記事更新日:2020年08月17日 | 初回公開日:2020年08月05日
外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報ベトナム人技能実習生は年々増加しています。2011年のベトナム人技能実習生の数は13789人でした。しかし、2017年では10万人に。ここ数年間で約10倍近くに増えているのです。ベトナム人実習生が日本で働く理由はお金を稼ぐためです。技能実習生として働くため日本にやってくるベトナム人の大半は、田舎出身です。地元には仕事が無く、あったとしても最低賃金の収入しか得ることが出来ません。一方、日本ではベトナムの5倍近くの収入が得られると言われています。そのため、送り出し機関に借金をしてでも来日するのでしょう。
また、労働者減少の対策として技能実習制度が実施されました。日本の労働力人口は、2007年をピークとして2012年まで減少傾向にありました。これは少子高齢化に伴い、生産年齢人口が減少していることが大きく影響しているのでしょう。労働力人口が減るという事は、企業の生産性も低下してしまうことを意味しています。その問題を解決してくれるのが技能実習制度です。若くて活気のある技能実習生は本当によく働いてくれるため、企業の生産性向上が期待できるでしょう。日本の労働力向上も技能実習制度が導入された理由の1つと言えるでしょう。
ベトナム人技能実習生を受け入れるメリットの1つとして、会社のグローバル化への対応が出来る点が挙げられます。グローバル化に伴い、海外への進出を図る企業も増えてきました。しかし、海外進出をする際に問題になるのがグローバル人材の教育です。外国人技能実習生を雇用することでその問題は解決することが出来るでしょう。また、帰国した技能実習生とコンタクトをとり、得た現地情報をグローバル戦略に活かすことも可能です。特にアジア圏の進出を狙っている場合は、ベトナム人技能実習生を雇用するメリットは大きいと言えるでしょう。
職場が活性化され生産性が向上する点も、ベトナム人実習生を受け入れるメリットの1つと言えるでしょう。中でも高齢化が進んでいる企業では、若くて活気があふれる技能実習生と働くことで良い刺激になるでしょう。また、日本の技術を習得して母国に活かしたいと言う技能実習生は非常に熱心に働きます。職場に活気が戻り、生産性の向上が期待できるでしょう。特に日本が好きなベトナム人も多く、おしゃべり好きでフレンドリーな人が多いです。そのため、話しやすく距離が縮めやすいと言えるでしょう。職場の生産性を上げたい方は、技能実習生の雇用を検討してみるのも良いでしょう。
また、ベトナム人実習生を受け入れるメリットの1つとして、労働者を安定的に確保する事が出来る点も挙げられるでしょう。特に人手不足問題が深刻化している中小企業にとって、熱心に働いてくれる技能実習生は貴重な存在であると言えるでしょう。しかし、技能実習制度の本来の目的は、日本で得た技術を母国に持ち帰り開発途上国の発展に貢献することです。労働力の確保はあくまで結果として得られるメリットであることを理解しておきましょう。とはいえ、企業の生産性向上やグローバル化促進など技能実習生を受け入れるメリットは大きいと言えます。
一方で、ベトナム人実習生を受け入れるデメリットとして、実習生は最長でも3年間しか雇うことが出来ない点が挙げられます。そのため、仕事に慣れてきたころに帰国することになるでしょう。しかし、平成29年11月に技能実習制度の新法案が可決成立しました。新法案では、優良な実習実施者や監理団体にのみ第3号の技能実習生の受け入れを認めるとされています。その場合は、最長で5年間雇用することが出来るようになります。しかし、第3号に移行する前後には1か月以上一時帰国をしなければいけません。また、対象の職種も決まっているためしっかりと確認しておきましょう。
面接や研修が必要で採用までに時間がかかる点も、ベトナム人技能実習生を受け入れるデメリットの1つと言えるでしょう。技能実習生を雇用するためには、まず監理団体へ申請しなければいけません。その後、技能実習計画の申請やビザの取得等しなければいけないことは多岐に渡ります。それに加えて日本語教育や研修も行わなければいけません。採用後は即戦力として活躍できたとしても、採用までに膨大な時間が掛かってしまうでしょう。技能実習生を採用する際は、手続きや研修などの手間がかかってしまうことを考慮しておく必要があるでしょう。
文化や習慣が異なるので、受け入れ後が大変であるという事も事前に理解しておきましょう。外国人技能実習生を雇用するうえで必ず発生する問題が、言語や文化の違いによるトラブルです。もちろん、来日前にある程度日本語を勉強してきますが、はじめは日本語でスムーズにコミュニケーションをとることが難しいでしょう。特に、日本語が理解できない実習生は、分からないことも聞けずにそのままにしてしまうことも多いです。これは、業務上のトラブルに繋がりかねません。言葉で伝わらない場合は、身振り手振りを使い理解できるまで説明をしてあげましょう。
ベトナム人実習生のトラブルの1つとして、技能実習生が失踪してしまうことが挙げられるでしょう。近年、技能実習生が実習の途中に失踪してしまうケースが増えています。突然の失踪は企業にとって大きな損失となるでしょう。技能実習生が失踪する大きな理由としては劣悪な労働環境が挙げられます。残業代の未払いや違法な低賃金労働によって失踪する技能実習生は後を絶ちません。もちろん、失踪のリスクはありますがきちんと労働環境を整えていれば突然の失踪は起きません。このようなトラブルを防ぐため、労働環境をしっかりと整えた上で雇用しましょう。
知らない間に実習生が借金をしている場合もあるので注意しましょう。そもそも、ベトナム人技能実習生の約50%が送り出し機関に100万円以上の支払いをして日本にやってきます。もちろん、支払いを済ませて来日する実習生もいますが、100万円以上の借金を抱えたまま日本へやってくる実習生も少なくありません。中には、借金返済のために利子の高い銀行からお金を借りる人も。知らない間に多額の借金を抱え込んでしまっているのです。基本的に6000ドル以上の借金をすると、失踪のリスクが高まると言われています。借金を抱え込みすぎないようサポートしてあげることが大切です。
実習生が事件を起こしてしまうことも、実習生を雇用した際に起こるトラブルの1つと言えるでしょう。実際、ある技能実習生が同居していた技能実習生を殺害し死体を遺棄したという事件も起きています。これは、技能実習生同士のトラブルが原因とされています。借金を背負い1人で異国の地で働く技能実習生の中には、精神的に不安定な人も少なくありません。知らぬ間に追い詰められ事件を起こしてしまうこともあるでしょう。少しでも悩みや不安を解消できるような環境を整えてあげることが大切です。定期的に話を聞きトラブルを未然に防ぎましょう。
続いて、ベトナム人実習生を受け入れるポイントについてご紹介します。ポイントの1つとして社外での関係を築くことが挙げられるでしょう。ベトナム人は内気で引っ込み思案な人が多いのが特徴です。そのため、日本の暮らしに慣れるまである程度時間が掛かってしまうでしょう。少しでも早く日本の暮らしに慣れさせるためには、休みの日に一緒に出掛けるなど社外での関係を築くことが効果的です。内気なベトナム人ですが、実はとてもフレンドリーで親切です。職場以外でも積極的に話しかけてあげることで、自然と心を開いてくれるでしょう。
相談役を作り何でも話せる環境を作ることも、ベトナム人実習生を受け入れるうえで重要なポイントと言えるでしょう。先ほども述べたように、ベトナム人は内気で引っ込み思案な人が多いです。さらに、日本人と同様に控えめで謙虚な一面もあります。そのため、何か不安なことや悩み事があってもなかなか自分から相談することが出来ません。いつもと違う様子を感じたら話を聞いてあげましょう。さらに、ベトナム人実習生専属の相談役を作るのも良いでしょう。いつでも相談できる環境を整えることで、実習生も安心して働くことが出来るでしょう。
またベトナム人実習生を受け入れるポイントの1つとして、定期的に現状を報告する機会を設けることが挙げられるでしょう。勤勉で真面目なベトナム人ですが、少々見栄っ張りな一面もあります。他の人から助けられることが苦手で、1人で抱え込みやすいと言えるでしょう。そのため、積極的にコミュニケーションをとる必要があります。業務の連携が取れていなければ大きなトラブルに繋がりかねません。トラブルを未然に防ぐためにも、定期的に現状を報告する機会を作りましょう。報告を習慣化することで、業務連絡の漏れを防ぐことが出来るでしょう。
今回は、ベトナム人技能実習生についてご紹介しました。年々ベトナム人技能実習生の数は増え、今では全体の50%近くを占めています。ベトナム人は勤勉で真面目な人が多いため、企業の即戦力としての活躍が期待できるでしょう。一方で、不安なことや悩み事を1人で抱え込んでしまう一面も。積極的にコミュニケーションをとり、話を聞いてあげましょう。少子高齢化に伴い、労働力の戦力となる技能実習生の雇用はますます増えていきます。今後も増加する実習生について理解を深めておきましょう。実習生が心を開ける環境を作ることが長期的な雇用に繋がります。
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