外国人も年金の加入義務ってあるの?【帰国した時、返還、免除の条件も解説します】

記事更新日:2020年05月15日 初回公開日:2020年03月04日

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2019年4月1日、外国人を日本の労働市場において戦力として向かい入れようではないかと、入管法改正に至りました。しかし、外国人としてもなぜ、日本を選ぶのか?日本としても向かい入れる国として、一種のインセンティブとも言える年金制度を構築しておく必要があります。しかし、年金制度を維持していくには、「保険料徴収」は避けて通ることはできません。ゆえに旅行等の場合を除き、外国人であっても就労等の目的で来日し要件に合致した場合は、日本の法律が適用される為に、加入義務であることを理解しましょう。

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日本の年金制度について

日本には国民年金と厚生年金がある

国民年金

日本の年金制度について、日本には国民年金と厚生年金があり、いわゆる二段構造となっている点をおさえましょう。国民年金は自営業者などの個人事業主が加入する制度であり、厚生年金はサラリーマンなど、労働者として雇用される方々が対象。当然、外国人であっても日本国内で雇用される場合は、原則として、日本の社会保険制度の対象となります。「原則として」と記載したのいは、来日と言っても対象は広く、単に旅行で来日するようなケースなどは対象外です。

厚生年金

外国人が日本の企業に雇用される場合は、原則として厚生年金に加入することとなります。厚生年金は国民年金の第2号被保険者にもあたり、要件を満たせば国民年金側へも年金を請求できます。厚生年金のメリットは、保険料の半額は会社負担であることや、事故にあい、障害を残してしまった場合、国民年金より手厚い給付が整備されている等が挙げられるでしょう。尚、保険料は報酬の額によって異なる点は国民年金との相違点です。

外国人も日本で生活している場合は年金を払う義務がある

外国人であっても日本で生活している場合は年金にかかる保険料を支払う義務があります。また、保険料支払い義務を履行することで、将来、年金を請求することができます。では、外国人であってもどこから線引きをするのかを確認しましょう。まずは、「住民基本台帳」に記載された外国人が対象となります。しかし、外国人で住民基本台帳に記録されない短期在留者などであっても、日本国内に住所を有することがあきらかとなった外国人についても対象となります。

外国人被保険者の定義

第1号被保険者

外国人被保険者の定義として、まずは、適法に3か月を超えて在留する場合は、住民基本台帳に記載されることとなります。その場合、企業などで雇用される場合は第2号被保険者となります。しかし、個人事業主などの場合は、第1号被保険者となり、その場合は、年度ごとの「定額の保険料」が納付義務となることをおさえておきましょう。また、基礎年金番号は被保険者の種別が変更(第2号被保険者から第1号被保険者など)となっても変ることはありません。

第2号被保険者

外国人が企業に雇用され、厚生年金に加入する場合は、同時に第2号被保険者となります。これは、厚生年金と国民年金の両方に加入していると解釈してください。しかし、家庭の事情により、母国へ帰国することもあるでしょう。その場合に、払った保険料が無駄になるのではないかとの議論もありえます。その場合、脱退一時金という形で一定の額が返金されることとなります。これは、日本国内に在住する間は申請できない点はおさえておきましょう。

第3号被保険者

第1、2号被保険者の他に第3号被保険者の確認をしましょう。これは、第2号被保険者と生計維持関係にある被扶養配偶者の為に設けられている種別です。2020年3月31日までは「国内居住要件」が明記されていたのは、第1号被保険者のみでした。しかし、法改正により、第3号被保険者にも国内居住要件が設けられ、出国する場合は、例外規定(海外赴任に同行など)があるものの資格喪失となる点に留意しましょう。

もらえる年金の種類

老年年金

外国人視点では、「もらえる年金の種類はどのようなものがあるのか?」と、気になる部分でしょう。まずは、基本形と言える老齢年金について確認しましょう。この年金は「老齢」を保険事故と考えて、その後の長生きリスクに対する給付を行うとお考え下さい。死亡は誰にでも必ず一度訪れることです。しかし、年齢を重ねるごとに体の衰えが始まることは想像に難しくないでしょう。よって、一定の年齢到達を契機として一時金ではなく年金として支給する制度です

障害保険

外国人にかかわらず、保険料納付が困難となる事態は誰にでも訪れる可能性はあると言えるでしょう。その場合に免除申請という制度を覚えておきましょう。これは、失業などで収入が途絶えた場合に、申請することができます。当然、申請することで、将来受け取る予定の老後の年金額は減額します。しかし、申請を出しておくことで「滞納機関」とはならず、万が一、事故に遭遇し障害が残った場合に、障害年金を受け取れる可能性があります。

遺族年金

外国人が適法に年金に加入するメリットとして、老齢、障害年金の他に遺族年金の受給が挙げられます。例えば、配偶者が死亡した場合などは「一家庭単位」としては、収入が減少する事態も想定されるでしょう。そのような場合に、子を有する配偶者であれば、遺族基礎年金、厚生年金に加入していれば、遺族厚生年金(年齢要件など有)が支給されます。尚、遺族年金は非課税である点もメリットと言えるでしょう。

外国人の年金納付の方法と支払い方法

年金納付の手続き方法

例えば企業に就職し、厚生年金に加入したにも関わらず、国民年金の保険料を納付してしまった場合は、返還の制度が設けられています。まずは、市町村窓口などにお問い合わせください。また、外国人の年金納付の手続き方法については、国民年金は市町村で行い、口座振替などが自身で選択可能です。厚生年金は企業で行い、給与天引きが一般的でしょう。また、支払い方法は両制度ともに、口座へ納付されます。

年金の支払い方法

年金の支払い方法については、2か月に1度、15日に支払われます。そして、実際に支払われるのは、「前月分」までの2か月分です。例えば4月に支払われる年金は2月と3月の2か月分になりますので、知っておくべきでしょう。尚、15日が土日の場合は、「直前の平日」となることもおさえておきましょう。また、振り込まれる時刻については、金融機関によっても異なる為に、一概には申し上げられません。

外国人の年金が免除されるケース

収入が少なくて支払えない場合

外国人の年金が免除されるケースとして、収入が少なくて支払えない場合を例に挙げて確認しましょう。免除と言っても、4分の1、半額、4分の3、全額と4種類設けられています。それぞれ、所得の基準が設けられており、4分の1で158万円。半額で118万円。4分の3で78万円。全額で57万円となっています。また、免除申請の所得基準は、本人、世帯主、配偶者全てが問われることとなります。この3者全員が所得基準を満たしていなければなりません。

留学生

外国人留学生であっても住民基本台帳に記載されれば、年金制度には加入義務となります。しかし、国民年金は20歳から60歳までの年齢要件が設けられています。よって、当該年齢に当てはまらない場合は当然、対象外とご理解下さい。しかし、留学生であっても資格外活動の許可を受け、労働時間など、許可の範囲内でかつ、厚生年金適用事業に雇用された場合は、年齢要件はありませんので、ご注意ください。

外国人を不利にさせない社会保障協定とは

「保険料の二重保険」を防止するために二か国間で調整されるもの

外国人を不利にさせない社会保障協定とは、「保険料の二重保険」を防止するために二か国間で調整されるとものと解されます。これは、自国の社会保険制度と就労先での社会保険制度にそれぞれ加入することで、「保険料の二重払い」を防ぐこととも解されます。また、就労期間が短い場合は、「保険料の掛け捨て」の問題も無視できないでしょう。そして、年金請求時に、協定国によっては、加入期間の通算規定が含まれている場合があります。

社会保障協定の加入方法

提出書類など

社会保障協定の加入方法について、提出書類などを確認しましょう。協定を締結する相手国の制度内容などに応じて異なる場合がある点をおさえておきましょう。例えばアメリカの場合、「日米社会保障協定 厚生年金保険健康保険船員保険 適用証明書交付申請書」を原則として、出国前に申請することとされています。尚、国民年金の場合は、「日米社会保障協定 国民年金・国民健康保険 適用証明書交付申請書」が必要です。

外国人を不利にさせない方法

外国人を不利にさせない方法として、納付した保険料の返金制度があります。これは脱退一時金という制度ですが、気を付けなければならない点として、脱退一時金を受けた期間については、社会保障協定において、年金加入期間として通算されません。尚、加入者期間が6か月以上36か月を上限としている点もおさえておきましょう。また、提出書類は、脱退一時金請求書、パスポート、住民票の除票、銀行口座の確認できる書類、年金手帳です。

社会保障協定のに参加している国

社会保障協定に参加している国は、2000年のドイツを皮切りに2019年5月時点で22か国となっています。出国するまでの期間が一時的な場合は、例外的に母国の制度のみに加入するという特例も整備されています。また、「一時的」とは、通常5年とされている点もおさえておきましょう。つまり、滞在期間が5年を超える外国人は、原則として、就労地国の制度のみに加入すると解されます。また、「一時的」の計算は、日単位ですが、ドイツとの協定は月単位となります。

脱退一時金とは

一定の条件を満たした場合、資産を引き出せる

外国人のみに整備されている脱退一時金を確認しましょう。これは、一定の条件を満たした場合、資産を引き出せる制度とも解されます。しかし、日本国に住所を有するとき。障害年金の受給権を有したことがあるとき。資格喪失後2年を経過しているとき。以上のケースは支給されない点はおさえておきましょう。また、受給した場合は、「被保険者でなかったものとみなされる」という点も重要な点と言えるでしょう。

脱退一時金の加入方法

脱退一時金の加入方法として、基本的には、「短期在留の外国人」向けの制度と言えるでしょう。「6か月以上」の加入期間で申請が出来ること。老齢年金の受給資格期間を満たしていないことは、最低限おさえておくべきでしょう。後者の理由としては、老齢年金の受給資格期間をせっかく満たしたにも関わらず、脱退一時金を誤って請求してしまった場合、老齢年金が受給できなくなってしまうことを憂慮してのことと推察します。

外国人の年金における注意点

永住権申請や帰化申請の時に、年金の支払い記録が必要となる

外国人の年金における注意点として、永住権申請や、帰化申請の時に、年金の支払い記録が必要となる点をおさえておきましょう。老齢年金の消滅事由は、他の年金と異なり、唯一「死亡のみ」であり、原則として裁定請求により、決定した金額が生涯支払われ続けることとなります。よって、請求時には日本人と比較して多くの書類提出が求められる点は否定できません。しかし、年金制度加入のメリットとして、長生きリスクに対する保険として老後の収入源となります。

外国人も年金を収める必要がある

外国人も年金保険料を納める必要があります。これは、属地主義(その国の領土で就労する場合は、その国の法律に従う)の考えからきているとお考えください。また、誤って異なる制度に加入したにも関わらず、保険料を納付した場合には、市町村などに申請することで保険料の返還を求めることも可能です。また、保険料は、前納(割引あり)、追納(免除を受けた期間を事後払う)などの制度もあり、その時のライフスタイルに応じて使い分けることも可能なのです。

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