技能実習を含む介護ビザについて徹底解説!【制度・申請条件】

記事更新日:2020年06月22日 初回公開日:2018年03月19日

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昨年(2017年)9月に新設された介護ビザですが、新設されても実際に取得するにはハードルが高い要件をクリアしなくてはならなく、それは技能実習制度の介護も同じです

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介護ビザの要件

2018年3月現在で介護ビザを取得しようとする場合は、介護福祉士の国家資格を取得する必要があり、この介護福祉士の取得には、日本人を含め大きく分けると3つの方法(実務経験ルート・福祉系高校ルート・養成施設ルート)があり、外国人が介護ビザを取得するには、この中でも「養成施設ルート」である必要があります。この養成施設とはどういったものかと言うと、国が指定した専門学校等になります。(社会福祉及び介護福祉法の第三章介護福祉を参照)この、国から指定された学校以外を卒業されても、例えば他のルートで介護福祉士を取得したとしても、介護ビザの取得はできませんのでご注意ください。また介護福祉士ではなく、社会福祉士ではダメなのかというご質問も多く頂きますが、こちらも介護ビザの取得は難しいです。

 上記養成施設を卒業されていない場合は、例えば外国人の方が母国等で経済系の大学等を卒業されていて、就職先の企業の協力が得られる場合、一般的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」を取得し、働きながら上記養成施設に通い、卒業して介護福祉士の資格を取得するという選択肢もあります。

 また現在は養成施設(専門学校等)を平成29年(2017年)~平成33年(2021年)に卒業する学生に関して、卒業後5年間は経過措置として介護福祉士の資格は有効と扱われますが、卒業後継続的に5年以上の実務経験を積むか、または5年以内に介護福祉士の国家資格に合格しなければ資格を失うことになります。平成34年(2022年)以降は、単に専門学校を卒業することだけでは介護福祉士の国家資格を取得することができず、国家試験を受験し合格することが必須となります。

技能実習制度の介護について

技能実習制度の趣旨は、「開発途上地域等への技能技術または知識の移転による国際協力」です。あくまでも労働者不足の補填としての制度ではないので、申請する場合には気を付けてください。そしてその中で「技能実習介護」は技能実習制度が始まって以来、初めての対人の制度になるので、慎重に扱われています。中でも入国条件・更新要件として一定の日本語能力を技能実習介護には求められているものの、実習生を送り出す各国より強い反発があり、今まで採用されていた日本語能力試験ではなく、技能実習介護だけの特別な新試験が採用される動きになっています。

(入国条件をN4合格とし、1年以内にN3に受かれば最長5年間、不合格なら帰国)

※参照:朝日新聞DIGITAL(2018年3月18日)

 技能実習介護は、2017年9月に新設されたばかりでまだ制度自体に課題も多い在留資格になるので、制度の経過を今後見守っていく必要があります。また新設されると同時に、外国人技能実習機構(以下、機構とする)という認可法人も設立され、管理団体もこの機構の許可を取らなければいけなくなりました。2018年2月末時点で、管理団体は特定と一般を合わせて1973団体あり、うち介護は122団体が許可を得ており、残り200~300団体ほどで一度許可を打ち止めるとも言われています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。介護ビザは需要がある反面、まだ狭き門の在留資格でもあります。技能実習制度に関しても、技能実習生の人権を守るためと、逃亡者を防ぐためにシステムが複雑になっていますので、介護の現場で働きたい外国人の方はしっかりと技能実習の趣旨や制度を理解してから取り組まれることをおすすめいたします。

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    この記事を書いた人

    塩野 豪(しおの ごう)

    行政書士塩野豪事務所の代表。
    外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
    人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

    HP:行政書士法人フォワード

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