記事更新日:2024年07月01日 | 初回公開日:2024年07月01日
用語集 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報新卒における母集団形成とは、自社に興味のある学生を集めることを言います。母集団は採用における候補者を意味します。この際のポイントは、単純に多くの学生を集めるだけなく自社と学生がマッチしているかが重要となります。具体的に言えば、自社が必要としている求める人物像が実際の学生と合っているかが重要であるということです。それが異なる場合、その母集団から採用をしたとしてもその後にミスマッチが起きてしまいます。したがって、採用の基準に合わせて学生募集のアプローチを変えることが望ましいです。
新卒採用で母集団形成が注目されている理由は、少子化が進んでいるためです。日本は周知のとおり少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少傾向にあります。したがって、優秀な人材を効率良く確保するためにいかに母集団を増やせるかが重要になってきます。優秀であるというのは、自社で活躍することができるかということです。自社での仕事内容が学生に合っているかどうかを見極めることも採用活動で重要になってきます。
新卒採用で母集団形成が注目されている理由は、テクノロジーによって採用方法が変化して生きているためです。一昔前までは、新卒採用は対面のみで行われていました。つまり、採用説明会から面接まで全て直接会社に招いて行っていました。しかし、今や新卒採用は対面とオンラインがハイブリッドとなって実施されていることがほとんどです。採用方法が多様化してきた今の時代に対応し、母集団の形成も考える必要が出てきたと言えます。
新卒採用での母集団形成のメリットとして、採用コストがかからない点が挙げられます。母集団が少なすぎる場合には、さらに採用人数を拡大させるべく採用活動に費用をかけなくてはなりません。他方、母集団が多すぎる場合も、面接やエントリーシートを通じて自社に合う人材を見極めなければならないため、人件費などのコストがかかります。母集団形成を計画的に行うことで、採用コストを最小限度に抑えることが可能です。
新卒採用での母集団形成のメリットとして、優秀な人材を獲得できる点が挙げられます。母集団とは、自社に興味のある人材です。つまり、自社の理念やビジョンに関心や共感を抱いている人が母集団にいます。こうした人であれば、いざ採用をした場合に早期に離職をせずに長く働いてくれる期待が高まります。言い換えれば、長期的なスパンをもって育成することができるため、優秀な人材になりやすいです。また、このようにして多くの人が自社に定着をすることで、会社としての評価も上がります。働きやすい会社として世間に認知されることで、より優秀な人材が集まりやすくなります。
新卒採用での母集団形成のメリットとして、持続的な事業の成長につながる点が挙げられます。先ほど述べたように、母集団形成によって優秀な人材を多く獲得できます。また、このようにして採用した人材は、会社への帰属意識も高くモチベーション高く働いてくれることが期待されます。こうしたことが相まって、結果的に企業全体の生産性が向上します。そして、長期的に事業が成長していくことが期待されます。
新卒採用で母集団形成が難しい理由としては、売り手市場の傾向で数が集まらないことが考えられます。少子高齢化による労働者人口減少の影響で、新卒採用では売り手市場が続いています。特に知名度がない中小企業などは、母集団の形成が非常に難しくなっています。このような企業にとっては、自社と競合他社の違いを明確にして自社への魅力を高めて母集団を形成しなくてはならない状況になっています。大手企業も同様で競合に負けないように工夫をしていく必要があります。
新卒採用で母集団形成が難しい理由としては、求職者の見極めが難しいことが挙げられます。これは応募者が多い場合の話ですが、この数が多ければ多いほど選考には負担が生じます。その結果、応募者1人たりにかけられる時間が限られてしまい、十分な見極めが難しくなってしまいます。さらに言えば、売り手市場である現在において就活中の学生は内定を複数持っていることが珍しくありません。学生が本当にこの会社に来るのかどうかも同時に見極めなくてはならない点も母集団形成が難しい理由です。
新卒採用における母集団形成の流れは、まず自社の存在を知ってもらうことです。まずは認知が重要です。私たちが企業を認知する方法として最小に考えつくのは、テレビCMでしょう。しかし、これは大企業かつ消費者向けの企業のみ有効なものでしょう。それ以外においては、一般的にはインターネットやSNSを用いて企業側から積極的にアプローチしていくことが重要でしょう。この時点では幅広く母集団を形成し、後の段階で絞り込んでいくと効果的です。
新卒採用における母集団形成の流れは、エントリーをしてもらうことです。自社の存在を知ってもらった後には、人材を募集していることを知ってもらいましょう。採用する年度をしっかりと記し、わかりやすい採用ページを作成することで、より多くの新卒の学生に興味を持ってもらうことができます。採用ページには、仕事内容や募集要項など学生が知りたい情報を簡潔に載せておくと良いでしょう。学生の気になることをたくさん明記しておくことでエントリー数も増えミスマッチも減るでしょう。
新卒採用における母集団形成の流れは、説明会に参加してもらうことです。採用ページには学生が知りたい情報を載せることは重要ですが、あまりにも多すぎるとみにくくなってしまいかえって逆効果でしょう。そこで、採用ページに伝えきれない情報を説明会を通して説明することが効果的です。説明会の中で、現場社員や人事がよりリアルな会社の雰囲気や情報を届けることで、魅力が伝わるでしょう。説明会の参加率を上げるには、プログラムについて詳しく記載することが重要です。
新卒採用における母集団形成の方法として、就職サイトを活用することが挙げられます。就職サイトは最も一般的な母集団の形成方法と言えます。就職活動をする学生もまずはこの就職サイトの登録から始める人も多いでしょう。代表的なサイトで言えばマイナビやリクナビが挙げられます。幅広い学生から会社を認知してもらえる可能性が大きい点が特徴的です。他方、掲載企業もその分多く、自社の情報が他社に埋もれてしまうというデメリットもあります。活用する際には他社との差別化が重要となってきます。
新卒採用における母集団形成の方法として、新卒紹介サービスを活用することが挙げられます。新卒紹介サービスとは、いわゆる新卒エージェントと呼ばれ、企業側の採用条件に沿った学生を紹介会社が厳選して企業に紹介するサービスです。企業の知名度に関わらず学生の志向や適性と会社をマッチングさせてくれるところに特徴があります。人事の手間がかからず、利用料金は成功報酬型であるため、リスクが少ないことが大きなメリットです。他方、学生の数が絞られることがデメリットとして考えられるでしょう。
新卒採用における母集団形成の方法として、合同説明会を活用することが挙げられます。合同説明会は、リクナビやマイナビなどが開催するもので、就活生が幅広く利用するものです。中には、醸成限定や理系限定など就活生を限定して行うものもあるため、必要に応じて活用すると理想の母集団を形成することができるでしょう。企業と学生が直接対話できるため、企業の魅力を直接アピールすることができる点が大きなメリットです。他方、他の出展企業によって学生数に変化があり、学生数が少ない場合には効果を期待しにくいというデメリットがあります。
新卒採用における母集団形成の方法として、マッチングイベントを活用することが挙げられます。合同説明会よりも比較的小規模に行われることが特徴的で、中小企業にとって効果的な方法です。学生の集客にはイベント会社が行います。そのため、企業に認知度がなくとも積極的に参加できる点メリットと言えます。他方、早期の開催であればあるほど採用までつながりにくいのがデメリットでしょう。
新卒採用における母集団形成の方法として、大学訪問が挙げられます。大学に訪問して自社の会社説明会を開催するというものです。コストがかかりにくく学生との出会いの場を設けることができる点が大きなメリットと言えます。また、一度出展できた場合に再度開催できる可能性が高まる点も特徴的です。さらに大学とのパイプが生まれる可能性もあります。他方、企業からの出展依頼が非常に多く誘致が難しいというデメリットがあります。
新卒採用における母集団形成の方法として、ダイレクトリクルーティングサービスを利用する方法が挙げられます。ダイレクトリクルーティングとは、ターゲット人材を獲得するために採用担当者が自ら主体的に活動することです。スカウティングと呼ばれるサービスも多くあり、活用する企業が増えています。登録している学生と直接連絡が可能で選考案内までできます。比較的情報感度の高い学生の登録が多く、優秀な学生が多いことも特徴的です。デメリットとして、選考から入社承諾まで至りにくい点が挙げられます。
このように、新卒採用は売り手市場という状況もあって年々難しくなっています。だからこそ、母集団形成をしっかりと行なって優秀な人材を獲得していく必要があります。長期的な会社の成長にとって新卒採用は非常に重要な要素であるので是非とも力を入れていきたいところです。そのために、今回ご紹介した母集団形成の流れや方法を是非参考にしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。
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