採用難から脱却するには【原因や対策について解説します】

記事更新日:2021年12月14日 初回公開日:2021年12月04日

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昨今の採用市場は厳しさを増しており、新卒採用でも当初の計画通りの人数を採用できなかった企業が増え続けています。特に、中小企業は大企業に比べて人手不足が深刻になるケースが多く、既存社員への負担が増え長時間労働が常態化する傾向にあります。こうした負の連鎖が続くと、社員の会社に対する見方も悪化し、法的措置を検討する社員も発生しかねません。換言すれば、採用難を乗り切って十分な人員を確保できる態勢が整えば、社員の反発などの企業のリスクを抑えることが可能になるのです。ここでは、多くの企業が直面する採用難が起こる理由と対処法について見ていきましょう。

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採用難の現状

人手不足の企業が増えている

初めに採用難の現状について説明していきます。日本の多くの企業では人手不足が深刻化しています。業界や職種、企業規模などによってばらつきはありますが、どの企業も採用難となる可能性は十分にあります。特に新型コロナウイルスが世界的に流行してからは、業績悪化によって採用難になる企業が増加しています。人手不足の状態が継続されると企業を存続させることは困難になってしまうでしょう。

中小企業は特に深刻

採用難の問題は、中小企業で特に深刻になっています。リクルートが行なった調査によるとここ10年の大企業の求人倍率は1倍を下回っています。一方で中小企業の求人倍率は常に3倍を上回っています。つまり従業員の数が少ないほど、採用難に陥りやすいのが現状です。その原因としては、企業の知名度が低い、採用にコストをかけられないといった理由があげられます。採用難の状態から抜けるためには、各企業が対策を講じる必要があるでしょう。

黒字経営でも倒産の可能性がある

飲食業や小売業などの企業は、現場で働くスタッフの労働力無しには事業を行うことができません。人手が足りなければ営業時間を短縮する必要も出てきますし、人を呼ぶために賃金を上げれば利益を上げることが困難になってきます。大手企業であればある程度の人材難を乗り切る体力もありますが、中小企業であればたちまち死活問題になりかねません。たとえ黒字経営であっても、採用難に陥れば事業を継続できなくなって、撤退を余儀なくされる可能性があるのです。

採用難が起きる理由

生産人口の減少

採用難が起こる原因として、生産人口の減少が挙げられています。日本は少子高齢化が進行しているため、生産人口と呼ばれる15歳から64歳の年齢層の人数は減少しています。そのため、求人倍率も高くなりやすく、人手不足の状況は今後さらに拡大することが予測されています。その結果、優秀な人材を採用するのがより困難となり、現在も多くの企業が採用難に陥っています。最近では採用難の状況を打開するために、女性や外国人の積極的な採用が増加しています。

企業と求職者側のミスマッチ

採用難が起こる大きな原因として、企業と求職者のミスマッチが挙げられます。日本の企業では、ある分野の専門性を磨き、一つの企業で長年勤務することが尊いという文化が主流だったと言えるでしょう。しかし、グローバル化が進む現代では、多くの企業が複数の専門分野に秀でてマネジメント能力の高い人材を求める傾向にあります。そのため、企業が求める人材要件と実際の求職者のスキルに隔たりがあり、なかなか採用が進まないのが市場の現状だと言えるでしょう。また、日本ではスキルそのものよりも役職や年功序列によって賃金が上昇する傾向にあります。そのため、ハイスキルな人材はより賃金の高い海外の企業に流れてしまう機会も増えているのです。

採用難がもたらすデメリット

無駄な採用コストの増加

かつては、求人広告を出せば容易に人を集めることが可能でした。しかし、現代では求人媒体の多様化や、就職せずに独立を選ぶ学生も出てきているため、求人広告を出しても応募が来ないことも珍しくありません。また、ようやく採用できたと思ってもすぐに退職されてしまうと、採用にかけた求人広告のコストも無駄になってしまいます。採用難から抜け出すために求人広告の予算を増やすほど、自社の経営を圧迫するという悪循環になりかねないのです。

採用難になりやすい業界

建設業界

ここでは採用難に陥りやすい業界を紹介します。1つ目は建設業です。建設業界は慢性的に人手不足の状態にあり、2019年の時点では有効求人倍率が7倍程ありました。これはつまり一人の求職者に対して7件の求人があることになります。建設業界は体力的にハードで、危険な作業に携わる可能性が高いといった理由で特に若年層に敬遠されやすい傾向にあります。また離職率も比較的高いため、専門的な知識や高度な技術を必要とする工程を請け負える人材も育ちにくくなっています。

飲食業界

2つ目は飲食業界です。接客や調理の仕事の有効求人倍率はおよそ3倍で他の業界よりも高い傾向があります。その原因として業界の需要の大きさに比べて低賃金であることが挙げられます。また年間休日が少ない、拘束時間が長いといった理由も求職者に敬遠されやすくなる原因となっています。帝国データバンクの調査によると約8割の飲食店が従業員が不足していると回答しています。近年は人材不足を補うために外国人採用も積極的に行われています。

IT業界

3つ目はIT業界です。IT業界は近年急成長を続けている業界の1つです。しかし業界の成長スピードに人材の獲得や育成が追いついていないのが現状です。経済産業省の試算によると、2030年の時点でおよそ79万人のIT人材が不足すると予測されています。有効求人倍率は建設業界などよりは低いですが、今後は倍率が上がる可能性が高いでしょう。IT人材の中でも高度な知識や技術が必要なエンジニア不足が深刻なため、業界全体の大きな課題となっています。

採用難の主なケース

そもそも応募が来ない

いくら求人広告を出しても応募者が来ない、そんな状態が一カ月も続けば採用難に陥っている可能性が高いです。採用する人材が新卒なのか、中途なのかというように、ターゲットが明確になっていないと応募が来なくなる可能性が高まります。また、週に何日休暇を取れるのかであったり、賞与は支給されるのかだったりと、求人広告を見て雇用環境が分かりにくい企業は、応募者に避けられやすいと言えるでしょう。情報が不透明になっていると、採用市場では苦境に立たされる可能性が高いです。

内定後にドタキャンするケースも

せっかく内定を出しても、まれにドタキャンしてそのまま現れなくなってしまうケースがあります。ドタキャンされる理由として多いのが、他社で先に内定をもらったというものであったり、ネットで良くない評判を見たというものであったりとさまざまです。また、面接回数が必要以上に多かったり、必要書類が多かったりすると、足を運ぶ負担や選考内容に疑問を持たれて辞退に至る場合もあるでしょう。より選考フローの簡潔な他社に人材を奪われる可能性が高まるため、選考フローは可能な限り短くする方が無難だと言えます。

採用難の対策

採用方法を見直す

採用難の対策として、採用方法を見直してみると良いでしょう。採用難の状態から抜けるためには、応募者をただ待つだけではなく、企業側が優秀な人材にアプローチをしていくことが重要です。そこで従来の採用方法が適切であったかを確かめる必要があるでしょう。もし今までの採用方法でうまくいっていない場合は、新たな採用方法の導入を検討してみましょう。例として、社員に人材を紹介してもらうリファラル採用や直接求職者にアプロ―チするダイレクトリクルーティングなどがあげられます。ただし、それぞれの方法にメリットやデメリットがあるので、自社に合った方法を取り入れることが大切です。

シニア層や主婦層を積極的に採用する

人材難が続いている場合、これまで採用の対象ではなかった人材にも目を向けてみることが突破口になる可能性があります。2019年4月1日より、働き方改革関連法案の一部施行が始まり、シニア層や主婦層などこれまであまり注目されていなかった層の労働力が増え始めています。しかし、既に相当数の企業がこれらの層に注目しているため、ただ採用ターゲットを見直すだけでは思うような採用は成功しないでしょう。育児休暇や介護休暇の消化を徹底したり、週休3日以上を保証したりと、自社ならではの取り組みをアピールして競合他社との差別化を図ることが成功へのカギになります。

女性の就業継続率アップをサポートする

どの企業でも一定数の女性社員を雇用していますが、結婚や出産を機に退職してしまうケースが多いです。結婚や出産の時期に当たる20代後半から30代にかけて労働力が著しく低下する「M字カーブ」が知られるように、男性に比べて勤続年数が短い傾向にあると言えるでしょう。一方で、育児のために限られた時間を効率的に活用したり、複数の業務を並列して手際良く処理したりと、女性の能力を最大限引き出す取り組みを行っている企業も増えてきています。個々の事情に合わせて、短時間労働を許可したり、育児後の復帰を最大限サポートしたりと、女性の就業継続率をアップさせる取り組みが、採用難を未然に防ぐ突破口となるでしょう。

社員寮を用意し遠方の人材を確保する

会社の周りのエリアだけで十分な人材が確保できない場合は、社員寮を用意して遠方の人材を確保することも有効な手段です。製造業や建設業の他、派遣労働の期間工などでも社員寮の導入が普及しています。寮費が節約できることを期待して応募してくる人材も多いため、今までよりも応募者数の増加が期待できるようになるでしょう。ただし、住み込み求人だと全国から応募が来る可能性が出てくるため、その分競争率も高くなります。入社祝い金や日払い週払い制度など、他社よりも魅力的な条件を用意すれば応募者数を大きく伸ばすことができるでしょう。

インターンシップを導入してみる

インターンシップとは、一定期間学生に実際に仕事をしてもらい、仕事の面白さや企業の雰囲気に触れてもらう社会体験です。企業説明会とは異なり、実際に仕事を体験してもらうことで、学生に入社後のイメージを持ってもらうことが可能になります。中小企業の場合は、大企業に比べて知名度が少ないため、自社の存在を知ってもらう絶好の機会だと言えるでしょう。有給休暇の消化率をアップさせたり、社員がやりがいを持って働ける環境づくりだったりと、評判が上がれば学生間の口コミで応募者数の増加も期待できます。

募集要項を細分化する

人材を募集する際の求人媒体では、求人広告誌やインターネットが主流になっています。ただし、現代はどの企業も人材確保に躍起になっていて、ただ広告を載せるだけでは他の企業と見分けが付かず、応募者にもなかなか認知してもらえません。そこで、欲しい人材の目にとまるような求人広告を載せられるかがカギになってきます。例えば、年齢を問わず真面目に働いてくれる人材が欲しい場合は、「定年退職をした60代」というターゲットが見えてきます。そこで募集要項に60代というキーワードを求人広告に盛り込めば、ターゲット層の注目を集め、応募数の増加も見込めるでしょう。

応募したくなる魅力的な社風づくりが重要

少子高齢化が叫ばれる現代では、今後ますます働き盛りの労働者人口が減っていくことが確実視されています。そんな中で重要なのが、シニア層や主婦層といった労働力の活用。これまでは、採用ターゲットから外れていた層も積極的に雇用していくことで、採用難の時代でも事業を維持することが可能になってくるでしょう。また、シニア層や主婦層に限らず新卒の学生を採用する際にも、応募したくなるような雇用条件が整っていることが最も重要です。賞与の支給であったり、有給を消化しやすかったりと、応募したくなるような社風を整備することが採用市場で勝利を収めるポイントになるでしょう。

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