ポジティブフィードバックとは【目的と注意点を徹底解析します】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年03月02日

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ビジネスマンなら誰しも、フィードバックは日常的に行う身近な行為でしょう。しかし、どのように伝えるべきか、また受け止めるべきか迷ったことはないでしょうか。人材育成テクニックの1つで、個人と組織の両方にとって理想的な形へと導いていく方法にポジティブフィードバックがあります。本記事ではポジティブフィードバックの意味や方法、メリットやデメリットを分かりやすく解説します。特に若手社員のモチベーションアップでお困りのマネジメント層の方にはぴったりの内容ですので、ぜひご自身の普段のフィードバックの内容と照らし合わせてご確認ください。

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ポジティブフィードバックとは

前向きなフィードバックを行う事

ポジティブフィードバックとは、業務における評価対象について、前向きかつポジティブな言葉のみを使って伝え更なる自発的成長を促す手法です。一般的にフィードバックというと、業務における行動に対する評価を、行動した本人または会社に対して返すことですね。一方でポジティブフィードバックの場合、問題点ではなく評価できる点を探し、否定的な言葉を一切使わず伝えるというのがルールです。プラスな評価をプラスの表現で伝えることで、前向きな気持ちにさせるフィードバックと言えるでしょう。

ポジティブフィードバックの目的

部下の成長を促す

ポジティブフィードバックを行う目的は、被評価者である部下の成長を促すことです。プラスの言葉をかけることで、意欲や能力を良い方向に増幅させることを狙いとしています。褒められることで自分の業務に対する興味や意欲が高まり、例えばこれまで淡々とこなしていた仕事についても、もっと効率的な方法はないか等、振り返る機会にもなるのではないでしょうか。結果として、部下が自発的に自己成長を求めていくための導きができるといわれています。

ポジティブフィードバックのやり方

目標を立てる

ポジティブフィードバックのやり方として、まず目標を立てることから始めましょう。現在の相手の状況や技量、性格等を確認し、見合った目標を立てます。次回のフィードバック時までに達成見込みのある目標を立てることがポイントで、特に初期はまず達成感を与えるためにも過剰に難しい目標の設定は避けましょう。立てた目標は、他の社員にも共有することで、達成可能性が高まるだけでなく、複数の目線でのポジティブフィードバックを行うこともが可能です。

目標に対するフィードバックを行う

すでに目標を立てた上でのフィードバックであれば、その目標に対する達成率について具体的に話しましょう。フィードバックを行うポイントは、評価対象者が行った行動について、できるだけ具体的に話すこと。単純に「良かった」だけでなく、その評価の根拠を事実に基づいて明示すべきです。例えば部下のプレゼンを褒めたい場合には「話の順番が分かりやすく、適切な具体例を選べていたから、お客様にも理解してもらえて良い情報が引き出せたよ」等です。その行動がもたらす帰結や、他者への影響の大きさなどを併せて伝えるとさらに効果的でしょう。

今後どのように行動するかを話し合う

ポジティブフィードバックの効果を最大化させるには、今後相手に対し期待していることを伝えることも大切です。設定した目標についてもうひと頑張りするのか、更に高い目標を設定するのか、お互いに摺り合わせをしましょう。発展的な方法として、目標とは異なる視点で評価者の長所を伝え、企業の経営・人事戦略の観点から長期的な展望や期待を話すという方法もあります。このような機会があることで、若手社員でも企業全体における自分の立ち位置を理解し、より主体的な貢献を考えやすくなるのです。

ポジティブフィードバックを行うタイミング

目標達成した時

ポジティブフィードバックを行うのはタイミングが大事です。そこで、今回は相応しいタイミングの例を3点紹介します。まずは目標達成をした時。例えば売上目標を超えた場合、「この活躍は今期の部門目標に大きく貢献しており、素晴らしいです!」と認めてあげた上で、「今週はいつもと何か違うことをしましたか?」と聞く等、プロセスについても確認し達成した事実を一緒に分解するのが良いでしょう。また、目標達成した時に限らず、目標に向けた前進ができている場合はポジティブフィードバックの好機会です。

困難を乗り越えた時

ポジティブフィードバックを行うに相応しいタイミングの2点目は、何らかの困難を乗り越えた時です。例えば顧客へのクレーム案件を丁寧に対応し解決できた時、「対応スピードと誠意の伝え方がさすがですね!あなたのおかげで早期解決ができ今後の関係性も良好に進むでしょう」等と伝えます。またフィードバックの基本はタイムリーであること。次のミーティング時に伝えよう、ではなく、良い行動は即座に伝えることで、効果は何倍にもなります。

価値のあることをした時

3点目のタイミングは、評価者が価値のあることをした時です。評価者の行動に「価値がある」と感じた時はポジティブフィードバックを使いその価値を大いに認めましょう。例えば、率先して議事録を取ってくれた、提出前に誤字脱字のチェックを行っていた等、些細なことでも積み重ねが価値を生み出す業務は多いものです。ポジティブフィードバックを行うことでその評価者のモチベーションを高めることはもちろん、周りの社員に対して良い行動を模範化することもできます。ポイントとして、評価者の行動がもたらした価値はどんなものなのかを詳細に伝えることを意識してみてください。

ポジティブフィードバックのメリット

チャレンジするきっかけが増える

ポジティブフィードバックを行うメリットについて確認していきます。1点目は、評価対象者がチャレンジをするきっかけが増えること。後述の2点目とも重なりますが、ポジティブフィードバックは被評価者の動機付けに大きな効果を発揮します。動機付けされることで興味心や探究心、向上心などを高め、今まで以上に自己成長を求めチャレンジ精神を発揮する傾向にあります。チャレンジの回数が増えることでパフォーマンスの圧倒的向上に繋がるといえるでしょう。

モチベーションが上がる

2点目に、純粋にモチベーションが上がるというメリットがあります。漠然と業務をこなしているだけでは取り組んでいる業務への意義やモチベーションは損なわれがちですが、他者評価は自己評価や自信を高めるのに欠かせない要素の一つです。組織や直属の上司からの期待値が高ければ高いほど、自発的かつ意欲的に取り組むことができますよね。具体的にポジティブな評価を受けることで、部下は達成感を味わい、自尊心を向上させることができるだけでなく、このような個人が増えることで組織全体の雰囲気をポジティブに変えていくことができるでしょう。

フィードバックを行うことで組織目的を達成できる

3点目のメリットとして、ポジティブフィードバックを正しく活用することで個人目標と組織目標をリンクさせ、両方を達成させられることが挙げられます。組織やプロジェクトが抱えている課題や目標を把握し、その達成に必要となるスキルや能力の獲得を個人目標として設定することで、個人力の向上が組織力の向上に直結します。また、ポジティブフィードバックを受けた被評価者は組織に対するエンゲージメントが高まっている状態のため、自分の業務で組織に貢献しようという姿勢も現れやすいでしょう。このようにポジティブフィードバックは人材育成だけでなく経営戦略面でも有効といえるのです。

ポジティブフィードバックのデメリット

社員の受け取り方次第で逆効果になる

一方で、ポジティブフィードバックにもデメリットはあります。デメリットの1点目は、被評価者の受け取り方次第で逆効果をもたらしてしまう点です。ポジティブフィードバックは俗に言う「褒めて伸ばす」効果を期待する方法ですが、その反面、評価を受けたことで現状に満足してしまう可能性も無いとは言い切れません。被評価者の性格等にもよりますが、ある程度満足してしまうと成長への努力を怠ってしまう場合もあるでしょう。ポジティブフィードバックは評価する側もされる側も、被評価者の成長のための行為だという前提を共通認識として持っておくことが必要です。

主観的なフィードバックは困惑を発生させる

ポジティブフィードバックがもたらしうるデメリットの2点目は、フィードバックに主観的な目線が入るために、被評価者を困惑させてしまうという点です。評価者も人間ではありますが、個人的な感情が入り込んでしまうと、評価に対する不公平感が生じやすくなり、評価者・被評価者の信頼関係の部分が崩れてしまいます。これは組織全体の不調和にも繋がりやすいですね。客観的なポジティブフィードバックを行うためには、個人的に受け取った印象ではなく、事実を持ち出して伝えるようにしましょう。

ポジティブフィードバックの注意点

評価対象が複数人いると効果が薄れる

ポジティブフィードバックを行う際に注意したいのは、評価対象者が複数人いると効果が薄れてしまうという点です。評価対象者が複数人いた場合、どうしてもその評価者を同列で比較し優劣を付けてしまいやすくなります。時間の面からも、一人が相談を始めてしまえば他の評価対象者に割ける時間が短くなってしまうということが起こるのではないでしょうか。より公平で適切なフィードバックを実施するためには、時間を十分に確保し、できる限り評価対象者を1人に限定して実施しましょう。

感情的な意見を述べるだけでは意味がない

ポジティブフィードバックは対象者の評価すべき部分を褒めることで自発性を促す取組ですが、感情的な意見を述べるだけでは意味がありません。「このレポートがよくまとまっていて分かりやすかった」等と言うのはモチベーションの向上には繋がるかもしれませんが、評価者の独断と偏見に偏ってしまっている可能性があります。評価者はその発言に説得力や信頼感、普遍性があるかどうかを考えることが重要ですね。あくまでも、ポジティブフィードバックは、本人が業務を踏まえて成長していく方法を共に考え話し合う場だと捉えておきましょう。

ネガティブフィードバックとの違い

否定的な表現で気づきを促す事

ポジテイブフィードバックと比較される手法に、否定的な言葉を用いて被評価者に気づきを促す「ネガティブフィードバック」があります。ネガティブフィードバックは、問題となる行動について否定的な言葉を使って意見を述べ、問題点の洗い出しに繋げる行為です。否定的な言葉を使うことでよりわかりやすく、焦点の絞った指摘ができるというメリットが考えられるでしょう。注意したいのは、決して怒ったり叱ったり、評価対象者の人格を否定するものではありません。前向きな言葉によって成長を促すポジティブフィードバックに対し、ネガティブフィードバックは否定的な言葉によって発見や気付きを促すものだと考えると良いですね。

まとめ

タイミングに適したフィードバックを心がけましょう

ポジティブフィードバックは、対象者への評価を前向きな側面、そして表現のみに限定することで対象者の自発性を伸ばす、非常に画期的な人材育成方法です。ポジティブフィードバックは、与える側も与えられる側も良い気分で実施できるだけでなく、主体性を育成しやすい等、大きなメリットがありました。本記事でまとめたようなポジティブフィードバックのメリットを生かすためには、正しい方法での継続と日頃からのコミュニケーションが重要です。またフィードバックは与えっぱなしでなく、それがどのように受け止められているかまでケアができるとさらに良いですね。適切なフィードバックで成長の好循環を生み出していきましょう。

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