記事更新日:2020年05月25日 | 初回公開日:2020年05月24日
外国人採用・雇用 外国人留学生の採用 人事・労務お役立ち情報 ビザ(在留資格)外国人の就労ビザを申請できるのは雇用される外国人、代理人、申請取次者となっています。代理人とは外国人を雇用する会社の社員の事。申請取次者とは所在地を管轄する地方出入国在留管理局に届け出た弁護士もしくは行政書士となっています。外国人が雇用される会社の社員が代理人にとしてできる手続きは入国後の在留手続きのみです。よって、在留資格変更許可や在留期間更新許可の申請は出来ますが、新たに国外から外国人を招へいする場合は申請が出来ません。新たに国外から外国人を雇用する場合は許可を受けた行政書士などにビザ代行を依頼することがほとんどです。ビザ代行を行う行政書士や弁護士は研修、試験を受け申請取次者の資格を得られます。申請取次者の有効期限は3年間です。更新の場合は申請取次実務研修会を受けなければなりません。ビザ代行はこのような許可を受けた申請取次者でないとビザ申請が出来ません。
そもそもビザ代行とは、日本の企業が外国人を雇用するにあたり、外国人の就労ビザ取得を代行してくれるサービスのことです。そのサービスの主な業務内容を確認していきましょう。第一に、書類作成業務。就労ビザ取得の申請書と必要書類を作成する業務のことです。就労ビザ、いわゆる「在留資格認定」を得るためには、「在留資格認定申請書」を作成する必要があります。同時に、雇用会社側の登記事項証明書や決算書・事業計画書や、外国人労働者側の学歴・職歴証明や申請理由書など、数十の書類を提出しなければなりません。これを自社で行うにはかなりハードルが高いですよね。
申請の際は、上述の各種書類を揃え、事業所がある地域を管轄している出入国在留管理局に提出する必要があります。出入国在留管理局は主要都市を中心に全国8拠点が置かれており、受付は平日9時〜12時、13時〜16時。出入国在留管理局より問い合わせがあり何度も足を運ばないといけないケースもありますが、代行サービスの場合はそれも丸投げできます。一般に、就労ビザの申請の認定には1カ月~3カ月程度かかるといわれていること、また、申請すれば必ず許可が出るというものではないことは知っておきましょう。
就労ビザが下りると、同じく勤務予定地を管轄する出入国在留管理局において、就労ビザの交付申請を行います。代行サービス会社はこの就労ビザ=「在留資格認定証明書」を代理受領し、雇用企業へ届けてくれるのです。また、残念ながらビザが下りなかった場合も、不許可理由を確認して対策を考え、再申請対応を行ってもらえる会社もあります。再申請で許可が下りる可能性があるか、知識や経験のある専門家が適切に判断してくれるのは安心ですよね。書類作成から申請、受け取りまでといっても、代行業者によりその対応業務の幅は様々なので、都度確認をしましょう。
この「就労ビザ代行サービス」がなぜこんなに注目を集めているのでしょうか。最大の要因は、日本の労働者不足により、外国人労働者が増加していることです。全世界的なグローバル化の流れと日本国内の少子高齢化により、外国人雇用の需要は高騰しています。厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」によると、2019年10月末時点で日本で働いている外国人は前年比13.6%増の165万8804人。7年連続で過去最高を記録しています。国内の労働力人口に占める割合も増え続けており、現状のペースで外国人労働者を受け入れれば、2030年は全労働力人口の5〜6%が外国人になると言われています。
また、ビザ代行が注目される要因の更なる理由として、就労ビザ取得申請がその必要書類の多さ・複雑さなどから一般企業の人事担当者にとっては難易度が高いためです。ビザ申請書だけでなく多くの書類を整え提出しなければならないのは先に述べた通りですね。また、当たり前ですがビザ申請を行う前に、外国人と交わす雇用契約書を結ぶことも必要です。外国人が理解できる言語で契約書面を作成するのもかなりレベルの高い業務といえます。特に小規模な企業では、提出する書類の作成内容によってビザ認可・不認可が左右されることも多くため、代行サービスの需要が高まるのも頷けます。
では、ここでビザ代行サービスを利用する場合のメリットを3点確認します。1点目は、複雑な申請・手続き業務を円滑にできることです。単純に、担当者が自身で出入国在留管理局に出頭するだけでも、かなり時間がかかりますよね。各種書類の回収、翻訳に大きな労力が必要なだけでなく、書類不備による再作成・再提出の手間も考えると、それを削減できることは大きなメリットです。また、複数の外国人を雇用する場合、それぞれに就労ビザを申請しなければならずそれだけ手間が増えますが、代行サービスを使えばそのような心配もありません。
ビザ代行申請サービス業者はビザの申請以外にも様々なサービスを付加価値として提供している業者もあります。その中でも外国語に対応しているビザ代行業者は雇用した外国人に外国語で条件の説明が出来るサービスがあります。外国語でのビザ申請にかかわる説明は雇用主とのコミュニケーションが取りやすいでしょう。就労ビザ申請では、外国人内定者自身で整える書類も少なくないため、その進捗確認や不備のチェックなど、密に連絡を取ることが必要となります。非母国語でのコミュニケーションの場合、認識があっているかどうかを理解できないまま進行してしまう恐れがありますが、代行サービスに任せるとその点は心配がありません。多言語対応で細かいニュアンスの違いを適切に伝えたり、お互いの要望と悩みを聞き出したり、言葉の壁を越えられることは大きなメリットですね。
さらに雇用した外国人の日本での生活に関するサポートを行うビザ代行業者も存在します。無事ビザが下りた後も外国人の日本での定着に向けて手厚くサポートをしてもらえるというメリットが考えられるでしょう。業務内容、料金は代行サービス会社により様々です。来日・帰国にあたる航空券手配や住居、家具の案内、引越し手配など、細々した業務を全て任せることもできます。家族・子供がいる外国人労働者を受け入れる場合には幼稚園・学校の情報提供、入学サポートを任せられる場合も。ビザ代行サービスは単にビザだけに留まらず、外国人労働者の生活環境整備をトータルサポートで手助けしてくれる、心強い味方となりえます。
ビザ代行サービスを利用する際の注意点はいかがでしょうか。一番は費用がかかることですね。実際に、就労ビザの新規申請手続きそのものに対しては、手数料など費用が発生することはありません。書類を印刷する印刷代や、出入国在留管理局に出向く交通費のみです。(ただし、就労ビザの変更・更新申請には、それぞれ4,000円の手数料がかかります。)代行サービスを利用する場合、会社や業務内容にもよりますが相場は申請1件あたり10万円前後。自社内でこの業務にかけられる人件費など、費用対効果を考えた上で、利用をお勧めいたします。
また、費用を払ってビザ代行サービスを依頼しても、最終的にビザを取得できるとは限りません。先にも述べましたが、就労ビザは書類の不備や外国人が本人の素行などを理由に、申請が却下されてしまうこともあります。こうなった場合、高額な費用が無駄になってしまいますよね。そういったケースに応じて、成功報酬で対応してくれる代行業者もあります。料金形態は様々ですが、着手時に半額、成功時にもう半額という形で支払うシステムが多いようです。報酬体系については業者検討の際にしっかりと確認しましょう。
では、実際にいくつかのビザ代行サービス会社を例に、その特徴などを紹介していきます。まず「ビザプロ就労ビザ」です。この会社は中国や韓国はもちろん、最近増えてきているベトナムやネパールなどアジア圏出身の外国人の就労ビザ取得を得意としています。無料相談後、すべて丸投げ可能!というのを売りにしており、外国人労働者と直接連絡を取って無理のないスケジュールでの申請を任せられます。採用面接時からの立会が可能というのも嬉しいですね。料金は、書類作成から申請までの「ベーシックプラン」で税抜90,000円、その他オプションサービスも充実しています。
「行政書士法人GOAL」は、ビザ申請に精通した行政書士と、英語でのコミュニケーションが堪能な専門の通訳による「専門家集団」として、最短期間でビザ取得が期待できます。業務開始前に、まず就労ビザ申請の許可が下りる可能性について、電話で無料にて予測診断をしてくれる点がポイント。また、プランも複数用意しており、例えば書類作成、申請は自社で行うので内容チェックのみを依頼する、など業務を限定したものもあります。料金はこの「書類チェックプラン」が税抜28,000円。全部お任せプランは税抜98,000円です。万が一不許可の場合は1回のみ無料で再申請も受け付けているようです。
「Funtoco Recruting」は外国人労働者の紹介サービスなども手掛けていますが、ビザ代行においては特に「特定技能ビザ申請」に強い会社といえます。「特定技能ビザ」とは、2019年の4月から新たに導入された在留資格で、日本の産業界における深刻な人手不足を解消するため、特定の業界のみでの就労資格を与えるもの。このビザ取得には申請書類だけでなく企業の外国人受入・支援状況も判断材料となります。「Funtoco Recruting」では、「登録支援機関」としてこの外国人の受入業務を受託提供することにより、たった1年ですでに34件もの取得実績を持っているのです。
「サポート行政書士法人」の特徴は何よりもその圧倒的なスピードと組織力。申込後すぐに担当者が上司と申請完了までの方針を決め、申込のあった当日中に業務を着手します。また担当者以外のスタッフがダブルチェックを行う体制を構築しており、単独で業務をおこなうより的確な対応ができると定評があります。さらに大きな特徴となるのが「完全成功報酬制型」で申請不許可になった場合は費用がかからないという点。それだけ業務に自信があるということでしょう。こちらも目安費用は新規ビザ申請1件あたり90,000円〜となっています。
「日本ビザ国際行政書士事務所」は20年以上の経験豊富な弁護士と入国管理法に詳しい行政書士、税理士がアドバイザーや業務をしています。他社にはない法律に基づいた交渉力が持ち味といえるでしょう。成果にこだわっており、万一不許可担った場合は無料にて再申請、状況により再々申請も行いますが、それでも不許可の場合は成功報酬分として1/2は返ってくる安心なシステムです。料金体系もサポート内容により3プラン用意してあり、標準コースが1件あたり税抜95,000円、ビザ申請絶対成功・フルサポートプランは税抜135,000円となっています。
以上、外国人労働者を雇用する際の就労ビザ取得代行サービスについて、その業務内容やメリットや注意点、代表的な代行業者まで紹介してきました。費用は発生するものの、トータルのコストパフォーマンスを考えると、代行サービスの利用数は増加しており、類似サービスも続々と展開されています。自社の社員の繁忙状況、また雇用する外国人労働者の言語レベルなど、それぞれのケースにより利用を検討するのも一つのパターンかもしれません。御社の業務の効率化を図る手段の一つとしてご参考になりましたら幸いです。
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他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
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