入社後のミスマッチ・早期離職を防ぐ採用とは?【デメリットと原因】

記事更新日:2019年10月26日 初回公開日:2019年10月09日

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人材採用の現場で苦労している企業に気を付けていただきたいのが、自社と求職者のニーズにミスマッチが無いか、ということです。ミスマッチは英語で「不適当な組み合わせ、食い違い」といった意味を表す単語。採用市場において、企業と求職者の間に行き違いや考え方のギャップがある場合も、ミスマッチという表現が使われます。企業がミスマッチを解消しようとする努力は、求職者との溝を埋めてより優秀な人材を採用できる確率を上げることにも繋がるのです。ここでは、企業と求職者の間で起こりがちなミスマッチの概要や、ミスマッチを解消する方法について見ていきましょう。

ミスマッチの主な種類

企業間の情報格差によるミスマッチ

企業と求職者の間で情報共有が不透明になると、ミスマッチが起こりやすくなります。現在は求職者の売り手市場化が進行し、さまざまな業界で人手不足が叫ばれています。新卒学生の多くは都心部の大手企業を志望するため、地方の中小企業は認識されづらく、採用市場で苦戦を強いられているのが現状でしょう。仮に大手企業に就職したとしても、雇用条件や社風にミスマッチを抱えて早期退職に至るケースもあります。一方、中小企業は認知度の低さによって適切な人材に知ってもらえる機会が少なく、雇用のミスマッチが起こりやすくなっているのです。

性格や特性によるミスマッチ

求職者の性格やモチベーションであったり、保有するスキルだったりと、特性が企業の求めるものとミスマッチを起こす場合もあります。特に、企業内の人間関係や組織風土が入社前に考えていたものと違っていた場合は、新人社員にとって大きな違和感を抱える原因となるでしょう。人間関係や風土を数値で表すことはできないため、事前に求職者が把握することは困難です。しかし、こうしたミスマッチは早期退職の大きな要因となるため、社内見学や説明会を通して透明な情報を提供する努力も必要になるでしょう。

能力のミスマッチ

仕事ができそうだと思って採用した人材が、効率の悪い仕事をしたり、サボったりしてしまうといった経験をお持ちの人事担当者も多いでしょう。求職者の持つ仕事能力と企業が求める能力に差があるのも、典型的なミスマッチの例だと言えます。日本の採用方法では、面接に加えて簡単な適性検査を行っている企業がほとんどです。しかし、簡単な筆記テストだけでは求職者の能力を測るのにはほとんど差が出てこないでしょう。また、面接においても面接官の経験則や勘に基づいて選抜するため、求職者の正確な能力まで判別するのは困難だと言えます。

ミスマッチを防ぐ方法と対処法

採用ブランディングを導入

採用ブランディングとは、ターゲット(求職者)に対し、自社の理念や製品に特定のイメージ(共感や信頼)を持ってもらうことを目的とした概念です。採用ブランディングの成功例として、新潟県にあるお菓子メーカー「三幸製菓」が挙げられるでしょう。三幸製菓では、「カフェテリア採用」や「日本一短いES」といった分かりやすいテーマを掲げ、求める人材要件と採用ターゲットが求職者にも伝わるようにしました。また、SNSでリアルなイベントの開催を呼び掛け、自社の理念に共感してくれる人材を絞り込み、ミスマッチを減らすことに成功したのです。

透明性の高い情報を発信する

情報の不透明さは、入社後のミスマッチを生み出す大きな要因となります。そのため、雇用条件や業務内容について、より詳細な情報を多く発信することで、ミスマッチが起きる確率を下げることができるでしょう。ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報をさらけ出すことは、一般的に敬遠されがちなもの。しかし、あえてネガティブな情報を公開することで求職者も信頼感を抱き、ミスマッチを抱えにくくなるのです。企業と求職者の間で透明性の高い情報共有をすることが、入社後のミスマッチを防ぐ上で重要になります。

求める能力について相互認識を

面接において、実力の高そうな人材を採用できたとしても、入社後にミスマッチを抱えて力を発揮できなければ無駄に終わってしまいます。面接時に、どのような能力を求めるのか、どんな雰囲気の職場をイメージしているのかについて、踏み込んだ議論をしておくことは重要になるでしょう。また、配属先として考えている部署の責任者や数名の社員に出てきてもらい、どういったスキルや考え方を求めているのかを伝えてみることも重要です。入社前に、求める能力について相互納得しておくことで、入社後にミスマッチが起こる確率を下げられるのです。

キャリアプランや価値観を確認する

面接時に、求職者本人が将来に対してどのような価値観を持っているか確認しておくことは重要です。何のために働くのか、将来どのような人生を思い描いているのか、あらかじめ分かっていれば入社後にミスマッチを起こす可能性を減らせるでしょう。求職者は「何とか入社したい」と考えている場合がほとんどなので、本音を話したら落されるかもしれないと抵抗を感じるのが当然です。価値観を聞いて「甘い」「現実はもっと厳しい」と思っても口を挟まず、最後まで話を聞いてあげることで本人の考えも明確になるでしょう。

職場環境に問題がないか

せっかく新しい人材を受け入れても、職場の雰囲気を悪くするトラブルメーカーがいたり、新人を拒んだりするような職場だとすぐに退職に繋がる可能性が高いでしょう。一般的に、人事担当者は求職者の経歴や実績に強く興味を抱きますが、自社の職場での人間関係やトラブルについてはあまり関知していないケースが多く見られます。入社後に配属させる部署に問題はないか、退職に追い込むようなトラブルメーカーがいないか、職場環境の問題点を見直すことが人間関係のミスマッチ防止に不可欠です。

入社後もフォローを続ける

面接が終われば採用が終わり、というわけではありません。内定を得た求職者は、自社の業務内容や社風についてはまだ何も知らず不安を抱えているものです。面接に関わった採用担当者は、社内において求職者のことを一番良く知っている存在。入社後しばらくは、配属先の部署にも顔を出して、変わったことや気になっていることはないかと尋ねてみるなどのフォローも大切になるでしょう。入社初期の頃に密なコミュニケーションを重ねておくことで、ミスマッチが起こる可能性を下げられるのです。

ダイレクトリクルーティングを活用

日本においては、新卒一括採用が採用方法の主流でした。しかし、ネットが発達した現在では、新卒紹介であったり逆求人だったりと、求職者とより積極的に関われるダイレクトリクルーティングと呼ばれるサービスも増えています。ダイレクトリクルーティングでは、紹介会社に自身のプロフィールを登録したり、気になる企業に自らアプローチを取ったりと、求職者が積極的に動けることがポイント。こうしたサービスを利用する求職者はモチベーションが高く、入社後に壁にぶつかっても乗り越えていけるバイタリティを備えている人が多いのです。

企業と求職者がお互いに理解し合いミスマッチを防ぐ

せっかく採用した人材が、雇用条件や社風にミスマッチを感じてすぐに退職してしまうことは、企業にとっても大きな損失です。ミスマッチが起こりやすくなる要因として、面接時に聞いていた条件と違うなど、企業と求職者の認識に差があることが挙げられるでしょう。企業は、自社の業務内容や社風について、良い所だけでなく悪い所も詳細に伝えるようにすることが重要です。あえて悪い部分も伝えておくことで、求職者側も「誠実な会社だな」と感じて良い印象を持つようになるのです。企業と求職者の間で透明性の高い情報のやり取りを行うことが、ミスマッチを防ぐ上で最も大切なことだと言えるでしょう。

ミスマッチの現状

採用の障壁になってしまう

2014年にマイナビニュースが行った調査によると、転職の際に重要視されるのは男女ともに給与、業務内容、会社の雰囲気がトップ3を占めていました。企業が提示する給与額が、求職者が求める給与額よりも低ければそもそも応募してきません。また、業務内容が求職者の求めるものと隔たりがある場合も、やはり求職者は応募してこないでしょう。自社の提示する雇用条件が求職者との間にミスマッチを生み出していないか、検証してみる価値は十分にあります。

早期離職の要因となる

早期離職が起こる大きな要因の一つとして、入社前に聞いていた仕事内容や社風とギャップがある、と感じてしまうことが挙げられます。落ち着いて仕事ができる環境を求めて入社した人が、営業成績に追われる日々になってしまったら、当然ミスマッチを感じてしまいますよね。面接時のみで本人の性格やモチベーションを完全に把握することは至難の業です。しかし、入社後のミスマッチで早期離職するというケースを防ぐためにも、面接の段階で性格やモチベーションをある程度把握する努力が重要になるでしょう。

ミスマッチが注目される理由

社員の定着率に繋がる

入社後には、業務の難しさや人間関係のトラブルなどさまざまな問題が起こるものです。事前に聞いていた仕事内容や社風とギャップを感じている場合は、小さな壁にぶつかってしまっただけでも、早期退職に繋がるリスクが高くなってしまうでしょう。採用の段階で、企業と求職者が相互納得していることが、人材の定着率アップに繋がると考えられています。ミスマッチが少なく定着率の高い組織ほど、個々のノウハウが蓄積され、高度なパフォーマンスを期待できるでしょう。

ミスマッチは早期活躍の障壁になる

エン・ジャパン株式会社の調査によると、中途採用した人材が早期活躍するために最も必要と思われることでは「ミスマッチのない採用」がトップになりました。企業と求職者の間で相互の理解納得がベースになければ、入社後に起こった問題をネガティブに捉えがちだと考えられています。また、ミスマッチが残った状態だと入社後のパフォーマンスが最大化されることはない、と考えている人事担当者も多いでしょう。自社の戦力にプラスになる人材を確保するためにも、ミスマッチは軽視することのできない事態だといえます。

ミスマッチがもたらすデメリット

本来の実力を発揮しにくくなる

仕事内容や雇用条件が事前に聞いていたものと違っていたり、企業の方針や社風に適応できなかったりすると、社員は入社後にギャップを抱えることになります。こうしたミスマッチを抱えたままでは、社員は本来持っている実力を十分に発揮することができず、自社を背負って立つような人材に育つのも難しいでしょう。雇用条件や社風を面接時に的確に伝えておかないとミスマッチが起こりやすく、優秀な人材を採用しても力を活かせないまま去ってしまうことになりかねません。

自社を真剣に考える人材が育たない

自分の考えていた業務内容や社風と隔たりがあったり、仕事内容に不満を持っていたりすると、企業への信頼感が上がりにくくなります。そのため、ミスマッチが残った状態のままだと、自社の課題を真剣に考えて主体的に行動してくれるリーダーが育ちにくくなってしまうのです。本来、自社の歴史を塗り替えるような実力を備えた人材が入社してきたとしても、ミスマッチがあれば力を発揮できないまま去ってしまう可能性も考えられるでしょう。

無駄なコストが発生する

人手が足りていない企業はたくさんありますが、人を採用すれば課題が解決するとは限りません。雇用のミスマッチを抱えた人材が増えると、早期離職者が増えて新たに採用を行わなければならず、無駄なコストが増える可能性が出てきます。また、ミスマッチのある人材が増えることで余計なトラブルが発生する場合もあるため、時間をかけてでもミスマッチの無い人材を確保しましょう。雇用条件や業務内容について的確に説明し、相互納得に至ることが重要です。

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