記事更新日:2020年11月18日 | 初回公開日:2020年10月30日
人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説 グローバル経済GitHub(ギットハブ)は、エンジニアなどの技術者がソフトウェアを開発するために使用するソースコード管理サービスです。公開されているソースコードは、バグ管理や修正などの機能も備えており、エンジニアにとってなくてはならないサービスとして知られています。また、GitHubを用いてバージョン管理を行っている企業もあり、世界的に認知されているサービスと言えるでしょう。分散型バージョン管理であるGitの仕組みを利用し、プログラムコードやデザインデータなどの自作品を保存・公開できるサービスはIT業界では一般化しつつあります。
GitHubはソースコードなどの履歴ができる分散型バージョン管理システムですが、SNS機能も備えており、エンジニア同士がコミュニケーションも取ることも可能です。Web開発者を中心に知名度が広がりましたが、今では400万人以上のユーザー数を抱えるビックツール。有料プランもありますが、一般的にはソース・コードを公開すれば、誰でも無料で利用することができます。また、issue(イシュー)と呼ばれるチケット機能も人気があり、チーム開発やタスク管理に優れた機能があることからも注目を集めています。
GitHub採用とは、採用担当者が公開されているGitHubアカウントを閲覧し、開発実績をみて採用を行う手法です。GitHubのアカウントからエントリーを受付けし、面接を行う採用はIT業界では主流になりつつあります。開発者にターゲットを絞ったツールを使うため、効率的に優秀な人材を見つけることができ、履歴書やエントリーシートなども提出する必要はありません。昨今では、採用担当者側からGitHub上で過去の開発実績やスキルなどから判断し、企業にマッチしそうな人材に対してアプローチする方法も取られています。
企業側が求めるスキルを持った最適なエンジニアを採用することは、想像以上に困難なことです。その点、GitHub採用を用いることで事前にエンジニアのスキルを見ることができるため、マッチング率アップにつなげることができるでしょう。GitHub採用では、採用担当者がGitHub上で公開されている過去実績やスキルをもったアカウントを判断し、採用したいエンジニアに対して企業側からアプローチします。また、新卒採用でも即戦力に近い学生を発掘することができるので、GitHub採用を積極的に取りいれている企業もあります。
GitHubは、TwitterやinstagramといったSNSと同様にユーザー同士でフォローすることが可能です。しかし、instagramのようにフォーバックなど相互フォローをする文化がGitHubにはありません。そのため、50人以上にフォローされているGitHubアカウントは、ある程度の実績のある可能性があると判断できるでしょう。もちろん、フォロワーが多ければ多いほど影響力もあり、フリーランスで活動していたりするケースもあります。エンジニア経験のない採用担当者だと判断するのは難しいかと思いますが、フォロワー数は必ず確認するようにしましょう。
コントリビューションとは、プルリクエスト(他者に対して行ったコメント等)やコミット(ファイル追加や変更履歴を保存すること)といった、何らかの活動回数のことです。例えば、プルリクエストを5回、コミットを4回すれば、9コントリビューションということになります。コントリビューションが1200〜のユーザーの場合、毎日3回以上のコントリビューション×1年で約1200コントリビューション。1200コントリビューションあれば、毎日継続して活動をしている結果と判断しても良いでしょう。
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GitHubでは、ネット上にソフトウェアの開発プロジェクトで使用するソースコードを公開しています。公開リポジトリといい、ソースコードを全員に公開する形式であれば基本的には無料で使用することが可能です。ただし、企業などに属し、業務上で作成したソースコードは守秘義務や規約があるため公開することはほどんどありません。GitHubがオープンソースであるがゆえに難点ではありますが、開発者が試したコードやサービスプロダクトなどのプログラムソースコードを評価すると良いでしょう。
FacebookなどのSNSと同様にGitHubアカウントを保持してソースを公開している人は、プロフィール(自己紹介)を掲載しています。得意な技術領域、過去の経歴など本人のアピールポイントといっても良いでしょう。ただし、現在の実績がわかるソースコードの確認は大切ですが、まずはプロフィール蘭を隅々までチェックすることもポイントです。エンジニアのことをよく理解して一人ひとりに合ったアプローチをすることで、自社に対して好感触をもってもらうことができます。
昨今のエンジニア採用市場は、他の職種と比べても類を見ない程の激戦区。求人倍率は8倍以上と技術のあるエンジニアの取り合いになっています。また、エンジニアの若年層化やグローバル化が進み、若くてもスキルのある開発者が増えています。多くの採用担当者は人事系のキャリアは積んでいますが、エンジニアとしての経験や知識を持っている人はほとんどいません。そのため、学歴に左右されないスキルを持ったエンジニアの発掘には、GitHub採用が欠かせなくなっていると言えるでしょう。
GitHub採用では、エントリーシートや履歴書などを提出せず、GitHubのアカウントのみでエントリーを受付けし、面接をします。GitHubアカウントのみの提出なので、エントリーのための工数が下がるのが一番の魅力と言っても良いでしょう。そのため、エントリー数も増える傾向にあります。GitHub採用では、企業ごとにさまざまなアプローチの方法があるようですが、一般的には企業の求人募集画面のエントリーボタンとクリック。そして、GitHubアカウントのURLとmailaddressのみを記入してエントリーします。
企業と応募者の双方にとってメリットを多く感じるGitHub採用ですが、デメリットがあることも考慮しなければなりません。とくにアカウントに掲載されているソースコードは、言語・ライブラリ・フレームワークなど多種多様であり、必ずしも候補者自身のオリジナル作品とは限りません。また、掲載されている作品がひとりで作成したものではなく、プロジェクトに関わった複数人のエンジニアによるものもあります。結果的に閲覧した人の感覚で評価をしているため、素人目では判断するのが難しいこともあります。
GitHub採用の場合、人事の採用担当者だけでは判断できないケースが多いため、現場のエンジニアが応募者の技術を見極めることになります。応募者のスキル評価ではプログラムソースを個別に評価する必要があるため、応募者が増えるほど、現場のエンジニアへ負荷がかかります。時間的に余裕のあるエンジニアがいる場合は良いかもしれませんが、リソース不足での追加採用をとっているケースが多いため、書類選に時間がかかることが多いでしょう。また、判断基準が会社によって異なるので標準化した基準を作らないといけない場合もあります。
GitHub採用で気をつけてほしいのは、エンジニアへのアプローチ方法です。エンジニアは仕事をする上で「自分のスキルを活かせるかどうか」を重視している人が多く、エンジニアのことを何も理解せずにいきなり送ったメッセージは心に響きません。むしろ失礼に当たるでしょう。逆にエンジニアのことをしっかりと理解した内容のメッセージは響きます。ポイントとしては、堅苦しい内容は好まれないので、相手がどんな開発言語を使っているかは事前にチェックし、メッセージに何かしら記載すると良いでしょう。
GitHub採用には、 応募が来てからアカウントをチェックし選考するパターンと、 採用担当がアカウントに直接スカウトメールを送るパターンがあります。どちらにしてもGitHub採用をする際は、まずエンジニアのGitHubアカウントに記載してあるプロフィールを読み解くことから始めましょう。プロフィールには、得意な技術領域や興味関心領域のヒントがあり、そこからピックアップするのがおすすめ。リポジトリの内容までしっかり踏み込んで読み解けるとさらに良いですが、まずはしっかりとGitHubプロフィール読めば大丈夫です。
フリマアプリサービスを運営しているメルカリは、2015年の新卒採用において書類選考をGitHubアカウントのみで行うという手法で業界内で一躍有名になりました。この時のエンジニア応募数は40人、GitHub選考が通ったのは9人、内定者は5,6人。現在は職種によっても異なりますが、氏名やmailaddressといった基本情報の加えて、自身のWebサイトやGitHubアカウントを必須項目としているようです。新卒採用に限らず、メルカリでは中途採用でもGitHubでのエントリー受付と企業側からのスカウト(アプローチ)の両方行っています。
Web広告やブログ、動画サイトなど運営している大手IT企業のサイバーエージェントは、2015年の新卒採用でGitHubを活用しました。現在は入力項目にはないようですが、若年層の技術者に対して積極的な採用を行っています。過去には、新卒採用において、特定のテーマに対しプログラミングされているソースコードで選考を行う「コード採用」を実施。また、インターネットサービスのモックアップでアイデアを競い合い、受賞者には特別選考パスを付与するなど面白い取り組みを行っています。
いかがでしたでしょうか。エンジニア採用は確かに難しい採用ではありますが、GitHub採用を用いることで大きな視点かつ、スキル重視での採用が可能になります。また、エンジニアは「大手だから、有名企業だから」といった視点よりも「自分のスキルや技術を活かせる環境」へ転職する傾向にあります。エンジニアが考える視点でアプローチしたり、社内のエンジニアの協力を得ることで採用率を格段にあげることができるでしょう。ぜひ、新しい採用手段の参考として取り入れてみてくださいね。
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