在留資格はオンライン申請ができる?【申請方法や注意点をご紹介します】

記事更新日:2023年05月22日 初回公開日:2023年05月22日

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外国人が日本で働くためには在留資格を申請し就労ビザを取得する必要があります。在留資格の申請をするためには様々な書類を用意し出入国在留管理官署へ提出しなければなりません。しかし、他業務と並行しながら申請手続きをするには時間の捻出が難しいという場合も多いのではないでしょうか。そんな場合の負担軽減や業務の簡略化に役立つのが在留資格のオンライン申請です。今回は在留資格のオンライン申請の方法から、メリットとデメリットや申請する際の注意点をお伝えします。これから新規の採用や就職活動に向けて在留資格のオンライン申請を検討している方はぜひご参考にしてください。

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在留資格のオンライン申請とは

オンラインで申請できる仕組み

日本では2019年から外国人の在留資格を出入国在留管理庁HPでオンライン申請できるようになりました。そのため、現在では外国人雇用の際にも入国管理局まで出向かずに在留資格を申請できます。さらに申請手続きが無事完了すると交付される在留カードについても、希望すれば郵送で受け取れるので時間を作って取りに行く必要もありません。オンライン申請の手順は事前準備としての利用者情報登録と申請の二段階があるので、まずは申請のための利用者情報登録から始めましょう。

在留資格のオンライン申請でのメリット

自宅からいつでも申請ができる

在留資格のオンライン申請は、利用前に本人の情報登録をしなければなりません。情報登録には本人のマイナンバーカードとカード情報読み取り用のICカードリーダーライターが必要になります。マイナンバーカードは日本国内に住民票があれば作成可能ですが、交付までには申請から1か月ほどかかるので早めに手続きしておきましょう。また、使用するパソコンには電子署名用ソフトであるJPKI利用者クライアントソフトもインストールが必要です。利用者登録は同サイトでマニュアルが閲覧可能で、登録が終了すると登録完了のメールが届きます。

利用料金は必要なく自宅で受け取れる

オンライン申請可能な手続きは全部で7種類あり、日本で働く際に必要なのは在留資格取得許可申請または在留資格変更許可申請となります。資格外活動許可申請と再入国許可申請もオンライン申請可能ですが、上記2つの内どちらかの申請と同時に手続きしなくてはなりません。他にも、オンライン申請では在留期間更新と就労資格証明書や在留資格認定証明書の交付も行えます。各種手続きの詳しい方法は公式サイトからマニュアルを閲覧できます。表示された項目を案内に沿って埋めていき、資料のデータを添付するだけで簡単に申請可能です。

オンライン申請の対象手続き

7つの項目がある

現在日本に滞在するための在留資格は全部で29種類ありますが、これらの在留資格を所有している全ての人がオンライン申請を利用できるわけではありません。そのため、在留資格に関する手続きを行う場合には申請者本人が現在保持している在留カードから在留資格を確認する必要があります。また、在留資格全29種類の中でもオンライン申請対象外の資格は外交と短期滞在の2種類のみです。その他の資格に関しては条件付きの資格もありますが概ねオンライン申請が可能な資格です。

在留資格のオンライン申請でのデメリット

本人が日本にいるか日本からアクセスに限る

在留資格のオンライン申請を行える資格は出入国管理庁の公式サイトから確認することができます。申請可能な資格は全部で27項目あり、そのうち23項目は特別な条件が無くても申請可能です。残りの4項目に関しては、条件付きになっているので注意が必要です。例えば高度専門職の場合、携わっている職の活動内容がオンライン申請の対象範囲に該当する内容であることが条件として上げられています。このように、所持しているまたは申請しようとしている在留資格によっては申請不可な場合や、条件付きの場合もあります。そのため、オンライン申請を検討している場合は事前に確認しておきましょう。

オンライン申請ができる在留資格

23の項目がある

在留資格のオンライン申請は本人が18歳未満または成年被後見人である場合、法定代理人の氏名を使用して代理で手続きすることも可能です。代理手続きでは法定代理人が外国籍で中長期滞在者の場合、在留カードの番号の入力を求められます。他にも法定代理人であることを証明する資料の添付が必要です。また、本人の親族も代理でオンライン申請できます。ただし、本人が16歳以下または疾病などの理由があり、自ら手続きできない場合のみという条件が付きます。そして、この場合も親族関係があることを証明する資料の添付が必要です。

在留資格のオンライン申請ができる人

各在留資格を確認する

在留資格のオンライン申請は弁護士や行政書士に依頼することもできます。弁護士や行政書士が代理手続きを行う場合は、事前に所属する弁護士会や行政書士会を通して届出済証明書を発行してもらいます。弁護士や行政書士に依頼する方法では外国人本人が事前準備で使用する道具を用意する必要が無く、マニュアルを読みながら慣れない操作をしなくて良いのが魅力の一つです。ただし、依頼人である外国人本人はオンライン申請に必要な顔写真や活動内容に応じた資料などを求められるので、相談する際にはどんなものが必要か質問しておきましょう。

在留資格をオンライン申請するために

事前準備が必要

在留資格のオンライン申請は本人が依頼すれば所属機関の社員でも手続き可能です。この場合は最寄りの地方出入国管理官署へ書類を持参または郵送して利用申出を行います。利用申出は申出書や社員の本人確認書類などの書類が必要で、必要書類は機関の種類によって異なります。さらに、利用申出の承認は5つの要件を満たしている必要があるので、公式サイトでチェックしておきましょう。また、利用申出は新規申出と追加申出の2種類があり、初めての手続きでは新規申出を、申出済みの機関で新たに別の社員がオンライン申請をする場合は追加申し出を行います。

オンライン申請を代理に頼む場合

法定代理人の場合

オンライン申請はインターネットを利用するため必要な道具さえそろっていれば24時間365日いつでも申請手続きが可能なのがメリットの一つです。従来の手続きでは申請書類を窓口へ持参する必要があったため、窓口の開いている曜日や時間帯を選んで訪問しなければならず、時間や交通費の負担が大きいという問題がありました。しかし、オンライン申請を利用すれば直接窓口に出向く必要も無く、必要書類や写真もデータでやりとり出来るので大幅な負担軽減に繋がります。そのため、入国してからまだ日が浅く土地勘が無いという方や居住地域から出入国管理署までが遠いという方でも利用しやすいシステムと言えます。

弁護士・行政書士の場合

在留資格のオンライン申請はシステムの利用料がかかりません。そのため、誰でも無料で利用できるのもメリットの一つです。また、在留資格の申請後に審査が完了すると受け取れる在留カードも、申請者が希望すれば郵送で送付してもらうことができます。郵送を希望する場合にはオンライン申請時に、窓口か郵送か受領方法を選択する項目が出てくるので利用したい方法を選択しましょう。郵送を利用すれば、自宅に在留カードが届くので窓口に直接出向く手間が省けます。このような特徴からもオンライン申請を利用すると、手続きにかかる手間やコストを削減できることがわかりますね。

所属機関の社員

在留資格のオンライン申請システムは日本国内でしかアクセスできないことに加え、本人または法定代理人が申請を行う場合にはマイナンバーカードが必要になります。申請者や本人が国外に居る場合にはアクセス不可能なだけでなく、日本国内に住民票が無い場合マイナンバーカードの発行もできません。以上の理由から、オンライン申請を利用することは不可能なのがデメリットと言えます。ただし、日本国内の弁護士や行政書士または所属機関の社員が手続きをする場合、マイナンバーカードの提示は不要なのでオンライン申請可能です。

オンライン申請の注意点

お使いの端末

在留資格のオンライン申請システムはスマートフォンやタブレットを利用すると画面が正常に表示されない可能性があり、パソコンでの申請が推奨されています。さらに、ブラウザはGoogle Chromeのバージョン72を前提として作られています。推奨外の環境でシステムを利用すると正常に動作しないこともあるので、スムーズな申請手続きを行う為にも上記の環境を揃えてから作業を行いましょう。また、マイナンバーの読み取りに使用するICカードリーダーライターに関しても、対応している機種と対応していない機種があります。そのため、購入する際にはマイナンバーカードに対応しているかチェックが必要です。

手数料の支払い

在留資格のオンライン申請では申請内容について審査が終了し、許可が下りた場合には入国管理局に手数料を収めなければなりません。手数料の金額は在留資格変更と在留期間更新は4000円で、就労資格証明書の交付では1200円になります。また、再入国の場合は1回なら金額は3000円ですが、複数回の場合は6000円かかります。手数料はそれぞれの内容に対応した金額の収入印紙を手数料納付書に貼り付けて、窓口に持参または郵送することで納付可能です。手数料の納付には期限があるので審査結果を確認したらなるべく早く納付しましょう。

添付ファイル

在留資格のオンライン申請では提出書類や顔写真のデータをシステムにアップロードする必要があります。ファイルの規格は決まっていて、提出書類は複数資料がある場合にも1つのファイルにまとめ、PDF形式での添付が必要です。さらに、解像度は200dpi以上を推奨されていてファイルのサイズは10MBまでとなっています。顔写真はサイズが50KB以下であることと、拡張子がJpegまたはjpgであることが条件です。さらに、三か月以内に撮影されたもので、映りが鮮明かつ影を含んだ背景が無い無帽の本人のみが映った写真という規定があります。

電子証明書

マイナンバーカードを利用して在留資格のオンライン申請をする場合、マイナンバーカードに内蔵されている2種類の電子証明書のパスワードの入力を求められます。そのため、あらかじめ電子証明書を発行しておく必要があります。電子証明書はマイナンバーカードの交付と同時に発行手続きが可能です。申請には郵送とオンラインの二通りの方法がありますが、どちらも手続きの際に電子証明書の発行の有無を選択する項目があるので発行希望を選びましょう。また、電子証明書には5年の有効期限があるので、期限が近い場合は更新手続きをしておくことも大切です。

在留申請のオンラインシステム

法務省のホームページ

在留資格のオンライン申請は一見複雑な手続きが必要とも思われがちです。しかし、この方法を利用すれば自宅や職場から簡単に利用することができて直接窓口で手続きをしなくて良くなる分、大幅に時間や労力を削減することが可能です。そのためには事前の下調べや書類の準備を余念なく行う必要があります。今回は在留資格のオンライン申請を利用するにあたって、必要な準備や申請までの大まかな流れを説明させていただきました。在留資格のオンライン申請に挑戦したい方は、まずは法務省のホームページから出入国在留管理庁までアクセスしてみましょう。

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