通訳の仕事について徹底解説!【仕事内容と通訳案内士も】

記事更新日:2020年06月08日 初回公開日:2017年09月15日

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通訳の仕事と聞いて皆さんはどんなことを思い浮かべますか?ハリウッドスターが日本来日の際、インタビュー会場でスターの横でメモをとってる女性の姿でしょうか?それともNHKなどのニュースで英語のスピーチを追いかけるように日本語で訳をつける女性の声でしょうか?英語を使った仕事に興味がある方のために、ここでは様々な通訳の仕事についてご紹介します。

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通訳とは

 英語でいうところのインタープリテーションは、「書記言語ではない2つの異なる言語を使える人が、ある言語から異なる言語へ変換することである。」というのが定義です。

 そしてこの変換作業はあくまでも音声で行われることが基本で、書記言語を用いて変換する作業を翻訳とし、翻訳者をtranslater トランスレータ―、通訳者はinterpreter インタープラターと呼ぶのが一般的です。

通訳と翻訳 仕事の違いって?求める人材とは?

通訳の分類その1-通訳の形式

 通訳には主にその形態と様式から3つの種類に分かれています。

逐次通訳(ちくじつうやく)

 話し手の言葉を数秒から数分に区切って、順次訳していく方法で、通話技術の基礎となるものです。通訳者は話し手が話している間ノート・テイキングと言われるいわゆるメモ書きをしながら話を聞き、話の切れ目や終了してから訳を始めます。
 この方法は話し手と直接会話ができる距離と状況にありますので、相互に確認の作業などもやり易く、訳の正確性が高まる通訳の方法です。主に、ゲストインタビューやVIPアテンドなどで活躍することが多い仕事です。

同時通訳(どうじつうやく)

 話し手の言葉を時差なくほぼ同時に通訳していく方法で、異言語を瞬時に自国言語に変換する高い語彙力と文法力、文章構成力に優れていなくてはならないだけではなく、文章の最後に至るまでに話し手の文脈をある程度予測して訳ができる能力が必要とされます。この仕事の場合、通常通訳者はブースと呼ばれる別室で通訳を行います。通訳者の音声がマイクを通して、会場や館内、スタジオのオンエアなどで流され、聴衆側はイヤフォンを通して通訳者の音声を聴くことになります。この同時通訳は国際会議などの長時間にわたる業務になることが多いので、2,3人の通訳者が15分程度で交代し通訳を受け持ちます。また専門分野や政治情勢にかかわるような内容のことも多いため、ブース内の控えている他の通訳者が単語の訳出やしゅ筆をすることもよくあります。

 この通訳は多言語地域のヨーロッパでの需要が非常に高く、会議通訳、放送通訳でよくつかわれ、通訳のなかでも花形などといわれる通訳の世界では最も注目を集める仕事です。

ウィスパリング通訳

 同時通訳と同様で、話し手の言葉とほぼ同時に通訳をする方法ですが、通訳者はブースではなく、話し手のそばで耳打ちをするようにささやいて通訳をします。
 この方法は参加人数が2人~3人の少人数で行われる企業内の会議で用いられることが多く、話し手や会議参加者などの音声も同時に聞こえるため、集中して正確な通訳が出来る時間は約20分程度と言われています。

通訳の分類その2-通訳者の職種

 通訳としての仕事の分類は3種類ですが、その通訳の能力や分野によって通訳者別に職種が分かれています。

会議通訳者

 いわゆる同時通訳者の事ですが、国際会議のようなグローバルで高度な学術的内容や政治を扱った内容の行事を通訳することが多いため通訳者の中でも格付けが最も上位にあります。日本においては特別団体は存在しませんが特にヨーロッパでは国際会議通訳者協会というのがあり、多くの高技術通訳者が登録し活躍している分野でもあります。

商談通訳者

 民間の企業内での商談や表敬訪問などで通訳をするビジネス通訳者のことです。
 日本では近年のグローバル化で需要が非常に高くなっている分野です。

エスコート通訳者

 海外から凱旋のためやキャンペーンなどで来日したスポーツ選手や著名人などの社会会見、テレビのインタビュー、イベントなどに同行をし、スケージュールに合わせて通訳をする人達です。この人たちは映画や以前の仕事を通じてゲストと交流があったり、映画の公開においては字幕担当の翻訳者であったりと、何らかの形で訪問者とコンタクトがある人たちが起用されることが多い分野です。
 皆さんもよくご存じの所では、ハリウッドスター来日の際は常に戸田奈津子さんが彼らの通訳に当たっていますね。

コミュニティ通訳者

 日本に住む外国人が増える中で地域の活動に参加したり、福祉や医療、教育の場のよな公共の施設において通訳をする人たちのことで、この通訳は今までプロフェッショナルとしての認識が社会からも薄く、多くはボタンティアで形成されていましたが、医療や法律など専門知識を必要とする場での需要もあることから、今後は資格制度を設けて報酬にも安定性を持たせる取り組みが徐々に強まっている分野です。

放送通訳者

 海外のメディアで放送される速報や時事を視聴者に伝える通訳者で、日本では英語から日本語の通訳が圧倒的に多く放送されます。定時に放送されるニュースではあらかじめ訳出して時差通訳をすることがありますが、ほとんどは同時通訳と同様一度きいて通訳をします。また海外からの中継などで報道されるニュースは「生同時」とよばれ、非常事態でも視聴者に分かりやすい訳を届ける必要がありますので、高度な技術を備える必要があります。

通訳案内業

 主に観光地を案内する業務で、土地の歴史や文化、社会を紹介することが主ですので、通常の通訳との違いはオリジナリティを加味した通訳が出来るかどうかというところです。この通訳は「通訳案内士」という国家資格を取得して行う業務です。

通訳案内士の仕事とは

 通訳者といっても各分野で仕事の内容も異なりますが、中でも通訳案内士は唯一国家資格を保有しなくてはならない通訳で、ほかとは一線を画します。
 ここで通訳案内士の仕事について掘り下げて見てみましょう。

通訳案内士になるためには

 年一回行われる国家試験に合格しなければなりません。
 国籍、年齢、性別、学歴に関係なく10か国の言語のなかから受験ができます。(英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10種類)
 8月~9月に実施の一次試験の筆記を受験し、合格者のみが年末に実施される2次試験の口述に進むことが出来ます。

通訳案内士試験とは

 通訳案内士の試験科目は以下の項目です。


一次試験(筆記)
筆記試験 I :外国語についての筆記試験 (記述式、2時間)
前述の10カ国語の中より選択する。
筆記試験 II :日本語による筆記試験 (マークシート方式、合計2時間)
日本地理(40分)
日本歴史(40分)
産業、経済、政治及び文化に関する一般常識(40分)
 
二次試験(口述)
第1次試験筆記試験Iで選択した外国語(8分程度の会話試験)
人物考査

 日本政府観光局(JNTO)の実施する通訳案内士の国家試験で合格した通訳者が都道府県に登録されている人数は2016年時点で2万人を超え、28年度の合格者は2400人でしたた。しかしながらこの通訳案内士の登竜門は非常に狭く、合格率19%と2年連続で低下を続けています。
 近年の外国人観光客増加を受けて、法の改正が2017年初めに行われ、資格がなくても有償でガイドが出来るようになったほか、4月には通訳案内士の試験ガイドラインが改定され、一部の筆記試験が他の外国語認定試験において一定の水準を満たしている受験者に対して免除されるというような新規定が盛り込まれ、通訳案内士の門戸を広げる効果を期待しています。

通訳案内士筆記試験問題例

 通訳案内士の試験には語学力だけでなく日本地理、歴史、産業、経済、政治の関する一般常識に関する試験も筆記に含まれます。各分野で約40問の設問があります。28年度の問題から抜粋したものをご欄いただきます。

日本地理の問題

日本の歴史

一般常識

通訳者になるために

 通訳と一口にいっても非常に幅のひろい職業であることがここまででおわかりいただけたと思いますが、ここで最後に通訳として活躍するための心得を5つのポイントに分けて触れてみました。

執念と努力

 とにかく何度試験に不合格になっても目標を達成するまではあきらめすしつこく努力を続ける強い精神力。

フレキシビリティ

 どんな急な事情の変化や突然の出来事に対処できる柔軟な精神と判断力。

経験

 とにかく場数をふみ、しっかりとした実績を積む。

自己アピールと自信

 自分だからできるプラスアルファのサービス精神と自分への自信をもってポジティブに仕事に向き合う。

チャレンジ精神

 つねに新しいことや、分野、業界、社会に適応していけるチャレンジ精神をもって挑戦する前向きな姿勢。

 通訳は人につねに触れ合って業務を行う職業ですから、精神的に柔軟でなければ業務を遂行できないかもしれませんね。技術向上の努力と社会生活での豊かな経験が必要とされる非常にスキルフルな職業です。

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