労働生産性を向上させるには【日本の現状や事例についても解説します】

記事更新日:2024年03月07日 初回公開日:2024年03月07日

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少子高齢化によって労働人口減少が危惧されている中、企業として活用できる労働力は限られています。また働き方改革やワークライフバランスを重視する人も増えており、限られた資源(人材)を上手く活用していく必要があります。そういった観点から労働生産性向上を実現したいという企業も増えてきています。しかし単に労働生産性を向上させるといっても方法は様々あり、何から手を付けるべきなのか迷っている方もいるのではないでしょうか。今回は労働生産性向上について解説していきます。経営者の方は、参考にしてみてください。

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労働生産性とは

物的労働生産性

労働生産性には、物的労働生産性があります。物的労働生産性とは、投入した労働力に対して生み出すことの出来た成果を商品の生産量を活用して労働生産性を計算する方法です。生産量を労働者数で割ることで、1人当たりの労働者生産性を数値化出来ます。物的労働生産性は客観的に数値化しやすいことから、労働生産性を明示する場合に一般的に活用されている指標です。従業員の生産能力や生産効率の時系列を知りたい場合にも役立てることが出来ます。

付加価値労働生産性

付加価値労働生産性とは、労働量(投入した従業員数×時間)に対して付加価値をどれだけ生み出せているかを計算します。ここでいう付加価値は、売上から諸経費(材料費や運送費など)を除外して残った粗利の事です。企業を長く運営していくためには、高い付加価値をいかに効率よく生み出していくかが重要です。高い生産性を持っていても、付加価値が低ければ企業は存続していく事が出来ません。経営判断の参考にする場合は、付加価値労働生産性が活用されています。

日本の労働生産性の現状

世界と比べて日本の労働生産性は低い

日本の労働生産性は、世界と比べても低い数値になっています。2022年の労働生産性の国際比較において、時間当たりの労働生産性はOECD加盟38ヵ国中27位となっており、1人当たりの労働生産性は29位でした。この順位は主要先進国の中でも最下位となっているだけでなく、OECD 加盟38ヵ国の中でも1970年以降低い順位になっています。しかしあくまでも平均値であるため、全ての業種において低いわけではありません。

日本の労働生産性が低い理由

社内体制が整っていない

日本の労働生産性が低い理由は、社内体制が整っていない事が挙げられます。財務省が発表した平成30年度法人企業統計調査年報によれば、労働生産性は企業規模によって大きな差が出ていることが分かっています。リーマンショックにより、生産性は企業の規模を問わずに縮小していました。しかしリーマンショック以降、大企業の労働生産性は右肩上がりになっていますが、中小企業は低い水準のまま横ばいです。社内体制を整えられない企業が多いため、日本全体の労働生産性が低いといえます。

会社方針が適切でない

会社方針が適切でないのも、日本の労働生産性が低い理由です。従来から日本では仕事が時間内に終わらない場合は、残業をして終わらせるという考え方が浸透しており、今でも多くの企業に根付いています。諸外国と比べて、日本は労働時間が長いこともよく知られている事実です。効率化を図るという流れは最近になって取り入れる企業も少しずつ増えていますが、未だに根性論のような社風や方針を取っている企業が少なくありません。こういった思想が、労働生産性が低い理由の一つといえます。

労働生産性を向上させるメリット

人材不足に対応できる

労働生産性を向上させるメリットは、人材不足に対応できる点です。最近日本で益々問題になってきているのが、少子高齢化と労働人口減少です。労働水準が年々減少してしまうと、少ない人数で今と変わらない量の業務を行わなければなりません。企業が事業を継続し成長し続けていくためには、従業員個人の労働生産性の向上が必要不可欠です。日本経済を成長させていくためにも、人口に頼ったビジネスモデルから脱却する必要があります。

新規事業へ投資ができる

労働生産性を向上させることで、新規事業へ投資を行うことが出来ます。時間や工程などを効率化することが出来れば、従業員の労働時間を減らすことが可能です。労働時間が減ることで業務に掛かるコストも削減できます。人件費などのコストを削減できれば、浮いた分を他の必要な設備や商品開発などへ投資を行えます。新規事業への投資が可能になると、更なる付加価値の向上や利益向上に繋がります。付加価値を追加することが出来れば、企業の競争力向上の可能です。

ワークライフバランスが向上する

ワークライフバランスが向上するのも、労働生産性を向上させるメリットです。従業員一人一人の労働生産性が高まることで、業務が効率化され従業員一人当たりの労働時間を減らすことが出来ます。長時間労働や休日出勤が当たり前になった職場で、工夫を行い労働生産性を向上させることが出来れば、その分従業員はプライベートの時間を確保することに繋がります。ワークライフバランスを整えられることで、より意欲的に仕事に取り組むことができ、更なる労働生産性向上が可能です。

労働生産性を向上させるための方法

ペーパーレス化を推進する

労働生産性を向上させるための方法は、ペーパーレス化を推進することです。契約書や申請書を未だに紙媒体を使って運用している企業は少なくありません。デジタル化が進んでいない企業では、ペーパーレス化を行うための費用や時間がない場合もあるかもしれません。しかしペーパーレス化を行う事によって、書類作成などの事務作業を時間を減らすことに繋がります。事務作業を効率化し削減できた時間を、本来のコア作業に充てる事で生産性を高める事が可能になります。

業務の見える化を行なう

労働生産性を向上させるためには、業務の見える化を行うようにしましょう。従業員が行っている業務について、しっかりと把握できていると思っていても業務の細部まで把握することは簡単ではありません。生産性を上げるためには、従業員が行っている業務をリスト化してもらい可視化することが重要です。見える化することで、部署間や担当者の間で重複している業務や時間が掛かっている業務を把握し、改善へと繋げることが出来ます。効率化を図ることで、生産性向上に繋がります。

業務の自動化を推進する

労働生産性は、業務の自動化を推進することで向上させることが出来ます。デジタル化を行い定型的な業務を自動化することで、従業員の業務負荷を軽減させ労働生産性向上に繋がります。定型的な業務を手順通りに行う事も重要ですが、定型化されている物は中々生産性向上に繋がりません。定型化されていても、人間であればミスをしてしまう事もあります。そのため、こういった業務を人力に頼るのではなくデジタル技術を活用して自動化することで処理スピードが上がり、ミスの削減も可能です。

従業員のスキルアップに力を入れる

労働生産性の向上は、従業員のスキルアップに力を入れる事で高める事が出来ます。業務に必要なスキルや資格を従業員が身に付ける事によって、作業スピードが上がり今まで取り組めていなかった業務にも取り組めるようになります。そしてスキルアップし、知識や経験が増えていくと従業員が自然と効率の良い方法を探し業務を行っていくようになります。スキルアップする時間を業務に充てたいという考えの企業もあるでしょう。しかし従業員がスキルアップすることで今までの同じ労働時間でより多くの成果を生むことが出来るようになります。

ビジネスチャットツールを導入する

ビジネスチャットツールを導入することで、労働生産性向上に繋がります。コロナウイルスの流行以降、テレワークを導入する企業も増えています。以前であれば対面でコミュニケーションが取れていた状況から一変し、相手の顔が見えない状況でコミュニケーションを取らなければなりません。そういった中でメールでもやり取りは行えますが、すぐに返事が来ないなど時間差が生じてしまい業務が滞ってしまう可能性もあります。ビジネスチャットツールを導入することで、スムーズにコミュニケーションが取れて生産性にも繋がっていきます。

ITツールを導入する

ITツールの導入も、労働生産性を向上させる方法の一つです。手作業や毎日のルーティンワーク・定型業務はITツールを導入しDX化を進めていきましょう。グローバル化が進み、最近ではDX化を行っている企業も増えています。DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルそのものを変革するという意味を持っています。ITツールの導入は従業員の業務負荷軽減だけでなく人為的ミスも減らすことが可能です。但し、導入の際には業務負荷が一時的に高まる為事前説明が大切です。

労働環境や評価制度を見直す

労働環境や評価制度を見直すことで、労働生産性の向上をさせることが出来ます。コミュニケーションが取りづらい職場や、頑張っても評価されることのない職場では、従業員の意欲は下がり生産性を上げる事は出来ません。労働環境や給与などの処遇改善を行う事で、不満の解消に繋がり従業員が意欲的に業務に取り組んでくれるようになります。従業員が不満に思っている点や、改善してほしいと考えている点をしっかりとヒアリングし働きやすい環境や公平な評価制度を整備しましょう。

労働生産性向上の事例

株式会社サイバーエージェント

労働生産性の向上に成功したのは、株式会社サイバーエージェントです。サイバーエージェントではコミュニケーション方法をメールからチャットに変更したことにより、25,000時間以上の労働時間削減を実現しました。またタレントマネジメントシステムを導入したことにより、今まで手作業で行っていた評価の効率化を図っています。人事側の集計作業時間の短縮に成功し、人事が他の創造的な業務に取り組めるようになっています。様々な工夫を行い、従業員の意識改革にも成功しています。

株式会社村田

株式会社村田でも、労働生産性の向上に取り組んでいます。村田では1990年に生産性の向上や総労働時間の削減のため、フレックス制度の導入を行いました。従業員のエンゲージメントを高めるために、経営層との対話促進や働きやすい職場づくりを行っています。経営層と対話の場を設ける事によって、企業理念の浸透や新しい価値観の創造に役立てています。様々な従業員への支援策なども整備しており、従業員が安心して働ける環境を提供することで生産性の向上へと繋がっています。

まとめ

生産性を上げる方法を理解して労働生産性を向上させよう

日本における労働生産性の現状や、労働生産性を向上させるメリット・方法について解説しました。労働生産性を向上させることが出来れば、労働力不足の解消や従業員のワークライフバランス実現など様々なメリットがあります。企業として働き方改革を推進し、外的変化の大きい現代において成長し続けていくには労働生産性を向上が必要不可欠です。デジタル化を進める事はコストや工数が掛かりますが、効率化を行い生産性を高めるには最適な方法です。生産性を上げる方法を理解して、労働生産性を向上していきましょう。

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