人事異動における内示とは?【内示と辞令・発令との違いや内示の役割なども解説します】

記事更新日:2025年07月22日 初回公開日:2025年07月22日

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人事異動の内示は取り扱いに多くの課題を伴う、デリケートなプロセスです。伝達ミスから生じる情報漏洩は、社員の意欲低下や離職を招くだけでなく、組織全体の信頼を損ないかねません。混乱はチームワークを阻害し、事業運営の大きな妨げとなります。しかし、内示の目的や辞令との違い、適切な伝え方や漏洩対策を正しく理解すればトラブルは防げます。本記事では内示の基本から具体的な伝え方のポイント、万が一の漏洩リスクへの対処法までを網羅的に解説します。円滑な人事異動を実現するために、ぜひご一読ください。

内示とは

一般的に「口外禁止」と同じ意味を持つ言葉

内示とは「内々で示すこと」「非公式に示すこと」の意味で、一般的に「口外禁止」と同じ意味を持ちます。正式な辞令の前に情報が漏洩すると、本人や周囲の社員に深刻な動揺が広がります。昇進の話が確定前に広まれば、あらぬ憶測や不公平感を生む原因となりかねません。「なぜあの人が選ばれたのか」という疑問や嫉妬が渦巻くこともあります。チーム内の人間関係に亀裂が入り、業務連携に支障をきたす可能性があります。内示を受けた本人も、周囲からの詮索や質問に悩まされるかもしれません。無用な混乱を防ぎ、企業と従業員の信頼関係を維持するために口外禁止のルールは不可欠です。

人事異動における内示とは

会社が人事異動を発表する前に本人にその旨を内々に通知すること

人事異動における内示とは、会社が人事異動を発表する前に本人にその旨を内々に通知することです。通常は上司との面談でキャリアを考慮しつつ新部署での役割など、会社側の期待が説明されます。突然の辞令で従業員を混乱させず、心の準備や後任者への業務引き継ぎなどをスムーズにするために必要な配慮です。転勤を伴う場合は、住居探しや家族への説明といった時間も確保できるでしょう。事前に異動の目的を共有して従業員へ準備期間を与えることで、円滑な人事異動に繋がります。

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内示と辞令の違い

辞令は人事異動を知らせる公式文書や内容のこと

内示と辞令の違いとして、辞令は人事異動を知らせる公式文書や内容である点があげられるでしょう。辞令は、雇用契約に基づく会社の正式な業務命令であり、法的な拘束力を持ちます。内示が非公式な事前通知であるのに対し、辞令は全従業員に公表される確定事項です。辞令交付後は従業員は命令に原則として従う義務を負い、正当な理由なく拒否した場合は就業規則に基づき懲戒処分の対象になる可能性もあります。内示はあくまで相談の余地がある打診であり、辞令は覆ることのない最終決定といえるでしょう。

内示と発令の違い

発令は辞令を出す行為のこと

内示と発令の違いとして、発令は辞令を出す行為のことをいいます。内示が水面下での非公式な伝達であるのに対し、発令は全従業員に向けた確定的な業務命令となります。社内報や社内ポータルなどを通じて公表され、誰がどの部署へ異動するのかが明確に周知されます。従業員は発令内容に基づき、異動日までに引き継ぎを完了させる必要があるでしょう。発令をもって人事異動は変更の余地がない公式な事実となり、組織図も更新されます。発令は人事プロセスの最終段階であり、新しい組織体制が正式にスタートする瞬間といえます。

内示の目的

人事異動を円滑に進めるため

内示の目的は、人事異動を円滑に進めるためです。突然の辞令は従業員に大きな心理的負担をかけ、業務の引き継ぎにも混乱を招きかねません。混乱は、取引先との関係悪化やプロジェクトの遅延など悪影響を及ぼします。事前に内示を行うことで、従業員は心の準備をして後任者へ業務を教えたり、転居を伴う場合は引っ越しの準備を進めたりと十分な時間を確保できます。企業側も後任者の選定や引き継ぎを計画的に進められ、人事異動による悪影響を最小限に抑えられます。

内示の役割

正式な発令の前に準備を促すこと

内示の役割の一つは、正式な発令の前に従業員に準備を促すことです。内示を行うことで、従業員は後任者への引き継ぎ資料を作成したり、自身のキャリアを見つめ直す時間を確保できます。特に転勤を伴う異動であれば住居探しや子どもの転校手続き、新しい生活環境のリサーチなどやるべきことは多岐にわたります。企業はこうした業務と生活両面の準備期間を十分に設けることで、従業員の負担を軽減し、異動後のスムーズな業務開始をサポートできます。

通常業務を滞らせないこと

内示の役割に、通常業務を滞らせないこともあげられます。事前の通知なく担当者が異動すると業務が停滞し、プロジェクトの遅延や取引先との関係悪化を招く恐れがあります。内示によって事前に異動が伝わっていれば、計画的で円滑な引き継ぎが可能です。後任者は十分な時間をかけて業務内容やノウハウを前任者から引き継げるでしょう。内示によって担当者が変わっても業務が止まることなく、組織として安定したパフォーマンスを維持できます。

人事異動を成功させること

内示の役割の一つに、人事異動を成功させることがあげられます。人事異動の成功とは単に人を動かすだけでなく、異動した本人が新しい部署で意欲的に働き、能力を発揮して組織に貢献することです。内示の面談で異動の目的や会社からの期待を具体的に伝え、本人の納得感を高め、新しい環境で貢献しようという意欲を引き出しましょう。内示の役割は本人の不安を解消して新たな挑戦への意欲を高め、双方にとって価値ある人事異動の実現させることです。

人事異動の内示が漏洩した際のリスク

人事異動情報の悪用

人事異動の内示が漏洩した際のリスクとして、人事異動情報の悪用があります。例えば、優秀な人材の異動情報が競合他社に知られれば絶好の引き抜き(ヘッドハンティング)の機会を与えてしまうかもしれません。社内においても、特定の社員を陥れるための根拠のない噂や派閥争いの火種に利用される可能性もあります。重要なポジションに関する情報であれば、株価に影響を与える恐れもあります。情報管理の甘さは、予期せぬ形で企業に損害を与えます。

心理的な抵抗による離職

人事異動の内示が漏洩した際のリスクとして、従業員の心理的な抵抗による離職があげられます。知らない間に自身のキャリアが周りの噂話の対象になれば、会社に対して強い不信感を抱くのは当然です。個人の意思が尊重されていないと感じ、会社への貢献意欲は著しく低下するでしょう。希望しない異動であった場合、情報漏洩が引き金となり、優秀な人材が離職する可能性が高まります。人事情報を適切に管理して、人材流出を未然に防ぎましょう。

社員のモチベーション低下

人事異動の内示が漏洩した際のリスクとして、社員のモチベーション低下があげられるでしょう。自身の異動が噂になっていると知った社員は、会社への不信感から仕事への意欲を失う可能性があります。他の従業員も「なぜ一部の人だけが先に情報を知っているのか」「人事プロセスは公平なのか」と会社に対して疑念を抱きます。疑心暗鬼の蔓延は社員同士のオープンなコミュニケーションを妨げ、職場全体の士気を低下させるでしょう。情報漏洩は、組織全体のモチベーション低下という事態に発展しかねません。

企業や社員の信用を失う

人事異動の内示が漏洩した際のリスクとして、企業や社員からの信用を失うことがあげられます。社内では従業員が「会社は大切な個人情報を守ってくれない」と感じ、経営陣や人事部への信頼が揺らぎます。社外に情報が漏れた場合、取引先は「情報管理ができない会社」という印象を抱きかねません。責任ある立場の社員の異動であれば、企業の安定性を疑われ、取引の見直しに繋がるリスクもあります。採用活動においても、悪い評判は優秀な人材の獲得を困難にさせるでしょう。内外から情報管理体制の甘さを問われる事態は、企業にとって大きな足かせとなります。

人事異動の調整や内示取り消しを招く

人事異動の内示が漏洩することで、人事異動の調整や内示そのものの取り消しを招くリスクがあります。漏洩した情報が噂として広まる過程で、尾ひれがついて内容が歪んでしまうことがあります。結果、異動先の部署では誤った期待が生まれ、正式な辞令が出た際に「聞いていた話と違う」という反発が起こる可能性があります。関係者の感情的な対立に発展し、異動対象者の受け入れ体制の構築が困難になりかねません。最悪の場合、一度は決定した内示を撤回し、人事計画をゼロから練り直す事態に発展する恐れもあります。

人事異動の内示の漏洩を防ぐ対処法

内示から辞令までのルールを設ける

人事異動の内示の漏洩を防ぐ対処法として、内示から辞令までのルールを設けることが重要です。内示情報を共有する範囲を、本人と直属の上司、人事担当者など必要最小限に限定します。「辞令発令日まで口外しない」といった具体的な期間を定め、誓約書を取り交わすのも有効な手段でしょう。誰が、いつ、誰に伝えるかという伝達経路を統一することで、情報がどこから漏れたのかを追跡しやすくするのも有効です。ルール違反があった際の対応として、就業規則に基づく厳重注意や懲戒処分などを明記しておくことで、情報管理に対する社員の緊張感を一層高められます。

情報を取り扱う仕組みや環境を整える

人事異動の内示の漏洩を防ぐ対処法として、情報を取り扱う仕組みや環境を整えることも有効です。人事情報を管理するPCには厳格なアクセス制限をかけ、パスワードを定期的に変更するルールを徹底します。内示の面談は、周りに声が漏れない個室や会議室で行うことを義務付けましょう。紙媒体で情報を扱う場合は必ず鍵のかかるキャビネットで保管するなど、アナログな情報管理の徹底も必要不可欠です。システムと物理的な環境の両面から、情報の安全性を確保して情報漏洩を防ぎましょう。

情報の取り扱いに関してリテラシー教育を行う

人事異動の内示の漏洩を防ぐ対処法として、情報の取り扱いに関して社員へのリテラシー教育を行うことも重要です。ルールや仕組みを整えても、扱う社員一人ひとりの意識が低ければ漏洩のリスクはなくなりません。人事情報がいかに重要な個人情報であるか、漏洩が会社や同僚にどのような損害を与えるかを理解させるための研修を定期的に実施しましょう。特に、人事情報に触れる機会の多い管理職には、より高いレベルの知識と倫理観が求められることを、繰り返し教育する必要があります

内示を行った社員へのフォローを徹底する

人事異動の内示の漏洩を防ぐために、内示を行った社員へのフォローを徹底することも重要です。内示を受けた社員は、期待と同時に大きな不安を抱えるものです。誰にも相談できない状況が続くと、孤独感からつい家族や親しい同僚に話してしまう可能性があります。上司や人事担当者は内示後に定期的な面談の機会を設け、本人の疑問や不安に耳を傾けましょう。精神的なサポート体制を整え、会社が常に味方であることを示す姿勢が、社員の安心感と情報保持への責任感を育みます。

まとめ

適切なタイミングでの内示を行い移動のトラブルを防ごう

適切なタイミングでの内示を行い異動のトラブルを防ぎましょう。これまで見てきたように、内示は人事異動を円滑に進める上で非常に重要なプロセスです。内示の目的や役割を正しく理解し、適切なタイミングと方法で実施することが、情報漏洩や従業員のモチベーション低下といったトラブルを未然に防ぎます。内示から辞令発令までのルールを明確にし、情報管理とフォローアップを徹底しましょう。企業が丁寧なコミュニケーションを心がければ人事異動は単なる配置変更ではなく、従業員と会社の双方にとっての新たな成長機会となるはずです。

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