無期雇用保険とは【正社員との違いやメリットデメリットについて解説します】

記事更新日:2025年02月25日 初回公開日:2025年02月25日

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無期雇用派遣という言葉をご存じでしょうか?一般的に派遣労働は期間が決められているイメージがありますが、派遣期間を定めない派遣契約のことを無期雇用派遣といいます。ですが、世間では無期雇用派遣についてあまり知られていないようです。この記事は無期雇用派遣と正社員はどう違うのか、無期雇用の待遇やメリットなどをまとめました。無期雇用派遣って聞いたことあるけど、どうすれば無期雇用派遣に移行できる?企業側はどう対応すればいいのか?などの疑問について解決できます。この記事では、無期雇用派遣の全体像がわかるようにまとめました。

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無期雇用派遣とは

契約終了期間を決めずに雇用契約を結ぶ制度

無期雇用派遣とは、契約終了期間を決めずに雇用契約を結ぶ制度です。常用型派遣とも呼ばれ、2015年の労働者派遣法改正により無期限で派遣契約を結べるようになりました。5年を超えて働くことになる非正規労働者は無期転換申込権を行使できます。企業はこの申込権による無期雇用転換の要請を拒否することはできず、無期雇用契約を結ぶ必要があります。また、通常の就職活動と同様に書類選考や面接など採用選考で無期雇用契約を結ぶケースもあります。

無期雇用派遣と登録型派遣との違い

登録型派遣は派遣期間が終了したら労働契約も終了する

無期雇用派遣と登録型派遣の違いとして、登録型派遣は派遣期間が終了したら派遣元との労働契約も終了します。派遣で働くといえばこの登録型派遣のイメージではないでしょうか?通常登録型派遣は3ヵ月など期間を決めて、派遣会社と契約して派遣先で就業します。契約期間が近づくと派遣先と本人に契約更新の意思があれば契約延長となります。仮に契約更新とならなかった場合、次の派遣先が決まるまで給与は出ず次の就業先が決まるまで、経済的に不安定な立場に立たされます。

無期雇用派遣と常用型派遣の違い

常用型派遣は期限を設けずに契約を結火派遣社員として勤務する

登録型派遣と違い常用型派遣は期限を設けずに契約を結び、派遣社員として勤務します。派遣先との契約期間が終了しても、派遣元との雇用契約は継続します。また、派遣期間が終了し次の派遣先が決まるまでの待機時間にも、給与あるいは休業手当(給与の6割が最低保証)が発生します。登録型派遣より雇用やお金の面で、安定しているといえるでしょう。登録型派遣と違い書類選考や面接など採用選考の後、雇用契約を結ぶケースもあります。

無期雇用派遣と正社員の違い

賞与や手当、労働条件が異なる

無期雇用派遣と正社員の違いとして賞与や福利厚生など、労働条件が異なります。正社員の場合、給与や福利厚生を就業先が支給しますが無期雇用派遣の場合、給与を派遣元が支給します。また昇進に関して就業先は基本的には自社で雇っている正社員を対象にしており、無期雇用派遣だとかなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。あくまで無期雇用派遣の社員は、外部委託の社員という位置づけです。出世を志すなら、正社員としての入社が近道です。

無期雇用派遣のメリット

雇用の保証がある

無期雇用派遣のメリットの一つは、雇用の保証があることです。待機時間が終了しても次の派遣先が決まるまでは、待機時間として扱われるので休業手当(給与の6割が最低保証)が支払われます。登録型派遣は派遣先が見つからなければ派遣元と契約が終了しますが、無期雇用派遣は派遣先が見つかるまで経済的にも精神的にも余裕がもてます。また3年を超えて同じ部署で働いてはならない、いわゆる3年ルールがなく長く同じ派遣先で働けるのも特徴でしょう。

キャリアが築ける

キャリアが築けるのも無期雇用派遣のメリットです。無期雇用派遣で人を雇う派遣会社には、キャリア形成支援制度が義務付けられています。PCスキルやビジネスマナーの研修やキャリアカウンセリングが受けられます。同じ職場で経験を積みながらスキルやキャリアを築くことができ、また未経験でも人気の職種に就きやすい傾向にあります。無期雇用派遣で専門性の高いスキルが必要になる場合は、派遣先から研修を受けられるケースもあります。

派遣先を探す手間や不安が解消される

派遣先を探す手間や不安が解消されるのもメリットでしょう。待機時間に休業手当があり、無期雇用契約なのでキャリアが途切れる心配がなく次の派遣先を紹介してもらえます。派遣会社によっては、待機時間に会社内の事務作業を手伝う事もあります。登録型派遣の場合は次の派遣先が見つからなければ、雇用契約もなくなり無職となります。反対に、待時期間の保障と次の派遣先を探す手間や不安がない無期雇用派遣は安定した雇用形態といえるでしょう。

派遣期間期限を超えても同一業務で働くことができる

無期雇用派遣の場合、登録型派遣と違い派遣期間を越えて同一業務で働くことができます。登録型派遣の場合、3年を超えて同じ部署で働けません。しかし、無期雇用は3年ルールが適用されず同一部署で働き続けられます。派遣先と派遣元の契約が続いて本人も継続の意思がある場合、定年まで働けます。派遣先は同一業務を長期にわたって任せて、人件費の面でコストカットができるでしょう。派遣先の経営状況の悪化で雇い止めが発生しない限りは、企業と労働者にとって良い雇用関係といえます。

無期雇用派遣のデメリット

自由がなくなる

無期雇用派遣のデメリットとして自由がなくなることがあげられます。登録型派遣の場合、単発や期間限定といった働き方を自分で選べます。無期雇用派遣の場合は、責任の違いからそのような裁量が認められません。登録して派遣されるのと、採用選考を通じて期間を設けない契約を結んでいる立場では自由度が違うのです。また派遣先でうまくいかない場合でも、無期雇用という安定した立場から派遣元に現場を変えたいと言いづらい雰囲気もあるようです。

派遣先が変更される可能性がある

無期雇用派遣のデメリットとして派遣先が変更される可能性もあげられます。派遣先の経営の悪化などにより人件費のカットを余儀なくされ、配属先の指示という形で派遣先の変更になります。派遣先の変更により労働環境の変化に対応しなければならず、自分の希望に必ずしも沿わない職務になることもあります。雇用が保障されている代わりに、会社の方針に従わなければならないという、正社員と変わらない厳しい部分もあると言えるでしょう。

無期雇用派遣に転換する条件

有期雇用契約の通算期間が5年を超えている

無期雇用契約に転換する条件の一つとして、有期雇用契約の通算期間が5年を超えていることがあげられます。これは労働契約法に定められている派遣社員だけでなくパートや契約社員といった非正規労働者すべての権利です。無期転換申込権を取得した労働者に、企業は権利があることを明示しなければなりません。無期雇用契約を申し出た場合企業は拒否することはできず、また5年になる前の雇い止めも認められない可能性があります。通算期間が5年なので、契約更新を重ねて合計5年の場合でも適用されます。

契約の更新回数が1回以上

無期雇用派遣に転換する条件として契約の更新が1回以上されていないといけません。派遣先と派遣社員の合意により、最大3年まで派遣契約の延長が可能ですがクーリング期間に注意しましょう。同一の派遣元であっても無契約状態が一定期間あると、それ以前の派遣労働の期間が5年にカウントされません。例えば無契約前の通算契約期間が8ヵ月超~10ヵ月以下の場合、5ヵ月以上無契約状態だと働いた期間がクーリングされます。新たに契約して働いても1年目からのカウントになります。

同一の派遣先と契約している

同一の派遣元と通算5年契約していることも条件です。これまでの無期雇用転換の要件をすべて満たした、派遣社員は無期雇用転換を申請できます。雇用者はこの申請を断ることができません。2024年4月に無期転換申込権が、発生する更新のタイミングごとに無期転換後の労働条件の明示が義務付けられました。登録型派遣として長年働いてきた人に対する雇用の安定化のためにも、企業と労働者が無期雇用転換のルールを正しく認識する必要があるでしょう。企業側は無期雇用転換を申請する前提で、派遣社員を受け入れる必要があります。

無期雇用派遣のポイント

企業側の対応

無期雇用の働き方を理解した要因計画を立てる

無期雇用の働き方を理解した要員計画が必要です。ポジションごとに、どんなスキルを持った人間がどれぐらい必要か無期雇用に適したポジションがあるか確認し、適切な要員計画を立てましょう。無期雇用派遣の場合、派遣社員の所属意識の低さからモチベーションが低下する場合があります。日頃から派遣社員とコミュニケーションをとり、無期雇用転換後もやりがいをもって仕事に打ち込めるようにマネージメントしましょう。適切な要員計画は、雇用形態にかかわらず現場の生産性に影響を与えるため極めて重要です。

専門性の高い業務は自社で育成する必要がある

専門性の高い業務を行う無期雇用の派遣社員を、自社で育成することも考えなければなりません。派遣元がキャリア形成支援制度に基づいて研修を行っているが、専門性の高い業務のスキルを研修しているとは限りません。無期雇用派遣の社員に専門性の高い業務を任せるのはモチベーションの維持に繋がります。長期にわたり職務を遂行する無期雇用の派遣社員に、専門性の高い業務を習得させるのは現場にとって良い影響を与えるでしょう。前述した要員計画に基づき、長期的な人材育成が求められます。

派遣会社側の対応

3年の派遣期間期限を迎える派遣社員に意向を確認する

3年の派遣期間期限を迎える派遣社員に意向を確認しましょう。これは派遣社員が無期雇用を望まない場合対処する必要があるからです。派遣先は新たに欠員がでたポジションに対処しなければなりません。また3年間働いた派遣社員に対して派遣元は雇用安定措置が、義務付けられています。派遣企業は派遣先に直採用を促したり、新たな派遣先の紹介や必要に応じて職業訓練やキャリアカウンセリングなど行う必要があります。派遣先と派遣社員双方に、目を配った対処が必要です。

業務内容や待遇を社員と同等にすることも検討する

業務内容や待遇を社員と同等にすることも検討しましょう。雇用形態が正社員と違うと言っても、正社員並みの責任感や働きが期待されます。給与を派遣先の正規雇用と同じ待遇にすると、コスト増になるので企業先と密に連絡を取り合う必要があります。企業側は無期雇用転換を考慮に入れて、人件費の増加に備える必要があるでしょう。インターネット上では無期雇用派遣に否定的な意見が散見されますが、派遣社員の雇用安定化をはかるのが派遣業界全体の課題ではないでしょうか。

まとめ

無期雇用派遣について知り適切な雇用を行おう

無期雇用派遣について知り適切な雇用を行いましょう。日頃から派遣社員とのコミュニケーションをとり、3年を超えて働く派遣社員に意向を確認しましょう。派遣社員側もルールを確認する必要があります。派遣先企業は、無期雇用転換する前提で現場の要員計画をたてプロジェクトに支障がないようにしましょう。有期雇用や無期雇用に限らずインターネット上では派遣に対する否定的な意見が多いので、労使双方が適切な運用を行ないより良い労働環境を作っていくことが大事です。

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