記事更新日:2021年10月18日 | 初回公開日:2021年10月13日
用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用採用プロセスとは、企業が応募者の採用を決定するまでの過程のことです。求人募集や選考を経て、内定者を出すのが採用プロセスの大まかな流れとなっています。企業も求職者も、お互いを知って理解するというところから始まります。応募者が少ない場合や内定者が採用後に能力を発揮できないなどの問題がある場合は、採用プロセスを見直すことでそれらのリスクを軽減できるかもしれません。本記事では一般的な採用プロセスをご紹介しますが、こうでなければならないといった決まりはありませんので、自社に合った採用プロセスを企業ごとに考えましょう。
採用プロセスでは、最初に採用計画を立てましょう。採用の募集をかける際に、「なんとなくこのような人材が欲しい」というイメージを抱いている企業は多くあります。しかしながら、採用計画を立てる際には、受け入れたい人材をより詳細に考えることをおすすめします。最初の時点で具体的なイメージを持てていると、採用後のミスマッチが発生しづらくなります。また、新たに採用を行うことの目的を考えることも大切です。目的が分かれば、受け入れたい人材のイメージがより濃くなるでしょう。
具体的な採用計画を立てたら、求人募集を行いましょう。今では、求人募集の方法は多岐に渡ります。求人専用のwebサイトを設けるか、もしくは求人サイトに掲載して情報発信をしていきましょう。またこれらの方法だけでなく、現在ではFacebookやInstagram、twitterなどといったSNSを用いることも効果的かもしれません。できるだけ採用ルートを広範囲に広げたいところですが、採用活動に使える予算にはもちろん限りがあるでしょう。ですので、採用コストと費用対効果を考慮しつつ、募集方法を絞り込むことをおすすめします。
募集をかけたタイミングで、同時に説明会やセミナーを開きましょう。説明会やセミナーは、新卒採用を行う際などの一括採用において欠かせないものです。学生側は社内の雰囲気や入社後のキャリアモデル、待遇についての説明を聞くために、説明会やセミナーに参加する人が多いようです。入社後の不安をや疑問を解消できるように、会社のことをできるだけ伝えられるようにしましょう。企業にとっては人材選定の機会にもなるので、入社後のミスマッチを防ぐこともできるでしょう。
応募者が集まったら、採用者の選考をしていきましょう。選考の過程では書類選考と面接を行うことが一般的ですが、企業によっては筆記試験を組み込んでいるところもあるようです。書類選考では履歴書と職務経歴書を確認し、明らかに求める人材とマッチしていない場合以外は面接に進んでもらいましょう。また適性検査を実施することも、会社との適性度を測る方法の1つです。最近では対面ではなくオンラインで面接を行うところも増えているので、自社に合った方法を選ぶようにしましょう。
選考を終えたら内定者の決定を行い、彼らへのフォローをしましょう。入社後に内定を辞退されてしまうというケースを防ぐために、内定者に対して迅速に連絡して内定後のスケジュール共有が必要になります。求職者は、一社だけでなく複数応募していることがほとんどです。内定を決定した後は求職者と密にコミュニケーションを取り、入社後にギャップが発生しないよう情報交換を行いましょう。内定後もこの会社に入社したいと思い続けてもらうような工夫が必要です。
きちんと採用プロセスを設計したのにも関わらず、なかなか自社が求める人材を採用することができない場合もあります。その際には、いくつかの課題が考えられます。まず、応募者が少ない場合は採用プロセスを見直す必要があるでしょう。応募の時点で問題が起こるのは求職者が求める給料との差が大きい場合や、高い能力を保持している人材に対して見合う報酬を設定できてない場合です。求職者は、多くの企業を調べ検討しています。他社と比較することで、仕事内容と自社の報酬が見合っているかを検討しています。
内定を辞退する人が多い場合も、採用プロセスを見直しましょう。内定後のフォロー体制が整っていない場合や、内定後に会社に対してギャップを感じてしまうと、内定を辞退する人が多くなってしまいます。内定後に辞退されてしまうと、応募中や選考中の辞退に比べて手間もコストもかかります。もし「ギャップを感じた」という意見が多いようでしたら、どのような点にギャップを感じたのか調査すると良いかもしれません。採用プロセスでは、採用通知を送って終わりではありません。内定後のフォローを充実することが、自社に合った人材の確保には大切です。
入社後の評価が面接の時と異なる人が多い場合も、採用プロセスを見直す必要があるかもしれません。期待するほど活躍しなかったと思うのには、採用計画を立てた際の採用条件が違う、または面接の際にその人材のことを見極められてないことが原因と考えられます。そのような状態に陥ってしまった場合は、アセスメントという手法を使いましょう。アセスメントとは数値的・計算的・客観的な基準に基づいて、評価をすることです。アセスメント手法の中でもコンピテンシー診断を使用すると、どんな人が自社で活躍できるのか分析することができます。また面接だけでは分からない内面的な情報を知ることもでき、ミスマッチを防ぐことに繋がるでしょう。
採用プロセスを改善する際に、注目したいポイントがいくつかあります。まず採用費用を見直すことに注目しましょう。採用費用とは、企業が人材を採用する際にかかる費用のことを指します。最初に、一人あたりの費用がどの程度かかっているのか算出し、過去の採用単価を把握しましょう。採用単価が適切であるかどうかを判断し、指標とする数値を設定することが必要です。一般的には採用にかかった費用を採用人数で割ると、採用単価を求めることができます。
求人媒体ごとの費用対効果を測定することも、採用プロセスを改善する際のポイントです。今では多くの求人媒体が存在します。中には、それぞれの業界に特化した求人媒体もあります。複数の媒体で募集を行うことは、効率よく採用をすることに繋がるでしょう。しかし目的なく多くの媒体を利用するだけでは、求める結果を得るまでに多くの費用と時間がかかってしまいます。そのような状況を避けるべく、媒体ごとに費用対効果を測定しましょう。費用対効果が高い媒体のみを利用することで、より効率よく採用することに繋がります。
プロセスごとの歩留まり率を把握することも、採用プロセスを改善する際のポイントの1つです。歩留まり率とは、内定後に実際に入社まで至った人数と内定を辞退した人数との比率のことを指します。最近では内定から入社の過程だけでなく、採用プロセスの項目ごとに歩留まり率を把握することが大切になってきています。全ての項目で把握することによって、募集をかける時点で問題があるのか面接に問題があるのかが明らかになるでしょう。
採用プロセスを改善させるためには、ターゲットをより明確にすることが大切です。ただやみくもに応募してくれる人を増やそうとすると、自社が求める人とはかけ離れた人材までもが応募してしまうかもしれません。そうなってしまうと、採用者を決めるまでに膨大な時間と費用がかかる恐れがあります。そうならないために、採用計画を立てる中でターゲットを明確化する必要があるのです。募集をかける際に自社が求めている人材をより詳細に記入しておけば、求める人材に近い人たちが応募してくるでしょう。
採用プロセスを改善するためには、自社と仕事内容についてより詳細に記載しましょう。企業自身のことと仕事内容が細かく書かれていると、求職者はその企業で働くことをイメージしやすくなります。自社について記載する前に、自社の魅力を見直すこともおすすめです。魅力として発信していたことが、実は求職者のニーズとかけ離れていたというケースがあるためです。そうなってしまうと、必然的に応募者の減少に繋がってしまいます。
評価基準を統一させることも、採用プロセスを改善するうえで大切です。面接担当者の中には、応募者の人柄を見て採用を決定する人もいるでしょう。そうなると面接担当者によって評価基準が異なる、採用した理由を明確化できないなどの問題が出てきます。評価基準を統一させることで効率的かつ適切な判断が可能となり、面接内容や評価のばらつきを解消できるようになるのです。また合否の理由を記録することで、なぜ優秀な人材の確保に繋がったのかが分かるためその後の採用活動に繋げられます。
採用プロセスを改善するためには、採用プロセスの周知と認識を強化することも求められます。採用プロセスは経営陣のみで決定されることが多く、社内における一部の人のみが知るだけで、社員全員に共有されることがほとんどありません。つまり、どのような人材を求め、どのような方針で進めていくのかという重要な部分が認知されづらいのです。周知と認識が一部に留まってしまうと、結果として評価基準を統一することが難しくなってしまいます。企業全体で、自社の採用プロセスを認識してもらうようにしましょう。
採用管理システムを導入することも、採用プロセスを改善する方法の1つです。採用管理システムとは、企業の採用活動をサポートするシステム全般のことです。応募者の個人情報や選考の進捗状況、面接担当者が出した評価などの情報を全て管理でき、業務全般を効率化することができます。情報を可視化できるため、人為的なミスを防ぐことにも繋がるでしょう。採用方法が多様化したことを受けて、採用管理システムを導入する企業が増えているようです。
採用プロセスを改善すると人材採用にかかる費用を削減できるだけでなく、入社後も活躍してくれる自社が求めている人材を採用できるようになります。応募者が少ないだけでなく内定を出した後に辞退されてしまうなどの問題を抱えている場合も、一旦採用プロセスを見直してみるといいかもしれません。しかしながら初めにお伝えした通り、このような採用プロセスでなければうまく機能しないということはありません。今回紹介した採用プロセスを参考にしつつ、自社に合った採用プロセスを作成していきましょう。
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