記事更新日:2020年06月06日 | 初回公開日:2019年09月05日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 外国人採用・雇用 グローバル経済団塊世代の退社や少子高齢化による労働力人口の減少が顕著になってきた現在、日本企業の働き手不足はますます深刻な問題となっています。2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査では、採用の不足感から秋以降も採用活動を継続すると回答している企業が、全体の6割近くにものぼりました。また、継続すると回答した企業の理由を見てみると「良い人材がいたら追加採用したい」という答えが40%となっています。そのような状況で最適な採用方法について議論が交わされる中、逆求人という新たな採用方法が評判に。今回は、逆求人についてメリットやおすすめサイトまで詳しくご説明します。
逆求人とは、サイトやアプリに登録された就活生の情報を閲覧して、企業側が来てほしい人材に直接声をかけるシステムです。データベースに登録された就活生の個性やスキルから、より自社に適した人材にアプローチすることができます。就活生側にとっても、アプローチのあった企業の中から良いと思った企業と交渉を行った上で承諾するか否かを企業に伝えられるため、新しい就活手段として話題に。従来から行われてきた、企業が就活生からのエントリーを待つ一括採用とは異なります。
日本では、古くから新卒一括採用方式が主流であり、逆求人は最近になって導入されるようになった採用方法です。逆求人は2005年に登場したもので、それまで行われていた企業が学生に対してPRをする説明会とは異なり、データベースに登録された就活生の情報を閲覧して企業側から声をかけます。書類選考を経ずに欲しい人材へ直接アプローチできる、ダイレクトリクルーティングの先駆けであるといえるでしょう。近年では、日本の学生に限らず中国人やアメリカ人の優秀な学生を逆求人サイトでスカウトする企業も出てきました。逆求人は、日本企業の採用方法の一つとして、今後さらに発展していくだろうと考えられています。
現代は、少子化に伴う慢性的な人手不足により、就活生の売り手市場化が進んでいます。そのため企業が少ない人材を取り合うことになり、より一層優秀な人材の確保が難しくなっている状況です。また、厚生労働省が発表する「学歴別卒業後3年以内の離職率の推移」によると、平成7年以降は大卒であっても3年以内の離職率は概ね30%台を超え。新卒で採用しても3人に1人は3年以内に退職してしまうということですね。こうした流れの中、新卒一括採用以外の採用方法として、より自社に適合してくれそうな就活生に直接アプローチできる逆求人に注目が集まっています。
総務省と経済産業省が公表した「平成28年経済センサス-活動調査」によると、2016年6月時点で中小企業の数は企業全体の99.7%となっています。しかし、大企業に比べて知名度の低い中小企業では、応募者数の母数が伸びにくく、人材の確保に苦労している現実がありました。逆求人では、データベースに登録された就活生のスキルや実績を確認し、企業側からアプローチできます。そのため、自社を知らない学生に認知してもらい、中小企業の採用率アップを図ることができるのです。
自社の業務に適した専門分野の資格やスキルを持っている就活生や、特定の分野で研究をしている就活生にアプローチできるようになります。面談を重ねることで、企業側の求めるスキルと就活生側の希望をすり合わせ、採用後に自社とのミスマッチが起こる可能性を減らすことができるのですね。また、逆求人サイトに情報を公開している就活生は、意欲が高くて自分に自信を持っている傾向にあります。一括採用に比べて、より意欲旺盛で自社の業務に適応してくれそうな人材を確保できる確率が高まります。
これまでの一括採用方式では、多くの就活生のエントリーシートをチェックして、何次もの面接を重ねて絞り込んでいく必要がありました。この方法だと面接に多くの人員を割かなければならず、採用担当の負担が大きくなってしまうという側面もあったのです。また、企業は将来利益を生んでくれることを見越して、人材の採用に多額の費用をかけます。しかし、ミスマッチによる早期離職が起こった場合、採用や教育にかけた費用が全て水泡に帰してしまうということにもなりかねません。逆求人では、自社に適合しそうな人材を採用しやすくなるため、ミスマッチによる早期離職のリスクを減らすことができます。また、面接をしてその場で内定を出すことも可能になるため、採用にかかる負担も大幅に減らすことができるでしょう。
従来の一括採用方式では、企業の業種によって応募してくる就活生のスキルに偏りが出る傾向にありました。逆採用では、企業側がデータベースを閲覧して就活生を指名するため、通常であれば応募してこないような人材にアプローチすることも可能になります。そのため、特殊な資格やスキルを持った人材を確保できる可能性が高まるのです。就活生側としても、それまで知らなかった企業や業界からアプローチを受けることで、選択肢の幅を拡げられる点は大きなメリットだといえるでしょう。
特定の資格やスキルを持った人材だったり、特定の分野を研究している人材であったりと、採用方針を絞ったアプローチをすることがおすすめです。従来の一括採用では、応募者数の母数は多いものの、必ずしも自社にとって適合する人材が集まるとは限りません。初めから逆求人で採用方針を絞ってアプローチすることで、採用プロセスの短縮にも繋がります。また、就活生と1対1で業務の内容や本人の希望をじっくりと話し合えるため、採用後に自社で活躍してくれる人材を確保しやすくなります。
逆求人フェスティバルとは、従来の合同企業説明会の逆の方式で、待機ブースにいる就活生の中から企業担当者が直接指名するものです。特に、株式会社ジースタイラスの行う逆求人フェスティバルは、マッチング率60%と高く評価されていて有名ですよ。就活生は待機ブースで控えており、交渉したい就活生について企業側が面談を申し込む、という形で進められます。1対1で密度の濃い話をすることができるため、ネットで情報収集するだけでは得られない情報を得ることも。
ジョブラスとは、求人情報誌や折り込み広告で有名な株式会社アイデムが運営する逆求人サイトです。特徴は、登録をすることで就活生と企業との密なやり取りが可能になるということ。就活生側から、企業のインターンシップや求人募集に応募したり、公開されたプロフィールを見て企業側から就活生にアプローチをかけたりすることもできるのですね。また、合同説明会や内定のコツを学べるセミナーも開催しているため、就活生とのより密なコミュニケーションが可能となります。
オファーボックスとは、就活生が公開しているプロフィールを企業が見て、オファーを送るというサービスです。参加企業が多いことが特徴で、2019年6月現在で5000社以上もの企業が参加しています。就活生によっては、多ければ一人に40件以上のオファーが集中することも。また、就活生は企業からのプロフィール閲覧数をチェックできるため、オファーが来ないときでもアクセス数を見て励みにしています。スマホアプリでもこまめにチェックできるため、モチベーションのある学生を確保しやすいことも強みです。
キミスカの最大の特徴は、無料で就活コンサルタントに悩みを相談できるサービスがあることです。自分がどんな企業を受ければいいのかが分からない、自己PRがうまく書けないなど、就活生が悩みがちな事柄に対して親身になって就活生へ回答してくれるというもの。また、選考結果シェア機能があり、プロフィール欄に、自分が面接したけど落ちたという情報を載せることもできます。例えば、大手商社で三次選考まで行って落ちたという情報を確認することで、大手で三次まで行った人材なら大丈夫と判断して声をかける、といったことも可能です。
ウォンテッドリーは、仕事を自己実現の場と捉え、年収よりもやりがいや環境を大事にする逆求人サイト。「シゴトでココロオドル人をふやす」をミッションに、主にITやWEB系の企業が多数参加しています。やりがいを大切にするという雰囲気のため、他の逆求人サイトと比べて、企業側は就活生に対してフランクな対応をする傾向があります。中途採用や転職も含めて、より腹を割って、やりがいを第一に考える個人と企業のマッチングを実現してくれるサイトですよ。
ニクリーチとは、企業と就活生のマッチングに加えて、お肉の食事会が付くという異色の逆求人サイトです。就活生は、ニクリーチにメールで登録してログインし、自己PR文を入力。企業は、面談したいと思う人材にランチスカウトを送り、焼き肉を奢りながら企業についての説明を行うというものです。通常、面談は会議室で行うものですが、焼き肉屋で面談することで腹を割ってリラックスしながら交渉することができるのがメリット。ざっくばらんに就活生の本音を聞き出し、採用後のミスマッチが起こる確率を下げることができるのです。参加企業は、サイバーエージェントやグノシーなど、ベンチャー企業が多くなっています。
逆求人はまだ始まったばかりの採用方法ですが、大手企業も参加してビジネスとしての規模も大きくなっています。就活生にとって、従来の一括採用方式では落とされたらどうしようという不安は非常に大きなものです。逆求人であれば企業が学生を指名するため、就活生にかかるプレッシャーの軽減にもなり、意欲のある人材を確保できる確率が高くなります。また、大勢の応募者の中から探すよりも、自社に合いそうな人材へダイレクトにアプローチできるメリットは大きいでしょう。逆求人は、21世紀の企業の採用活動の一つとして、今後さらに認知度が高まっていくと考えられています。
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グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
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