記事更新日:2023年01月10日 | 初回公開日:2023年01月10日
人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説 外国人採用・雇用定性評価とは、数値化することのできない項目に対して行う評価のことを指します。業界や職種によっては、社員を評価する際の指標が具体的な数値ではないケースなども考えられます。例えば営業職などは契約率や契約件数などの数値が評価指標となりますが、事務職などはそのような具体的な数値のみで評価することは難しいでしょう。定性評価では数値に表れない部分について評価を行うため、さまざまな職種の人材に対して公平な評価を実施するために役立てられています。
定性評価と定量評価の違いとして、定量評価は数値化できることに対する評価を表します。先述の通り、営業職であれば契約を獲得した数などの具体的な数値を評価の基準として設けている場合が多いでしょう。定量評価では数値化できる項目を評価指標とすることによって、評価者における評価のばらつきを防げるというメリットがあります。一方で数値で見ることのできない業務のプロセスなどは評価することが難しいため、定性評価と組み合わせて実施するのが一般的とされています。
定性評価のメリットとして、数値に見えない部分を評価できるということが挙げられます。全ての業務が数値として目に見える形で成果が現れるわけではありません。具体的な評価の指標が設定しづらい業務を行なっている社員は、自身に対する評価が適切に実施されているのか不安になることもあるでしょう。業務プロセスなど目に見えない部分で頑張っていても、それが評価されなければモチベーションや生産性の低下につながってしまいます。全ての社員が公平な評価を受けるためにも、定性評価を正しく実施する必要があるのです。
社員のモチベーションが向上するということも、定性評価のメリットです。適切な評価が行われているということと社員のモチベーションは大きく関係していますが、特に目に見えない部分での努力に対する評価は社員の満足度において重要なポイントとなります。先述の通り、定性評価においては数値に見えない部分に対して評価を行います。成果に至るまでの業務プロセスや日頃の頑張りなどを評価してもらうことになるため、社員の業務へのモチベーションは大きく向上することが期待されます。
定性評価のデメリットとして、評価者の主観が入りやすいということが考えられます。具体的な数値を評価指標としている定量評価と比べて、定性評価における評価指標やその達成度は公平に評価することが難しくなるでしょう。特に普段の勤務態度などについては継続的に評価し続ける必要があるため、公平な評価を行うのが難しくなることが予想されます。評価者ごとにばらつきが生じないように、各項目の評価基準については入念にすり合わせを行う必要があります。
評価への不満が生じやすいということも、定性評価の実施におけるデメリットのひとつといえるでしょう。先述の通り定性評価においては評価者の主観が入りやすいということもあり、評価にばらつきが生じてしまう可能性が十分に考えられます。評価にばらつきが生じることによって、評価への不満を抱く社員の割合が増えてしまう恐れがあるでしょう。評価を受ける社員になるべく納得してもらえるように、目標設定から評価基準にかけて慎重に設定するように心がけましょう。
定性評価を実施する際にはまず、目標設定を行うことから始めましょう。組織全体としての目標と個人としての目標の両方について、なるべく具体的な行動を基準として設定していくのが望ましいです。現状維持のままで達成できる目標ではなく、今よりも少し成長することによって達成できそうな目標を設定することで、高いモチベーションの維持にもつながるでしょう。評価者と個人の間でしっかりと話し合ったうえで、適切な目標を設定しましょう。
目標設定を行ったら、次に評価基準を明確に設定する必要があります。評価者の間で、社員の行動や姿勢に対する評価基準が定まっていないと、定性評価を効果的に実施することはできません。目標設定においても組織全体と個人における両方について行うため、評価基準の設定においても双方でそれぞれ設定しましょう。評価基準を設定する際には経歴やスキルが同程度の社員同士で比較するなど、社員から納得の得られるような方法を用いましょう。
定性評価における項目の例として、業務に必要とされる知識に関する項目が挙げられます。例えば営業職においては商品に関する知識が求められますが、それらが必ずしも数字として成果に現れるとは限りません。定性評価を実施することによって、たとえ目に見える成果となっていなくても社員の勉強量を評価することができるでしょう。業務に関する知識を測定するためのテストなどを実施すると、より正確な評価を実施することができるでしょう。
業務スピードについても、定性評価を行う際に評価する項目として設定しておくといいでしょう。任せられている仕事に対して、どの程度素早く対応することができているかなどについて評価を行います。さらに業務において必要とされる報告や連絡、相談などが適切なタイミングで行われているかという点も評価の対象となるでしょう。かかった期間を基準に評価することができるため、定性評価の中では比較的基準が設定しやすいでしょう。
定性評価においては、業務に対する積極性も加味して評価を行う必要があります。さまざまな業務に対して主体性を持って取り組むことができているか、適切に評価をしましょう。また苦手な業務にもしっかりと向き合いながら取り組むことができているという点も、評価の対象となります。数字としては目に見えづらい部分となりますので、日頃から頻繁にコミュニケーションを取ることを心がけると適切な評価を行うことができるでしょう。
設定した目標に対する達成度についても、定性評価においては評価項目として設定しましょう。定性評価において設定する目標は数値目標でないため、評価者によってばらつきが生じないようにしなければなりません。そのために目標を設定する段階で、達成度に関する基準も同時に定めておきましょう。誰が評価を実施したとしても同じ評価結果となるように、定性評価における目標設定をする際には明確な評価基準を定めるようにしましょう。
定性評価を効果的に実施するには、チームにおける協調性も重要な評価項目となるでしょう。業務を円滑に進めていくためには、社員同士での協力が欠かせません。さらに、必要な場合には社外の人間とも協力しながら課題を解決していく場面もあるでしょう。円滑なコミュニケーションをとりながら連携できているということが、定性評価におけるポイントとなります。こちらも普段のコミュニケーションを密に取ることによって、適切な評価を行うことができるでしょう。
定性評価の実施におけるポイントとして、多面評価を実施することが挙げられます。評価を受ける本人を含むさまざまな視点からの評価を加味しながら最終的な判断を判断することによって、より公平で満足度の高い評価につながるでしょう。このようなメリットがある一方で、多面評価を実施する際には評価者のスキル不足が大きく評価に影響を及ぼしてしまいます。評価者によってばらつきが生じた場合も、その原因を分析しつつ対処するようにしましょう。
定性評価を行う際には、直近の成果を重視しすぎないようにしましょう。評価を行う人間の心理としても、直近の出来事を重要視してしまう傾向があるでしょう。しかしそれではこれまでの頑張りを正しく評価されていないように感じてしまいます。評価を実施する直近で良い成果をあげた場合や反対にミスを犯した場合など、それらの出来事が評価に大きく影響しないように注意しなければなりません。直近の成果に惑わされることなく、評価の対象となる期間全体を通じて適切な評価を行いましょう。
考課者訓練を実施するということも、効果的な定性評価の実施におけるポイントです。考課者訓練とは人事評価を行う担当者に対して実施する研修で、適切な評価を実施するためにおこなわれます。考課者訓練を実施することによって、定性評価を行う際の評価者によるばらつきを無くすことが期待できます。適切な評価基準などを評価者の中で定着させることによって理想の社員像を認識することができ、社員への指導の改善も見込めるでしょう。
定性評価の効果を最大限に発揮するために、定量評価とうまく組み合わせて実施するようにしましょう。定性評価と定量評価の双方において、それぞれメリットとデメリットがあります。したがって、どちらか一方のみを実施するだけでは評価への不満が生じることが予想されます。定量評価で具体的な数値に対する評価を行いつつ、目に見えない成果については定性評価によって評価することでより公平な評価を実施することができるでしょう。
定性評価のメリットや、実施におけるポイントについてお分かりいただけたでしょうか。定性評価においては具体的な数値を基準としないことから、適切な評価を行うために工夫が必要となります。評価者自身の訓練も行い、さらに多方面から客観的な視点で評価を行うことによって、社員が納得のいく評価を下すことができるでしょう。数値目標を基準とする定量評価ともうまく組み合わせることによって、効果的な定性評価を実施しましょう。
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