特定技能「外食」に求められることとは?【求人にどのようなものがあるか】

記事更新日:2020年08月11日 初回公開日:2020年08月05日

人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド

近年、少子高齢化や労働人口の不足により中小企業をはじめとした人手不足が深刻化しています。そこで、労働力を確保するために在留資格である特定技能が導入されました。現在様々な業界の中でも、特に外食業の労働力不足が深刻であると言えるでしょう。労働力確保のために特定技能を有する外国人労働者を雇用している方も多いのではないでしょうか。今回は、今注目されている外食業の特定技能についてご紹介します。今後、外国人労働者の雇用を検討している方必見の内容になっています。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

特定技能「外食」について

特定技能1号に「外食業」が追加された

2019年に施行された外国人の在留資格である特定技能。介護や宿泊業を含む14業種のうち、特定技能1号に外食業が追加されました。当初5年間で約35万人。2020年の3月までに約4万人を受け入れる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により3987人に留まっています。また、特定技能には1号と2号の2種類あります。1号は在留期間が最長5年であるのに対し、2号は在留期間に上限は設けられていません。さらに、1号はある程度の技能があれば取得できますが、2号は熟練した技術が必要です。これらの違いも理解しておきましょう。

5年間の受け入れ見込みは最大5万3000人

外食業分野での特定技能の受け入れは、今後5年間で最大5万3000人とされています。しかし労働人口の減少に伴い、外食業の人手不足はさらに深刻化すると予想されています。具体的には、今後5年間で約29万人の人手不足が見込まれています。たとえ特定技能の受け入れを拡大したとしても、人手不足を完全に解消することは難しいと言えるでしょう。しかし、状況を改善するためには外国人労働者の労働力が必要です。特定技能は一定の専門性を有していなければ取得できません。専門性の高い即戦力となる人材を雇用することで、生産性の向上が期待できるでしょう。

そもそも特定技能とは

一定の技能及び日本語能力がある者に対するビザ

そもそも特定技能とは一体何なのでしょうか。一言でいうと、一定の技能及び日本語能力がある者に対するビザのことを言います。また、特定技能とは労働力を確保するために作られたビザでもあります。今まで企業は、人手不足を補うために技能実習生を中心に雇用してきました。しかし、技能実習生はあくまで日本で得た技術を本国に持ち帰ることが目的です。そのため、企業にとって実質的な労働力にはならなかったのです。そこで生まれたのが特定技能。労働力確保のための特定技能は2019年4月1日に施行されました。

日本の外食業界の現状

人口減少や高齢化による食需要の縮小

人口減少や高齢化によって日本の外食業界の食需要は縮小傾向にあります。2017年の外食業界の市場規模は、インバウンド需要の増加や一人当たりの外食支出額の増加に伴い、前年比に比べ0.8%増加しました。しかし長期的な視点から見ると、外食業界の市場規模は1997年をピークとして年々減少しています。2019年度の外食業界の倒産件数は、1990年から行われている調査の中で過去2番目の件数でした。少子高齢化や人口減少は外食業界に大きな影響を与えていると言えるでしょう。日本の外食業界は深刻な状況であると言えるでしょう。

節約傾向の高まりにより低価格の進行

また、節約傾向の高まりにより低価格などの価格競争が進行しています。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大が外食業界にさらなる追い打ちをかけています。ある調査によると、外食業界の上場企業のうち50%以上で2月の売上が前年同期を下回りました。価格競争に関しては、特にチェーンストアの低価格化はこれ以上の値下げが難しい段階まで来ていると言えるでしょう。適性価格に戻すか、生産性を向上し人件費を確保してく必要があるでしょう。またテクノロジーの導入など、新たな価値を生み出す必要があるのかもしれません。

コンビニやスーパーなどの中食市場の拡大

今後、コンビニやスーパーなどの中食市場の拡大が見込まれています。中食とは、家庭外で調理したものを購入して持ち帰り、自宅で食べる食事形態のことを言います。ある調査によると、中食市場規模は2年連続で増加し、2018年度の外食市場規模は4兆1350億円でした。中食の購入場所で最も多いのはスーパーマーケットです。その次に、コンビニエンスストアや外食のテイクアウトが挙げられます。急成長の背景としては、コンビニエンスストアの普及や女性の社会進出、または単身世帯の増加が考えられるでしょう。

近年人手不足が慢性的になっている

近年外食業界の人手不足は慢性的になっていると言えるでしょう。人手不足に伴い、外食業の有効求人倍率は年々上昇しています。平成30年の外食業全体の有効求人倍率は4.4倍でした。細かい内訳は、調理人が3.5倍で店長が9.2倍でした。ちなみに、全業種の有効求人倍率は1.6倍です。外食業は全産業の有効求人倍率よりも高水準であると言えるでしょう。特に大都市圏や北陸地方、または中国四国地方の人手不足が深刻化しています。このような深刻な状況を改善するためには、外国人労働者の雇用を拡大する必要があるでしょう。

特定技能に「外食業」を追加した目的

外食分野の持続と発展が狙い

特定技能に外食業を追加した目的の1つとして、外食分野の持続と発展が挙げられます。グローバル化に伴い日本を訪れる外国人観光客も増えてきました。外国人観光客の接客をする際にぶつかるのが言語の壁です。しかし、外国人社員を雇用することで、メニューの読み方や料理の食べ方をスムーズに伝えることが出来るでしょう。さらに、インバウンド観光客をターゲットとした新たな戦略を立てることも可能です。このように、外食分野の持続とさらなる発展のためには外国人社員の雇用が必要不可欠であると言えるでしょう。

外国人社員を増やすことで外食業分野の人で不足解消

外国人社員を増やすことで外食業分野の人手不足が解消できる点も、特定技能に外食業を追加した目的の1つと言えるでしょう。先ほども述べたように、他の業界に比べ外食業界の欠員率は2倍以上です。その理由の1つとして離職率が高い点が挙げられるでしょう。外食業界の繁忙期では、正社員の約24%が1週間に60時間以上の労働をしています。人手不足に伴い、1人当たりの負担が大きくなっているのです。外国人社員を増やすことで人手不足問題を解消することができ、過酷な労働環境も改善することが出来るでしょう。

特定技能「外食業」の業務内容

調理、接客、店舗管理等の外食業全般の仕事

続いて、特定技能の外食業の業務内容についてご紹介します。特定技能の就労ビザを取得していれば、日本人と同様に外食業全般の仕事をすることが出来るでしょう。例えば調理や接客、または店舗管理などが挙げられます。特定技能は外食業のほぼすべての仕事に関わることが出来るため、人手不足を補うのに最適であると言えるでしょう。また特定技能の場合、通常日本人が従事する関連業務に付随的に従事することが可能です。具体的には、原材料や消耗品などの受け入れ業務や調理品等の配達業務が関連業務に該当しています。

対象の職業について

特定技能外食業の対象となる職種は、飲食店や配達飲食サービス業に該当する業務とされています。具体的にはファーストフード店やレストラン、またはテイクアウト専門店や配達専門店が挙げられるでしょう。一方で接客や調理を行わない職種や、レストランでの床掃除や皿洗いのみの職種は対象外となるため注意しましょう。さらに、宅配専門店で宅配のみを行う事も対象外です。また雇用形態は直接雇用に限ります。週5日以上30時間以上の労働かつ、年間217日以上の勤務をするフルタイムでの就労が必要である点も理解しておきましょう。

特定技能「外食業」に求められる人材

国内の飲食店で経験を積んだことがある外国人留学生

続いて、特定技能外食業に求められる人材についてご紹介します。特定技能を有する外国人労働者の雇用を検討している方は是非参考にしてください。求められる人材の1つに、国内の飲食店で経験を積んだことがある外国人留学生が挙げられます。日本の外食店の接客では、円滑なコミュニケーションが取れる日本語力に加え、おもてなしの心得や考え方も必要になるでしょう。国内の飲食店などで経験を積んでいる外国人労働者であれば、教育に時間をかけなくても日本人と同様丁寧な接客をすることが出来るでしょう。

海外の調理師学校を卒業した外国人学生

また、海外の調理師学校を卒業した外国人学生も特定技能に求められる人材であると言えるでしょう。調理学校を卒業しているという事は、調理作業における調理器具や労働安全などの関する知識が備わっていることを意味します。そのため、安心して調理を任せることが出来るでしょう。また、海外の技術や調理方法を取り入れることで他の店と差別化した商品を生み出すことが出来るかもしれません。その点でも、海外の調理師学校を卒業した外国人労働者を雇用することは企業にとってメリットが大きいと言えるでしょう。

海外のホテルやレストランで働いたことのある従業員

特定技能に求められる人材として、海外のホテルやレストランで働いたことのある従業員が挙げられるでしょう。こちらも国内の飲食店で経験を積んだ外国人労働者と同様、接客に必要なホスピタリティを兼ね備えています。そのため、日本のおもてなしの文化にすぐに慣れることが出来るでしょう。また、ホテルやレストランでの就労経験があれば1から接客のマナーを教える必要もありません。即戦力としての活躍が期待できるでしょう。接客業の人手が必要な場合は、このような経験を有している人材を雇用すると良いでしょう。

食品工場で業務経験のある外国人従業員

食品工場で業務経験のある外国人従業員も、特定技能に求められる人材であると言えるでしょう。食品工場では食品を扱うため、工場を常に清潔に保っておく必要があります。そのため、工場での業務経験がある人は衛生管理に関する技能や知識が豊富であると言えるでしょう。特に、HACCPなどの衛生管理手法の知識がある人材は重宝するでしょう。外食業は衛生管理が何よりも大切です。食品工場での業務経験を有する人や、衛生管理の知識が豊富な人材を雇用し食中毒などのトラブルを未然に防ぎましょう。

コロナウイルスの収束に合わせて外国人観光客が増加するでしょう

特定技能「外食業」で外国人労働者を採用してみては?

今回は特定技能の外食業についてご紹介しました。特定技能を取得していれば調理や接客、または店舗管理など外食業全般の仕事をすることが可能です。また、対象となる職種は飲食店や配達飲食サービス業に該当する業務とされています。国内の飲食店での経験がある方や調理師学校を卒業している学生は非常に重宝します。面接時に一度確認してみると良いでしょう。現在は新型コロナウイルスの影響で外国人観光客は減少していますが、収束に合わせてその数は増加するでしょう。この機会に特定技能の外食業で外国人労働者を採用してみてはいかがでしょうか。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら