記事更新日:2018年10月15日 | 初回公開日:2018年04月26日
人事・労務お役立ち情報老舗菓子製造業のカルビー株式会社の本社では、自分のデスクが決まっていないフリーアドレス制となっています。オフィスの入り口で、毎日コンピューターによって指定されます。
席の種類は3種類用意され、ワークスタイルや業務内容によって選択できるのも特徴です。仕切りのある「ソロ席」、4人掛けでコミュニケーションの取りやすい「コミュニケーション席」、ほかの人との接触が制限される「集中席」です。
役員も同じくフリーアドレス制のため、部門や役職を越えて、普段話さない人たちとのコミュニケーションが活性化されています。
会議室は仕切りが取り払われ、オフィスから見えるようにし、長時間化を防いでいます。開催する会議も以前より3割程度になったそうです。また、会議書類を作成しないというメッセージのもと、7割の削減を達成しています。
入社3年目以上で上司が承認する社員は、モバイルワーク制度も無制限で利用できます。成果主義制の評価を取り入れているカルビーでは、モバイルワークする日数も勤務の場所も自由です。自宅だけでなくカフェやコワーキングスペースでも仕事ができるようになっています。
家具小売りの大手イケアの本社はスウェーデンですが、日本法人のイケア・ジャパンは、本社スウェーデンのシステムをそのまま取り入れるのではなく日本にフィットするよう働き方を構築しています。
正社員、パートなどの括りが外され、すべての従業員はコワーカーとして働いています。有期雇用も廃止し、全員が無期契約となります。ここには、従業員の安心感や安堵感を創出し、その先のキャリアを考え、生き方の選択肢を増やしてほしいとするイケアの目的が込められています。
これまでパートなど短時間、時給制で働いていた人たちも、給与が正社員水準で計算されます。103万円の壁も長期勤務によるメリットなどを説き、説得に至っているとのこと。なお、所定労働時間は、ライフステージなどに合わせて、①週39時間(フルタイム)、②週25時間~38時間、③週12~24時間から選択できるようになっています。
賃金は職務給を採用し、時給は地域に関係なく全国一律となっています。全国一律になったことで、地方への転勤希望者も増えたそうです。
個々の従業員が将来的なキャリアプランをマネージャーとともに考えるようになり、職務意識の向上が見られます。離職率も低下傾向にあります。
伊藤忠商事株式会社は、朝型勤務の先駆けとなり、大きな成果を上げていることで有名な大手総合商社です。
時間に制約のある社員は増加傾向にあり、フレックス制度が取り入れられていたのですが、商社という特色もあって、始業時間に社員がいない事態は事業の支障となっていました。夜の残業を削減することも課題となっていた同社は朝型勤務を導入します。
基本的に20時には終業、海外との会議や突発的な対応の際は、すべて申請承認制となっています。勤務時間の管理は上司が毎日翌日に把握できるようなシステムを導入しています。そして、22時から朝5時の勤務は完全禁止です。また、始業時間前の朝勤務(朝残業)には深夜勤務と同等の割増賃金が支払われます。
8時までに出社する社員は、パン、おにぎり、コーヒー、ジュースなど30種類ほど用意されている無料の軽食を利用することができます。
社員の健康増進の効果もあり、自身の仕事の生産性が上がったと感じる社員も多く、社員の9割はこの朝型勤務の制度を肯定的に捉えているようです。
ご紹介した3社は、自社の特徴や特質に合わせてユニークな働きかた改革を行っています。そして、その施策が、生産性と売上を向上させている成功の事例です。
共通点として、短絡的なコスト削減を狙っていないということだと思います。「長期の視点」を持ち、「自社の」社員にとって、今の働く環境を変える(より良くする)ために本当に必要なものは何かを考えなければならないことを示してくれています。
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