記事更新日:2024年07月31日 | 初回公開日:2024年07月29日
用語集 人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用服務規定とは、社内秩序を維持するために社員に課す行動原則です。業務を遂行していくために、会社として社員に守ってほしいルールや義務が記載されています。企業に所属している社員の一人として、あるべき姿等求めている行動を規定した行動規範の一部とも言えます。服務規程を設定することは企業に義務付けられているわけではありません。しかし企業運営を行っていく上で、組織のコンプライアンスを遵守していくためには必要な規定です。
服務規程はコンプライアンス遵守するために、設定されています。服務規程では労働者の義務や身だしなみといった身近なものだけでなく、ハラスメントや秘密保持など自社への損害に対するリスクを抑えるといった役割も担っています。すべての企業に設定が義務化されているわけではないため、規定を作らないという選択しもあります。しかし規定を制定していない場合、社員に秩序を守る行動を求める指針がないため社内秩序が守られない可能性もあります。
服務規程は就業規則と似ています。就業規則は「労働契約に付随する義務」です。就業規則は企業と社員の間の約束事を明文化している企業独自のルールブックのようなものです。就業規則には休日や就業時間など必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項と、賞与など記載を義務とされていない相対的必要記載事項があります。服務規程は相対的必要記載事項の一つとして記載されることも多く、就業規則の一部として扱っている企業が多くあります。
服務規程は労働者の義務に関することが定められています。労働者には、誠実労働義務・職務専念義務・秩序維持義務が求められます。誠実労働義務とは、業務に責任感を持って誠実に取り組み会社の指揮命令に従う義務です。職務専念義務は勤務中は私語をせず業務に専念し、むやみに職場を離れないことを意味しています。秩序維持義務は整理整頓に勤め職場の清潔を保ち他の社員の業務の邪魔をしない事などが含まれています。労働者の義務に関することは基本原則として規定されています。
服務規程に規定されているのは、ハラスメントに関することです。最近では様々なハラスメントが認知されていることもあり、ハラスメントに関しての規定は社会的な関心も高く発生防止や発生した場合の対処について適切な対応を行う対応が求められています。ハラスメント禁止に関しては、相手に不快感や不利益を与えることを禁止という文言や精神的・肉体的苦痛を与えることや秩序を乱す行動をしないことが明記されていることが殆どです。
服務規程に記載されている内容は、身だしなみに関してです。身だしなみは制服の着用や髪型や爪・アクセサリーに関して、清潔感を持ち相手に不快感を与えないものである必要があります。しかし働き方が多様化していることから、あまり厳しい規制を行ってしまうと社員のモチベーション低下にも繋がりかねません。ある程度の自由を認めることが大切ですが、接客業などはお客様相手に不快感を持たせないようにする規定が必要です。また食品衛生に従事する場合は清潔や衛生面の規定がより一層求められます。
服務規程に規定されている内容として、施設利用・会社備品に関わることが記載されています。企業によっては、カフェテリアや休憩室を併設しているところや、マッサージチェアなどを置いている企業もあります。そういった施設を利用する際に、長時間独占しない・本来の目的以外での利用を行わない等といった規定が該当します。また会社の備品でも無許可での持ち出しを禁止することや紛失や破損させないといった内容の規定を行うのが一般的です。
遅刻・早退・欠勤などの勤怠に関わることも、服務規程に規定されています。遅刻や早退・中抜けなどを行う場合は必ず上司の承認を得るといったことや、不就労分に関しては賃金控除を実施するといった内容です。欠勤控除などの賃金に関わる部分に関しては、規定に明記していない場合トラブルに発展する可能性もあるため事前に規定に明記しておくことが大切です。職場環境を維持するための規定として、勤務態度に関する内容も記載しておきましょう。
秘密保持・個人情報の保護に関わることも、服務規程に規定されている内容です。会社内の重要な情報が漏洩しないようにするためにも、社外秘となる情報や個人情報の流出防止対策は必ず行わなければなりません。そのため、在籍中だけでなく退職後も知り得た情報に関して漏洩しないことや、業務に関係のない情報を不当に取得しないことなどを明記しておきましょう。また情報漏洩を行った場合の損害賠償責任についても、記載しておくことをオススメします。
服務規程に違反した場合は、該当の違反が懲戒事由として定められている場合は処分することが出来ます。懲戒処分とは、従業員が果たすべき義務や規律に違反したことに対し、制裁として行われる不利益措置です。社員が服務規程に違反した場合は、懲戒処分の対象となります。懲戒処分を行うには、社員にどういったことをすれば懲戒処分の対象となるのかを事前に周知しておくことが重要です。懲戒事由に定められている内容の違反を行った場合は、事実確認を行い処分手続きを遵守しましょう。
服務規程に違反した場合でも、処分が重すぎる場合は無効になる可能性もあります。服務規程に定めている内容に対して違反が合った場合、会社として社員を処分することは可能です。しかし処分の内容が違反に対して重すぎる場合には、懲戒権の濫用と判断されることがあります。どの様な内容を行った場合に服務規定違反になるのか、できる限り詳細に記載しておくことがおすすめです。また違反に対して処分が重くなりすぎないようにするためには、人事だけで設定するのではなく様々な人から意見を聞くようにしましょう。
懲戒解雇に該当する服務規程は、競合会社の設立です。最近では転職に関してのハードルが低くなっており、今までの経験を活かせる会社への転職や知識を活かして自分で会社を立ち上げる人も増えています。退職者が在籍していた企業の知識やノウハウを外部に漏らすことによって、元々所属していた会社が大きな損害を受けるケースも少なくありません。退職者による機密情報やノウハウなどの流出を防ぐために、競業禁止義務が課されていることから競合会社を設立した場合は、懲戒解雇に該当します。
暴言や暴行を行った場合も、服務規程において懲戒解雇に該当します。暴言や暴行といった行為はパワハラなどに該当されます。程度があまりにも酷い場合には懲戒解雇をしたいと考える企業も多いはずですが、すぐ解雇してしまうと加害者社員とトラブルに発展してしまう可能性もあります。暴言や暴行を行った理由や内容・回数など懲戒解雇に該当する程度なのか、冷静に判断する必要があります。暴言や暴行により他の社員が不利益を被っているからとはいえ、すぐに解雇にしてしまうとより大きな問題に発展する可能性もあるため注意が必要です。
業務妨害や業務命令違反を行った場合も、懲戒解雇に当てはまります。業務命令違反とは、経営者や上司などの指導に反抗的な態度を取ることです。不条理な要求や指導をされている場合は例外ですが、基本的に管理者などの上の立場の人が適切な指導を行っている場合は、部下は従わなければなりません。命令を聞かずに部下が大きな声で妨害してきたり反抗的な態度で虫をしてきたりする場合には、含む規定違反による懲戒解雇に該当します。しかし1回で懲戒解雇にしてしまうと、判断が向こうとされる場合もあることから判断する際は注意しましょう。
服務規程を定める際のポイントは、定めた規定は社員に必ず周知しましょう。会社として就業規則や服務規程を定めた場合は、社員に対して周知徹底を行う義務があります。社員に周知を行っていないにも関わらず、勝手に懲戒処分を下すことは出来ません。そうならないようにするためには、社員が確認したいときに自由に確認できるようにして置かなければなりません。規定に変更を加えた際にも、都度周知することが大切です。周知する方法は、掲示板への掲載や社員がアクセスできる場所に置いておくなどの方法があります。
就業規則または服務規程・誓約書で規定しておくことが、服務規程を定める際に重要です。先述したように、服務規程は就業規則の相対的必要記載事項の一つです。必ず記載が必要な内容ではありませんが、懲戒処分など処分を定めている場合はしっかりと明記しておく必要があります。服務規程は就業規則に記載されていることが一般的ですが、就業規則二記載しない場合は服務規程や雇用時に提示する誓約書などに定めておくようにしましょう。社員がいつでも確認できる場所に服務規程を明記しておくことが大切です。
服務規程に規定する内容や、違反した場合などについて解説しました。服務規程は会社の文化や風土などに合わせた内容を規定することが重要です。職場の秩序を守るためのルールであるため、規定した際には社員にしっかりと周知を行い認知してもらう必要があります。社員が服務規程に違反した場合に適切な対応を取るためにも、違反した場合の対応についても定めておくことが必要です。処罰する際には、過去の判例と比較するなど適切な判断を行うように心がけましょう。服務規定をしっかりと定めて社内秩序を守っていきましょう。
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