ミドルマネジメントの役割とは【必要とされる能力や現状の課題についても解説します】

記事更新日:2021年10月19日 初回公開日:2021年10月19日

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企業の経営を発展させていくうえで代表を含めた全社員には、その役職に応じた役割が設けられています。マネジメントを行うポジションは各部門を取りまとめる立場として重要ですが、中でもミドルマネジメントは組織の要と言えるほど重要な役割です。いわゆる中間管理職のことを指し、組織の上下連携をする役割として会社運営に貢献しています。企業にとって重要なミドルマネジメントですが、その役割をしっかりと理解した上で適任者を見極めて育成することが重要です。優秀なミドルマネジメントの育成を行うために、まずはミドルマネジメントに求められる役割とその特性や必要な能力を理解しておきましょう。

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ミドルマネジメントの意味

中間管理職のこと

ミドルマネジメントは中間管理職とも呼ばれ、日本企業では部長や課長、係長などといった役職が当てはまります。経営層にあたる上司はトップマネジメント、部下をロワーマネジメントと言い、ミドルマネジメントは組織の中間を担います。上司には自分の部下たちの業務スケジュールや成績、活動報告を上げて部下には経営層の指示や方針の伝達と教育やマネジメントを行います。ミドルマネジメントとは、企業においてとても重要な役職のひとつといえるでしょう。

部長や課長などのポジションが該当する

ミドルマネジメントには、一般的に部長や課長といった役職の人材が当てはまります。自部署のメンバーや現場の状況把握と管理を行い、上司に状況報告を行います。自部署のメンバーが行っている業務内容に精通しながら、部下に対して経営層の方針を伝えながら教育やマネジメントを行う立場です。上司と部下双方の業務内容や考えが分かる立ち位置であるため中間管理職は求められるものが多く、それ故に気苦労の絶えない職種でもあります。

ミドルマネジメントとトップマネジメントの違い

トップマネジメントは経営や組織に関する意思決定を行う

トップマネジメントとは、企業や組織の中で最上位に位置する経営者層を指します。会長、社長など、取締役会に参加するような役職が該当し、組織の経営や運営に対しての基本方針策定や予算組などが主な仕事です。経営計画や事業計画など、組織の意思決定を行いますが、その決定に対して何か重大なトラブルが発生した場合は、すべての責任を負わなければならない立場です。組織の顔として新たな事業展開に向けての外部交渉なども重要な役割の一つです。

ミドルマネジメントとロワーマネジメントの違い

ロワーマネジメントは役職がない従業員の管理を行う

ロワーマネジメントとは、役職がない従業員に直接的な指導や教育、管理を行うポジションです。一つ一つの行動レベルから、業務のレクチャーなどメンバーに直接指導をします。実際の現場でメンバーと業務を共にするため、ミドルマネジメントよりも現場の最前線で活躍する立場でもあります。単に上司からの指示をメンバーに落とし込むだけではなく、現場での問題点やメンバーからの要望を吸い上げ、上司に改善提案を行うことも求められます。

ミドルマネジメントに求められる役割

上長の補佐

ミドルマネジメントに求められる役割は多岐に渡り、そのひとつひとつがとても重要です。主な役割のひとつとして、上長にあたるトップマネジメントの補佐が考えられます。トップマネジメントが円滑な意思決定を行うために、経営方針に沿った実務レベルでの計画や市場調査、資料作成などを行います。トップマネジメントが決めた方針をより具体的にして、実現するための計画を立案していきます。ミドルマネジメントが組織全体の意思決定権を持つことはないものの、企業理念をしっかりと理解して経営に対しても深い造詣を持つことが求められます。

上長と部下のパイプ役

ミドルマネジメントならではの役割として、上長と部下のパイプ役があげられます。ミドルマネジメントは上司と部下の中間を担い、組織の意思伝達や部下からの提案を上司に通すことも求められます。特に大企業や各地に生産工場などを持つ企業であるほど、トップマネジメントとロワーマネジメントの間には距離が広がっていきます。ミドルマネジメントが双方のパイプ役を担うことでトップ層の事業計画が現場にまで伝達され、現場の働きによって実現されていくのです。また部下からの提案を上司に伝達して改善に努めるなど、部下たちがより快適に業務を行えるような環境づくりも非常に重要な役割です。

部下の育成・管理

部下の育成と管理も、ミドルマネジメントが担う大きな役割です。実務経験を経てミドルマネジメントに昇格した人材には、そのスキルやノウハウを現場に落とし込んで教育を行う役割があります。企業によっては、現場での実務を行いながら現場管理も行うプレイングマネージャーの役割が求められることもあります。自身は現場の業務を直接行わなくとも現場でスキルやノウハウが自動的に広まっていくような教育体制を用意し、ロワーマネジメントおよびメンバーへのヒアリングや管理を行っていくことが重要です。

部門間の調整役

ミドルマネジメントは、各部門の調整役をすることもあります。基本的に縦型での管理を行うことになりますが、別部門同士の連携が必要な場合には横方向への調整を行うこともあります。部門や業務は別でもひとつの企業ですので、各部門一丸となって連携を取り合っていくことが経営計画を成功させるための重要なカギとなります。そのために互いに有益な情報を共有し、資金割り当てを行うなどの調整をすることでより円滑な会社経営に貢献します。

ミドルマネジメントに必要な能力

コミュニケーション能力

ミドルマネジメントの役割を果たす上で重要な能力の一つとして、コミュニケーション能力があります。ミドルマネジメントは、上司からも部下からもリーダーシップを求められる立場となります。双方へ適切な話し方ができ、人を動かしていける人材は非常に重要です。また上司と部下のパイプ役となるので、上司もしくは部下からの伝達事項がミドルマネジメントを介して違う意味で捉えられてしまうと業務に混乱を招いてしまいます。上司と部下双方からの意思をくみ取り、正しく伝達できるコミュニケーション能力は欠かせない能力の一つです。

コンプライアンスの理解

ミドルマネジメントはコンプライアンスへの理解も必要です。コンプライアンスとは、社内規範や法律、企業倫理を遵守することです。管理職にコンプライアンスの知識がないと、企業不祥事を招きかねません。従業員の労働過多やハラスメントにくわえ、不正経理や情報漏洩といった問題は企業運営に大きな障害をもたらすでしょう。トップがコンプライアンスへの理解を深めることはもちろんですが、社員一人一人の意識を高めるために、管理者にはしっかりとコンプライアンス教育を行うことが重要です。

業務遂行能力

業務遂行能力も、ミドルマネジメントには必要とされるでしょう。ミドルマネジメントには教育や管理、役職間におけるパイプ役などさまざまな役割が求められます。それらをバランスよくこなすために、高い業務遂行能力が必要です。常に平行して複数の業務を行うマルチタスクとなるため、自己管理能力も問われます。自身の役割を理解し、タスクの優先度や重要度を考えて業務を行う必要があります。特に他部門と連携をする場合には、業務が止まってしまった場合の影響が多方面に及ぶため、それらの見極めをしたうえで遂行できる力が必要不可欠です。

分析力

ミドルマネジメントには分析力も必要です。自身の配下にある部署の業績が悪かった場合や部下の離職などが頻発している場合には、上司から改善を求められるでしょう。その際に、なぜこのような結果になったのかを分析する能力が必要です。分析力が身についていれば、問題点を見つけてこれから同じ事象を繰り返さないようにするための対策を練ることができます。さらに成果を上げようとする中で生じるリスクを予測し、それらの影響を最小限に留めるためのリスクマネジメントを行うことも可能になります。

ミドルマネジメントが抱えやすい課題

業務負担が多くなりやすい

ミドルマネジメントには、業務負担が重くなるといった課題もあります。様々な役割やスキルが求められるうえに、中間管理という役職柄、板挟みにあうことも多く負担のかかる仕事だということは忘れてはなりません。トップマネジメントとロワーマネジメントは一方からのみ業務指示を受けて動きますが、ミドルマネジメントの場合は部下からも上司からも依頼が来ます。その結果として業務量的負担はミドルマネジメントに重くのしかかり、残業が増える傾向にあります。それに加え、部下の管理など責任重大な役職であるため精神的負担もかかります。ミドルマネジメントに業務量が偏ってしまっている場合は、改善が必要です。

メンタルヘルス対策が出来ていない

ミドルマネジメントのメンタルヘルス対策も課題として挙げられます。ミドルマネジメントは上司と部下の両方を持ち、上司からのプレッシャーに耐えつつ部下からの意見も吸い上げて共有しなければなりません。上司と部下の両方に気を遣わなければならない状況と業務量の多さによってストレスが蓄積し、体調を崩したりうつ病になってしまうこともあります。組織の要とも言えるミドルマネジメントの不在は、会社の運営に大きな影響が出ます。そのため、ミドルマネジメントにこそしっかりとしたメンタルヘルス対策が必要なのです。

ミドルマネジメントを育成する際のポイント

自社のミドルマネジメントに必要なスキルを定義する

企業の中で重要なポジションであるミドルマネジメントの育成は、企業の経営を成功させる上で重要なカギです。優秀なミドルマネジメントを育成するために、貴社にとってのミドルマネジメントとはどんな役割なのかを明確にする必要があります。必要なスキルや、どのようなな人材を選ぶべきなのかをしっかりと定めておきましょう。その基準をしっかりと定めておくことで、どのような教育を行うべきかも見えてきます。優秀なミドルマネジメントが増えれば企業の経営はより円滑に、さらに発展していくでしょう。

ミドルマネジメントにふさわしい人材の見極めをする

ミドルマネジメントに求める役割や人材選定の基準が決まったら、それに合致するふさわしい人材の見極めを行います。ミドルマネジメントに必要なスキルを評価し、且つその人材の性格や人間性まで選定基準として考慮する必要があります。ミドルマネジメントに必要なスキルを持ち合わせていても性格や人間性に難のある人材を選定すると、部下がついてこないため管理がままならなくなります。部下からの信頼を得ることができて尊敬されるミドルマネジメントがいれば、次世代のミドルマネジメントも生まれて人材不足も解消することができます。

研修プログラムを実施する

ミドルマネジメントの教育制度として、研修プログラムを行いましょう。単なる業務研修ではなく、指導や管理をするためのコーチング能力の教育です。部下を教育して管理する立場にあるミドルマネジメントが部下へ効果的な教育を行うことで、生産性の向上や次世代のミドルマネジメントを生み出すことにもつながります。コーチング能力だけでなく、自社のミドルマネジメントに必要なスキルに応じて、研修内容をカスタマイズすることもできます。企業の方針に応じた中間管理者向けの研修プログラムを用意しましょう。

まとめ

長期間に渡って活躍するミドルマネジメントを育成しましょう

今回は、ミドルマネジメントの役割や必要なスキルについてご紹介してきました。優秀なミドルマネジメントが増えていくことで組織力が強化され、経営陣や現場で働く従業員も含めて会社の環境はますます良くなっていきます。中間管理職であるが故に負担はかかりやすいポジションになりますので、ミドルマネジメントのメンタルヘルスや健康面を常に気遣う必要があります。ミドルマネジメントが働きやすい環境を整えることが、社員全員が働きやすい環境にもつながっていくでしょう。ミドルマネジメントの業務特性やその重要性を理解して、長期的に活躍できる人材を育成しましょう。

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