マトリックス組織とは?【目的や注意点などを徹底にご説明します!】

記事更新日:2021年06月11日 初回公開日:2021年02月09日

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企業の組織編成を考えたことがある方なら「マトリックス組織」という組織体制をご存知でしょう。組織、部の編成は企業や事業内容により様々ですが、事業が成長し、複数のビジネスを展開する企業は人員の割り振りに苦労するものですよね。本記事では「マトリックス組織」という組織形態について、その特徴や他の形態との比較、導入のための注意点などを詳しく解説します。マトリックス組織は一般に、グローバル企業など、事業が複雑化する組織に有用と言われており、人材やノウハウを最大限に活用し、成長させていくための方法の一つ。現在の組織構造と照らし合わせながら検討いただけますと幸いです。

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マトリックス組織とは

職能と事業部やエリアを組み合わせた組織形態

マトリックス組織とは、従来の「職能別」の組織構造と事業別やエリアなど別の組織構造を組み合わせ組織形態のこと。マトリックス図のように職能別、事業部別、プロジェクト別、地域別、製品別など複数の構成軸が存在し、1人の社員が複数のミッションに取り組む形態を取ります。横軸と縦軸の双方の指揮命令系統を設けることで、双方の機能や利点を同時に実現しようとする組織形態ともいえますね。グローバル社会の進展に伴うビジネスの高度化・多様化に対応し、複数の目標を同時に達成するための組織形態として、マトリックス組織は広く採用され、効果を上げています。

マトリックス組織と機能型組織との違い

機能型組織とは機能で部門分けしている組織のこと

マトリックス組織と比較される組織形態として、機能型組織があります。これは組織のトップの下に開発、製造、営業、販売、人事など機能別部門がぶらさがっているもので、いわゆる伝統的な組織構造ですね。機能がそのまま部門となっているので、部門を横断するプロジェクトを推進する場合、それぞれの部門から人材を割り当てていく流れが一般的です。対比的な構造として、期限付きプロジェクトとしてチームが変死され、統率すべきマネージャーが置かれる「プロジェクト組織」もあります。

多くの企業で採用されている組織形態

機能型組織は、一般企業の多くがとっている組織形態です。この形態のメリットとしては部門内でのスキル向上や密なコミュニケーションが推進しやすいこと、指揮系統などのラインが一貫しており、統制が取りやすいこと等が挙げられます。一方で、プロジェクトを実施する場合に責任の所在が曖昧になりやすく、意思決定やプロジェクト進行に時間がかかりやすいこと等、デメリットもありますね。つまり、横の連携が弱い分、縦での統制が取りやすい、ピラミッド組織型の形態といえるでしょう。

マトリックス組織の目的

複数の目標を並行して達成するため

企業がマトリックス組織形態を取る目的は、第一に複数の目標を並行して達成するためです。指揮命令系統を複数にすることで、従業員を柔軟に活用することができます。例えばAさんは職能部門として営業部に所属し、エリア部門では東北担当に配属されたとしましょう。この場合、Aさんは営業を行いつつ、東北エリアの事業計画推進に関わることになり、複数のミッションを同時並行で進めることが可能です。Aさん個人にとっても幅広いの知識とスキルを習得できるため、人材育成の観点でも優れているといえるでしょう。

様々な分野の事業に対して即座に対応するため

また、事業間での情報共有・連携をよりスムーズに行うことで、スピーディーかつ柔軟に複数事業を進めていくため、というのも大きな目的の一つです。マトリックス組織では、全社的に経営資源を共有でき、例えばB事業部のマーケティングで得たデータを別事業のC製品の販促に活用するといった柔軟な対応が可能となります。市場の激しい変化やクライアントの希望に無理なく対応するだけでなく、管理のしやすさも魅力ですね。特に複雑なプロセスを持つマトリックス型組織では、複数プロジェクトの業務バランスをより良く保つことが、企業全体での事業推進に繋がると言われています。

マトリックス組織の種類

バランス型

マトリックス組織にも大きく3つの種類があり、主にプロジェクト内の責任者の観点から分けられます。一つ目のバランス型は、プロジェクトメンバーから責任者を選出する組織。責任者も通常の業務を行う一メンバーの位置付けのため、プロジェクト進捗状況の把握が迅速で、決断や指示もスムーズになりやすいと言われています。一方で、この責任者とは別に部門ごとの上司も存在しており、メンバーは複数の上司からの指示の調整が必要になるという点には注意が必要ですね。

ストロング型

ストロング型は、各プロジェクトにマネジメントのみを行う専門的なプロジェクトマネージャーを配置している組織です。このプロジェクトマネージャーは一般に、部門ごとの上司よりも強い権限を持ち、専門性も高いため指示系統が明確になり、メンバーはプロジェクトに集中しやすくなることが多いです。一方で、プロジェクト・マネジメントに特化した人材が複数人必要であるという点を鑑みると、資金・人材に余裕のない企業には向かない可能性が高いですね。

ウィーク型

ストロング型とは反対に、あえて特定の責任者を置かず、プロジェクトメンバーそれぞれが自由に動くことができる「ウィーク型」という組織パターンもあります。迅速な意思決定が行われるので、対応への臨機応変さが最大のメリットといえるでしょう。指示系統がうやむやになったり、個々人の業務や進捗状況が把握しにくかったりという側面もあります。スキルを持ったメンバーがそろった組織であれば、スムーズにプロジェクトを進行できる可能性が高いです。

マトリックス組織のメリット

コミュニケーションが増えるため業務が円滑に進む

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マトリックス組織を導入するメリットについて考えていきましょう。一つは組織内でのコミュニケーションの活性化です。部門の垣根を超え、様々な役割・立場の社員とコミュニケーションを取り調整しながら業務を行うことで、業務は円滑に進み、事業の発展にも繋がりやすくなります。一人一人がプロジェクトや会社全体の構造を把握しやすいというのもモチベーションアップに繋がりますよね。もちろん、複数部門での経験が相乗効果をもたらし、長期的な業務効率化も期待してよいでしょう。

多方面からの意見により品質向上に繋がる

さらに、マトリックス組織であれば多方面からの意見が集約しやすくなるため、製品や事業がブラッシュアップされるという点もメリットの一つです。どんな製品・サービスでもより多くの角度から分析が加わることで、リスクが回避できたり魅力を最大化させたりすることが可能ですよね。また、プロジェクトでの知見やノウハウを持ち帰ることで、同じ職務同士でもスキルを高め合うことが期待されます。製品だけでなく社員の能力の育成効果もあるといえるでしょう。

マトリックス組織のデメリット

業務報告が多重化し生産性が低下する恐れがある

マトリックス組織における負の側面も見逃せません。考えられるデメリットとして、業務報告が多重化することで生産性が低下する恐れが挙げられます。複数の業務に従事をすると日々の共有・報告事項が増え、その分メイン業務に充てられる時間は少なくなりますよね。部署間で連携が取れていなかった場合、報告をする側も受ける側も二度手間になってしまうような事象も考えられるでしょう。あらかじめ進捗報告の担当を線引きしておく、タイミングを定例化する、等の対策は必須です。

複数の上司が存在するため組織が混乱しやすい

おそらく最も問題になりやすいデメリットとして、複数の上司が存在することによる組織混乱があります。複数の指揮系統があることで、どうしても業務の優先順位がつけにくくなってしまったり、上司として部下が抱える業務を把握しきれなかったりという事態が考えられます。また、組織全体での意思決定に統一性がなく、複数事業の方向性がずれている場合は、社員の業務が複雑化してしまい大きなトラブルを引き起こす原因にもなりかねません。意思決定をする指揮命令者同士でも十分に意思疎通を行う必要があるでしょう。

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マトリックス組織の注意点

難易度の高い組織形態なので結果がでるとは限らない

マトリックス組織を導入する場合の注意点としでは、まず、難易度の高い組織形態であること、結果が出にくいことをきちんと認識しておくべきです。欧米でこの組織形態を導入するも失敗する企業が後を絶たなかった理由は、役割の配置や両軸のパワーバランスに配慮しておらず、管理能力が不十分であったにも関わらず無計画にマトリクス組織を導入したからです。複雑な組織形態であるゆえに問題も生じやすくなるため、あらかじめ指揮命令系統ルールを整理し社内で共通認識を持たせる等、問題への対策が必要でしょう。

1人当たりの業務数が増えるため管理を徹底する

さらに、一人あたりの業務管理も大きな注意点です。複数の事業を担当させることは、どうしても一部の社員に業務が集中し、大きなストレスを与える等の可能性が高まります。特にバランス型マトリックス組織の場合、プロジェクトマネージャーの負荷は大きくなりがち。適切な指示を出し、メンバーの状況にあったサポートを行う上司の能力も更に重要になってくるでしょう。場合によっては貴重な人材を失うなど逆効果になりかねない部分のため、人的負担を軽減するための方策についても事前に準備しておいた方が良いでしょう。

マトリックス組織の導入事例

アポロ計画

では、具体的にマトリックス組織を導入した組織の事例を確認します。そもそもマトリックス組織が広まったのは、1960年台にNASAがアポロ計画を進行する際、航空宇宙産業企業に推奨したことがきっかけです。当初はプロジェクト・マネジャー制と呼ばれていて、プロジェクトごとにマネジャーを配置し、機能別組織にプロジェクトチームが横串を通すように横断的に編成されました。この画期的な組織編成により、メンバーの業務負担が増えたことは間違いないでしょうが、人類未踏の偉業を成し遂げられた要因の一つと言われています。

村田製作所

国内では、セラミックス・コンデンサーなどの電子部品を製造する村田製作所での導入事例が有名です。同社では「コンデンサー」「圧電部品」などの製品別の軸と、「調合」「成形」など製造工程の軸となるマトリクス組織編成を行っています。さらに、本社の管理機能スタッフがそれぞれのグループ横断で間接業務を請け負っていることから、「3次元マトリックス組織」と呼ばれたりもしています。製造工程で重複する作業をカットしコスト削減、効率化を上げると共に、間接業務を一本化することで無駄を排除できた好事例といえるでしょう。

トヨタ

トヨタ自動車でも2016年にマトリックス組織制を導入し、大きな話題となりました。具体的には先進国向けを「第1トヨタ」、新興国向けを「第2トヨタ」、のようにターゲットエリアごとの4つのビジネスユニットを縦軸に置き、技術開発本部、生産管理本部、経理本部などの職能別部門を横軸とした組織体制です。市場エリアを絞ってその地域ごとのマネジメントを行うことを目的とした編成となっており、今まで以上に地域に特化した販売戦略を強化していきたいというトヨタ自動車の意向が読み取れますね。このようにマトリックス組織は経営戦略上の対策として導入される場合が多いといえます。

まとめ

導入する際は組織全体のバランスに注意しましょう

以上、本記事ではメリットやデメリットなどを中心に、マトリックス組織導入に向けたポイントを確認してきました。マトリックス組織には、社内の人材をフル活用し、様々な業務に対応できる柔軟性という観点ではほかの組織構造にはない強みがあります。組織全体のバランスを取りつつ上手に活用することができれば、他社よりもスピードとパワーのある組織体制を構築できるでしょう。導入にあたっては自社の現状とあるべき姿をしっかりと検討し、よりよい組織・事業の在り方を考えたいものです。

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