クラッシャー上司の特徴とは?【ターゲットになりやすい人や対処法などを解説します】

記事更新日:2023年04月21日 初回公開日:2023年04月21日

職場の人間関係は、従業員にとって悩みの種になりがちです。特に、上司と部下の関係でのトラブルを耳にしたことのある人事の方も多いのではないでしょうか。単なるトラブルではなく、クラッシャー上司の可能性が考えられた場合、毅然とした対処が必要となります。この記事ではクラッシャー上司の特徴や会社に与える影響、対処法などを詳しく解説します。クラッシャー上司が生まれた背景を含め、会社内での問題解決にお役立てください。

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クラッシャー上司とは

部下を精神的に追い込む上司

クラッシャー上司とは、キャリアを踏みにじるほど部下を精神的に追い詰める行為をする上司を指します。追い込まれた部下は休職や退職を余儀なくされる一方で、部下の実績を奪う形で自分の評価を上げていきます。組織内では優秀な人材と認識されているために、部下に必要以上に厳しい態度でも、周りが必要悪と捉えて問題視されないことが多いです。そのため、自分が正しいと思い込んで行為がエスカレートしていくことになるでしょう。

クラッシャー上司が注目される背景

曖昧な基準での人材採用が多い

クラッシャー上司の存在が明らかになったのは、日本の人材採用基準の曖昧さが背景になっています。年功序列が一般的な日本企業では、新卒一括採用で社員を採用し、自社で育てることが主流です。そのため、実力よりポテンシャル重視で、「会社に馴染めそうか」「協調性はあるか」といった曖昧な視点で採用されます。そうなると、部下として都合のよい人柄が採用される傾向にあるため、自然と上下関係が如実に表れる構造となるでしょう。

クラッシャー上司とパワハラ上司の違い

パワハラ上司は気分で部下を攻撃する

パワハラの場合は自分の気分や八つ当たりのような形で部下を攻撃するため、仕事関連の事柄で追い詰めるクラッシャー上司とは大きな違いがあります。部下を必要以上に厳しく接し、精神的に追い込む点では同じでしょう。しかし、クラッシャー上司は嫌がらせ目的ではなく自分が正しいという認識のもと部下を追い込むため、周囲が注意しても聞かない、論破するなど処理しづらいのが特徴です。部下が訴えてもパワハラとして扱われない傾向にあります。

クラッシャー上司の特徴

社内評価が高いため自信がある

クラッシャー上司は社内評価が高く、自分の実績や成果を出したことに自信をもっています。それゆえ、自分のやり方や価値観が正しいと思い込み、同じ方法を部下に強いる傾向にあります。部下のやり方が自分の価値観に合わないと、厳しい

クラッシャー上司をそのままにしてはいけない理由

従業員が育たなくなる

クラッシャー上司を放置しておくと、従業員が育たず会社が人手不足になるリスクがあります。クラッシャー上司は同じ価値観を持つ自分が認めた部下には、普通または友好的な態度で接します。しかし、一人ひとりの部下を尊重して育てるという意思は全くないと言っていいでしょう。クラッシャー上司のもとでは、成長を妨げられる部下がほとんどであると考えられます。優秀な社員になる可能性を秘めた部下を離職にまで追い込むことにつながり、結果会社の大きな損失になります。

他の従業員から自社への信頼を失う

クラッシャー上司を見過ごすことは、他の従業員の自社に対する信頼を失い人材の流出につながるリスクがあります。クラッシャー上司は直属の部下だけでなく職場の雰囲気にも悪影響を及ぼします。会社がクラッシャー上司に対して根本的な解決にならない甘い対処を取っていると、雰囲気の悪さや会社への不信感から離職を選ぶ社員が出てくるでしょう。会社にとって有能な人材や将来性のある人材が流出することで、会社にとっても悪影響を及ぼします。

長期的に見ると売り上げが落ちる

クラッシャー上司は優秀な社員で売り上げにも貢献しているように感じますが、長期的にみると売り上げの低下に関わっていると言えます。例えばチームで働いている場合、クラッシャー上司のもとでは社員が顔色を伺うようになるでしょう。何かあってもクラッシャー上司に叱られることに怯えて業務を進められなくなる社員が出てくることも考えられます。そうなるとチーム全体が主体性に欠け、迅速な判断や業務の生産性の低下を招き、結果的には売り上げの低下につながります。

クラッシャー上司のターゲットになりやすい人

優秀な従業員

優秀な社員は、クラッシャー上司が自分の立場を守りたいがために攻撃の対象になりやすいです。クラッシャー上司は経営層や管理職からの評価を受けることが何よりも大切なので、部下の成果を自分の手柄にする傾向があります。自分が仕事を頑張っても評価されず、しまいにクラッシャー上司に叱責を受ける部下はモチベーションが下がるでしょう。職場の生産性の低下や離職を防ぐためにも、上位層はそれぞれの人柄を見極めて正しく評価することが求められます。

仕事ができない従業員

仕事ができない従業員は、クラッシャー上司に見下されるためターゲットになりやすいです。クラッシャー上司は自分自身が仕事ができて優秀と自覚しているため、結果を出せない部下や思った通りの行動ができない部下に厳しい態度を取ります。仕事上の注意にとどまらず、馬鹿にしたような発言や人格否定にまで至ることもあります。部下は仕事で成果を出せない上に厳しい言葉を浴びせられるため、結果精神的に追い込まれて休職や退職につながるでしょう。

クラッシャー上司に嫌われている従業員

単にクラッシャー上司に嫌われている人でも攻撃の対象にされる傾向にあります。人柄やコミュニケーションの相性が合わないなど個人的な理由で嫌いな人にも、自分の立場を利用して理不尽な態度で振舞います。嫌いな部下に対しては仕事に問題がなくても粗探しして

クラッシャー上司の対処法

コンプライアンス研修を実施する

コンプライアンス研修は従業員にクラッシャー上司の認識を浸透させることで、自分の周りへの接し方を見直す機会になります。また、そのような場面を目にした従業員は見て見ぬふりをせず、注意するなどの意識が芽生えます。しかしクラッシャー上司は悪気がなく部下を追い込んでいるため、自分が該当すると気づかないことも考えられるでしょう。当事者意識を持つために、身近に起こった事例や具体例を挙げてリアルなイメージをさせる必要があります。

社内体制を見直す

クラッシャー上司の対処法の一つとして、社内体制を見直すことが挙げられます。クラッシャー上司の存在は、周囲の社員の見て見ぬふりや、会社が問題に向き合わず部下の退職によってなかったことにするなどの組織文化の影響もあるでしょう。上層部を含めた会社の従業員一人ひとりが問題意識を持って対応しない限り、クラッシャー上司が減ることはありません。社内体制を見直して従業員同士がサポートし合い、問題を自分事と捉えて解決方法を考えられる文化を醸成する必要があります。

従業員が相談できる環境を整える

クラッシャー上司に対処するためには、従業員が相談できる環境を整える必要があります。クラッシャー上司が直属の場合、評価者や面談相手となることが多いでしょう。その場合クラッシャー上司のことで相談したくても話せる相手がいない状態になります。相談相手がいなければ被害が明るみに出ることはなく、部下が問題を抱えたままになります。会社に相談窓口の設置や、困ったときに連絡できる管理職を明らかにしておくことで相談しやすくなるでしょう。

適切な処分と対話を行う

クラッシャー上司には適切な処分を下し、何が問題か明らかにできるよう対話しましょう。クラッシャー上司は自分が正しいという認識のもと部下に厳しい態度を取ります。そのため、単に懲戒処分を下すだけではプライドが傷つき、攻撃のエスカレートや自分自身が病んでしまう事態にもなりかねません。どのような言動や行動が問題で、結果会社にどのような影響が出ているか具体的に説明する必要があります。処分を下すだけではなく、クラッシャー上司の性質を理解して納得させられるる対話が必要です。

対処後のケアをする

クラッシャー上司に処分を下した後は、更生するための精神的なケアが必要です。自分が正しいと思い込んでいたクラッシャー上司は「それまでの功労を否定された」と捉える可能性があるため、落胆や憤り、虚しさなどの感情を抱えるでしょう。更生のためには心理カウンセラーによる面談や、管理職など目上の上司による指導などの方法が効果的です。元々の評価やスキルの高さから、認識を正せば貴重な戦力となって会社の発展に貢献できるでしょう。

まとめ

クラッシャー上司の特徴を理解して適切な対応をしよう

クラッシャー上司の特徴や対処法を解説しました。クラッシャー上司は会社にとって貴重な人材の可能性を潰すため、発覚したら速やかな対応が求められます。クラッシャー上司は部下だけではなくう職場の雰囲気、結果的に会社全体の生産性にも影響を及ぼすでしょう。根本的な解決には、従業員同士がサポートし合える組織文化の醸成やクラッシャー上司に問題を理解させた上での処分が必要です。クラッシャー上司の特徴を理解し、従業員がイキイキと働ける職場づくりを目指しましょう。

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