ロジハラとは【起こりやすい場面についてもご紹介します】

記事更新日:2023年02月08日 初回公開日:2023年02月08日

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理屈で相手を追い詰める「ロジハラ」という言葉をご存知でしょうか。会社組織においても行われる行為で、新しいハラスメントとして話題となっています。相手を追い詰めるロジックは正論であるだけに厄介であり、受ける側では対応に苦慮することになるハラスメントです。ここでは「ロジハラ」の意味や特徴と、ロジハラの被害から逃れる方法やロジハラを行わないようにする対策などを詳しく解説いたします。ロジハラを受けて困っている方はもちろん、ロジハラの被害者を救済する役目を担う人事担当者の方はぜひ参考にしてください。

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ロジハラの意味とは

正論によって相手を追い詰めてしまうこと

ロジハラとはロジカル(ロジック)ハラスメントの略称で、正論で相手を追い詰めるという迷惑行為です。ハラスメントとは「嫌がらせ・いじめ」などのことを言いますが、言葉による暴力と言いかえることができます。ハラスメントは、加害者側に嫌がらせをする意識がなかったとしても、受ける側が不快であると感じるだけで成立します。強い立場にあることを利用して正論を押しつけることは、受ける側にとって不快であることは間違いなくハラスメントの1つと捉えることができます。

ロジハラの何が悪いのか

社員の精神状態を不安定にしてしまう

ロジハラは正しい理論で相手を説き伏せるものの、弱い地位にある社員の精神を不安定にする嫌がらせ行為となります。正論を用いて議論することは間違いではなく、会社において話し合う場合にはむしろ重要なことと言えるでしょう。問題なのは高い地位の人間から部下などの弱い立場の人間に対してロジックを展開するため強い口調や乱暴な言葉になり、相手を不快な気分にさせてしまうことです。受けて側は正論と地位が弱いため反論することは難しく、不安定な精神状態が続くと心身の病に発展することもあります。

張り詰めた職場環境になってしまう

ロジハラは社員の多くがいる面前で行われることが多く、職場全体が張り詰めた状態になってしまうのは大きな問題です。健全な職場では思ったことを提案して自由に指摘し合う状況を作れますが、ロジハラが何度も行われているような職場では自由に意見を交わし合うことができなくなってしまいます。いつも張り詰めた緊張感の中で仕事をしていたら息抜きもできずストレスばかりを溜め込むことになり、業務がはかどらないばかりか新鮮で柔軟な発想ができなくなってしまうでしょう。

ロジハラとエモハラの違い

押し付けるのが正論か感情かの違い

エモハラはエモーショナルハラスメントの略称で、ロジハラと比較されることも多い社内での嫌がらせ行為です。エモハラは感情的な言葉を使って相手を不快にするハラスメントであり、正論を武器にするロジハラとは真逆の位置にあると解釈されています。感情を正論でねじ伏せるのがロジハラで、正論を感情でねじ伏せる行為がエモハラと言いかえることもできます。ただしどちらも相手を不快にさせることに変わりはなく、武器にするのが正論か感情かの違いだけで、自身の地位を利用したパワハラと言えるでしょう。

ロジハラ上司の特徴

人の上に立ちたいというプライドがある

ロジハラをする人はプライドが高く、人の上に立ちたいという願望を持つ人が多いとされています。他人から指摘されることや指示されるのが嫌いで、自分が指示する上の立場を獲得することで安心感を得られます。ロジハラをする多くの人は虚栄心が強く、相手の上に立つことで満足感を得ようとします。最も大切な部下へ思いやりや正義感などは後回しにされるため、正論であっても受ける側は違和感を覚え不信感に変わることさえあります。部下は自分を満足させる道具ではないと肝に銘じておくべきです。

自分が正しいと思い込んでいる

ロジハラをする上司は正論を突きつけて攻めるため、自分は絶対に正しいと思い込んでいることが多いです。しかし理論の筋道が通っていたとしても、正しいことを言っているとは限りません。ものが見る角度によって違って見えるように、理論もある方向から見れば正しく見えますが、見方を変えれば現実に沿わないことも多くあります。また理論が正しくとも言い方や言うタイミングを間違えてしまうと、単なるいじめとなってしまうでしょう。いじめは正論であろうが会社での議論であったとしても正しいことではありません。

部下が無能であると決めつけている

ロジハラをする人の多くは、部下を見下して無能であると決めつけています。自分側の理論に分があり、部下がいくら反論しようとも自分はいくらでも正論で返せると思いあがっているものです。有能な部下であれば正論で返すこともあるでしょうが、これは上司の機嫌を損ねることになり逆効果です。正論を押しつける上司に対して正論で返して論破したときには、上司も相当に参るでしょう。ただし、これもまた逆ロジハラと捉えられることにもなるため、議論の際には相手の立場などへの配慮を忘れてはいけません。

相手の気持ちを考えるのが苦手である

ロジハラをする上司は相手の気持ちを考えることが苦手な人がほとんどです。相手の理論には耳を貸さずに自分の言う言葉ばかりを考えるため、相手への気遣いなどは皆無と考えるべきでしょう。自分の理論に陶酔することも多く、語気は荒くなり口調も乱暴になってきます。これは完全な自己陶酔です。議論を交わすことは、勝った負けたということではなく会社や部署として最善の判断をするために必要なことです。そのためには一歩引いて相手の意見にも耳を貸し、自分の意見が本当に最善の策であるのかを考える必要があります。

ロジハラが起こりやすい例

部下がミスをした場面

ロジハラは部下がミスをしたときにこそ起こりやすい特徴があります。仕事のミスはヒューマンエラーによって起こることが多いため、正論で攻めれば反論できないからです。立場の上下関係が優先すると考える上司は、ここぞとばかりに部下への指導と称して正論を浴びせるでしょう。ミスをした部下には特別な事情がある場合でも、上司は聞く耳を持ち合わせていないことがほとんどです。部下としてはミスによって気分が落ち込んでいるうえに、さらに正論攻めされることでストレスは増大します。

ミーティングや会議を行う場面

ミーティングや会議の席は、特にロジハラが起こりやすい場面です。理論を交わすことは自分の得意分野であり、自分よりも上の立場の人がいない会議などでは独壇場となる危険があります。被害に遭う人も一人だけでなく複数に及ぶこともあり、攻める側も自分に同調する人を加えて集団でのロジハラが展開されることも少なくありません。ロジハラをしないためには、ミーティングや会議は会社が発展する話し合いの場所であることを理解し、相手の意見も聞きお互いの意見を十分に吟味することが肝要です。

部下から上司への報連相を行う場面

会社にて部下から上司へ報告や連絡をする場面では、ロジハラが起こりやすくなります。悪い報告だけでなく良い報告をしても、好条件での交渉や交渉時間の短縮などを求められ、正論を交えて攻め立てられることがあります。部下側からすれば、報告だけでなく連絡や相談も含めた報連相全てがロジハラの対象となるため、迂闊な言葉は言えないと尻込みしてしまうでしょう。この状況に陥ったとしたならば、完全にロジハラのターゲットにされていることは間違いなく、解決策を見つけるしか道はありません。

ロジハラ防止のために気を付けること

まずは共感しながら話を聞く

ロジハラ対策には、相手の話をよく聞くことが大事です。自分が正しいと思い込んでいる人が多いため難しいとは思いますが、できれば相手の話に共感しながら話を聞いてあげることで社内の空気も温かく軽いものになるでしょう。そういった雰囲気の中で議論してこそミスの根底にある真相が分かり、失敗であっても会社や本人の財産となり得ます。部下からの話を良く聞いて十分に理解したあとに、冷静に自分の話をするように心がけるだけでも、ロジハラをすることは少なくなるでしょう。

言い方に気を付ける

ロジハラは正論をぶつけることに問題があるのではなく、言い方やタイミングが相手を不快な気分にさせて傷付けることになってしまいます。同じ意味の言葉でも優しい口調の言葉と、乱暴な言い方では受けとる相手の印象は全く違うものになります。ロジハラをする人の多くの人に、議論が白熱すると乱暴な言葉遣いになる傾向が見られます。中には普段から乱暴口調な方も多いため普通の会話から優しい言い方を心がけることをおすすめします。いくら良い事を言ったとしても、汚い言葉は相手の心に響きません。

正論が常に正しいとは限らないことを理解する

ロジハラをする人は正論だけが正しく、自分は正論を言っているのだから何の落ち度や間違いもないと思い込んで部下に押しつけます。しかし理論が正しくとも商談の相手などによって手法を変えないとビジネスが成りたたないことは上司も知っているはずです。絶えず変化する状況に対して、理想の正論だけでビジネスを成功に導くことは難しいでしょう。正論が常に正しいとは限らないことを理解し、部下には状況などを良く聞いたうえで最善と思える方法を柔軟な発想でアドバイスすることが大事です。

ロジハラの対策方法とは

ロジハラチェックを行う

ロジハラの対策方法のひとつとして、ロジハラチェックを行うということが挙げられます。ロジハラを防止するには、ロジハラをする人自身が「ロジハラをしているかもしれない」と気づくことが重要です。ハラスメントをする人の多くが、自分はハラスメント行為をしていないと思っています。いくらハラスメント対策を講じても、自分には関係がないと思っているようでは解決しません。アンケートなどを実施することによって、自分がロジハラをしているかもしれないということを自覚できるようにしましょう。

ハラスメントへの対応体制を整える

ロジハラは社内におけるいじめであり、いじめは相手を嫌な気持ちにさせるだけでなく、心身にも害を与える行為ですのでロジハラへの対応体制を整えるべきです。いじめからの脱却は容易なものではなく、相手が上司であれば尚更です。社内にハラスメント相談の窓口を設けることや、定期的なアンケートなども効果があります。ぜひ人事担当の方々が先頭に立ちハラスメントへの対応を十分に整備してくれることで、社内でいじめを受けている立場の弱い多くの社員が救われるでしょう。

まとめ

ロジハラを防止し働きやすい職場作りをしよう

ロジハラは部下や弱い立場の従業員をターゲットにした紛れもないパワハラ行為です。自分の立場を利用して相手を説き伏せる行為であり、たとえ言っていることが正論だとしても許される行為ではなく、会社自体にも悪影響を与えます。働きやすく建設的な意見が飛び交うような良い環境の職場を作るには、ロジハラが横行するのを見逃してはいけません。ロジハラ行為をする人もある意味では被害者であり、早めに対応することが大事です。ぜひ人事担当者の方などが率先して、ロジハラを防止して働きやすい職場を作り上げていきましょう。

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