記事更新日:2020年10月13日 | 初回公開日:2020年10月06日
用語集 外国人採用・雇用 採用成功事例 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド採用マーケティングとはマーケティングの考え方を採用活動に応用したものを言います。マーケティングとは消費者が求める商品やサービスを効率的に提供するために、最適な宣伝活動や販売活動を行うこと指します。具体的には、認知や購入などの段階ごとに最適な戦略を考える必要があるでしょう。そのマーケティングの考え方を採用活動に利用することで、効率的に企業が求める人材を採用することが出来るようになるのです。人材獲得の競争が激化する今、とても注目を集めている採用の概念と言えるでしょう。
今までは、応募してくれた求職者の中から選ぶというような受け身な採用活動が一般的でした。企業は応募者を沢山集めるための手法、応募者の中から企業に最適な人材を選ぶ選考方法にばかり注力してきました。例えば、求人媒体への出稿や人材紹介会社の利用が挙げられるでしょう。しかし採用マーケティングでは、求める人材に自社を選んでもらうための仕組みづくりに重きを置きます。企業が採用したい人材の分析を行い、どのようにアプローチするかの戦略を立てる。従来のものとは違い、攻めの採用活動であると言えるでしょう。
採用マーケティングが注目される背景の1つとして、労働人口の減少により採用競争が激化していることが挙げられるでしょう。人手不足の影響で売り手市場が続いています。一方で優秀な人材には沢山の企業がアプローチするため、内定が出るスピードも速く短期決戦の傾向が高まっています。従来の、応募者の中からじっくり選ぶという方法では求める人材を採用することは難しいと言えるでしょう。優秀な人材を採用するためには、採用マーケティングが必要不可欠であると言えるでしょう。
求職者の価値観の多様化も採用マーケティングが注目される理由の1つと言えるでしょう。終身雇用制度の崩壊に伴い、企業選びの基準も企業の規模や安定性だけではなく個人の価値観に合わせて多様化しました。ワーキングマザーの場合は、在宅ワークやフレックスタイム制が導入されているかを重視するケースも増えています。昨今の新型コロナウイルスの影響で副業の可否を重視する求職者も増えてきました。求める人材を採用するためにはどのようにアピールすればよいのか、どのような情報を発信すればよいのかの戦略を立てて採用活動を行う必要があるのです。
採用市場の変化も、採用マーケティングが注目される背景の1つです。特に新卒採用市場では、2021年から経団連の採用ルールが廃止されることが大きく影響するでしょう。説明から面接、内定までのフローの複雑化に伴い就職活動の長期化が予想されます。今までは大手の就職サイトを通して学生全体にアプローチをしていましたが、これからは各学生の就職活動の状況に合わせて企業の情報を発信していく必要があるでしょう。また、TwitterやInstagramなどのSNSを通して発信することでより認知度を高めることが出来るでしょう。
転職市場では人材の流動化が進み転職希望者が増加しています。様々な産業がDXやXaaSモデルへ転換している今、自社にない専門スキルを持つ異能人材を採用するケースが増えてきました。今後、今までの業種の概念をはるかに超える様々な企業と人材の争奪戦を繰り広げることが増えるでしょう。そのため自社が求める人物像を明確にし、その人材にとって有益な情報を発信していく必要があります。特定の知識を持つ人材を採用したい場合、ダイレクトリクルーティングツールを利用することで求める人材を効率的に採用することが出来るでしょう。
採用マーケティングのメリットの1つとして、優秀な人材が集まりやすくなることが挙げられるでしょう。採用マーケティングは、求職者が入社したいと思うような情報の発信を行います。企業理念やサービス、福利厚生などの情報を積極的に発信していくことでファンを増やすことが出来ます。企業に魅力を感じており、さらにビジョンやサービスを理解しているファンであれば、高いモチベーションを持って働いてくれるでしょう。また、自社にマッチした人材を採用しやすくなるでしょう。
採用コストを削減できる点も採用マーケティングが注目される理由の1つと言えるでしょう。今までは求人サイトへの掲載や転職エージェントへの依頼が主流でした。しかし、それらを利用した場合、平均で50万円から100万円の費用が必要です。一方で、採用マーティングでは、求める人材に向けてSNSやオウンドメディアを通して自社の情報を発信するケースが多いです。中間業者を通さないため採用コストを抑えることが可能です。また、発信した情報は蓄積されるため、自社の採用力を強化することが出来るでしょう。
続いて、採用マーケティングの主な流れをご紹介します。まずは、会社のことを認知してもらう必要があるでしょう。ここで重要なのが転職潜在層に認知してもらう事です。事前に自社のサービスや企業理念、会社の雰囲気を知ってもらうことで、実際に転職活動を始めた際に候補に入りやすくなるでしょう。また、既に企業のことを理解しているため入社後のミスマッチも防ぐことが出来ます。SNSでの情報発信やイベント開催などを通して転職潜在層との接点を作りましょう
認知の次のステップは入社先として興味を持ってもらう事です。この段階では転職顕在層へアプローチするための戦略を立てる必要があるでしょう。ここで意識すべきなのが自社のブランドやビジョンを明確にして透明度の高い状態を作ることです。具体的な方法としてはオウンドメディアやWantedlyの利用が挙げられるでしょう。特にWantedlyでは給料や福利厚生などの情報を記入することは禁止されています。そのため、企業のビジョンや文化の発信にフォーカスすることが出来るでしょう。
続いて比較検討のステップです。多くの求職者が、仕事を探す際は複数の企業を並行して受けています。そのため、選考中の他の会社と比較検討してもらい優位に立つ必要があるでしょう。自社を選んでもらうためには他の企業との差別化を図らなければいけません。具体的には、選考とは別に希望部署で働く社員との面談を設けることなどが挙げられます。現場の生の声を聞くことで、入社後に働いている姿を具体的にイメージできるようになるため、志望度も高くなるでしょう。
最後に自社への入社を決定してもらう必要があります。特に新卒採用の場合は内定を複数保持している可能性が高いため、内定を出したからと言って油断してはいけません。かといって内定承諾を無理強いしてしまうと企業イメージの低下に繋がりかねません。内定を出した後は、自社に入社したいと思ってもらえるようなフォローがとても大切と言えるでしょう。入社を迷っている場合は、面談の機会を設け求職者の不安な点を解消することで自社が選ばれる可能性が高くなるでしょう。
続いて、採用マーケティングで使えるフレームワークについてご紹介します。フレームワークの1つとして3C分析が挙げられるでしょう。3CとはCompetitorとCompany、Customerの頭文字をとったものでマーケティングには欠かせない考え方です。採用マーケティングではCustomerが採用したい求職者でCompanyが自社の魅力、Competitorは競合他社に当たります。3つのCを分析し戦略を立てることで、効率的に企業が求める求職者へアピールすることが出来るでしょう。
ペルソナ設定も採用マーケティングで使えるフレームワークと言えるでしょう。ペルソナ設定とは実在しそうな具体的な顧客像を作り上げることを言います。その顧客像の価値観や行動、性格を分析することでよりターゲットに響く戦略を立てることが出来るのです。採用マーケティングにおけるペルソナは、企業が採用したい人物像となります。採用したい人物像を明確にして思考や行動を分析することで、どのようにアプローチすべきか、どのような情報を発信すべきかが考えやすくなるでしょう。
続いて、採用マーケティングを導入している企業をご紹介します。採用マーケティングの導入企業の1つとして株式会社ニトリホールディングスが挙げられるでしょう。この会社は興味が無い求職者にも興味を持ってもらうために選考方法を工夫しています。新卒採用では1対1の面談を設け、互いの接点が見つかるまで話し合いを行います。そして自社と繋がる部分を上手くアピールすることで優秀な人材の採用を成功させています。求職者1人1人合ったアプローチをし、ミスマッチを無くしたい方はこのような選考方法を実施してみるのも良いでしょう。
今回は採用マーケティングについてご紹介しました。採用マーケティングとはマーケティングの概念を採用活動に応用したものを言います。低コストで優秀な人材を採用することが出来る点が魅力と言えるでしょう。また、求める人材を明確にするために3C分析やペルソナ設定などのフレームワークを利用すると良いでしょう。労働人口の減少により採用競争が激化している今、企業側から求職者へアプローチする攻めの採用活動が必要不可欠です。採用マーケティングを導入し、企業が求める優秀な人材を採用しましょう。
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