日本でオーバーステイ・不法滞在するとどうなるか?【罪名・罰則・再入国について解説します】

記事更新日:2020年05月25日 初回公開日:2020年02月14日

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来日した外国人が日本に在留出来る期間満了後も不法な状態で残留してしまうのがオーバーステイです。留学生が卒業後も就労資格を得ずに不法滞在してしまったり、就労資格がある外国人がビザの期間満了の日をうっかり忘れて期間満了後も不法滞在してしまうなんてことも。法務省によると令和元年7月現在の不法滞在者は約79,000人いると発表しました。オーバーステイは外国人の受け入れを拡大している日本にとって大きな社会問題でしょう。ここではオーバーステイについて罪名や罰則、オーバーステイになった際の対処方法などをご紹介いたします。

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オーバーステイとは

在留期間満了後も日本に在留している事

日本国籍を持たないすべての外国人は、入国時に在留期間が定められています。オーバーステイとは、この在留期間経過後も日本に在留している事をいい、不法滞在のこと。オーバーステイには不法入国と不法残留の2つのケースがあり、「不法滞在」とは、この2つの場合の総称。企業の外国人雇用のニーズは高まっていますが、法的に正しく雇用し、就労者への指導も徹底し、外国人就労者に不利益にならないよう管理しなければなりません。

不法滞在には不法入国と不法残留の2つのケースがある

そもそもの入国自体が不法な「不法入国」の場合

「不法滞在」には不法入国と不法残留の2つのケースがあるのですが、まず「不法入国」について。外国籍者がその国籍を持たない国に入国する際には、空港または港で上陸許可を受け在留資格を獲得します。この入国審査を受けていない密入国、あるいは入国審査時、偽造パスポートや、姓名、年齢、国籍等を偽って入国することを不法入国といいます。

正しく入国したが在留期間満了後も残留する「不法残留」

次に、「不法残留」について。これは、正しく入国審査を受け、適切な在留資格を持って滞在していたにもかかわらず、その後、定められた在留期間の満了後も日本に残留している状態のこと。不法な入国や残留のどちらに該当する場合でも、オーバーステイに変わりはなく、退去強制事由とされています。場合によっては逮捕され、起訴されることがあります。

オーバーステイの罰則

オーバーステイは3年以下の懲役または300万円以下の罰金

オーバーステイをすると、国外退去強制となり、さらに懲役や罰金などが科されてしまいます。入国審査官の審査の結果次第ですが、一旦退去強制となれば、その後最低5年間は日本へ入国することができません。刑事処分として3年以下の懲役または300万円以下の罰金。罪が重い場合は懲役刑と罰金の両方が課せられる事もあります。在留者本人ばかりでなく、雇用側の企業も、滞在期間は慎重に監視すべきです。

前科として記録が残る

不法滞在は、ほとんどの場合、罰則を科せられて国外退去となります。違反の程度により、再び入国できるまでの期間(入国拒否期間)が異なり、国外退去となれば最低5年。とはいえ比較的違反程度が軽い場合は、出国命令制度の利用で入国拒否期間が短縮可能。どちらにしても違反事実は前科として記録が残り、相応のペナルティを受ける事になります。

出国命令制度について

違反状態でも条件を満たすことで帰国することが可能

先述の通りオーバーステイには、罰則として5年間の上陸拒否期間が科されます。現在は、違反状態でも条件を満たすことで身柄を収容されることなく帰国が可能になる出国命令制度があります。出国命令制度とは、2004年の入管法改正に伴い設立された制度で、日本に滞在する不法滞在者に自主的に出頭させ出国させるための措置。一定の条件を満たし、自ら出頭した不法滞在者は、身柄を収容されることなく日本から出国することが可能となります。通常、帰国後は入国拒否期間が5年間(場合によっては10年間も)となる拒否期間が軽減されます。

出国命令制度で帰国すると日本への上陸拒否は1年間

不法滞在者が自主出頭して出国命令制度が適用された場合、身柄が拘束されず帰国可能、日本への上陸拒否期間が1年間に軽減といったメリットがあります。しかしすべての不法滞在者が出国命令制度の対象となるわけではありません。出国命令制度の対象となり自ら出頭した場合にメリットを享受できるのは、次に述べる6つの条件に該当する場合のみ。

出国命令制度を利用するための条件は?

自ら入国管理局に出国の意思を持って出頭する

不法滞在者は日本から出国する意思を持って、自ら入国管理局に出頭し、オーバーステイだと告白しなければなりません。そうすればその事実を認められ、出国命令制度の対象となり、1年間の入国禁止で済みます。出頭した後、出国命令が出され、その後で日本から出国が可能に。ただし以下の条件について審議され、問題がない場合のみ制度が適用されます。

不法入国者ではない

冒頭で不法滞在には2種類ありと解説しました。不法に入国した場合は、酌量の余地なく出国命令制度の適用外。制度が適用となるのは、合法的に入国したけれども、許可を得た在留期間を過ぎてしまった残留者にのみです。不法入国者は、不法残留以外の退去強制事由に該当するとされ、判明した時点で、退去強制処分以外に選択の余地はなくなります。つまり、出国命令制度を利用するための条件として、不法残留以外の退去強制事由に該当しないことという条件があるということです。不法滞在者のうち、そもそも違法な入国をしている不法入国者は、酌量の余地がないため、出国命令制度の適用対応にはなりません。

過去に国外退去命令、または出国命令を受けて出国していない

もし過去に不法滞在していた場合、その違反の程度により退去処分や出国命令を受けていることになり、入管局に記録されています。過去に国外退去を強制されたこと、又は出国命令を受けて出国したことがないことも、出国命令制度を使えるかどうかの条件。出国命令制度を利用する場合には条件に該当しているかどうかを十分に確認しなければなりません。

窃盗罪など特定の罪による懲役または禁錮刑を受けていない

懲役刑、禁固刑に処せられた刑罰法令の違反者、つまり、窃盗や傷害などの刑に処せられた在留者にも、出国命令制度の適用は不可。他にも、不法入国や不法残留以外の違法行為で退去強制されるケースを挙げておきます。偽造・変造文書を作成・提供した者、資格外活動、売春関係業務の従事者、不法入国や不法上陸をほう助した者、退去命令違反者など。

退去強制処分について

出国命令制度に当てはまらない場合は退去強制処分をうける

出国命令制度の条件に当てはまらない場合、直ぐに帰国したいなら退去強制処分を受けることが賢明といえます。出国命令制度は軽減措置なので、その条件に該当いないと審議された場合、事態を長引かせずに退去強制処分を目指し、出頭に必要な準備を進めます。違反状態、違反歴によっては出頭により収容もありうることを念頭に入れ身辺整理を要します。

日本への再上陸期間は最低5年間

上陸拒否、すなわち再入国できない期間は、違反の程度と違反歴によって異なってきます。まず出国命令制度で出国できた場合は1年と最も軽く、これまでに退去強制(強制送還)歴が無い者は5年。さらにこれまでに退去強制されたことがある者、および出国命令制度で出国したことがあり、その後さらに退去強制された者は10年と重い条件となります。

在留特別許可について

特別に日本で在留できる措置の事

不法滞在者の中には日本に家族がいるなど、日本から離れたくない事情を持つ者もいます。この場合、出国命令制度の対象であったとしても、出頭申告していったん退去強制手続に入り、その中で在留特別許可を求めることが可能。この特別に日本に在留できる「在留特別許可」は、法務大臣の裁量的な処分とされており、100%認められるとは限りません。

許可が出やすいケース

帰国せずに「在留特別許可」を申請する

在留特別許可を受けるには、退去強制手続きを受けなければならず、結果として在留特別許可が認められなければ、退去強制令書が発行され日本から出国せざるを得ません。有効なビザを持っている外国人は、婚姻後入国管理局に申請することにより「配偶者ビザ」を取得出来ます。しかし婚姻状態にある外国人の場合でも、原則不法滞在者は退去強制なのです。

永住者と結婚をしている

とはいうものの結婚した二人が共に生活を営むのは、夫婦として当然の権利でもあり、これを一定の範囲で保護する必要もあります。このような場合は、特別許可が出やすいケース。日本人の配偶者がいて、日本で安定した生活を営んでいけると思われる場合は、総合判断により、最終的に法務大臣の裁決によって滞在の許可をもらえる可能性があるのです。

日本人の子供を養っている

2009年に公開された「在留特別許可のガイドライン」による、個々の事案ごとに特別許可を与える勘案事項は次の通り。在留を希望する理由、家族状況、素行、内外の諸情勢、人道的な配慮の必要性、日本における不法滞在者に与える影響等、諸般の事情など。総合的に判断して、日本人の子供(実子)を養っている場合も、特別許可が出やすいケースです。

オーバーステイ中の外国人と結婚はできるのか?

2つの方法で結婚できる

結婚を考えている相手の外国人が不法滞在者だった場合、このオーバーステイ中の外国人と結婚はできるのかという問題ですが、結論としては可能性ありとなります。しかし順番は、結婚してから一緒に暮らすために必要な許可を取ることになります。手続きは、帰国せずに「在留特別許可」を申請するか、一旦帰国してもらってから呼び寄せることのいずれか。

①「在留特別許可」を申請する

まず、「在留特別許可」を申請する方法について。結婚が成立した後に、在留特別許可を申請し、最終的には「日本人の配偶者等」という在留資格が取れる可能性があります。一般的には、再入国時期が不透明となるかもしれない一旦帰国する方法より、在留特別許可をしたほうが有利。在留特別許可の申請は、どの方法を選択しても必要な手続きなのです。

②帰国してから呼び寄せる

次に帰国してから呼び寄せる方法。出国命令制度適用で1年間で戻れる場合短いといえますが、二人にとって、この間、日本国内で暮らせません。また、不法滞在で出国した場合、再入国時期は必ずしも絶対的に保証されたものではありません。また在留特別許可は、申請の結果までは、所要10カ月~1年くらいで、申請中は出国不可ということも要考慮。

オーバーステイの子供を日本の学校に就学させることは可能か?

在留資格の有無を問わず受け入れられる

在留資格がなくて、住民としての登録もない子供の教育問題について。オーバーステイの子供を日本の学校に就学させることは可能かという問題ですが、結論は在留資格の有無を問わず受け入れられます。公立の義務教育諸学校においては、在留資格の有無を問わず、就学を希望する外国人児童生徒を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れるとされています。

市区町村の窓口で相談してみる

文部科学省の通知書「外国人児童生徒教育の充実について」(2006年6月22日)によれば、オーバーステイの子供には柔軟な対応を行なうこととし、居住地の確認に際して、一定の信頼が得られると判断できる書類(郵便物などを例示)があれば良いとされています。公共料金の請求書などでも可能なので、市区町村窓口で確認するのもよい方法です。

雇用者も労働者も法律を守ろう

1日でも過ぎるとオーバーステイです

在留期限までに更新手続きを行わなければ、たとえ立派な仕事をしていようとも社会的に優れた仕事をしていようとも、オーバーステイ。1日でも過ぎればオーバーステイなので、そのタイミングで警察に摘発されれば、強制送還されても文句は言えません。在留特別許可は、手続きは煩瑣で結果は必ずしも保証はなし。雇用者も労働者も法律を守りましょう。

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