就労ビザの審査ポイントを理解して外国人を雇い入れよう

記事更新日:2021年02月19日 初回公開日:2017年07月28日

ビザ(在留資格)
 経営戦略的に"人材"は必要不可欠な事業拡大のためのポイントです。国内外問わず優秀な人材を採用、雇用するために外国人の採用のために必要な就労ビザの審査ポイントです。

外国人雇用をするにあたって

「国内外問わず優秀な人材であれば雇用したい」

 経営戦略的に“人材”というのは事業拡大には欠かせないものだと思います。ただ、外国人を雇用した実績がないので“注意点などがわからない”という企業も多く、「なんとなく面倒くさそう」「ハードルが高い」と思っている企業も多いのが現実です。特に就労ビザについて日本人には馴染みがなく、よくわからないという声が多いので、今回はその就労ビザの審査ポイントについてご紹介させていただこうと思います。

就労ビザとは?

 そもそも就労ビザとは聞くけど、細かなことはわからないという方もいると思います。
就労ビザ(正式には在留資格)とは、日本に中長期に渡って滞在する際に必要になってくる許可(ビザ)の一種で、働く際に必須になるのが就労ビザになります。
 日本は世界的に見ても豊かな国です。ですので、特にアジアの方は日本で仕事をして本国に仕送りをしたいと考える方が多いです。ただ全ての方を受け入れてしまうと日本の安全が脅かされてしまうので、規制をかけています。日本は移民を受け入れていない国なので、就労に関して言うと外国人の専攻分野を日本企業で活かしてもらい、本国にその技術を持って帰ってもらい本国の発展に貢献してほしいという外交的側面の意味合いも持っています。

就労ビザの審査ポイント

 就労ビザの審査を行っているのは法務省管轄の「入国管理局」(以下、入管)になります。入管には裁量が大きく与えられているため、「出入国管理及び難民認定法」にある条文だけでは対応できない部分が多くあります。ですので、必須書類だけでなく自主的に提出する書類が大切になってきます。前提として入管は、「偽装就労ではないか」という観点から審査をしています。ですので、疑われそうな部分がある際は、証拠を示して偽装ではないことを示す必要があります。

①外国人の学歴(専攻科目)と職務内容のリンク
②雇用側企業の業績
③外国人の給料

ざっくりと上記が問題なければ許可はおります。①は審査の中で一番引っかかる部分です。単純労働(いわゆるブルーカラー)とみなされる職種では、仮に外国人の専攻科目であったとしても許可はでないので働けません。入管は専門性がある職種にのみビザを許可します。(詳しく後述します)②債務超過等の場合は、事業計画書を添付したりして見通しを示すことで企業としての継続性と安定性を示します。③目安は月額18万円以上となります。日本人を雇った場合と同等額程度であれば問題ございません。

 では①の学歴(専攻科目)と職務内容のリンクについて例をあげてご説明します。例えば、飲食店で外国人を正社員として雇用したいとした場合、留学生等を除いてホールスタッフとしては雇用できません。なぜならホールスタッフとして活動できるビザの種類がないからです。雇用が可能なのは、事務職(会計業務など)やスーパーバイザー(管理職)として雇用する場合です。スーパーバイザーで雇用する場合で新卒者を採用する時は、いきなり外国人を管理職に就けることの合理的な理由が必要になります。(外国人客が多いなど)

単純労働(ブルーカラー)とみなされる職種

・レジ業務
・陳列作業
・販売員
・ウェイトレス
・調理補助
・清掃業務
・ドライバー
・警備員
・建築現場労働者
・工場作業員

必須書類以外に提出した方が良い書類

 下記は任意書類になりますが、職務内容のリンクなどを証明していく際に必要になることが多いものです。

●成績証明書のコピー

 会計業務やマーケティング業務などで雇い入れる際、その科目を履修していたことを証明するためにコピーを添付します。

●日本語能力を証する書類のコピー

 日本語検定でN1やN2に合格している場合は添付した方がよいです。

●定款のコピー

 業務内容などを示していくために使用します。

●事務所の写真

 店舗を持っている企業の場合で店舗雇用を疑われそうな場合に、店舗雇用ではなく事務所での雇用を証明するために使用します。(外国人のための席などを用意しておきます)

●外国人客の割合マーケティングデータ

 外国人客対応要員として雇用したいと申請を出す場合などに提出します。

おわりに

 いかがでしたか?ビザには細かなルールがございます。全てを理解するのは大変ですが、外国人と一緒に仕事をすることがスタンダードになってきている昨今において、上記内容は是非とも把握して頂きたいです。手続きを進めるにあたっては、外国人本人が言っていることを全て鵜呑みにするのではなく、書面で証明できなければそれは入管側では事実としては受け取ってくれませんので、外国人を雇用する際には口頭ベースではなく書面ベースで確認していくことが後のトラブル回避につながります。

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    この記事を書いた人

    塩野 豪(しおの ごう)

    行政書士塩野豪事務所の代表。
    外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
    人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

    HP:行政書士法人フォワード

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