マネジメントサイクルとは【さまざまな種類とその特徴などについて解説します】

記事更新日:2022年08月23日 初回公開日:2022年08月23日

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PDCAサイクルやマネジメントサイクルという言葉をよく耳にする方もいるのではないでしょうか。業務を効率的に行っていく上でマネジメントサイクルは欠かせません。現在では様々なマネジメントサイクルが存在していますが、全てにおいて実行と改善を繰り返していくという点は共通しています。今回はマネジメントサイクルの種類や活用する際の注意点などについて解説していきます。業務の効率化を目指している社員やマネージャークラスの人は是非参考にしてみてください。

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マネジメントサイクルとは

目標を達成するためのシステム

マネジメントサイクルとは、目標を達成するためのシステムです。企業が更に成長していくためには「目標を達成するためにどのように業務を回していけば効率が上がるか」ということを検討する必要があります。その検討を行う際にマネジメントサイクルを活用します。立てた目標や目的に対して、達成するための行動を行いその行動に対して評価をし評価を行った上で次の計画を立てます。マネジメントサイクルはこれら一連の流れを管理するシステムであり、改善を促す方法です。一度で終わりではなく継続することで改善や効率化を図ることが可能です。

マネジメントサイクルの目的

無駄な作業を省くこと

マネジメントサイクルの目的は、無駄な作業を省くことです。企業が持っているリソースには限りがあり、その限られた時間やコストの中で目標を達成しなければいけません。マネジメントサイクルを活用することで計画から実行までの見える化を行うことができ、目的達成までの最短距離を導き出すことが出来ます。サイクルを回していくと精度が高まり時間の短縮も可能です。目標までのルートを明らかに出来ることで無駄な作業をせずに済むのです。

マネジメントサイクルの例

PDCAサイクル

マネジメントサイクルのひとつにPDCAサイクルというものがあります。PDCAサイクルはマネジメントサイクルの代表例としても使われるため、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。PDCAサイクルは「Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)」の4つの工程を活用して業務管理を行います。PDCAサイクルは短期間でサイクルを回していくため、業務改善を図れます。計画が非現実的なものになってしまうと次のサイクルが回りにくくなるので、注意が必要です。

OODAループ

OODAループもマネジメントサイクルのひとつです。OODAループは「Observe(観察)・Orient(仮説構築)・Decide(意思決定)・Act(実行)」の4つから構成されています。PDCAでは業務改善が目的になるのに対し、OODAは意思決定が目的です。自分や相手の状況などの現状を踏まえた上で最善の判断は何かを考えて、決定した後に実行に移します。ループという言葉がついている通り、繰り返し行いながら精度を上げ最善の解決策を見つけ改善サイクルを継続的に回すことが大切です。

CAPDサイクル

CAPDサイクルも、マネジメントサイクルの中のひとつです。CAPDサイクルは「Check(評価)・Action(改善)・Plan(計画)・Do(実行)」で構成されています。PDCAと4つのステップは同じではあるものの、順番が異なっています。最初に評価や分析を行います。計画に移る前に改善を行ってから行動に移すことでスムーズに改善を行うことが可能です。CAPDサイクルでは事前に評価や分析を行い現状を把握した上で、計画に移せることで改善を行いやすくなります。

PDRサイクル

マネジメントサイクルにはPDRサイクルが含まれます。PDRサイクルは「Preparation(準備)・Do(実行)・Review(評価)」の3つで構成されています。PDCAサイクルよりも少ない過程で進めることが出来るため、変化や問題にすぐ対応することが可能です。PDRサイクルはOODAループと同様に計画がなく、実行を中心としたマネジメントサイクルです。PlanではなくPreparationとしているため簡略化したマネジメントサイクルになっておりスピードを重視しています。その為事前にしっかりとした計画が必要な場合などには向いていません。

PDSサイクル

PDSサイクルもマネジメントサイクルのひとつです。PDSサイクルは「Plan(計画)・Do(実行)・See(評価、見直し)」の3つのステップで構成されています。組織として共通の目的を明確にした上で、目的達成のために計画を立案します。その計画に沿って業務を実行し、結果に基づいて評価や見直しを行うサイクルです。PDCAサイクルとは異なり計画を良くするよりも実行の効果を高めることに重きを置いています。PDSサイクルを上手く活用するためには、最適な方法を反映した計画がしっかりと出来上がっている場合でなければ効果の発揮が難しいということに注意が必要です。

STPDサイクル

STPDサイクルは現状認識から始めるマネジメントサイクルです。STPDは「See(見る・認識する)・Think(考える)・Plan(計画)・Do(実行)」で構成されます。STPDサイクルはPDCAサイクルよりも小規模なサイクルを早く回すことが出来ます。しかしCheckやActionのプロセスが存在しません。認識や考察のプロセスに基づいて立案や実行を行いますが、その立案や実行が正しかったのかを把握するプロセスは含まれていないので、評価や改善のプロセスを意識的に補う必要があります。

マネジメントサイクルを取り入れるメリット

短期間で結果が出やすい

マネジメントサイクルを取り入れるメリットは、短期間で結果が出やすいという点です。マネジメントサイクルは目標を達成するためにサイクルを継続して回すことが重要です。サイクルを回す中で失敗することも勿論出てきますが、繰り返しチャレンジを続けます。マネジメントサイクルを行うことで無駄の可視化や改善が行えるため、短時間で検証することが出来ます。実際に業務を行う際にも目標や目的に向けて業務を進められるため、目的を失うことなく業務に集中でき短いスパンで結果を出すことが可能です。

グループで進捗確認ができる

グループで進捗確認が出来るのもマネジメントサイクルを取り入れるメリットです。マネジメントサイクルは継続して行う取り組みのため、考え方を理解していればすぐに実行できるものでもありません。一人一人が自分でマネジメントサイクルを回すことで目標を明確化することが出来ます。目標を明確化することで誰が見てもすぐに状況把握ができ、グループでマネジメントサイクルを回す際にもスムーズに進められます。

マネジメントサイクルを取り入れるデメリット

新しいアイデアが生まれにくい

マネジメントサイクルを取り入れると,新しいアイデアが生まれにくいというデメリットもあります。PDCAサイクルでは計画を立てて実行した業務に対しての評価を行い改善に移っていくため、前例的になってしまいがちです。以前に実行して成功した例に倣い計画を立ててしまうと新しいアイデアを考えなくなってしまいます。そのため、時代にあわせた新しいアイデアを取り入れる必要のビジネス戦略を取っている企業にとっては、マネジメントサイクルは活用しづらいと言えます。

サイクルを回すことが目的になってしまう場合がある

サイクルを回すことが目的になってしまいがちなのもマネジメントサイクルのデメリットのひとつです。立てた目標に対しての現状をしっかりと把握し、提出するレポートの形などに拘ってしまうとレポートを提出することが目的となってしまいます。レポート提出が目的となってしまうと改善するという意識が薄れて本質的なマネジメントサイクルが成立しなくなります。マネジメントサイクルを活用するという事はサイクルを回す事だけが目的ではないため、注意が必要です。

スピードや柔軟性に欠けるものがある

マネジメントサイクルを取り入れるデメリットに、スピードや柔軟性に欠けるという点が挙げられます。例えばPDCAサイクルではしっかりとした計画を立て、計画だけでなく改善や評価にも十分に時間を充てる必要があります。そのため製造現場等であればPDSサイクルを活用することは可能でしょう。しかしIT化が進んでおり早さが求められる場合や柔軟性を必要とする企業にとってマネジメントサイクルは時間を取られてしまうため合わない恐れがあります。

マネジメントサイクルの注意点

現実的な目標を立てる

マネジメントサイクルを行う上で注意すべき点は、現実的な目標を立てることです。設定した目標があまりにも現状からかけ離れたものになっていると、マネジメントサイクル自体の成立が難しくなります。それだけでなく従業員のモチベーションが低下してしまう恐れもあります。また目標が具体的なものではなく抽象的になってしまっていると計画をしっかりと立てることが出来ずに実行に移したとしても曖昧なまま終わってしまうかもしれません。このようなことを防ぐためにも、具体的な目標を立てることが大切です。

長期的に継続する

長期的に継続するのも、マネジメントサイクルにおいての注意点と言えます。マネジメントサイクルはそれぞれいくつかのステップで構成されています。ひとつのサイクルが終わったからマネジメントサイクルが終了するのではなく、上手くいかなかった点や次へ繋がる工夫など改善点を考えることも大切です。マネジメントサイクルは継続してサイクルをこなしていかなければ改善とは言えません。改善点が出てきた場合には行動に移して次に繋げていきましょう。

適正な評価と観察を行う

適正な評価と観察を行うということも、マネジメントサイクルにおいて注意すべき点です。マネジメントサイクルにおいて評価や改善・観察を適切に行うことはとても大切です。次のステップであるサイクルに向けた準備も兼ねているため、評価や観察などを疎かにすると先のサイクルにも影響を及ぼします。行動が計画に沿って行われているのか、出来ていない場合の原因はどこにあるのかなど今までの計画行動を振り返ります。適切なプロセスを行う為にも適正な判断が必要です。

マネジメントサイクルの活用事例

無印良品

マネジメントサイクルを活用している企業に無印良品があります。業績が低下していた時にどの店舗の店長が見ても売り上げを上げることが出来る「MUJI GRAM」というマニュアルを作成しました。これは店舗を制限せずにどの店舗でも活用できるPDCAサイクルを記しています。観察から立てた仮説は資料に用いる紙をA4用紙1枚に収めるというものです。資料が多くなればなるほど作成にかかる時間やコストがかかり実現までの敷居も高くなることからこの点を改善しました。

トヨタ自動車

トヨタ自動車もマネジメントサイクルを活用している企業のひとつです。トヨタのマネジメントサイクルは「トヨタ式5W1H」と呼ばれ、計画した案を行動に移すのが上手いとされています。トヨタ式の5W1Hは一般的な5W1Hとは違い、5回Whyを繰り返し最後にHowを考える特徴を持ったマネジメントサイクルです。5回Why(なぜ)を繰り返して考えることで具体的な課題でない場合においても問題の根本である原因を特定することができ、具体的な解決策を立てて問題解決が出来るとされています。

ソフトバンク

ソフトバンクもマネジメントサイクルを活用しています。ソフトバンクにおいてのマネジメントサイクルは高速でPDCAサイクルを回す手法です。具体的には複数の商品を一度に販売してその中から一番優れた商品を絞り出し、その商品に注力する手法を使っています。通常のPDCAサイクルではひとつの商品を出して売上が悪い場合は入れ替え再検証のサイクルが通常ですが、ソフトバンクは売れそうな商品を一度に発売してPDCAサイクルを一度に回します。このように一度に売れそうな商品を出して、売れ筋商品を短期間で絞り出すというのがソフトバンクのマネジメントサイクルです。

まとめ

マネジメントサイクルによって効率よく作業を行いましょう

マネジメントサイクルの種類やメリット・デメリット、実際に活用している企業の例などについて解説しました。マネジメントサイクルを仕組化して徹底していくことにより、効率的に企業の目標達成を行うことが出来ます。マネジメントサイクルを上手く回すためには、現状の企業が置かれている状況をしっかりと把握した上で現実的に達成できる目標を立てなければいけません。マネジメントサイクルは継続することが重要です。マネジメントサイクルを活用して効率よく作業を行っていきましょう。

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