帰納法とは【ビジネスでの活用例や活用時の注意点について解説します】

記事更新日:2024年06月25日 初回公開日:2024年06月25日

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帰納法という言葉をご存知でしょうか。おそらく皆さんはこの言葉を数学や倫理などの教科書で耳にしたことがあるでしょう。実は、この帰納法は日常生活で大いに活用が可能な便利な手法と言われています。物事を考える上での有力な思考法の1つです。今回は、帰納法を用いるメリットを交えながら、その活用方法や活用の際の注意点についてご紹介をします。ビジネスシーンでの活用も見られますので、ビジネスパーソンの方は是非ご一読ください。

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帰納法とは

複数の事例の共通項をまとめ一般論を導く方法

帰納法とは、複数の事例の共通項をまとめ一般論を導く方法です。統計分析においてもされる方法で、大量のデータから傾向やを理解し推論を導くことを意味します。相手への説得力を高めるのに使います。帰納法は複数の事例、つまりは状況証拠から共通点を導き推論するため、実例が1つでも反例になってしまうと帰納法の論理が飛躍してしまうという特徴があります。また、導き出される結論は1つとは限らず様々な推論をすることができます。

演繹法との違い

帰納法の概念とよっく比較されるものとして演繹法があります。演繹法とは、一般論に基づいて事象を当てはめて結論を導きだすという思考法です。簡単に言えば、元々あるルールに当てはめて物事を考えるということです。数学における証明では一般に演繹法が用いられます。たとえば、演繹法の場合「野菜はビタミンを含む」という一般論に対し「ニンジンは野菜である」という物事を当てはめた結果、「ニンジンにはビタミンを含む」という結論を導けます。両方共に場面によって使い分けが可能な思考法であり、数学においても両方が古くから応用されてきました。

帰納法の例

優秀な社員の分析

帰納法の例として、優秀な社員の分析が挙げられます。自社にいる社員の中で、業績の良い社員にはどのような特徴があるのかを帰納法を用いて分析します。具体的には、彼らの共通点を集約させ、それを基に推論を組み立てます。例えば、マーケティングの部署で過去数年間でMVPを獲得した社員について調べます。すると、彼らに共通することは全員が留学経験があり英語を話すスキルが高いと言うことでした。ここから推論として英語力の高い人材が優秀であると導けるでしょう。

顧客のフィードバックの分析

帰納法の例として、顧客のフィードバックの分析が挙げられます。顧客のフィードバックの1つとして「お客様の声」というアンケートについて考えてみます。この中には、様々なクレームや要望などの意見が取り寄せられています。帰納法を用いることで、顧客の不満の共通項を見つけ出すことが可能になります。商品のレイアウトが悪い、扱う品物がニーズに合っていないなどの意見を集め、共通項の多い意見をまとめて優先順位をつけることで改善が可能です。

帰納法を用いるメリット

マーケティングに活用できる

帰納法を用いるメリットは、マーケティングに活用できる点です。顧客のフィードバックの分析の例でも見たようなことが広くマーケティングで応用可能です。マーケティングの考え方として、いくら商品が効果的なものであるとしても、それがターゲット層に届くものでないと意味がありません。また、伝え方によっても商品のイメージは大きく変化します。細分化された個々の悩みを購入履歴や潜在顧客の動向などの多くの情報から見つけ出します。そして、その共通項を見つけ推論を立てることでマーケティングに帰納法が使えます。

主張に説得力を持たせられる

帰納法を用いるメリットは、主張に説得力を持たせられる点です。会話において聞き手を説得させるためには、主張の根拠が必要となります。例えば、ドーナツの人気が最近上がっているという主張に対して、なぜと問われたとしましょう。主張の後に、実際にドーナツ店が近隣や都心を中心に急激に拡大しているという理由を付け加えれば、そこに根拠が生まれます。これも帰納法の活用の1つで、ドーナツ店の増加という個別事例をあつめ共通点を見つけ出しています。その仮説が根拠となり主張に説得力が生まれるのです。

新たな考え方が見つかる

帰納法を用いるメリットは、新たな考え方が見つかる点です。帰納法はあらかじめ結論を用意してそのために根拠を探すというよりは、個々のデータの収集から推論を導くものです。したがって、集めたデータから意外な一面が見つかる可能性があります。もともと思い込んでいた結論とは全く違う推論が浮かんでくる可能性があります。こうした新たな考え方がマーケティングに活用されれば、新たなサービスや商品の登場につながるでしょう。

コミュニケーション能力が向上する

帰納法を用いるメリットは、コミュニケーション能力が向上する点にあります。帰納法の活用を含むロジカルシンキングは、相手の意見を理解する力や自分の意見を伝える力、コミュニケーション能力の向上が期待されます。帰納法は、相手の話す内容を事実として受け止めて共通点を考え論理を導くため、相手の話していることがよくわかります。これによって、相手の求めることや感情を受け止めることができるため人間関係が良好になりやすいでしょう。

生産性が向上する

帰納法を用いるメリットは、生産性が向上する点にあります。帰納法を活用することで、課題解決能力が上がり問題の本質をつける思考をすることができます。問題の本質を見極められるようになれば、作業において無駄な行動や工程を省くことができます。その結果、生産性の向上に役立ちます。例えば、業務におけるプロセスがいくつかあるとします。そのプロセスそれぞれの問題を整理し、何が最適であるかを推論します。このようにして新たなプロセスが生まれ生産性の向上が可能になります。

帰納法を用いるデメリット

多くの事例が必要となる

帰納法を用いるデメリットは、多くの事例が必要になるという点です。帰納法を正しく用いるためには、情報の量や質が重要になってきます。例えば、マーケティングにおいてあるターゲット層の満足度を調査した場合について考えます。この際、得られたデータの数が少ないのであれば、それの共通点による推論の精度は高いとは言い難いです。十分な量がなければ、結論そのものが破綻してしまいます。

誤った結論を出す恐れがある

帰納法を用いるデメリットは、誤った結論を出す恐れがあるという点です。帰納法は必ずその論理が正しいという万能な手法であるとは言い難いです。誤った使い方をすることで、間違った結果につながる恐れがあります。例えば、がんになった人のほとんどがコーヒーを飲んでいたというデータから、コーヒーには発がん性物質があると結論づけるのは誤った主張です。この例はすぐに誤りだとわかりやすいものですが、こうした間違いはマーケティングにおいて起こりやすいです。

限られたデータを基にしか結論を出せない

帰納法を用いるデメリットは、限られたデータを基にしか結論を出せないという点です。帰納法は、戸別事例をもとに共通項を見つけ出す方法です。つまり、集めた個別事例以外のデータには関与できないということです。可能性としては、世の中に存在する大量のデータのうち集めてきたデータがあるとします。それらがたまたま全て例外的なものである場合には、その推論は事実と大きくことなる可能性があります。つまり、帰納法っで導かれる推論には限界があるということです。

帰納法を活用する際の注意点

定義づけをする

帰納法を活用する際の注意点として、定義づけをすることが挙げられます。個別の事例を集める際にも、なぜそれを行なうのかを明確にしておくことが重要です。また、抽象的なワードを明確にすることでデータを集めやすくなります。例えば、英語力の高い人が会社で優秀であるという結論があるとして、優秀とは何かを定義しておくことで個別事例を探しやすくなります。これをしっかりと行なわない場合、結論が誤った方向に向かう恐れがあるので注意しましょう。

論理の飛躍に気を付ける

帰納法を活用する際の注意点として、論理の飛躍に気を付けることが挙げられます。個別の事象から共通項を見つけ出すことができたとしても、論理を導く際に破綻してしまうと誤った結論が生まれてしまいます。先ほど述べたようなコーヒーが発がん物質であるという結論がまさにこれにあたります。したがって、論理自体に誤りがないかもよく確認して結論を導くことが重要です。

帰納法以外に活用できる思考方法

枚挙的帰納法

帰納法以外に活用できる思考法として、枚挙的帰納法が挙げられます。枚挙的帰納法とは、ある特殊な命題から一般的な命題を導くという推論方法を指します。帰納法に近い性質を持ち、近藤されやすいです。しかし、帰納法が事例を対象としているのに対し事実を対象とする特徴があります。ある事実から一般的事実を導くという意味合いが強いといえます。例えば、犬は動物であるという事実があり、猫も動物であるという事実があるとします。そこから導かれる推論は、全ての犬はおそらく動物であるということです。

アナロジー

帰納法以外に活用できる思考法として、アナロジーが挙げられます。アナロジーとは、違う事柄の中から共通点をみつけて解決策を見出すことです。アナロジーには類推するという意味があります。帰納法と異なる点は、個別の事例が一見異なるように見えるものであるということです。一見共通点がないように見えた場合でも、構造的には同じであるという事がわかり、新たな気づきを得られます。これを用いることでさらに結論の説得力が上がるでしょう。

アブダクション

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帰納法以外に活用できる思考法として、アブダクションが挙げられます。アブダクションとは、演繹法や帰納法に近い推論方法であり結論がなぜ導かれたのか分からない際、それが正しいのかを論じるための方法として使用されます。アブダクションの例としては、運転免許証を取得した人なら運転ができるという仮説と彼は運転ができる という仮説があるとします。そこから、彼は運転免許証を取得しているだろうという推論を導くというものです。

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まとめ

帰納法を活用しビジネスに役立てよう

帰納法は、日常生活やビジネスにおいて広く活用できる手法です。ロジカルシンキングが鍛えられ、人とのコミュニケーションにも役立つため使って損はないと言えるでしょう。ただし、これまでご紹介したように論理の飛躍やその論法事態に限度があるなどの活用におけるいくつかの注意点は存在します。こうしたことに注意を払い、適切に帰納法を用いることを心がけましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

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