KITASとは【取得するメリットや流れをご説明します】

記事更新日:2022年01月28日 初回公開日:2021年11月08日

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インドネシアは、人口も多く天然資源も豊富なことから、ビジネス進出をする日本企業が増えています。また、バリ島など代表的なリゾート地を有しており、移住地としても人気の国です。日本で働く外国人がビザや在留資格を持つように、日本人がインドネシアでビジネスを始めるためには、様々な許可証を申請することが必要です。実は、インドネシアの法律や、許可証の申請方法はとても複雑です。インドネシアに滞在するには、まず「KITAS」という在留資格が必要です。今回はKITASをはじめとした、インドネシアに住んで働くために必要な許可証や、その申請について詳しく解説していきます。

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KITASとは

インドネシアにおける一時滞在許可証のこと

KITASとは、インドネシアに居住するための許可証のことで、正式には「暫時居住許可証」と言い、1年間を有効期限とした一時滞在許可証です。有効期限の更新はインドネシア国内で行うことができ、最大4回、最長5年まで延長することが可能です。5年を超えての滞在はできないため、一度出国してKITASを取得し直す形になります。KITASは長期滞在を目的とした在留資格のため、長期滞在ビザを取得した後にKITASを申請します。

KITASとビザの違い

KITASは居住するための許可証

KITASはインドネシアに居住するための許可証のことを指すのに対し、ビザはインドネシアに入国するための許可証です。そのため、ビザのみでインドネシアに長期滞在したり、就労を行うことはできません。日本でも外国人の入国及び長期滞在にはビザと在留資格が必要であり、KITASは在留資格にあたります。インドネシアに長期滞在する場合は、長期滞在ビザを取得後、KITASを取得する流れで手続きを行います。KITASの取得には、就労や留学を目的とした長期滞在ビザを取得することが前提となります。

KITASとKITAPの違い

KITAPは定住許可証

KITAPは常時居住許可証となります。KITASが1年間の居住許可証であるのに対し、KITAPはインドネシアでの5年間の居住を許可する在留資格になります。常時居住許可という位置づけから、永住権に相当する許可証となりますが、有効期限は5年間のため、5年を超える長期滞在には更新手続きが必要になります。こちらもKITASと同じく、KITAPのみで就労することは認められませんので、就労ビザの取得が別途必要です。

KITASとITASの違い

ITASはオンライン証明

KITASのKは、カードの意味を指し、KITASとはカードタイプの在留許可証のことを言います。現在では、このカードタイプの許可証は廃止され、オンラインシステムへの登録で許可を行います。このオンラインでの許可証をITASと言います。KITASもITASも同様の機能を持っていますが、カードタイプかオンラインタイプかの違いと覚えておきましょう。ITASを発行された場合は、パスポートにオンラインスタンプが押されたPDFデータが届くので、そちらを常に携帯しておくことが義務付けられています。

KITASを取得するメリット

長期滞在できる

KITASのみで長期滞在はできませんが、目的に合ったビザと組み合わせることで1年間の長期滞在が可能となり、最長5年まで滞在期間を延長することができます。5年以上の滞在はできないので、ビザとKITASも再取得を繰り返すか、KITAPに切り替えることで永続的にインドネシアに居住することが可能です。ビザを取得し、入国後およそ2週間~1ヶ月程度でKITASが発行されます。そのため、すぐにでもビジネスを始めたい場合には、余裕をもって申請をしておきましょう。

現地で口座開設や免許取得が行える

KITASを取得すると、銀行口座の開設や、運転免許の取得が可能です。銀行口座を開設する場合、インドネシア人の保証人が必要になりますが、KITASを持っている場合は、保証人なしでも銀行口座の開設が可能です。バイクや運転免許の取得に関しては、KITASと同じく1年有効の免許しか取得できませんでしたが、5年有効の免許が取得できるようになりました。銀行口座も運転免許も、インドネシアでの生活に必要な生活基盤となるため、ぜひ利用しましょう。

土地を購入することができる

KITASの取得で土地を購入することもできます。正確には、購入した土地の所有権ではなく、最長80年という期限付きの土地使用権となります。期限付きではあるものの正式に土地の使用者として登記簿登録されます。80年という長期的な使用権になるため、実質土地所有者といっても遜色ありません。しかし、土地の使用権はKITASなどのように更新することができないため、元の所有者や国に返還したり、売却するなどして手放す必要があります。

インドネシアで働くための必要な5つのステップ

外国人従業員雇用計画書の提出

外国人雇用をするインドネシアの企業は、外国人雇用計画書(RPTKA)の提出が必要になります。インドネシアでは、外国人が働くために、会社などの組織に属さなければなりません。インドネシアでは外国人が就業できる職種が限られ、取締役などの経営陣や、マネージャーなどの管理職系の職種のみ認められています。反対に、現場作業などをすることができません。そのため、現場作業にはインドネシア人を雇用しなくてはなりません。職務内容や賃金、教育計画などを記載したRPTKAを労働移住省に提出する必要があります。

ビザ発給推薦状の申請

RPTKAの認可が降りたら、労働移住省から入国管理局に対し、ビザ取得のために必要な推薦状の発行を申請します。これは、就労しようとする外国人がインドネシア国内で業務を行うための経験値や能力、学歴を持つことを証明するためのものです。申請にはRPTKA承認証のコピー、履歴書、卒業証明書が必要です。申請後、労働移住省から就労のためのビザ推薦状が発行されますが、起業の場合には投資家ビザ、既存の会社に雇用される場合は就労ビザなど、目的に合ったビザを取得する形になります。

一時居住ビザの申請

ビザ発給推薦状の申請を待つ間、ビザ発給許可書(VTT)の申請も同時進行で行いましょう。労働移住省から入国管理局にビザ発給推薦状が送られ、ビザの発給許可が下りると、在日インドネシア大使館にVTTが発行されます。その後、大使館で必要な手続きを行い、一時居住ビザを取得します。一時居住ビザが発行されたら、90日以内にインドネシアに入国しないと無効になるので、必ず入国できるように余裕をもって準備しておきましょう。

外国人就労許可の申請

VTTが発行されたら、外国人就労許可(IMTA)の申請を行います。外国人就労者1人につき、月額100ドルかける就労期間分を指定銀行へ納めます。これを「外国人労働者利用補償基金」(DKPTKA)と言い、指定銀行への入金を終えてからIMTAを申請する流れになります。IMTAには就労を許可されている場所が記載されており、雇用主である企業の所在地や、支店、担当する現場などが記載されています。IMTAに記載のない場所では就労が認められません。IMTAを持っていればインドネシアのどこでも働けるというわけではありませんのでご注意ください。

一時滞在許可の申請

一時居住ビザを取得後インドネシアに入国したら、7日以内に入国管理局に赴き、一時滞在許可(KITAS)とマルチ出国再入国許可(MERP)の申請手続きを行います。KITASは更新をすれば最長5年間の滞在ができますが、あくまで一時滞在のビザであるため、出国すると効力を失ってしまいます。このような不都合を防ぐため、KITASの有効期間内はいつでも出入国できるようにマルチ出国再入国許可(MERP)を取得しましょう。MERPの有効期限もITASと同じく1年間で、自由に出入国することができます。

KITASを取得する流れ

長期滞在用のビザを申請する

KITAS取得に際し、長期滞在を目的としたビザを持っていることが前提となります。ビザを持っていなければ、インドネシアに入国することができませんので、長期滞在のビザを先に申請しておく必要があります。働くことを目的とした場合には就労ビザを取得する必要があり、最長一年間の暫時的な滞在が許可されます。就労ビザでは、特定の専門分野の労働を行うことが許可されます。例えば、工業技術の発展における指導や調査、医療やコンサルなど対価を支払われる専門的な分野での活動といった内容です。

入国後一週間以内に入国管理事務所で申請する

インドネシアに入国したら、一週間以内に入国管理局にKITASの申請を行ってください。申請を行う際、書類の作成のみではなく写真撮影や指紋登録、電子印登録なども行います。写真は、日本で撮った証明写真ではなく、入国管理局で撮影したものを使用します。KITAS申請時にもやることがかなり多く複雑なため、時間がかかることもあります。事前に下調べを行い、スムーズに申請が済むようにしっかりと準備をしておきましょう。

延長の際も同じ流れで行う

KITASの延長は取得時と同じ流れです。RPKTA延長、IMTA延長、 KITASの順で延長手続きを行います。新規手続きよりも手続き自体は簡単で済みますが、KITAS更新はインドネシア人の保証人の協力が必要なため、前もって保証人依頼をしておきましょう。KITAS延長にはRPKTAとIMTAも延長する必要があるため、遅くともKITAS有効期限の2ヶ月前にはRPKTAの延長に着手し始めた方が良いでしょう。

KITASを取得するときの注意点

延長は4回までしかできない

KITASは有効期限1年間で、最大4回更新すれば、最長5年まで滞在期間を延長することができます。ただし、4回以上の更新はできないため、5年以上の滞在には一度出国して、ビザの取得からやり直す必要があります。もしくは永住権的な位置づけであるKITAPに切り替える方法もあります。KITAPに切り替えれば、一度の取得で5年の滞在が許可されます。インドネシアで長く働く場合には、KITAPに切り替えた方が良いでしょう。

選挙権は得ることができない

KITASを取得すると、銀行口座開設や運転免許の取得ができるようになりますが、選挙権を得ることはできません。永住権的な位置づけであるKITAPを持っていたとしても、インドネシアでは外国人が選挙権を持つことは認めていません。インドネシアでの選挙に投票するには、帰化申請をしてインドネシア国籍を得ることが必要になります。インドネシアは二重国籍を認めていませんので、帰化する場合は日本国籍を手放すことになりますので、よく考えてから帰化申請をしましょう。

まとめ

KITASを申請してインドネシアで働こう

今回はインドネシアに滞在するための許可証であるKITASについて解説してきました。インドネシアに住みながら働くためには、様々な手続きが必要です。また、法律も非常に厳しく、それらの申請方法やルールが頻繁に変わることもあります。一人で行うのは非常に困難な手続きのため、現在の法律や手続きに詳しいエージェントや、代行会社に頼むのが一般的です。就労に関わるビザの取得も必要になりますので、KITASをはじめ様々な査証をスムーズに取得し、インドネシアでのビジネスを成功させましょう。

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