内定辞退を防ぐためにできること【外国人の内定辞退】

記事更新日:2020年02月27日 初回公開日:2020年02月10日

人材不足のこの時代。やっと採用活動が終わった。と胸をなでおろしたのも束の間。「御社の内定を辞退します」と言う文字を見て、絶句してしまったことはありませんか。特に外国人雇用ともなると細かい面接を行っている企業も多く、入職後に任されるポジションが最初から特定されていることもあります。また、出身国に対する情報収集のコストがかかっていることや、入職に関する事務手続きも手間がかかっています。今後の展開についての期待もあるため、内定辞退のショックはさらに大きいものですね。今回は、そんなショックな事態を予防するための方法についてお伝えしましょう。

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内定辞退とは

内定辞退とは求職者の意志により内定を辞退すること

内定は、正式な発表の前に採用や役職への就任が決まっていることを指します。内定辞退とは企業から内定を出したのちに、求職者の意志で内定を辞退することです。内定が成立した時点で雇用契約が成立したことになるため、内定辞退は契約の不履行ということになるのでしょう。しかし憲法上に職業選択の自由が認められているため、求職者が内定を辞退することは認められています。ただし入社直前になって内定辞退をした求職者が、採用企業から損害賠償を求められたケースもあります。

内定辞退の現状について

内定とはいえ採用や人選に時間も費用も費やしてきた企業にとっては、予定者からの辞退は避けたいものですね。株式会社リクルートキャリア広報部社外広報グループの就職みらい研究所が発行している就職プロセス調査(2020年卒)【確報版】「2019年9月1日時点内定状況」によると、内定辞退の数については61.6%となっています。高い水準ではありますが、前年同月よりも下がっています。また一般的には大手企業よりも中小企業の方が、内定辞退数が多いと言われています。

内定辞退が起きる理由

環境の変化に不安を感じた

内定辞退が起きる原因として一番に挙げられることは「環境の変化に不安を感じたから」ということです。求人を見て魅力を感じ、採用試験を受けるまでの心境は期待に溢れているでしょう。しかし実際に内定を得て「働く」ことが現実的になると働く環境や自分の能力、これまで生活してきた環境とのギャップなどが頭に浮かんできます。企業の全体的なイメージや事業内容よりも、自分自身を中心にした日常を鮮明に想像することになるのです。具体的にイメージすることが増え、環境の変化に対する不安が募ると言えます。

他の職種や職場に魅力を感じた

また、外国人の場合「日本で働きたい」ということが一番の動機であることも多く「この企業でなければならない」という思いが、日本人に比べて低いことも特徴の一つですね。様々な業種を経験したい。同じ国の出身者がいる企業に誘われた。せっかく日本で働くのだから、もっと都会に住んでみたい。などの理由で、内定が辞退されることもあります。また最近では労働力が不足しているため、知り合いを紹介した場合に手当を出す企業も出ており、SNSのコミュニティーなどで転職先を紹介していることもありますね。

内定辞退がもたらすもの

社内の士気が下がる

内定辞退が起きるとまずはじめに、人事部の中に不穏な空気が流れます。何がいけなかったのか。どうすればよかったのか。という反省モードになり、新たな人材を確保するために必要な手立てに向かうためには、相当なエネルギーが必要となります。特に外国人の場合ビザの手続きや入国の時期、日本語のレベルの確認など日本人を採用する場合よりも手間がかかります。そのため、人事部にとっては痛手になり士気が下がることにつながりやすいでしょう。

計画を練り直し再度採用を行う必要が出る

また人事部は、決定していた内定が取り消されることで採用計画を立て直す必要が出てきます。同時に採用に向けた広報や予算に関する準備も必要となり、新たな採用に向かいます。事前に計画していることを実行しながら、新たな予定を組み同時並行で実行させていくことは、できるだけ避けたいことではないでしょうか。また内定辞退が起きた時期によっては、採用までの期間がほぼない状態でスケジュールを組むことになり、人事部にとっては大きな痛手となってしまいます。

突然の離職よりはリスクが低い

とはいえ、デメリットばかりではありません。入職後に急に退職されることと比較してみると、内定の時点で辞退された方が影響が少なくて済むことも事実でしょう。突然の退職となると、担当になっていた仕事の割り振りや、社内での説明が必要となります。また急な担当者変更は、企業としてはよくないイメージを持たれることもありますね。事務的なこととしては、健康保険の手続きや離職票の発行などの事務手続きなどが発生することで、コストもかかってきます。

内定辞退の主な種類

内定通知書を受け取ってすぐの辞退

内定通知書を受け取ってすぐの辞退の場合は、同時期にいくつもの企業から内定をもらったことが予想されます。この場合は優秀な人材で引く手数多であることも多く、一概に人選自体が間違っていたとは言いにくいでしょう。日本での滞在期間に複数の企業に対して就職活動をしていた場合、特に起きやすい傾向です。内定辞退までの期間が短いほど新しい人材発掘にかける時間を取ることができるので、気を取り直して新たな人材を探すことにシフトした方が良いと言えるでしょう。

一定期間を置いて内定辞退が起きた場合

内定後にメールや研修などで、コミュニケーションを取り続けていたにもかかわらず、内定辞退が出ることもあります。この場合、何がいけなかったのか。担当者のせいなのか。辞退になる前にできたことはないか。と、反省だけに気持ちを取られてしまうものです。とは言っても外国で働くことに対する一時的な不安や、周囲の人からの情報によって、迷いが出ているだけの場合もあります。プライバシーに関わらない範囲で確認を取り、対応を検討してみても良いでしょう。

入職間際の突然の辞退

入職まで1ヶ月を切っての内定辞退ともなると、担当者としてはさすがに心が折れてしまいます。これまで密に連絡を取ったり直接会って話をしてきたことが、すべて水の泡になってしまいますね。理由としては、寸前になって渡航が怖くなってしまったことや、新しい土地や職場での自分の姿がイメージできていないことが考えられます。時には、入職に必要な資金に問題があることもあるでしょう。いろいろな予想を立てつつ、内定辞退を避ける工夫が必要ですね。

内定辞退の対処法

自国以外での生活経験や就業経験の有無の確認

内定辞退を予防するための、7つの手立てを紹介しましょう。まず1つ目は、面接時に自国以外での生活経験や就業経験の有無を確認することです。確認した内容が内定の結果に直接影響しない場合でも、経験の有無によってアプローチを選択することができます。経験がある場合はある程度日本での生活等のイメージができるため、仕事内容や社内での将来的な見通しについて情報を提供することが有効です。また、経験がない場合は、希望と不安のどちらが強いかを確認しながら、求職者に合わせたこまめな情報提供が有効と言えるでしょう。

日本での生活のイメージができているかの確認

2つ目は、日本での生活を具体的にイメージできているかどうかの確認です。日本での生活経験の有無に関わらず、今回の入職によって起きる環境の変化や生活サイクルの想定、経験で慣れていくことと努力によって獲得していく必要があるスキルを整理します。特に日本の物価の高さやゴミ出しの細かさ、通勤時の満員電車や駅の状態などは外国人にとってはストレスになりやすいものです。仕事を始めるまでの期間にある程度知識として伝えておくことで、内定辞退を予防することができるのではないでしょうか。

趣味や目標など本人の価値観を把握する

3つ目は、求職者自身の趣味や目標など本人の価値観を把握しておくことです。特に趣味については、入職後も続けることができるための環境づくりを手助けすることもできるでしょう。入職に対しての不安が大きくなる前に、前向きな内容のコミュニケーションをとっておくことで、内定辞退を防ぐことが可能になります。そして求職者の趣味や目標等をもとに、本人が大切にしている価値観を事前に把握しておくことも有効です。そうしておくことで、失敗が続いて落ち込んでいる時や、目の前のことで頭がいっぱいになった時にも、有効なコミュニケーションをとることができるでしょう。

内定者の懇親会を開く

4つ目は、内定者懇親会を開催することです。社員による心温まる企画や、社内の状況がわかる動画の上映などの工夫を凝らし、この人たちと一緒にこの会社で仕事をしたい。という気持ちを持ってもらうことが重要です。入国前の場合は、スカイプなど顔の見える方法でコミュニケーションを取るようにしましょう。企業や一緒に働く仲間への安心感と入職後の希望、そして同期のメンバーとの仲間意識の芽生えによって、内定辞退を防ぐことができます。ただし、企業側の気合が入りすぎて暑苦しいと感じられることもあるので、相手に合わせた距離感は持つようにしましょう。

新人研修の日程や内容はお早めに

5つ目は、新人研修の日程や内容を早めに伝えることです。早めに内定が決まった人ほど「内定はもらったけれど、入職まで時間もあるしその間にもっといい条件の企業があるかもしれない」という気持ちを持ちやすいものです。昨年度以前の実例でもいいので、新人研修のおおよその時期や内容を伝えておくことで、入職後のイメージと自分自身の心構えができます。企業として、あなたが入職してくることを心待ちにしていますよ。というメッセージにもなりますので、なるべく早めに伝えておくと良いでしょう。

メンター制度を早めに始動する

6つ目は、社内でメンター制度を設けなるべく早めに始動することです。メンター制度とは新入社員に対して、年齢や社歴の近い先輩社員が助言する制度のことです。同じ連絡が来るにしても企業の採用担当者からの場合と特定の誰かからでは、求職者としては印象が大きく違いますね。特に外国人雇用の場合は、日本人では思いもよらない質問や疑問を持っていることもあります。ごくプライベートなことや、日本人にとっては生活の中で当たり前のこともあります。メンターになる予定の人が、求職者の状況と情報を把握しつつ人として関わることで、内定辞退を防ぐことにつながるのではないでしょうか。

会社の情報を具体的に伝える

7つ目は、会社の情報を具体的に伝えることです。対象の求職者が、自社の何に惹かれて働くことを選択したのかによって、欲しいと思う情報は異なりますね。社風が気に入っている。自国で人気がある商品を作っている。自己成長ができる会社だと思っている。など求職者によって、入職の動機は様々と言えますね。相手の価値観に合わせ、効果的に情報を伝えることを意識しましょう。そうすることで求職者にとって本当に必要な情報が手に入り、会社への印象もさらに良くなっていきます。

外国人の前に一人の同僚予定者として関わること

今回は外国人雇用の内定辞退についての説明と、予防するための7つの方法を書きました。日本の学生との共通点もあれば相違点もあり、それぞれ対処法がありましたね。とはいえ、採用側が忘れてはいけないことは「外国人である前に一人の人間」であることです。歓迎される気持ちや丁寧な関わり、そして個人を尊重されることに国籍や生まれた土地の事情はあまり関係ないように思います。一緒に働く仲間として受け入れるために準備でいることとしては、自社のことをよく知り計画性と実効性を持つことが大切ですね。そして継続的に関わることで、内定辞退という状態は起こさずに済むのではないでしょうか。

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