フィリピン人を雇用する際の独自ルールとは?【手続きの方法・就労ビザ】

記事更新日:2020年10月26日 初回公開日:2020年07月31日

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フィリピン人については、他国と比べて手続きに違いがいくつかあります。日本での在留資格(ビザ)手続きだけではなく、フィリピン国独自のルールがありますのでご注意ください。

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フィリピンという国

世界には日本にビザなしで最大90日間来られる国(ビザ免除国)があります。(ex.アメリカ・韓国など)それとは違い観光であっても、ビザを取得しないと入国できない国(ex.フィリピン・中国など)もあります。その中でもフィリピンという国は、他国と比べて少し特殊で独自のルールをいくつか設けています。

離婚ができない国

まず有名なのが、フィリピンは離婚ができない国です。フィリピンは属人主義ですので、フィリピン人が海外にいたとしても離婚ができないというルールは有効に扱われますが、お相手がフィリピン人でない場合は、その方には影響を及ぼしません。例えば日本人とフィリピン人の場合、日本での離婚手続きはできますが、フィリピンではできません。ですので、結婚歴があるフィリピン人と結婚を考えている方は、その方のフィリピンでの履歴を確認する必要があります。 原則は離婚できない国ではありますが、原則があれば例外もあります。それはアナルメント(結婚無効裁判)を起こすことです。この裁判は1年以上かかる場合もあるので、早めに手続きを取っていくことが必要になります。

CFOセミナー

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次に特徴的なルールとしてはCFOセミナーです。これはフィリピン人がフィリピン国から海外に行く場合に受講することが義務付けられている1dayセミナーです。内容は難しくないと聞いていますが、ざっくり言うと「外国に行って迷惑をかけないように」という内容です。 外国のルールなどを説明するものになるのですが、なぜフィリピンだけそのようなセミナーの受講が設けられているのかと言うと、これはあくまでも私の意見ではありますが、フィリピンという国は外交(貿易)で成り立っているからだと考えられます。他国に迷惑をかけ、この貿易事業に影響が出てくると国として死活問題となってくるため、このようなセミナーが行われているようです。また、フィリピン人の多くは、他国に出稼ぎに出ることが多いので、そのことも影響していると考えられます。これは就労ビザで日本に来る場合だけでなく、短期滞在(観光等)で日本に来る場合も例外ではなく、出国する際に都度受講しなければいけない方と、そうでない方がいるようです。

フィリピン人の特徴

家族を大切にする

フィリピン人は家族をとても大切にします。そのため、家族に何かあった時は仕事を休むことが一般的です。学校や職場でも家庭の事情を優先した場合には快く受け入れてくれます。また、フィリピンの平均年齢は24歳と若く、子供が多いことから家族全員で助け合うのが当たり前になっています。家族を支えるために高い給料を求め外国に行くケースも珍しくありません。職場では家族の悪口を言わないようにしましょう。

フレンドリー

南国のフィリピンは陽気で明るく、とてもフレンドリーな人が多いです。家族間の付き合いも多くコミュニティを大切にしているため、コミュニケーション能力が高いです。そのため、日本人と比べてすぐに友達と馴染むことができるでしょう。

ホスピタリティ精神が高い

フィリピン人はホスピタリティ精神がとても高い国です。初対面の人・観光客に対してもとても気さくに親切に対応してくれます。かつて、スペイン領であったフィリピンはキリスト教が浸透していることから博愛精神を持っている人が多いです。そのため、介護・観光ガイド・飲食・ホテルなどのホスピタリティが大切な職業で活躍しています。

英語力が高い

フィリピンは世界3位の英語公用国です。日本人にも語学留学で馴染みのあるセブ島は有名ですよね。フィリピンでは小学生から授業が英語で行われるため英語力がとても高いです。英語を公用語にしたは背景には、英語力をつければ外国で働くことができる、海外の企業を国内呼ぶことで経済発展できるという狙いからです。そのため、フィリピン人は日本で働いても英語でコミュニケーションがとれ、スムーズにやりとりすることができます。

就労ビザは必要?

フィリピンはビザ免除国ではないため、日本への入国にはビザの取得が欠かせません。そのためフィリピン人が日本に入国するには、滞在期間や目的に関わらず滞在ビザの申請が必要となります。また、フィリピン人が日本に短期滞在の場合(90日以内)は、「短期滞在ビザ」を申請する必要があります。今回は「短期滞在ビザ」の取得方法について説明します。

短期滞在ビザの取得方法は2つ

フィリピン人が個人で取得する方法

フィリピン人が個人で取得する場合は、自分で申請書類などを用意し、短期滞在ビザを取得します。その際に、所得証明書や預金通帳などの資料を提出し審査をします。審査要件となる経済力を示し、旅費や宿泊費などを払える人物であると認められれば審査を通過することができます。

日本で協力者を得て取得する方法

日本で協力者を得て取得する場合は、対象者であるフィリピン人を日本に呼んだ人が保証人になります。万が一、フィリピン人が経済的な負担で旅費や宿泊費などを払えなくなった場合は保証人は金銭的な責任を負います。

短期滞在ビザの開始日

短期滞在ビザの有効期間は発行日から3か月です。発行日当日から日本への入国が可能になります。また、短期滞在ビザの期間延長は原則認められていません。そのため、万が一の場合を除き、有効期限が切れてしまった場合は改めて申請する必要があります。

フィリピン人が日本で働く方法

フィリピン人は他の外国人とは違い、日本企業が雇う際には制限があります。2017年8月の法改正で1人でもフィリピン人を雇用しようとする場合日本企業は、直接雇用ができなくなりました。どういうことかと言うと、現地のエージェント(人材紹介会社)を介すことが義務づけられたということです。これは海外にいるフィリピン人を雇用する場合の基本的な流れになりますが、すでに日本にいるフィリピン人については、POLO TOKYO (Philippine Overseas Labor Office)を通して手続きを行なう必要があります。 フィリピンに住んでいるフィリピン人を雇うときや、POLO TOKYOを介したくない場合にはPOEA(フィリピン海外雇用庁)に本人が出向き手続きをします。この際、日本での就労ビザの許可が必要となります。この認証を受けるとIDカードが発行されるので、これで日本とフィリピンを行き来することが可能になります。

POEA(フィリピン海外雇用庁)とは

フィリピンにはPhilippine Overseas Employment Administration(フィリピン海外雇用庁)、略してPOEAという役所があります。フィリピンは人口増加しているものの仕事量が少ないため、語学力などを活かして海外に出稼ぎする人が多いのが特徴です。その際、フィリピン人の人権を守るために、海外の勤務先を審査する役割を担うのがPOEAです。POEAには認定された現地のエージェント(人材紹介会社)がおり、POEAに関する手続きはこのエージェントを介さないと行うことができません。

POLO (フィリピン海外労働局)とは

POEAはフィリピンに拠点があるのに対して、POLOは、世界各国に拠点があります。分かりやすく言うと、POEAの出先機関に当たるのが、POLOです。日本で就労するフィリピン人の就業条件がPOEAが定める基準を満たしているかなど、各国の企業がフィリピン人を適切に雇用できるかを確認するために存在しています。POLO TOKYOは、東京都港区六本木のフィリピン大使館の中に拠点を持っています。

フィリピン人が日本で働く際の手続き

一般的なフィリピン人の雇用の手続きの流れを説明します。

1.就労者と雇用主が、POEAが認定した現地エージェンシーと契約。

2.フィリピンのエージェントと日本の会社で書類を準備。

3.POLOに書類を提出。(審査には1〜2週間程度かかる)

4.POLOで雇用主が面接を受ける。

5.日本で在留資格認定証明書申請(就労ビザ申請)を行う。

6.認定証明書の取得後、フィリピンの日本大使館でビザの手続を行う。

7.POLOから就労者に書類を送付。

8.就労者がPOEAに書類を提出。

9.POEAの就労許可をもらう。

10.日本へ入国可能になり、会社で就労開始。

上記のようにフィリピン人を雇用する際には直接雇用ができないためビザの取得まで非常に長い時間がかかります。採用にゆとりを持たせ、計画的に行うことをお勧めします。

最後に

今回はフィリピン人の特徴や雇用するための手続きについて解説していきました。フィリピン人はコミュニケーション能力が高く、英語もできるため活躍の幅は広いでしょう。また、雇用に関してフィリピンという国には、他国にはない独自のルールがいくつか存在します。そのため、下調べを良くし適切なエージェントを探しましょう。書類審査には1〜2週間程度かかる可能性もあるので、フィリピン人を雇用する場合には時間に余裕を持って行うようにしてください。

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