メタ認知とは【2つの分類やメタ認知が高い人の特徴などを解説します】

記事更新日:2023年07月28日 初回公開日:2023年07月28日

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社会人には、社会人基礎力といった考える力やチームで働く力だけでなく様々な能力が求められています。さらに仕事力を上げるための重要な力として、メタ認知が重要視されてきています。メタ認知が高い人は問題解決力が高いため、業務効率向上を行うことが出来ます。人材確保が年々困難になっている中、メタ認知が高い人材は企業にとっても欠かせない人材となります。メタ認知とは何か、メタ認知を高めるためにはどうすればいいのかについて解説していきます。メタ認知について知りたい人は、参考にしてみてください。

メタ認知とは

自分の認知活動を客観的にとらえること

メタ認知とは、自分の認知活動を客観的に捉える事です。メタとは「より高次の」という意味を持っています。メタ認知は心理学で使われる用語で、1970年代にアメリカの心理学者ジョン・H・フラベルが提唱しました。メタ認知は、自分自身が行っている行動や考えそのものを認知の対象にして、自分自身を客観的に認識する能力のことです。メタ認知能力が身についていることで、自分自身を客観的に判断することが出来るため、課題解決や戦略の選定を自分で行うことが出来ます。

メタ記憶という言葉が基本となっている

メタ認知とは、メタ記憶という言葉が基本になっています。ジョン・H・フラベルによってメタ記憶が提唱され、時代が進むごとにメタへの概念が研究され「メタ理解」や「メタ注意」という言葉に変化していきました。メタの概念の起源となっているのが、古代ギリシャのソクラテスが提唱した「無知の知」です。無知の知は知らないことを自覚しているという哲学の出発点と言われており、「自分の知らないことを認知している」という考えがメタ認知に繋がっています。

メタ認知が重要な理由

物事の全体を客観視して思考できる

メタ認知が重要な理由は、物事の全体を客観視して思考できる点です。客観的な視点を持てることで、自分自身を第三者的視点でみるだけでなく周囲の状況を俯瞰的に観察し、常識に捉われることなく本質を見極める事にも繋がります。ビジネス上での課題は、様々な要因が複雑に絡み合っている場合が多く単純に解決できる場合は殆どありません。また可視化されていない部分にこそ、問題の本質となっている場合もあります。そういった状況では状況判断を冷静に行い、全体を把握することが大切です。

自己理解の必要性が高まっている

メタ認知は、自己理解の必要性が高まっていることから重要視されています。周りからの影響ではなく、自らの考えで選択を行うためには自分のことをしっかりと理解しておくことが必要です。自己理解とは、今まで経験してきたことの振り返りを行い自分の価値観や行動を深く知り納得して受け止めている状態を言います。その為にも、自分とは何なのかを洞察する力が求められます。メタ認知は自己理解の手立てとなる一つの方法です。その為、ビジネスにおいてメタ認知が重視されています。

協調性を高める際に不可欠である

協調性を高める際に不可欠である為、メタ認知が重要視されています。職種・業種を問わず業務を行う上で、自分1人で業務を完結させることは殆ど出来ません。社内外で立場の違う人と信頼関係を築く為には、協調性は欠かせません。メタ認知の中には、他者の認知についての知識もあり他社を注意深く観察し理解するという特徴もあります。メタ認知を身に着けることで、周囲の人と適切な距離を保つことが出来るようになり自分の置かれている立場をしっかりと認識することが出来ます。そういったことから協調性を高めることに繋がる為、協調性を高めるにはメタ認知が不可欠とされています。

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メタ認知の2つの分類

メタ認知的知識

メタ認知的知識とは、自分自身について知っている知識を指しています。メタ認知的知識は人・課題・方略にかかわる知識に分かれています。人に関わる知識とは人の認知特性に関する知識で、こういう状況で自分はマイナス思考になりやすいといった知識です。課題に関しては、長時間の作業はミスが起こりやすくなるなど課題事態に関しての知識です。方略は課題解決の方法についての知識で、図にすると解決策が見えやすいといった知識です。メタ認知的知識があったとしても、メタ認知が高いとは言えません。

メタ認知的技能

メタ認知的技能とは、メタ認知的知識を把握して今の自分がどうなのか認識したり対策を講じたりする知識です。メタ認知的技能はモニタリングとコントロールの2つに分かれています。モニタリングとはメタ認知的技能の知識を活かして自分の認知活動に照らし合わせを行い客観視を行う事です。認知は正常か悪い方向かを確認した上で、感情をコントロールし改善に向けて行動を変えて工夫する事をモニタリングといいます。メタ認知的技能はメタ認知的知識の応用で、メタ認知のスキルとしてはメタ認知的技能の方が重要とされています。

メタ認知が高い人の特徴

冷静な判断の上で行動ができる

メタ認知が高い人は、冷静な判断の上で行動を取ることが出来ます。高いメタ認知を持っている人は、自分の感情や考えを常に冷静に判断している為、感情に任せて行動を起こすことが殆どありません。他人に腹が立つことを言われた場合は誰でもイライラしてしまい、イライラすることにメタ認知度が高い・低いは関係ありません。メタ認知が低い人は自分が怒りの感情を持っていることを認識せず、感情のままに行動します。メタ認知度が高い人は、自分が怒っている事を自覚している為冷静に判断することが出来ます。

物事の本質を捉える能力に長けている

メタ認知が高いと、物事の本質を捉える能力に長けています。自分が何を考えているのかを常に観察することによって、生産的な考えの元行動を起こすことが出来ます。メタ認知が低い人は、自分の行動や考えに無頓着な人が多く物事の本質を辿らず深い思考を行わない為、浅い部分のみでしか認識することが出来ません。物事の本質を捉える事が出来るようになると、業務の本質を考えるようになり無駄な事が減る為、業務の生産性も高めることに繋がります。

自分の強みや弱みを理解している

自分の強みや弱みを理解している人は、メタ認知が高い人です。メタ認知が高いと、自分がどのようなときにどういったことを考えているのかを知っています。強みを理解していることで、業務に生かすことが出来るだけでなく苦手や弱点を理解していると、それを補う事にも繋がります。メタ認知が低い人は、自分のことについて深く考える事がないため、自分自身のことについてしっかりと理解できていません。その結果、非効率にに繋がってしまいます。

メタ認知能力を高める方法

セルフモニタリング

メタ認知能力を高める方法として、セルフモニタリングがあります。セルフモニタリングとは、普段無意識に行っている行動や考えに対しての気づきを得ることが出来るトレーニングです。「今の状況」「思考」「気分」「行動」「身体の反応」の5つの観点から、改善したい自分の行動などをモニタリングしていきましょう。5つの観点からモニタリングを行う事で、その時の自分の状況や感情を分析することが出来ます。セルフモニタリングを行う事で、気持ちを落ち着ける方法などにも気づくことができ、感情をコントロールすることに繋がります。

瞑想

メタ認知を高めるには、瞑想を行いましょう。瞑想は、マインドフルネスのトレーニングとしても注目されています。マインドフルネスとは、自分自身に意識を集中させ、いまの気持ちや身体状況をありのままに受け入れることです。瞑想の効果やメリットに注目する企業が増え、多くの企業で瞑想を取り入れています。瞑想は様々な方法で取り入れることが出来ますが、最も取り入れやすいのは歩行瞑想法です。歩行瞑想法を取り入れることで、通勤中や休憩時間にも簡単に取り入れる事が出来ます。

認知療法

認知療法も、メタ認知能力を高める方法です。メタ認知を高めるためにトレーニングを行っても、自分の行動をすぐ客観視することは簡単ではありません。自分で客観視出来ない場合は、第三者からのコーチングを受ける認知療法も一つの方法です。第三者から観察してもらうことで、自分のことについて気付くきっかけになりモニタリングについても理解がしやすくなります。但し、認知療法には専門的な技術と知識が不可欠の為、コーチングを専門にしている人に頼むようにしましょう。

メタ認知能力を高めるメリット

人間関係の構築がしやすくなる

メタ認知能力を高めることで、人間関係の構築がしやすくなります。メタ認知が高まっていくと、相手を不快にさせる言動はなかったか・自分本位になっていなかったかと自分の行動を客観的に判断して見直すことが出来ます。その為、あらゆる場面で相手に与える影響や相手がどう思っているのかを判断し、より良い結果にするために適切な行動を選択する事へと繋がります。その結果、相手が変わっても程よい距離感を保つことが出来るようになり、人間関係の構築がしやすくなります。

仕事の処理能力が向上する

メタ認知能力を高めると、仕事の処理能力が向上します。メタ認知は、ミスが起きた際に客観的に原因を分析して改善ができ、効率が悪い場合には積極的に効率化を図るなど自分の特性に合わせて優先順位を付ける事が出来ます。業務を進行するための計画を立てる時に、特性を理解した上で最適な進め方を取り入れられている人もメタ認知能力が高い人です。メタ認知能力が高い人は、自分が仕事をしやすい状況を作るのが上手い為、他の人よりも早く仕事を終わらせることが出来ます。

変化に柔軟に対応できるようになる

変化に柔軟に対応できるようになるのも、メタ認知能力を高めるメリットです。仕事上だけでなくプライベートでも変化は付き物です。メタ認知能力を高めることで、変化を客観的に捉えることが出来ます。変化に対して、自分がどういったことを感じているのか・その変化にどのように対応していくのかを冷静に分析することができ、柔軟性と対応力を高めることにも繋がります。変化に対応出来るようになると、新しいことに積極的に挑戦して生長することもメタ認知能力を高めるメリットです。

自己成長に繋がる

自己成長を行うためにも、メタ認知能力を高める事が大切です。メタ認知は自分の得意・不得意、自分が成長するために何が必要なのかを分析することが出来ます。自分の行動や思考を見直しを行い、客観的に把握することで足りない部分を補うことが可能です。日頃から自分が何を求めているのか、どうやって成長していくのかを理解しておくと今からの行動を取捨選択していくことが出来ます。取捨選択が出来る事で、自分が進みたい道に向けて迷うことがなくなり自己成長に繋がっていきます。

まとめ

メタ認知能力を高めて仕事に活かそう

メタ認知が高い人の特徴やメタ認知を高めるメリットについて解説しました。自分のことを客観視できる人は感情や行動をコントロール出来るため、常に冷静な判断を行い状況に合わせた対応をしています。メタ認知が高い人は、物事の本質を捉えて行動しているので効率よく生産性の高い仕事を行っています。コミュニケーション能力も高まる為、社内外問わずに人間関係を構築する事も可能です。今メタ認知が高くない人でも、瞑想やモニタリングで高める事が出来ます。メタ認知能力を高めて仕事に生かしていきましょう。

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