記事更新日:2024年03月13日 | 初回公開日:2024年03月13日
用語集 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド グローバル経済集団凝集性とは、集団が構成員をひきつけ、その集団の一員であり続けるように動機づけることです。集団凝集性をさらに分かりやすく説明すると、一つのグループを構成する人員が、互いに好意を持ち集団に所属したいと考える性質のことです。また、所属している集団に居心地の良さを感じ、現状を維持し続けたいと考える性質でもあります。このような特徴から、集団凝集性は会社内における部署やチームなど、複数人が所属する集団がまとまりを持って行動する際に良い効果を得やすい性質と言えるでしょう。
スポーツにおける集団凝集性とはチーム全体の結束力や、全体の目的を達成しようとする意思の強さなどの総合的な度合いを指す言葉です。集団凝集性の高いスポーツチームはメンバーのチームに対する愛着が強く、より高いチームワークを発揮することができます。また、結束力が強いだけでなく、個人間の関わりが生まれることで、メンバー1人1人がチームに所属し続ける動機付けにもなります。そのため、集団凝集性はサッカーや野球など、チームワークが必要とされる分野でも重要な役割を果たす要素と言えるでしょう。
組織の集団凝固性を高めると、チームの組織力が強化されるメリットが得られます。集団凝固性は高まるにつれて、チーム全体の結束力が向上する効果が期待できます。そのため、難しい課題や高い目標をクリアする際にも、チームメンバーが自然と協力し合う体制を作りやすくなるため、必然的に課題解決能力も向上します。また、集団凝固性の高いチームは、個人の人間関係も良好に保ちやすいので、トラブルの際にも速やかな解決が望めるのもメリットの一つです。
集団凝固性の高いチームは、メンバーの心理的ストレスが低減する効果も期待できます。小さな集団の間でよく起こりがちな問題として挙げられるのが、人間関係のトラブルです。対人トラブルは集団で行動する以上避けられない問題ですが、場合によっては心理的負荷を強く感じる人も居ます。しかし、集団凝固性の高い組織はメンバー同士の仲も良好に保てるため、対人関係のストレスを感じにくいという特徴があります。そのため、集団凝固性の高さは、居心地が良いと社員が感じる環境を作る際にも、高い効果を発揮します。
集団凝固性を高めるメリットは、チームメンバーの帰属意識が高まるという点にもあります。集団凝固性が高い状態にあると、メンバーの帰属意識が高まる傾向にあります。帰属意識が高いメンバーは集団に出来るだけ貢献しようと努力するため、組織の能率が向上します。また、メンバーのチームに対する愛着が高い状態を維持できれば、定職率も上がり、離職や休職のリスクを抑えることが可能です。そのため、集団凝固性の向上は、会社が人手不足に陥るリスクを低減するためにも有効な手段の一つと言えるでしょう。
集団凝固性には、チームの結束力が向上するメリットがありますが、反面この結束力が仇となり同調圧力に転じ得る可能性も否定できません。人は誰でも人間関係を良好に築けている相手に悪く思われないように、相手にとって都合良く振る舞うことがあります。集団凝固性が高い組織では、メンバー同士の仲が良すぎるあまり、チーム内で権力を持つ相手の意見に同調しなければならないという空気が醸成されがちです。これを放置すると、不正やミスの発覚が遅れて大きなトラブルに見舞われる可能性も少なくありません。
集団浅慮とは、同調圧力によって集団の判断力が失われ、誤った決断を下してしまう状態のことです。例えば、チーム内での話し合いで一部の人の発言がチーム全体に賛同されてしまうと、反対意見があっても言い出しにくい人も居ます。また、組織の方向性に違和感があっても、周囲に流されて自分も従ってしまう場合もあります。集団凝固性の高いチームはメンバー同士の仲が良好だからこそ、このような事態に陥りがちです。しかし、放置しているとチームが誤った方向に進んでも軌道修正が困難になってしまいます。
なれ合いや勘違いが生じやすいのも、集団凝固性を高めるデメリットの一つです。集団凝固性はチームの帰属意識を高める時には高い効果を発揮しますが、しっかりとルール決めをしなければトラブルに発展する可能性があります。具体的には、上司との距離感が近すぎるあまり指示に従わないメンバーが出てくるなどの問題が例として挙げられます。このような状況を防止するためには、各メンバーにチームで団結し合う仲であってチームはあくまで仕事の人間関係であり友達ではないという意識を持たせなければなりません。
集団凝固性はチーム内での人間関係は良好に保ちやすい反面、結束力が強すぎると内集団びいきの原因になる可能性があります。チームに対する愛着が強いと、メンバーは自分のチームへ貢献しようという意識が強く働きます。この意識が誤った方向に向かうと、他のチームよりも自分のチームが有利になるよう仕向けます。このような状態になった場合、本来他のチームでも共有すべき情報を一部のチームが独占してしまうリスクが発生し、組織全体の利益が損なわれる可能性も少なくありません。
集団凝集性が高まる要因には、メンバー同士が共有する時間の長さが関係しています。チームへの帰属意識は、メンバー同士が共有する時間が長ければ長いほど強まります。そのため、集団凝集性を高めるには、グループワークやミーティングなどを繰り返し行い、チームが一緒に行動する時間を多く取る必要があります。また、人間関係を良好に保つ上で重要なのは、メンバー同士の相互理解です。お互いを深く理解し合うには相応の時間が必要という観点からも、チームの結束力を強めるためには時間が必要です。
集団凝集性を高めるには、成功体験を共有する必要があります。例えばチームで掲げる一つの目標を達成し、喜びを共有することなどが例として挙げられます。成功体験の共有はメンバーが自信を持てるだけでなく、チームの信頼関係の構築にも繋がります。また、課題に取り組む過程でコミュニケーションを取る行為は、メンバーの相互理解を深めるために必要不可欠です。互いを認め合うことにより、チームは結束力が強くなるため、成功体験を生むための目標や課題の設定は集団凝集性の向上を図る際の重要なポイントです。
集団凝集性は、チームを構築する人数が少ないほど高まる傾向にあります。規模の小さい集団ではその分メンバーが親交を深める機会が多く、コミュニケーションの密度も高まるためです。そのため、組織の集団凝集性を高めたい時には、大規模な集団をつくるよりも、小規模の集団をいくつか作りグループワークに取り組む方がより効果的と言えるでしょう。しかし、規模の大きい集団で取り組む課題は、難易度が高い分成功した際の達成感も非常に大きいため、組織の規模に合わせた目標設定も大切です。
集団参加の難易度が高い組織は、集団凝集性が高まります。採用が簡単な企業よりも難しい企業への就職が決まると、人は苦労して得た地位を手放したくないという意識が働きがちになります。参加難易度の高い集団に参加できる特別感は、組織への愛着にも繋がるため、結果として集団凝集性が高くなる傾向が見られます。また、難しい課題に取り組むチームに抜擢されるということは、企業から社員への期待の表れでもあります。そのため、期待に応えようと社員が努力できるという点でも注目すべきポイントと言えるでしょう。
集団凝集性を高めるためには、メンバー同士が同じ時間を共有できる機会を多く設ける必要があります。具体的には、定期的なミーティングやグループワークを開催することなどがこれにあたります。チームを構成するメンバーがコミュニケーションを取る機会を多く設けると、課題解決という観点だけでなく、メンバー同士の相互理解を深める効果が期待できます。そのため、企業が集団凝集性を高める際には、チーム内で密なコミュニケーションを取れるよう留意することが大切です。
小規模のグループを作ることも、集団凝集性を高める際に有効な手段の一つです。チームを構成する人数が多いと、話し合いの場で発言の機会を持てる人数が限られてしまう、時間の制約により十分な発言が出来ないなどの弊害が発生します。逆にチームの規模が小さいと、上記のような事態に陥る可能性も低く、メンバーは必然的に発言の機会が増えます。発言の機会が増えると、各メンバーが主体的に物事を考えるきっかけにもなるため、各社員に成長を促すという観点からも有益です。そのため、集団凝集性の高い組織を作るためには、敢えてグループを小分けにするのも一つの手段です。
ストレッチゴールとは、現状で達成するには多少の努力が必要な目標のことです。1人では達成困難な課題や、今のスキルでは達成までには一歩届かない少し難しいゴールを設定することで成功時の達成感は高まります。また、難しい課題に取り組む際にはチームが団結しなければ、達成は不可能です。そのため、ストレッチゴールを設けて成功体験を積み重ねる行為は、メンバー同士の信頼感を高める際に重要な役割を果たします。このような理由から集団凝集性を高める取り組みとして、敢えて困難な課題をチームに提示するのも大切です。
集団凝集性の高い組織を作る際には、組織の参加に条件を設けるのも有効な手段の一つです。前述した通り、組織の参加難易度が高いほどメンバーの帰属意識は強まります。この心理を利用して、チームを構成する際に一定の参加条件を付け加えると、選出されたメンバーは企業の期待に応えられるよう積極的に課題に取り組む期待度が上がります。具体的には、組織の参加には資格やスキルの保有などの条件を設ける、人事評価の結果を参考にするなど、一定の基準を設けると良いでしょう。
集団凝集性には組織の結束力や帰属意識の向上など様々な効果が期待できるため、業績向上への取り組みとしても大きな役割を果たします。しかし、集団凝集性の高さは、集団浅慮や同調圧力が生まれるリスクも少なからず存在します。組織を健全な状態に保つためにも、ルール決めを行うことが大切です。また、集団凝集性を高めるためには、メンバー同士が多くの時間を共有し相互理解を深める必要があります。そのため、企業で集団凝集性を高める際には、メンバー同士が信頼関係を構築しやすいようにしっかりとフォローしていく体制を整えていきましょう。
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