記事更新日:2020年06月22日 | 初回公開日:2018年09月27日
ビザ(在留資格) ビザ(在留資格)について 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 グローバル経済外国人が日本で働く為に必要な就労ビザには、専門的スキルが求められます。ではこの専門的スキルとはどのような範囲まで認められているのでしょうか。
専門的スキルとは大まかに以下2つの事項から判断されます。
①大学または専門学校で学んでいた内容(専攻科目および履修科目で判断)
②実務経験(実績ベース)
①のケースで外国人の方が、日本の専門学校を卒業されているケースで就労ビザを取得しようとする場合、大学を卒業されている方と比べると実際に会社で行なう業務との“関連性”“専門性”は厳しく審査されます。大学を卒業されている外国人の場合は、専門学校卒の方と比べると緩やかに審査される傾向にあります。②の実務経験ですが、これはアルバイトでの実績は含まれず、正社員として働いていたもののみを実績と呼びます。そしてこの実績は基本的には10年間の実績が必要でその証明を在職証明書等でしていくことになります。(内容によって必要な期間は異なります)ですので、倒産等で在職証明書が取得できない場合には、真実の実績であったとしても認めてもらうことはできません。そしてこの実務経験ですが、10年以上あればどんな職種でも良いのかというとそうでもなく、2018年現在禁止されている単純労働についてはいくら実績があったとしても就労ビザの許可をもらうことはできません。そして特例として実務経験の中には、専門学校等でその業務について学んでいたのであれば、その学んでいた期間も実績年数として加味することが可能となっています。(例:調理師の2年制専門学校で8年間の調理師経験があるもの
例えば、ビジネス系の専門学校を卒業した外国人を雇用しようと考えた際に、履修科目の中にコンピューターを使った授業があるので、会社で行なってもらう業務内容もコンピューターを使ったものであればなんでもいいと考えてしまうこともあるかと思います。ですが実際は、コンピューターを使用する業務であればなんでも良いというわけではありません。コンピューターを使った業務でも、単純な入力作業だけだと専門的知識を活かしているとは言えないとして許可にはなりません。また現代はソフトウェアの開発が進み、入力をすれば自動的に処理をしてくれる基幹ソフトも多く発売されています。ですのでここで言う専門的知識とは、基幹ソフトに入力すれば完了する業務ではだめと言うことになります。ここで区別して頂きたいのが、経理業務も入力をすれば優秀な経理ソフトがある程度処理をしてくれるとは思いますが、この経理の入力作業には簿記等の専門的知識必要と考えられているので、単に入力しているだけに見えたとしても、専門的知識を活かしているとして許可になることが多いです。これらの判断は実際、ケースバイケースになるので一概には言えないのですが、雇用したい外国人が持っている知識を活かせる仕事という点に注目して仕事内容を決めて頂ければ就労ビザに適合する業務内容になるかと思います。
専門的知識についてお話してきましたが、例えば「調理師」「マッサージ師」「美容師」などの専門職では就労ビザを取得することはできません。これらの業務は一見、専門的知識を活かす仕事のように思えますが、現行の入管法では規定しておらず認められていません。このように専門的知識と言っても入国管理局の定めている該当性に適合しないとビザは許可されません。
現在は認められていない職種であっても、近年の超高齢化社会の影響も相まって、外国人への就労ビザの緩和が2019年より加速します。刻々と状況は変わっていくことが予想されますので、その点も注目して今後ニュースを見て頂ければと思います。
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この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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