記事更新日:2021年02月05日 | 初回公開日:2020年12月15日
用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報エバンジェリストとは、IT業界において、複雑な技術や知識を伝える専門職を意味します。エバンジェリストは元々、福音を意味するエバンジェルから転じた言葉で、福音を教え示す人、伝道師の意味でした。福音というと、キリスト教における教典のようなもので、書いてあることが多少難しい部分もあるでしょう。そこで、わかりやすく伝え示す人が重要となりますよね。本記事でのエバンジェリストの意味するところも、IT業界というフィールドを変えただけで、同様の意味を持ちます。
エバンジェリストはIT技術や情勢を、わかりやすく正確に伝えることが大きな役割です。IT業界における変化の速さは凄まじいため、どうしても難解になりがちです。ただでさえ難解であるのに、自社がどう動けば良いのかを判断するとなるとさらに至難の業でしょう。そんな中で、技術の動向やプロセスを把握した専門家のわかりやすい説明があると、判断のしやすさは段違いではないでしょうか。このような状況に対応し、複雑な業界を横断的に理解している人として、エバンジェリストという職が設けられるようになったといえます。
エバンジェリストが果たすべき役割は、お客さんとして相手となる人の問題を把握すること、そして解決策を提案することも含まれます。エバンジェリストが活動を行う対象となる人はITに関心がある一般の人から自社の現場のエンジニアまで、幅広いとされます。彼らに対し、まだ知らない知識を紹介したり、理解しきれていない部分を説明したりすることで、次にどう動けばよいのかを示していくことにつながります。さらに、幅広い知識を活用して、業界の動向を踏まえた経営に直結する見解を示すこともありますから、重要な役割を果たすといえるのではないでしょうか。
エバンジェリストが営業などのよく似た役職と異なる決定的な点が、あくまで中立的に、改善策を提示したり、商品を紹介したりする点です。イメージとしてはテレビのワイドショーで出演する専門家やコメンテーターと呼ばれる人のような中立性が合致するでしょう。逆に、ごく一般的な営業マンとは、売り込みを全面的にしない点、一線を画しているといえます。また、エバンジェリストは豊富な知識あってこそ任命されます。ですから、教育によって本当にお客さんが求めるものを手に入れてもらうことで、公益を高め、遠回りでも自社の利益を確固としていく部分が色濃いといえましょう。
あえて社内でエバンジェリストを抱える場合、大きなメリットの一つが社員にとっての学びとなる点でしょう。これは、エバンジェリストの活動の一つに、専門知識を活かし社内に対して自社製品の教育を行うインナーマーケティングという活動も含まれることが大きな要因です。さらに、影響を受けた社員がより潮流を踏まえたり、触発されたりすることで、製品やサービスが向上することも見込まれます。何より、頼りがいのあるエバンジェリストが企業の中に存在することは、知識を高め合う中心となる人物がいることを意味するのではないでしょうか。
社内にエバンジェリストを設ける場合、企業を周知するというような対外的な効果にもつながりえるといえます。エバンジェリストは活動の舞台において、中立的な解説ももちろんしますが、自社で抱える場合売上につなげておきたい意識が共有されるもの。したがって、自社製品のブランドやイメージを踏まえ、自社製品を戦略的に紹介することもあります。また、エバンジェリストの活動とされている部分には、社外での活動も多く、企業の直越的な広告塔にもなりえます。そのため、対外的な目線でもメリットがあります。
エバンジェリストの最も象徴的と言える活動が、イベントなどたくさんの人が集まる場でのプレゼンテーションです。プレゼンテーション活動では、圧倒的な知識で心を動かし、求めるものと合っている人には購入に至らしめることが究極的なゴールです。そのため、まずなにより啓発をすることを第一段階とします。次の段階として、啓発内容に沿った流れで、製品の良さをアピールし真に求める人の購入欲求をかきたてるプレゼンテーションを行います。それに加えて、資料の構成やデザインを工夫した、伝えるためのプレゼンテーションをしていくことも重要な活動内容でしょう。
エバンジェリストの活動には、プリセールスと呼ばれる、対象を企業に限定した調整を取り持つ活動も含まれています。家電量販店において、実際に買って使う前にお試しができ、そのうえ不明点を尋ねることのできるプロがいる状況を想像するとわかりやすいでしょう。自社開発のドローンを導入検討している企業を相手にするなら、実際に飛ばしてみるなどデモンストレーションが行われるのが特徴です。また、もし要望に応えられない場合には、対話をしたのち知識を活かしたソリューションの提案もしていくことになります。
エバンジェリストは、インナーマーケティングと呼ばれる、自社について幅広く社員に啓蒙する活動も行います。インナーマーケティングで扱う内容としては、会社の持つ総体的なイメージや文化などのバックグラウンドから、用いられている個々の技術にまで至ります。自社製品への的確な知識を社員が持っていると、外に向けた応対や製品そのものにそのふわりとしたイメージが表れてくるため、企業の中で一貫した部分が形作られます。イメージが形作られることで、他にないその企業だけの強みが確固としてきますので、重要といえるでしょう。エバンジェリストという、知識を網羅した人物が話している、という事実が多くの人の納得につながりえるのではないでしょうか。
エバンジェリストが裏方として行う活動が、研究や資料作成といった活動です。エバンジェリストであるということは、何より多様な技術をよく知っているということを意味しています。研究や資料を作成できることとは、本人がエバンジェリストとして足る人物か否かを示すでしょう。最低限のレベルを満たしているか、という確認に止まるわけではもちろんありません。どれだけ情熱を注いでいるのか、実績や実際に活用できる知識があるのか、という点を外部の人が知るきっかけにもなります。エバンジェリストがエバンジェリストたる所以は、ある意味この飽くなき探求活動にあるともいえますね。
エバンジェリストとして大成するにあたっての基盤は、幅広く豊富なIT関連知識といえるでしょう。そもそもエバンジェリストになるということは、目立ったものから陽の当たらない技術まで、変化と進化の激しく絶えないIT業界を学び続けることを意味しています。エバンジェリストになる人物がエンジニア出身である場合が多いことも、IT関連に深い知識を持っているからだといえます。さらに、俯瞰的な視点でIT業界のトレンドを見渡し捉えることも常々行なっていなければ、表向きの業務は成り立ちません。
エバンジェリストのキャリアにおいて、プレゼンテーションを披露する能力はとても重要な要素です。プレゼンテーション能力の第一の柱である、端的にわかりやすく伝える能力があってこそ、エバンジェリストが受け持つ諸活動が成り立ちます。また、プレゼンテーションを織り成すひとつの要素の伝え方でテクニックを駆使し、心を動かして人を惹きつけることも重要です。そして、得たテクニックを生かして、求めていたものと合致するお客さんを購入へと動かすところまで持っていけるかどうか、が勝負となるでしょう。
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