技術広報とは【意味や目的などを詳しく紹介します】

記事更新日:2022年01月18日 初回公開日:2022年01月18日

グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 用語集
広報とは、自社の製品やサービスの知名度を上げるため、さまざまな媒体を通して宣伝活動を行う職務です。その中でも、「技術広報」という職務が注目を集めています。技術広報は、製品やサービスの情報発信という点は同じですが、製品やサービスを通して自社の持つ技術についても宣伝します。中小企業では、広報担当者を設けていなかったり、広報は大企業が行うものというイメージを持たれているケースもあります。しかし、最近では中小企業でも自社の技術について発信している企業も多く存在し、ビジネスチャンスを広げています。技術広報は企業にとってさまざまなメリットがあり、企業の成長には欠かせない存在です。今回は、技術広報という職務についてご紹介します。技術広報を設ける際のヒントにぜひご一読ください。

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技術広報とは

自社の開発システムや技術を社外に発信する仕事

技術広報とは、自社の開発システムや技術を社内外に向けて戦略的に発信する役割です。メディア掲載やプレスリリースの作成、展示会などのイベント企画など様々な手法で情報発信を行います。自社のプロダクトや技術情報の発信は、自社のブランド力強化や人材採用にも役立つため、注目されている役割の一つです。社外だけでなく社内への発信にも注力することで、自社製品や技術への理解を深め、新しいアイデアが生まれやすくなるための社風づくりも期待できます。

技術広報の目的

技術的な情報発信と組織の発展

技術広報の目的は、技術的な情報発信による組織の発展です。前述のとおり、自社のプロダクトや技術情報の発信は自社ブランド強化や人材採用を目的とされることが多くなります。社内外における自社の認知度を高めることにより、新規事業の開拓や売り上げ向上、優秀な人材の採用といった面で組織発展が望めます。組織発展のためにどうすれば認知度が上がるのか、どんな媒体が適切か、メリットの打ち出し方などを考え、戦略的に情報発信をします。

エバンジェリストとしての役割も担う

技術広報には、エバンジェリストとしての役割もあります。エバンジェリストとは、専門家として中立的な立場で情報発信する人材のこと。エバンジェリストは専門的知識が必要なので、エンジニア兼技術広報としてのポジションに就く人材もいます。技術に関する専門知識に乏しい担当者が技術広報に就く場合、どうしても技術的なコンテンツは内容が薄くなりがちです。コンテンツを充実させるためには、技術担当者とのミーティングを重ね、情報収集をしながら、より魅力を訴求できるポイントを厳選していきましょう。

技術広報の業務内容

自社の技術に関する記事やテックブログの執筆

技術広報の代表的な業務内容として、自社の技術に関する記事やブログの執筆があります。自社の持っている技術、サービスやプロダクトといった観点から情報を発信していきます。それ以外にも業界の動向や経営、業績、採用といった観点も盛り込んでいきましょう。より良質な情報発信のために、さまざまなポジションの担当者とミーティングをしたり、業界の動向をリサーチするといった地道な情報収集が重要です。多くの人とコミュニケーションを取り合い協力しながら進めていきましょう。

エンジニア採用

エンジニア採用も技術広報の役割です。実際に採用担当として動くわけではありませんが、発信した情報をみて自社に興味を持った人材からの応募を増やす役割を持っています。人材不足が叫ばれる現代では、転職サイトへの求人掲載だけではエンジニア採用は難しくなってきています。自社での技術や取り組み、企業理念などに共感した人材からの応募が増えれば、求人掲載にかかるコストも抑えることができます。求職者をターゲットとした記事を執筆する場合、採用担当者からも情報収集を行い、より求職者に響く内容を考えましょう。

技術関連イベントへの登壇

自社情報の発信は、メディア更新だけではなく、技術関連イベントへの参加と登壇といった方法もあります。イベントに登壇する場合の最大のメリットは、熱量が伝わりやすいことにあります。イベントには多くの人が参加するため、ビジネスチャンスや採用のチャンスが生まれやすくなります。イベントに登壇する場合、そのイベントの目的やターゲットによって適切なプレゼンの仕方が求められます。イベントの参加者が、自社に対してアクションを起こしてくれるようにしっかりとプレゼン内容を構築しましょう。

技術広報による効果

自社システムや技術の認知度向上

技術広報が生み出す効果として、自社システムや技術に関する認知度の向上が挙げられます。認知度の強化により、新規事業創出や市場開拓といった新しいビジネスチャンスにつなげられることが最大のポイントです。より効果を生み出していくためには内容を充実させていくことが欠かせません。開発者や他の担当者から話を聞いたり、市場調査をすることが重要です。記事で発信していく場合には、ターゲットがより理解しやすい言葉で書くことを心がけましょう。

会社のブランド強化

「広報」という分野の最大の目的は、認知度向上とブランド力強化ではないでしょうか。まずは、自社の名前とその製品・サービスの認知度を上げるためにさまざまなメディア発信やイベント参加を強化します。そこから、技術力の高さについて積極的に発信し、他社製品との差別化を図る事がブランド力の強化です。ブランド力が高まれば、企業のイメージアップも伴い、相乗効果で様々なビジネスチャンスが生まれます。技術広報は、自社のアピールからビジネスチャンスを得るという点では、営業職に近い職種と言えます。

エンジニア採用コストの削減

会社のブランド力向上に付随して、コストを抑えながらエンジニア採用ができるという効果もあります。イメージアップにより、求職者からの会社への憧れや共感が強まれば、自社HPからの応募が集まりやすくなります。求人掲載のみではなく、自社HPからの応募により、人材採用にかけるコストを削減することができます。もちろん、すべての採用コストを削減というわけにはいきませんが、一人当たりのコストが削減されるだけでも会社経営にとっては重要なものになります。

技術広報におけるポイント

社内の技術開発部門や人事部と連携を取る

技術広では、社内の技術開発部門や人事部といった他部署とも連携をとる事が重要なポイントです。技術広報の担当者の所感のみで作った広報記事だけでは、内容が薄くなる可能性もあります。そのため、「技術」の広報という点では技術開発部との連携や製品の開発者に話を聞いて記事にすることが重要です。技術は特に専門的な知識が必要であるため、必ず技術部との連携は行いましょう。広報記事が採用目的であれば、人事部と連携して求職者の求める情報や傾向などのリサーチを行いましょう。

分かりやすく且つ戦略的な情報発信を心がける

広報は、社内外に情報を発信するという観点から、分かりやすく戦略的な情報発信を心がけましょう。情報が分かりにくい内容であれば、広報としての意味を成しませんので、分かりやすく伝えることは非常に重要です。また、いつまでにターゲットがどのような状態になっていてほしいか、そのためにどんな情報をどのように伝えるかを戦略的に考える必要があります。情報発信における戦略をしっかりと立てて実行することが技術広報での重要なポイントです。

技術広報に適している人材

エンジニアとしての経験がある人

技術広報に適している人材は、エンジニアとしての経験がある人です。エンジニアの経験がある人は、技術に関する造詣が深く、技術の高さを判断できるため、より濃い内容での情報発信ができます。技術者ならではの視点から、広報記事の新しいコンテンツを生み出したり、内容を充実させることができます。事前に技術部と連携して打ち合わせを行う場面でも、技術のことが分かるので、技術担当者から適格に情報を引き出せるのです。技術広報担当者を選任する場合には、エンジニアの経験がある人を候補に入れてみましょう。

広報戦略を打ち出せる人

技術広報は、企業成長を促進する立場なので、企業成長のビジョンに向かって広報戦略を打ち出せる人が望ましいです。技術広報においてもPDCAサイクルを実行します。計画の段階では、まずは市場調査や分析をし、計画を立てます。計画通りに広報を行った結果の結果を記録し、効果測定と次年度の改善に当てることも必要です。戦略立案に必要な能力は多岐に渡り、ロジカル思考やマネジメント能力、クリエイティブな思考等様々な能力が求められます。そのため、マーケティングの経験者や、なにかしらの責任者といった経験を有している人、計画立案と実行力を持っている人材が望ましいでしょう。

人事やマーケティングに精通している人

人事やマーケティングに精通している人材は、技術広報においても適任です。人事担当者であれば、経営資源である人材の採用や活用といった観点から、計画立案や仕組みづくり等も担います。特に採用を題材とした広報記事では人事の経験が役に立ちます。マーケティングは市場調査や宣伝といった点から、技術広報でも必要なノウハウを多く活用しています。このように、技術広報担当者の選任は、人材の過去の経験を参考にしてみましょう。

技術広報を導入している企業

資生堂

有名企業の技術広報の事例をご紹介します。資生堂の技術広報は「資生堂 PICK UP TECHNOLOGY」というサイトを運営し、資生堂グループの化粧品の技術を動画コンテンツで発信しています。消費者にとって、資生堂は「老舗・伝統的」といったイメージが強く、技術に対してはイメージが薄い状態でした。技術という分野は一般の消費者にとってはとっつきにくい印象があるため、記事ではなく動画を技術広報の媒体として選びました。また、動画の再生数や離脱タイミングを分析し、次回のコンテンツ制作にむけての改善策を立案しています。資生堂の「本物」を伝えるというこだわりが伺えるコンテンツとなっています。

花王

大手消費材メーカーである花王は、自社のホームページにてニュースリリースを設け、新商品からサステナビリティへの取り組み、経営計画などの情報などを載せています。技術広報という点では、研究開発というコンテンツで、研究レポート等を発信しています。研究レポートは、日々の生活に密着した題材で、一般の消費者に分かりやすく、消費者の目線に立った文章で書かれています。内容も完結にまとめられており、一般の消費者が気軽に読める点もポイントです。生活に密着した製品を製造している花王ならではの技術広報戦略と言えるでしょう。

ダイハツ

ダイハツの技術広報では、ダイハツのホームページに技術広報のコンテンツが公開されています。過去発売の車種一車ごとに技術広報資料を見ることができ、市場調査や利用者アンケートといった企画段階から完成までの工程を知る事ができます。基本性能や、カラーバリエーション、ターゲットに向けたモデル展開など、販売フローについても多く触れています。開発にかかる思いの伝わる資料となっており、消費者にも興味深い内容となっています。

まとめ

技術広報に力を入れて企業価値を高めましょう

技術広報は、企業が大きく発展する上で非常に重要な職務です。グローバル化社会において、他社との差別化を図る事が大きな課題となっている中、製品や企業名の認知度、イメージアップを図る事ができるのが「技術広報」という職務なのです。技術広報に力を入れることで企業価値が高まり、さらに成長することができるでしょう。本記事を通して、技術広報の重要性がお分かりいただけたかと思います。すでに技術広報を取り入れている企業も、これから取り入れたい企業も、技術広報を強化するための参考にしてみてください。

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