キャリア自律とは【メリットや課題などについて紹介します】

記事更新日:2022年02月03日 初回公開日:2022年02月01日

グローバル経済 グローバル用語解説 用語集
最近よく耳にするようになった「キャリア自律」というワードをご存知でしょうか。変化を避けられない時代だからこそ、労働者側はもちろん、企業側も社員のスキルアップに力を入れることで、会社全体の成果や士気を向上していこうという意識が大切です。「キャリア自律」という言葉自体を知らない方も、まずは自身が理解を深めることで社員一人一人とより良い関係になれるキッカケになるかもしれません。これからの時代を勝ち抜く上で、キャリア自律を促すことはとても重要となってきています。今回はキャリア自律についての情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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キャリア自律とは

個人が主体的にキャリア選択や能力開発を行うこと

キャリア自律とは、個々の持っているスキルを活かしながらキャリアを形成していくことです。少し前までは、個々のキャリアスキルよりも会社が主体になって、その会社のルールに従いながら働くことが主流でした。ですが最近では年功序列や働き方の制度の見直しにより、企業側もキャリア自律を促すことが増えてきたのです。個人がキャリア選択や自身の能力を開発することを主体的に行うことこそが現代の社会人に求められている最も重要なスキルといえるでしょう。

キャリア自律が注目されている理由

生産性の向上が求められているため

企業がキャリア自律を促すことに注目が集まっている理由の一つとして挙げられるのは、生産性の向上が求められているからです。日本では1998年以降、労働人口が減り続けていることをご存知でしょうか。労働人口の減少により、一人一人のパフォーマンスやモチベーションを高めて仕事の生産性を上げることがとても重要になってきているのです。個々のスキルが高ければ、多くの社員を雇わなくても会社全体の生産性が上がり、高い成果につながるでしょう。

終身雇用制度が崩壊したため

キャリア自律の普及が進んできている理由として考えられるのは、生産性の向上だけではありません。現在の日本では、昔ながらの年功序列や、退職まで同じ会社に勤めるという日本主義を支えてきた終身雇用制度が崩壊した点も大きいでしょう。昨今では、このような日本型雇用システム自体を見直す時代に差し掛かっているのと同時に、このようなシステム自体から脱却しようとしている企業も増えてきています。企業自体も会社全体の未来に向けキャリア自律に注目しているのです。

個人の労働観が多様化したため

終身雇用制度などが崩壊したことにより、より一層個人の労働観が多様化したと言われています。近年では労働者の高齢化に加えてコロナショックや就業機会確保の努力義務化など、企業・労働者共に抱えている課題が増えてきたからです。これまでは個々の力よりも会社全体で成果を出すことにフォーカスしていました。ですがこのような課題から避けられない状況になってきた今の時代では、個々のキャリア自律を促してより早く成果を上げることが求められているのです。

時代の変化に対してビジネスモデルを対応させる必要があるため

変化の多い現代社会では、柔軟にビジネスモデルを変えていくことが重要になってきました。とはいえ残業はよくない、土日休みでは足りないという単純な問題定義さえ解決すればいいというわけではありません。企業側は時代の変化に柔軟に対応しつつ、現段階の社内システムごと見直すべきです。個人が自然と長期的に働きたくなる社内環境を目指し、キャリア自律の開発を促す努力が必要な時代に差し掛かっているのではないでしょうか。

キャリア自律のメリット

モチベーション向上に繋がる

キャリア自律の大きなメリットとして挙げられるのは、個人のモチベーションの向上です。「こうしなさい」「こうするべきだ」と言われたことだけをこなすような従来の日本特有の労働は、もう時代遅れと言えるでしょう。これからの時代、個人が主体的に「こうしたい」と考えていることを具現化することで個々のモチベーションが上がり、その結果会社全体の士気や生産性も上げることが期待できます。会社全体の雰囲気は、営業などの際に来客者に与える印象にも繋がるので、非常に大切になってきます。

管理職の負担が減少する

30代半ばから50代にかけて、管理職に就く人も少なくないはずです。ですが、管理職になったからと言って両手放しで喜ぶことはできません。なぜなら管理職は自分の仕事以外に部下に的確な指示をしなければならないからです。ですが個々のキャリア自律が開発されていれば、自らで仕事を見つけ取り組むことが当たり前と考えるため、結果的に管理職の負担が減ります。その結果、管理職の負担が減ることで会社全体の進捗状況も良くなります。

独創性のあるアイデアが生成される

定期に行われるような社内ミーティングでも、他の国の人に比べて発言することが少ないと言われている日本人ですが、キャリア自律を促すことによって変化が生まれるでしょう。自ら発言することはもちろん、独創的なアイデアをシェアしたり、新しい企画の提案が活発化したりすることが期待されるからです。堂々と個々の意見を発信する機会が増えることによって、会社全体のモチベーション向上にも繋がります。それに伴って、停滞化している社内システムなどの改善も見込めるでしょう。

働き方の変化に対応できる

現代では、一つの会社で定年まで働こうと考えている社員は少なくなってきているため、会社側も柔軟に対応していかなければなりません。会社側がキャリア自律を促し、オンラインミーティングやテレワークなどにも柔軟に対応できる環境作りが大切になってきているのです。また、上司の指示待ちが当たり前という概念が社員に根付いている場合でも、キャリア自律を促していれば、社員も会社の方針に対して柔軟に対応しやすくなるでしょう。

キャリア自律における課題

社員と経営層との間でギャップがある

一方で、キャリア自律における企業側の課題も避けてはいけません。厚生労働省の能力開発基本調査では、65.8%の正社員がキャリア自律に沿った働き方を望んでいるにも関わらず、77.4%の企業側は「企業主体で決定」と答えています。このように、社員と企業とのギャップが埋まっていないという問題点は軽視できないでしょう。個人の意識改革はもちろんですが、企業側が社員に向けてキャリア自律の重要性を提示していかなければこの差は埋められないといえそうです。

現場の理解が足りていない

キャリア自律の開発を意識している企業が増えてきているとはいえ、実際に現場での理解が深まらない、もしくは高まらないということも課題となっているようです。特に、管理職が「キャリア自律」というワード自体を知らないということもまだ少なくはないようです。まずは、管理職の立場である人がキャリア自律についての理解を深め、勉強できる機会を増やすことが重要だと考えられます。そうでないと、結果的に組織として時代に対応していけない可能性も出てくるでしょう。現場の理解が深まることで社員との信頼関係も築けるようになるはずです。

人材流出が懸念される

キャリア自律における課題の一つとして、人材流出の懸念が挙げられます。個人個人のスキルが上がることはいいことですが、それ故に離職率が高まってしまうのではという不安要素が原因でしょう。ですが、労働者のキャリア自律が開発されることによって、会社そのものへの理解度や、モチベーションが上がることも一部の研究ではわかってきています。ですので、企業側は恐れずに、これからの時代に柔軟に対応していくためにもキャリア自律の開発に力を入れるべきなのではないでしょうか。

キャリア自律を促すためのポイント

企業としてのあるべき姿勢を共有する

まずは、企業がキャリア自律に対してどのように考えているのか、社員にはどのような行動をとって欲しいのかを明確に提示することが重要になってきます。最初に会社側が考えを明確化し、一人一人と向き合っていきたいという意思表示をすることで、個々の社員もキャリア自律に対して前向きな姿勢を持ちやすくなるはずです。最初の部分であやふやにせずに、個人としてスキルアップして欲しい、会社全体の向上を目指しているという旨をハッキリ伝えるのがポイントでしょう。会社側からのこまめなコミュニケーションも必須になりそうです。

個人のマインドセットを促す

会社側が突拍子もなくキャリア自律を促したところで、個々の社員のマインド自体が追いつけない場合もあります。まずは社員それぞれがどのようなモチベーションで仕事に取り組んでいきたいか、どんなライフスタイルを実現したいかなど自身と向き合ってもらう必要があるでしょう。個々のマインドセットが出来ている状態でキャリア自律を促していかない限り、今後を見込んだスタンダードな働き方として定着しない恐れがあるからです。マインドセットに関しては曖昧な管理職が担当するよりも、専門であるキャリアコンサルタントを雇って任せるのも賢明な判断かもしれません。

キャリア形成の機会を提供する

個人のマインドセットが完了したら、会社側はキャリア形成の機会を設けるようにしましょう。キャリア機会を設けるといっても様々な方法があるので、キャリアコンサルタントと相談しながら行うのもおすすめです。現代では色々な講習会やカウンセリングを受ける場所や機会があるため、社員一人一人に合わせて外部から刺激を受けてもらうやり方もいいでしょう。また軽い社内ミーティングなどを行い、今それぞれが何に興味があって、どんなことを勉強したいかなど情報をシェアし合うような時間を設けましょう。

キャリア自律を行う上で大切なこと

目標より習慣を大切にする

現代のように変化が激しい社会情勢を鑑みた場合、「目標を立てて突き進む」という、キャリア自律からはかけ離れた概念そのものを見直さなければいけません。社員には他人事になりやすい目標よりも、キャリア自律に基づく「日頃からの習慣」の大切さを提示するのがいいでしょう。予期せぬ自体が起こった際に、それに応じて軌道修正できることこそが、キャリア自律の真の力と言えます。個々がキャリア自律を日頃から意識し、自分のやるべきことを習慣化していれば、どのような状況になっても焦ることなく、目の前の任務をこなしてくれるようになるでしょう。何が起きても柔軟に対応できるように、社員の身近な習慣に目を向けて、キャリア自律に対する意識を向上させてみてはいかがでしょうか。

健全な仕事観を作る

キャリア自律の第一歩として、一人一人の健全な仕事観がとても大切になってきます。健全な仕事観とは地位や名誉ばかりを追い求める働き方ばかりではありません。人のために仕事ができる喜びや、自分がしている仕事で社会に貢献できているという実感が持てることを指します。まずは、健全な仕事観を持つことこそが、個々のキャリア自律を考える上で重要になってくるでしょう。キャリア自律を促す前に社員の仕事観や、目指しているライフスタイルにいついて深掘りするのもいいかもしれません。

まとめ

キャリア自律を促して個人のスキルアップに繋げよう

キャリア自律を促す場合は、まず個人がどのような考えで働いているかを内省してもらうことが大切になってきます。会社側が強要するような形ではなく、あくまで社員自身が働き方を見つめ、どのように会社や社会に貢献していきたいかを知ることが、キャリア自律を促す大切な第一歩となるでしょう。キャリア自律を促して個人のスキルアップに繋げていくことで、会社としてもメリットが得られるでしょう。社員一人一人としっかり向き合いながら、良質なキャリア自律を開発しましょう。

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