記事更新日:2020年06月22日 | 初回公開日:2018年08月28日
外国人採用・雇用 ビザ(在留資格)について 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報現在の法律では、外国人を活用して行うビジネスに対しては様々な制限がかけられています。その中でも制限がかけられていない外国人もおり、今回はその方たちについて見ていきましょう。
外国人が日本で働く場合には、現行の「出入国管理および難民認定法」(以下、入管法と記載する)の法律によって様々制限をかけられています。例えば、接客業を外国人にさせることについても、一般の外国人にはできません。建設業で現場労働させることもできません。これらは、入管法上では“単純労働”と呼ばれ、専門的知識を用いるものではないという位置づけになっております。この単純労働の考え方としては、議論の余地はありますが、例えばマッサージも一見、ツボなど専門的知識を用いてお客様の症状を和らげるという効果があり単純労働ではないようにも思えますが、入管法上ではこれを専門的知識を用いる仕事であるとは認めておりません。ではこういった仕事では絶対に外国人が働けないのかというとそうではありません。外国人の中には長期間、日本に住んでいたり、日本人と結婚した人、日本と深い関わりがあり法務大臣より特別な許可をもらっている外国人なども多く住んでいます。(現に永住権を持って日本にいる外国人が一番多いです)ではどういった方が、就労制限のない外国人とあたるのでしょうか。
永住権とは、「在留期間を制限されることなくその国に永住しうる権利」を指し、永住権を取得できる要件は、国によって様々です。フランスやアメリカなどは世界的に見ても永住権の取得が厳しい国とも言われています。我が国、日本は10年間の居住要件が最低条件としてあります。この10年間とは継続的な居住を指し、1回の出国(帰省や旅行等)で90日以上日本を離れてしまうと、この10年間の期間のカウントはやり直しになります。加えて、10年間のうち5年間は就労ビザを持って働いている必要があります。例えば留学生として日本に来日して10年経ったので永住権が取れるといったものではなく、正社員(アルバイト不可)として働いている期間も必要になってきます。さらに収入要件や細かな出国要件などがあり、日本の永住権はお金があれば取れるというものではなく、日本に生活が根付いている必要があります。永住権は、日本人の運転免許と同じように、7年間で写真などを交換するための更新があるだけで、その他犯罪等犯さなければ、特に何かを制限されることはありませんので、“自分でビジネスを始めよう”“コンビニ等でアルバイトしよう”と思っても在留資格(ビザ)を気にすることなくできます。要するに雇用側からしても日本人と同じように扱えるので、特に意識しなければならないことはありません。
外国人の中では日本人と結婚すれば、日本で好きに活動ができるという噂が広まり、少し前にはフィリピン人や中国人による偽装結婚が多くなりました。(現実、就労制限がなくとても使いやすいビザです)これを受け、入国管理局では配偶者ビザの審査が以前よりも厳しくなっており、現状もその厳しさは変わっておりません。配偶者ビザは永住者と同じように、就労制限がなく働くことも可能ですが、永住権と違うところは、日本人と結婚していることによって与えられている在留資格(ビザ)だということです。仮に日本人と離婚してしまえば、配偶者ビザの権利はなくなってしまうので在留資格(ビザ)更新ができずに日本にいることができなくなってしまいます。(例外はありますが、今回は省略いたします)ただ、配偶者ビザは通常10年の居住要件が設けられている永住権の要件が、3年間に短縮されるという利点も持っており、結婚生活を3年間送り、一定条件を満たせば3年後に永住権の取得が可能であり、永住権への道がかなり短縮されます。
今回は、永住者および日本人の配偶者についてご説明してきました。次回は定住者について少し細かく見ていこうと思います。
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この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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