません。内定者が希望する内容を入社前研修に取り入れながら社会人としての素養を身につけてもらい、高い意識を持つ人材育成を目指す研修を行いましょう。

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