記事更新日:2022年03月02日 | 初回公開日:2022年02月17日
人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用 外国人留学生の採用 用語集初めにサイレントお祈りという言葉の意味について説明します。サイレントお祈りとは、採用活動で不採用となった候補者に対して、不採用の連絡をせずに放置をすることです。通常であれば、書類選考や面接といった採用活動の各ステップで不採用となった候補者に対して、企業側がメール等で連絡をします。しかし最近では様々な理由からサイレントお祈りをする企業も少なくありません。サイレントお祈りの場合、事前に説明がなければ候補者は合否すら知ることが出来ないため、困っている人が多いのが現状です。
サイレントお祈りの対となる言葉としてよく使用されているのが、「お祈りメール」です。お祈りメールとは、不採用者に不採用となる旨をメールで伝えることです。メールの最後に「今後の活躍をお祈りいたします」などの文章が記載されているため、一般的にお祈りメールと呼ばれています。選考の通過者や合格者に対しては電話等で連絡を行なう企業もありますが、不採用者に対してはメールで連絡することが多いでしょう。
続いてサイレントお祈りの実施状況について説明します。結論から言うと、サイレントお祈りをする企業は一定数あります。HR総研の調査によると合格者のみに連絡をすると答えた企業は22%でした。これは、約2割の企業がサイレントお祈りをしているということになります。つまり、サイレントお祈りを行なうことは決して珍しいことではないのです。しかし、サイレントお祈りをされた不採用者にとってはあまり気分が良いことではないことは理解しておく必要があるでしょう。
サイレントお祈りは実施する割合は中小企業よりも大企業の方が高い傾向にあります。その理由としては、応募者の数も大企業の方が多いからです。実際にHR総研が行なった調査では従業員数1000人以上の大企業のおよそ4割が不採用通知をしていないと回答しました。特に新卒採用の場合、人気企業であれば応募者が1万人を超えることもあります。そのような場合、一人ひとりの不採用者に対して、連絡をするのはそれだけでも大きな手間となってしまいます。
次に企業がサイレントお祈りをする主な理由を幾つか紹介します。1つ目の理由は時間や手間を省くためです。これが企業がサイレントお祈りをする一番の理由と言えるでしょう。特に書類選考の場合は何千通、何万通と書類が送られてくることもあります。そうした応募に対して、1通1通返信するのは採用担当者にとって大きな負担となってしまいます。その結果、採用活動を効率化するためにやむを得ず、サイレントお祈りをしている企業も少なくありません。
2つ目の理由は、応募者からの質問対応を避けるためです。ほとんどの企業は、選考の詳細について開示をしていません。しかし応募者の中には、「選考に落ちた理由を教えてほしい」といった内容のメールを送る人もいるかもしれません。特に応募者が多い場合は、1通1通の質問に答えるだけでも大きな負担となります。そういった際の対応を避けるために、あえてサイレントお祈りを行なう企業もあります。
3つ目の理由は、内定の辞退に備えるためです。あまり割合は高くありませんが、企業によっては補欠合格を出すためにサイレントお祈りを使うこともあります。つまり、内定辞退者が増加に備えるためにサイレントお祈りをしているということです。この場合、該当者は合格とも不合格とも知らされずに一定期間放置されることになります。該当者から会社の印象が悪くなる危険性もあるので注意しましょう。
4つ目の理由は、連絡ミスを防ぐためです。企業の担当者が応募者に向けて合否の連絡をしていると、誤った内容のメールを送ってしまう可能性はゼロではありません。具体的には、合格者に不合格の連絡を、不合格者に合格の連絡をしてしまうという可能性が考えられます。いくら送信前にチェックを行なってもミスが起こる可能性はあります。ミスの内容によっては大きなトラブルに発展することもあるので、リスクを避けるためにあえてサイレントお祈りをする担当者もいます。
サイレントお祈りは様々なデメリットが伴います。ここでは代表的な例を3つ紹介します。1つ目のデメリットは企業のイメージが低下することです。応募者はその企業に入社するために、選考の段階で様々な準備をしています。しかし、その結果が知らされないまま選考が終わってしまうのは、応募者にとって気分の良いものでは当然ありません。不合格でもせめて連絡くらいはしてほしいと思う応募者が大多数でしょう。サイレントお祈りをした結果、選考を受けた応募者がその企業に対して悪いイメージを持ってしまう可能性も大いにあります。
2つ目のデメリットは内定辞退が増加することです。サイレントお祈りによる企業イメージの低下は内定辞退の増加につながる可能性もあります。企業は内定者を決めた時点で安心してはいけません。特に複数の企業から内定をもらっている人は、企業の対応なども比較をして最終的な入社先を決定することも多いでしょう。ですので、企業は選考の段階で誠実な対応を心掛け、内定辞退率を下げる努力をするようにしましょう。
3つ目のデメリットはインターネット上で風評被害を受ける可能性があることです。インターネットの利用が当たり前となった現代は、就職活動や転職活動の情報に誰でもアクセスすることが出来ます。実際に掲示板などでも情報が出回るため、企業の対応はすぐに知られてしまいます。また、SNSなどで炎上するリスクもあります。ですので、風評被害を受けないためにも、応募者に対する丁寧な対応を意識すると良いでしょう。
サイレントお祈りは様々な理由からしないほうが良いでしょう。しかし、もし仮に行わなければならない状況になった場合は、次に2点に注意しましょう。1点目は必ず不採用通知をしない理由を明確にすることです。不合格者に連絡をしない場合、事前にその理由を明記することで企業の対応の誠実さは増すでしょう。応募者も納得の出来る理由であれば、企業に対するイメージを下げることもあまりないはずです。
2点目は、合否の連絡方法を候補者に対して事前に伝えておくことです。サイレントお祈りをする際は、事前に応募者に対して不合格通知をしないという旨を伝える必要があります。例えば、「合格の場合のみご連絡いたします。」などの文をメール等に入れることで、応募者の不安を減らすことが出来ます。応募者の不安を少しでも軽減するためにも、合否結果の連絡方法をあらかじめ伝えるようにしましょう。
ここでは不採用者に対する適切に対応する方法を4つ紹介します。1つ目は、合否の期限を明確にすることです。応募者に対しては必ず採用活動の各段階で合否判断がいつまでに行われるかをあらかじめ伝えるようにしましょう。そうすることで応募者は期限までに連絡がなかったときは不合格であるという判断ができるようになります。そして、可能であれば、設定した期限よりも早く連絡をするようにしましょう。
2つ目は、不採用者に対してもメールなどで連絡をすることです。先程も述べたようにサイレントお祈りをするのは、様々な面から好ましくありません。ですので、不採用に対してもメール等を使って連絡をするようにしましょう。そしてお祈りメールを送る際も誠実な対応をすることが重要です。自社に興味を持って応募をして頂いたという気持ちを持ちながら、丁寧な言葉遣いで文章を作成するようにしましょう。
3つ目は不採用の理由を応募者に伝えないことです。応募者によっては自分が不合格となった理由を詳しく知りたいという人もいるでしょう。もちろん企業は応募者からの問い合わせに対して誠実に対応する必要はありますが、不採用の理由を回答することは不要です。もし不採用の理由を教えてしまうと、応募者に選考の基準が漏洩してしまう可能性もあります。ですので、誤解を招かないように事前に「いかなるケースでも不採用の理由については回答しない」ことを応募者に伝えておくと良いでしょう。
4つ目は個別の問い合わせにも丁寧に対応することです。期限までに通知が出来なかった場合や選考後などには、応募者から直接企業宛てに連絡が来ることもあります。このような場合は、個別の問い合わせに対しても丁寧な対応をする必要があるでしょう。なぜなら社員の対応はすべて企業のイメージに繋がるからです。また、採用を検討している応募者からの問い合わせを放置していると他社に優秀な人材が流れてしまうこともあるので、注意しましょう。
今回は一部の企業が採用活動のときに行うサイレントお祈りについて解説をしました。大企業を中心にサイレントお祈りをする企業は一定数存在するものの、一般的には不採用者に対しても連絡がなされています。そして、サイレントお祈りをすることで、企業イメージが低下する、内定辞退が増加するといった様々なデメリットがうまれてしまいます。ですので、やむを得ない理由がある場合を除いて、極力サイレントお祈りは行わないようにしましょう。
「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。
グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
この記事を読んだ方は次のページも読んでいます。