つくし世代とは【ゆとり世代・さとり世代との違いや特徴について解説します】

記事更新日：2024年08月01日｜初回公開日：2024年08月01日

あらゆる世代において、その世代を表す言葉があります。Z世代やさとり世代などという言葉を最近よく耳にするのではないでしょうか。その言葉を見てすぐに想像がつくものと、どういった意味を持っているのかわからないものもあります。世代を表す言葉は、その時の社会の状況から来ているものや該当する世代の人たちを表しているものがあります。世代によって受け取り方や最適な育成方法などが異なるため、しっかりとその世代について理解することが大切です。今回はつくし世代について解説していきますので、社内教育担当の方は参考にしてみてください。

（無料）グローバル採用ナビのオリジナルの就労ビザ申請で失敗しないための「就労ビザ取得のためのチェックリスト」がこちらからダウンロードできます。

つくし世代とは

相手に尽くす姿勢が特徴的な世代

つくし世代とは、相手に尽くす姿勢が特徴的な世代です。つくし世代は相手の幸せのために献身的に尽くすことで、自分も一緒になって楽しみや幸福感を得られる世代であるとされています。つくし世代は他の世代と比べると、共感力が高いことが尽くし世代の最大の特徴です。つくし世代に該当する年齢の人たちは、生まれ年などで厳密に定義されているわけではありません。第1世代を1985年〜1991年、第2世代を1992年以降とされていますがZ世代に分類されることもあります。

つくし世代の由来

つくし世代の由来は、他社に対しての献身的な行動や考えが顕著に出ている世代だったことが影響しています。つくし世代は尽くし世代から来ており、光文社新書の藤本氏によって名付けられました。ゆとり世代以降、若者に対してのネガティブな印象が世間に認知されていたため別の側面があることを伝えるために、つくし世代と名付けたことがきっかけとなっています。ゆとり世代やさとり世代の派生型として生まれたのがつくし世代です。

さとり世代との違い

さとり世代という言葉はよく知られていますが、さとり世代とは現実に安定を求めて欲がない姿が悟りを開いているように見えたことが由来です。さとり世代の人達は、リスクを負ってまで挑戦や高望みをすることなく程々に生きるという堅実的な考えを持っています。さとり世代の人たちは1987年から2004年生まれの人達とされており、バブル崩壊やリーマンショックなど日本の社会全体を揺るがす出来事を経験していることから、自分の安定を考え自己犠牲が強いつくし世代とは異なります。

ゆとり世代との違い

ゆとり世代は、児童の負担軽減や思考力アップを行うことに焦点を当てたゆとり教育を受けた人たちを指しています。詰め込み教育ではなく個人を尊重する教育を受けてきた人たちのため、プライベートを重視するワークライフバランスが取れる働き方を好みます。ゆとり世代はゆとり教育のネガティブな部分を反映した特徴を持っているとされていますが、つくし世代は個人尊重型教育を受けたことで他者を尊重し相手への思いやりや高い共感力を持っていると言われています。

つくし世代の特徴

相手に尽くしている

つくし世代の特徴は相手に尽くしている姿勢です。尽くしという言葉が入っているように、つくし世代の人達は相手に対して献身的な対応を行います。これはつくし世代の最大の特徴と言われている共感力の高さと時代背景から来ています。つくし世代と言われる人たちが生まれ育ったのは、核家族が増え近所付き合いが減ってきた時代です。一人で過ごす時間の多かったつくし世代の人達は、様々な場面において他社と支え合いを行えるような信頼関係を築くことを好んでいます。

皆で楽しみたいと思っている

つくし世代は、皆で楽しみたいと思っている特徴があります。つくし世代の人たちは自分だけでなく他者にも楽しいと思ってほしいと考えていることから、相手に尽くすという行動に繋がっています。自分だけが良ければ良いという考えを持っている人は殆どおらず、皆で一緒にという考えのもとでサークルやSNSでのイベントを大切にするという傾向があります。つくし世代の人達はこういった背景から強い地元志向を持っている人が多くいます。

高い共感力を持っている

つくし世代は高い共感力を持っているのも特徴の一つです。不安定な時代を生きてきたつくし世代の人たちは、相手が自分の味方であるかどうかが大切です。そのため、相手の話や考えを聞いた際は頭から否定することはせずにまず共感や同調の姿勢を見せることによって自分が敵ではないことを示します。共通点が多いほど相手に対してより強い親近感を抱くようになるため、つくし世代の人達は高い共感力を発揮し強い信頼関係を築こうとします。

支配されることを嫌う

つくし世代の特徴として、支配されることを嫌う点が挙げられます。つくし世代の人たちは競争せず差別せず追い込まないことを重視したゆとり教育の中で育ったことによって、自由意志を持つことが当たり前の世界で育ちました。自分たちの意思が尊重されてきたため、何かをしなさいといった機会が少なく強制されることに対しての耐性がありません。そのため他者から押さえつけられたり無理強いされたりすることを嫌う傾向にあります。

デジタルに精通している

つくし世代の人達は、デジタルに精通しています。つくし世代は物心付いたときから成人するまでの間に今までになかった製品やサービスが生まれ新しい技術によって生活様式や社会が変わることを身近に感じています。そのためインターネットや新しいデジタルデバイスを利用することに抵抗感はなく、積極的に新しい物に関わっていく傾向にあります。つくし世代の殆どの人が、複数のSNSアカウントを運用し投稿内容なども変化させています。

イベントごとを好む

イベントごとを好むのも、つくし世代の特徴です。周りの人たちと一緒に楽しむことを好む傾向にあるつくし世代の人達は、イベントに積極的に参加・開催します。皆で楽しみを分かち合うことで自分もハッピーになることが出来ます。連帯感が生まれることで更に強い絆で結ばれるというポジティブなサイクルに繋がっていきます。イベントに参加することで写真や動画を取り、SNSで発信することでオンラインとオフライン両方の横の繋がりを感じることが可能です。

SNSでも気遣いができる

SNSでも気遣いができるのが、つくし世代の特徴と言えます。つくし世代は相手が喜び幸せになることを願っているため、対面やSNS上関係なく互いに尽くし尽くされる関係性を築こうとします。そのため、コミュニケーションツールとして大切なSNS上でも相手への気遣いを行っている場面が多数あります。相手の喜びや幸せを好むことから、愚痴や悪口など人が不快に感じるような発言や投稿は行いません。ネガティブな感情を持ったとしても、自分の感情よりも相手を不快にさせないことを重視します。

サプライズが好きである

つくし世代と言われている世代は、サプライズを好みます。ADKホールディングスの調査によると、10代の約3割の人が3ヶ月に1回以上の割合で友人の誕生日にサプライズを行っている事がわかっています。これも相手に喜んでもらいたいと考えているつくし世代の行動の一つです。また従来のようななにかモノを消費するのではなく出来事や時間消費へと消費スタイルが変化してきている世代であることも影響しています。楽しい時間を皆で共有したいという考えから、サプライズを好むつくし世代が多いと言えます。

個性を大切にしている

個性を大切にしているのもつくし世代の特徴の一つです。つくし世代は幼少期から個性や自分の考えを尊重してもらっているため、自分らしさを大切にしています。これは他者に対しても同じ考えを持っているため、自分と異なる考えを持っている他者にも寛容であり多様性を尊重する人が多い傾向にあります。従来まではマイノリティであることがネガティブな印象につながっていたことも、多様性を重視しているつくし世代にとっては個性の一つとして捉え相手を尊重することを忘れません。

【採用ご担当者様へ】外国人・グローバル人材の採用に関するお問い合わせ、お悩み相談はこちらから。外国人採用に特化したコンサルタントがお答えいたします。

つくし世代の効果的な育成方法

リーダーシップを鍛える研修を用意する

つくし世代の効果的な育成方法は、リーダーシップを鍛える研修を用意することです。つくし世代の人たちは、高い共感力を持ち周りの人たちに気遣いが出来ます。そのため、リーダーシップ力を持つことができればチームメンバーと一緒に協力しながら業務を進めていけるリーダーに育てることが可能です。つくし世代にリーダーシップを鍛えてもらうためには、研修方法も一方的な価値観や意見の押し付けを行う研修ではなく参加者の意見を尊重しながら実施できる研修内容を実施しましょう。

裁量のある仕事を任せる

つくし世代を効果的に育成するには、裁量のある仕事を任せるようにしましょう。つくし世代は幼いときから自分の考えや価値観を尊重されてきました。そのため、上司から全ての指示を受けて業務を行うような進め方は窮屈に感じてしまう人もいます。つくし世代を効率的に育成していくためには、細かい指示を行うよりも業務に裁量を持たせて任せるという方法が適しています。自分で考えて業務に取り組むことができれば、つくし世代の人たちも業務にやりがいを持つことが可能です。

能力に応じた仕事を任せる

能力に応じた仕事を任せるのも、つくし世代の効果的な育成方法です。持っている能力では完遂することが難しい仕事を任せてしまうと、自信がなくなってしまいモチベーションの低下に繋がります。但し能力があるにも関わらず、簡単な業務ばかり任せてしまっている場合も能力を活かせずにモチベーションが低下します。業務にやりがいを持って取り組んでもらうためには、能力に応じた業務を任せることが大切です。能力に合った業務を行っていくことで、つくし世代の人たちに対してもしっかりと育成することが出来ます。

定期的にコミュニケーションを取る

定期的にコミュニケーションを取るのも、つくし世代を効果的に育成する方法の一つです。つくし世代の人達は周りの人たちと一緒に何かをという意識を持っています。そのため、放置しすぎてしまうとモチベーションが下がる可能性があります。つくし世代の人たちを育成していくには、定期的にコミュニケーションを取り信頼関係を構築していくことが大切です。つくし世代は人間関係の構築を重視しているため、つくし世代を育成するためには定期的にコミュニケーションを取ることが大切です。

まとめ

つくし世代の特徴を理解して社内教育にも活かそう

つくし世代の特徴やつくし世代に効果的な育成方法に付いて解説しました。つくし世代の人たちは、個性を大切にし相手を尊重しながらも自分が孤立することを好まない傾向にあります。高い共感力を持っていることが一番の特徴であるつくし世代ですが、支配されることを嫌うため育成を行う際には抑圧的な対応を行わないなど注意が必要です。つくし世代だからという決めつけを行わず、しっかりとコミュニケーションを図り信頼関係を作ることも重要です。つくし世代の特徴を理解して、社内教育に活かしていきましょう。