リカレント教育とは?【補助金や学習の種類を詳しく解説します!】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年02月18日

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リカレント教育とは、社会人になったあとでも、生涯にわたり学び直していくことが出来る教育制度です。文部科学省は、人生100年時代を迎えた現在において学びを継続していくリカレント教育を推進しています。リカレント教育によって個人のスキルアップを図りつつ、社会全体としては、転職活動や個人での起業などが円滑に進む社会を支援し、体制を整えていく方向性です。生涯において、誰もが活躍できる世の中を目指していく上で重要不可欠なリカレント教育。日本においては、海外の施策を参考に日本の様式に合った仕組みなどが整備されている段階です。今回はリカレント教育について詳しく説明していきます。

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リカレント教育とは

生涯にわたって就労と就学を繰り返し行う事

リカレント教育とは、生涯にわたって就労と就学を繰り返し行うことです。「リカレント」には「反復」などの意味があり、日本では「社会人の学び直し」の意味でリカレント教育という言葉は使われることが多いです。AIなどのロボットが社会的に実用化されていく中で、雇用の変化が生じてきていることもリカレント教育が推奨されてきた背景にあります。このような雇用機会の変化に対応していく為に「学び直し」の機会を得ることが重要だと捉えられています。もはや、予測できない雇用変化への対応は企業間での教育では補えないと考えられているのです。

働きながら学ぶ事と言う意味で使用される事もある

リカレント教育という言葉は働きながら学ぶという意味でも使われることがあります。100年人生時代によるライフステージの変化に対応したり、女性の雇用増加、IT技術の発展による新しい技術の習得の必要性など、働き方の多様化が求められている現在において、企業内のみでなく、個人でスキルを上げていくことが求められてきています。日本社会での終身雇用の考えも薄れてきた中で、社会人になってからも個人間でスキルを上げていくことが重要です。そういう意味でも働きながらも学びを継続することが求められます。様々な雇用機会に触れ、個人でスキルアップすることで100年人生を退職後の金銭面での心配などすることなく、謳歌することにも繋がるといえます。

リカレント教育の現状

リカレント教育をしたいと思う人が6割以上

現在、日本ではリカレント教育をしたいと考える人は6割以上います。リカレント教育に興味を持ち、社会に出たあとでも、大学や専門学校で学び直したいと望んでいる人が多くいるのです。しかし、就業時間外での学習時間の確保はなかなか難しいなどの理由が上がっているのが現状です。また、金銭面的にもハードルが高く、会社での理解もあまり進んでいない状況があります。職場から近いなど便利な場所での開催や、就業時間外での授業をするなど、社会人でも対応できる授業形態が求められています。

リカレント教育ができた背景・理由

医療が発達し100年人生と言われるようになったから

リカレント教育ができた背景として、医療が発達し、100年人生と言われるようになったという理由があります。今までの世代のように学校を出たあと1つの会社に定年まで勤める時代が終わりました。人生を100年と見た時に、定年後も働ける人が増えていく中で、リカレント教育による学び直しを取り入れることで、「キャリアオーナーシップ」と呼ばれる個人の主体性の向上やもち札を増やすことが必要となりました。「キャリアオーナーシップ」を持つことで、いくつになっても豊富な雇用機会を得ることに繋がります。その為に現在日本では、個人のスキルアップや社会制度を整え、今までと考え方や働き方を変える必要があると考えられているのです。こうした背景から日本でもリカレント教育が取り入れられることになったのです。

少子高齢化により多様化が求められているから

また、少子高齢化により働き方の多様化が求められています。少子高齢化が進む中で労働人口が減り、経済発展が危ぶまれているのです。それを防ぐ為にも、中高年世代などに対してのリカレント教育が重要だと文部科学省での見解でも考えられています。なぜリカレント教育を中高年世代に行うことが重要なのかというと、100年人生の中で中高年世代は、まだまだ働ける思考力や体力を持ち合わせているからです。このタイミングでリカレント教育を行うことで、キャリアチェンジやスキルアップをすることが出来、その後も働くことで経済発展にも繋がります。

リカレント教育のメリット

生産性向上に繋がる

リカレント教育のメリットは個々人がスキルアップしていくことにより、生産性向上に繋がることです。社内業務において、スキルや知識を得た社員が増えれば、それだけ業務が効率的に進められるでしょう。さらに、リカレント教育により、スキルの持った個人が転職を行うことで企業の競争力が上がり、適材適所に人材は配置されることで生産性も向上します。現代の日本において、生産性を向上させ経済を発展させていくことは重要です。労働人口が減る中で生産性の向上は不可欠といえるでしょう。

キャリア形成の支援になる

また、リカレント教育は個人のキャリア形成のメリットもあります。社会人になってからも個人のスキルアップを図ることで、転職などの際に有利に働くことが考えられるでしょう。専門的な知識を向上させていき、資格の取得など、会社内外で活かせるスキルを持つことで、会社に在籍している期間だけでなく、転職の際にも大きく役立つといえます。100年人生では、様々な仕事を経験する機会も増えていく為、このような個人のキャリア形成を図るリカレント教育はメリットがあるといえるでしょう。

リカレント教育のデメリット

学習費用がかかる

また、リカレント教育は個人のキャリア形成のメリットもあります。社会人になってからも個人のスキルアップを図ることで、転職などの際に有利に働くことが考えられるでしょう。専門的な知識を向上させていき、資格の取得など、会社内外で活かせるスキルを持つことで、会社に在籍している期間だけでなく、転職の際にも大きく役立つといえます。国も補助金などを拡充してきています。100年人生では、様々な仕事を経験する機会も増えていく為、個人のキャリア形成を図るリカレント教育はメリットがあるといえるでしょう。

実施に時間がかかる

リカレント教育の中でも人気な学習内容として、英語が挙げられます。英語は社会においても、取引先とのやり取りなどで必要な場面が実際に出てくる場合もある為です。しかし、英語教育は実施に時間がかかるなどの懸念事項もあるのが現状です。社会人が学習するということを念頭において受講しやすい環境づくりがより必要となってくるでしょう。また、働きながらリカレント教育を実施する場合は、会社の理解も重要だと考えられます。

リカレント教育で活用できる給付金・助成金

教育訓練給付金

リカレント教育で活用できる給付金の中の1つに教育訓練給付金があります。雇用保険の支給期間が3年以上(初めて支給を受けようとする人については、2年以上あること、被保険者でない人は、被保険者資格を喪失した日から、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす必要があります。受講する教育機関は、厚生労働大臣の指定するところである必要があり、そこを修了した場合に支給されます。手続きはハローワークを通して行います。

人材開発支援助成金

また、人材開発支援助成金と呼ばれる制度もあります。人材開発支援助成金とは、雇用している労働者に対してキャリア形成の向上を行うための助成金のことです。人材開発支援助成金は、企業が従業員に対し、職務に関連する専門的知識や資格取得など、育成に向けた制度導入を行った場合に支給されるものです。実施の際には、必要な経費を補えるので企業としても負担が少なくなります。雇用している社員に対して、キャリア形成を促進し、生産性の向上などを行う為に用意されたものです。

リカレント教育を導入している企業

サイボウズ株式会社

ここからは実際にリカレント教育を導入している企業を紹介していきます。1つ目は、サイボウズ株式会社です。変化していく社会に対応していく為に、一度所属する会社を離れて、学び直しの機会が与えられる「育自分休暇制度」と呼ばれる取り組みが行われています。一度退社した後に、最大6年以内の復職ができます。「育自分休暇制度」中に、転職や海外に長期旅行なども行えます。この新しい取り組みの裏には、離職率を減らす目的や、社内では味わえない経験をする目的などがあります。

Yahoo!

2つ目は、ヤフー株式会社の取り組みです。ヤフー株式会社には「勉学休職制度」と呼ばれる制度があります。これはキャリア施策のひとつとして、普段の業務を離れ、専門的知識や語学力を集中的に習得する機会を設ける休職制度です。さらに、「サバティカル制度」と呼ばれる制度もあり、自らのキャリアや経験、働き方を見つめなおすことの出来る休暇制度です。考える機会をつくることで、従業員のさらなる成長につなげることを目的とされています。休暇期間中は、一定期間は会社が支援金を支給するなど充実した制度です。

mixi

3つ目は株式会社ミクシィの取り組みです。「スキルアップ支援プログラム」と呼ばれる制度があります。これは業務の成果につながる個々の自己成長を支援する為に、英会話や資格の取得を支援する制度です。さらに、書籍購入の費用の補助なども行っています。1ヶ月の購入する書籍の総額が5,500円(税込)まで支援対象です。購入した書籍は個人所有となります。従業員は自己成長の機会や金銭面的な補助によりリカレント教育を受けやすい環境があるといえるでしょう。社外の研修なども積極的に行っており、学び直しの機会が設けられています。

リカレント教育の実施方法

大学講義学習

リカレント教育の実施方法の1つの手段として大学講義学習があります。大学講義学習では、看護、介護職のキャリアアップ支援やITスキル向上に関する学習の受け入れが多くなっています。現代の社会に早急に必要な分野だからという理由です。また、講義のオンライン化も取り入れられ、より社会人が受講しやすい環境づくりが進められている大学もあります。日本女子大学「リカレント教育課程」では、週末の開講や長期休暇期間における集中開講などが行われており、ITの活用や託児サービスなども実施されています。

資格学校での学習

リカレント教育の実施方法の2つ目として、資格学校での学習が挙げられます。現在プログラムを実施している専修学校の分野としては、少子高齢化の問題を解決する為の介護、看護分野などが多く開校されている印象です。その背景として、資格の取得が必要で、少子高齢化で人材不足が懸念されている分野であることが考えられます。その他の分野においても、IT分野など現代社会においてニーズが高く、切迫した人材不足となりうる分野での開校が早急に行われています。資格学校でより専門性の高いスキルを身につけることができます。

オンライン講座での学習

さらに3つ目として、先ほど挙げた大学や資格学校でもオンライン講座での学習が進められてきています。時間の確保が難しい社会人にとっては、効率的な学びができることもあり、デジタル化が加速してきています。ZOOMなどを使用した双方向型の遠隔授業も取り組まれ、グループワークなどの実施もオンラインですることが可能となっています。オンラインでもコミュニケーションをとれる機会があるため一体感が感じられ、新しい学習スタイルの1つとして確立されています。受講者の立場からみても時間を有効活用しやすいなど肯定的な意見が多い状況です。

まとめ

リカレント学習を実施し企業と社員の成長に繋げましょう

リカレント学習は現在の社会において様々なメリットがあり、社会全体として実施が加速していくことがわかりました。100年人生と少子高齢化が進む現代の日本において、企業の生産性と社員の成長を図る機会がとても重要です。目先の利益に捉われず、長期的な面での発展を繋げていく為にもリカレント教育をより普及させ、働き方の多様性を受け入れていく姿勢が大切になっていくことでしょう。企業側はそのメリットを理解し、社内に取り入れ、従業員はその機会をスキルアップ期間として有意義に活用することが求められています。

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