R&Dの意味とは【ビジネスや企業における事例やメリット・デメリットについて解説します】

記事更新日:2024年01月19日 初回公開日:2024年01月19日

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R&Dとは「研究開発」を意味する言葉であり、企業の中でも特殊な部門と言えるでしょう。製造部門でもなければ管理部門でもありませんが、企業の成長には欠かせない存在であることから、その注目度は増加傾向にあります。企業の変革が求められる時代において、変化を支える新技術や技術の応用を提案できるのが研究開発部門です。ここでは、R&Dの意味や歴史から、R&Dを実践するメリットや注意点およびR&Dを導入した企業などについて詳しく解説いたします。企業での研究開発をお考えの方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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R&Dとは

自社にあった技術を開発し新しいサービスを生み出す仕組み

R&Dとは「Research and Development」の略称で、自社にあった技術を開発し、新しい商品やサービスを生み出す仕組みのことを言います。企業や機関が市場において強い競争力を持つために、常に新しい自術革新などを求めて研究を行い、斬新かつ画期的なアイデアを製品やサービスとして送り出す仕組みです。R&Dは継続して活動することで、自社にしかできない自術や製品およびサービスを開発するもので、日々技術が進歩し続ける現代において、企業には欠かせないビジネス活動と位置づけられています。

R&Dの沿革

日本では1989年代に盛んになった

R&Dの歴史をひもといていくと、日本では1980年代の高度成長期に合わせて盛んになったことが分かります。世界的に見れば、特別に研究所などを設けて研究開発が行われるようになったのは19世紀後半のことで、日本はそれらの基礎研究にただ乗りしているとして批判されました。非難を受けた日本では貿易摩擦までに発展したことを受け、各企業で技術研究が行われるようになり、研究開発費は増大し研究所も多数設立されることになったのです。

R&Dの種類

基礎研究

R&Dは、段階や内容によって3種類に大別でき、研究開発の第一段階とも呼べるのが「基礎研究」です。基礎研究とは、実質的または理論的な研究のことで、新しい科学的事実を見つけて立証することを目的とします。もし新しい発見があり、それを立証できたならば、技術者としてはこのうえない喜びを感じることができるでしょう。しかし、この段階では企業に直接的な利益や成果をもたらすものではありません。基礎研究はあくまで次のステップの前段階と言えますが、調べ尽くされた中から新しい科学的事実を見つけることは非常に困難であり、発見できれば貴重な財産となるでしょう。

応用研究

「応用研究」は、基礎研究で立証した新しい科学的事実に基づいて実用化の可能性を探る研究です。文字通りに、基礎研究を応用し新製品や新しいサービスに活かすことを目的とします。また既に実用化されている研究結果を、多様な視点から捉えて別分野や別の用途に使うことができないかを探求することも含むものです。基礎研究を応用する意味から、二段階目の研究と言い換えることもでき、基礎研究よりも実用化に近づいた、利益に繋がる研究と言えるでしょう。

開発研究

「開発研究」は、基礎研究と応用研究から得た実用化の可能性を、実際に製品化する最終的な研究と言えます。実用化および製品化には、多数の問題が発生することが考えられ、完成後の高い商品に至るまでには時間もかかります。また、顧客が満足する価格で購入できるように、制作費および原料のコストダウンも大きな課題となるでしょう。ただし、時間をかけすぎてしまえば、他社に先を越される可能性もあるため、スピード感を持って顧客が求める商品を販売できるまでの段階に進捗させることが重要です。

R&Dのメリット

技術資産が蓄積されていく

R&Dの大きなメリットは、企業の技術資産が蓄積されていくことです。技術資産の蓄積は企業の財産となり、ひいては企業の強みとなります。いまは企業の収益に反映せずとも、将来の新商品開発に寄与し、企業躍進を牽引する大きな要因にもなる輝きを放つ前の原石です。R&Dを継続していくことで自社の可能性は大きく広がり、ビジネスの幅が広がるとともに他社との差別化を図ることができます。繰り返すようですが、技術資産は継続して積み重ねる事が重要であり、1つの新製品が開発されても、それで終わりではないことを十分に理解しておきましょう。

製品開発スピードが向上する

製品開発スピードが向上することも、R&Dのメリットです。世の中の情勢やユーザーのニーズが日々大きく変化する中で、同じ商品を販売し続けることは収益ダウンに直結します。定期的なバージョンアップや新サービスの追加で、収益維持および収益アップが見込めるのが現状です。R&Dを継続することで、製品開発のサイクルを最適化し、より早く新商品を市場に出すことが可能になります。スピードは市場において強い武器となる、他社との差別化にも有効な要因の一つです。

他社との競争力が向上する

R&Dの取り組みによって、他社との競争力が向上することは企業にとって大きなメリットと言えます。他社が持たない自術資産を有することは自社の強みであり、自社が保有する強力な武器となるでしょう。自社で蓄積した独自の技術資産を使い、新商品や新サービスを提供できるのは、R&Dを継続して続けることによるものです。継続することで開発システムが構築されるとともに、優秀な人材の育成にも繋がります。逆に収益に直結しないからとR&Dを途中で投げ出し、育った人材までも放出することになれば、企業にとって大きな損失となるでしょう。

新しいビジネスを展開できる

R&Dを継続して進めることで、企業が新しいビジネスを展開できる可能性が広がります。新商品や新ビジネスとは、全く新しいものばかりではありません。既存の商品やサービスにユーザーの求める付加価値を付け加えるだけでも、いままでにない商品やサービスに辿り着けることが多くあります。R&Dの3つの研究を見直すことで、自社が持て余していた技術を有効に活用できるのです。R&Dでは新技術の開発だけでなく、ユーザーのニーズを分析しながらアイデアを駆使し、既存の技術を応用して核心的な新しいビジネスを展開することにも繋げられます。

R&Dのデメリット

コストがかかる

R&Dの大きなデメリットは、コストがかかることです。R&Dの効果が発揮されるのは、前述のようにかなり先のことになるでしょう。それまでに発生する開発コストに、企業は耐え忍ばなければなりません。また、研究開発にかかるコストは決して小さいものでないことも事実です。研究にかかる費用だけでなく、研究所などの施設の維持費や、研究する人たちの人件費が企業に重くのしかかります。多大な費用を軽減するために、産業界や自治体および公的機関の助成金などを利用することも有効です。軌道に乗るまでは、どのような方法を使ってでも我慢を貫き通しましょう。

失敗時のリスクが大きい

R&Dによって新商品が開発されたとしても、必ず成功するとは限りません。R&Dによって新商品が失敗に終わったときには、大きな負債を抱えるリスクもあります。そのため、開発した製品を販売するには様々なことを想定し、問題点を解決しておくのが常套手段です。それでも市場における新商品の販売は失敗時のリスクが大きく、成功する確率の方が少ないと言えるかもしれません。損益分岐点を越せれば何の問題もありませんが、失敗することも想定に入れて、被害が少ないうちに撤退する限界ラインも前もって考えておきましょう。

R&Dをもつ企業

コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタ株式会社は祖業であったカメラや写真用フィルムの製造販売からは撤退し、複写機をはじめヘルスケア事業など、様々な分野で躍進し続けています。その躍進の一端を担っているのが、コニカミノルタのR&D部門とも呼べる「BIC(Business Innovation Center)」です。新規事業開発を手掛ける組織「BIC」は、日本だけでなくアメリカ・欧州・アジア太平洋・中国など、世界の主要な地点に配置されています。日本では商品販売実績を持つBICですが、2023年をもって技術開発本部に統合されることになり、今後のさらなる活躍が期待されるところです。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車は、基本理念に「様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する」と掲げています。その言葉を実践するために、世界各国にR&Dの拠点を構え、グローバルな研究開発を行っている日本を代表する企業です。国内ではトヨタ中央研究所を中心に研究開発を進めるとともに、海外にも多数のテクニカルセンターを配置して、世界を網羅する研究開発体制を構築しています。トヨタでは先進的かつ高品質な車を継続的に開発することが、R&Dの大きな目的です。

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業株式会社では、「アンメット・メディカル・ニーズ」と言われる、いまだ有効な治療方法がない疾患に対するニーズに応えることをR&Dの目的としています。具体的な医療研究分野の領域を掲げており、革新的なバイオ薬品の開発に注力し、世界中で最新の医療を求める患者さんに貢献することが最終目標です。また、自社の専門的な技術や能力で及ばない部分については、社外のイノベーションにアクセスできるようなパートナーシップも構築しており、自社の研究にも役立てています。

R&Dの注意点

コスト管理とROI管理を徹底する

R&Dでは十分な投資がなければ結果を出すことが難しいことが多く、コスト管理とROI管理を徹底することが重要な課題と注意点になります。たとえ優れた商品が開発できたとしても、投資対効果(ROI=Return On Investment)が適切でなければ、商品が多く売れるほど負債を抱えることになってしまいます。研究開発費にかかる総額コストと、成果によって見込まれる収入を分析しておくことは非常に重要です。そして開発にかかった費用を商品に転嫁したときに、顧客が求めるニーズに合致するかも慎重に見極める必要があります。

知的財産管理を徹底する

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知的財産の管理という側面も、R&Dでは十分に注意しなければいけない留意事項です。知的財産という概念は日本でも軽視されがちですが、情報および新技術などが外部に流出することは、企業にとって大きな損失を招きます。そのため、外部へ自社の情報ならびに技術などを流さないような社員教育や、サイバーセキュリティーの強化が必要です。とくに研究開発による結果が伴わないことから、人材が流出してしまうことは、情報および技術の漏洩に繋がることもあり、好ましいことではありません。ガバナンス強化や特許取得などを含めて、知的財産の管理を徹底することが肝要だと言えます。

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人材を確保する

R&Dの各企業が抱える大きな問題が、人材の確保です。研究開発に適した人材であり、かつ自社が求める専門知識を持つ人材は、競合他社も求める人材になります。優秀な人材確保のためには、有利な雇用条件と研究整備の充実などが挙げられますが、企業の将来性も重要なファクターです。優秀な人材は将来性のある企業のもとに集まり、相応の報酬を得たいと思うことでしょう。研究環境の整備はもちろんのこと、魅力溢れる企業であることを研究開発の指針で示してください。優秀な若手人材の獲得や、育成した人材を雇用維持するためにも、魅力的な会社であり続けることを第一に考えましょう。

まとめ

R&Dの導入を検討しビジネスに活かそう

R&Dを継続して行うためには、膨大なコストが必要になります。それに加えて必要な人材獲得や人材育成は、特殊な専門知識が必要であるため、他部署より難しいとも言えるでしょう。しかしユーザーのニーズが変化し続けて、新しい商品が常に求められる昨今では、企業にとって欠かせない存在となっています。アイデアのみを他より受けて商品だけを作る構造では、企業は大きく成長できません。自社ならではのアイデアや技術を使った商品やサービスを提供するため、R&Dの導入を積極的に検討してください。

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