ツァイガルニック効果とは【ビジネスにおけるツァイガルニック効果の例を交えて解説します】

記事更新日:2023年09月05日 初回公開日:2023年09月05日

用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
ツァイガルニック効果という言葉は聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。しかし私たちの日常生活の中で、ツァイガルニック効果はテレビや広告など様々な場面で活用されています。人は物事が完了するとすっきりとした気持ちで次の物事へ取り掛かることが出来ます。しかし中途半端な状態になっている物があると、モヤモヤが残りそれを完了させたいという心理状態になります。ツァイガルニック効果は、企業内でも活用出来る心理的効果です。今回はツァイガルニック効果について解説していきます。人事担当者の方は参考にしてみてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

ツァイガルニック効果とは

未完成の事柄の方が記憶に残りやすいという心理学用語のこと

ツァイガルニック効果とは、未完成の事柄の方が記憶に残りやすいという心理学用語です。ツァイガルニック効果は、心理学者のクルト・レヴィン氏とブルーマ・ツァイガルニク氏によって提唱されゼイガルニク効果と呼ばれることもあります。人間は物事が完成すると気持ちよく次の行動に移すことが出来ますが、やり残しているとモヤモヤした気持ちを抱え強く記憶に残ります。こういった気持ちを活用してツァイガルニック効果は、様々な場面で活用されています。

ツァイガルニック効果と類似する言葉

ハロー効果

ツァイガルニック効果と類似する言葉に、ハロー効果があります。ハロー効果とは、特徴によってその人の印象が左右されることを言います。例えば高学歴な人や資格を有している人に対して、仕事が出来そうだという印象を持つことです。実際に仕事ぶりを見てはいませんが、高学歴という印象によってイメージを作り上げています。ハロー効果には特徴から良いイメージを想像するポジティブハロー効果と、特徴から悪いイメージを想像するネガティブハロー効果があります。

カリギュラ効果

カリギュラ効果も、ツァイガルニック効果と類似している言葉です。カリギュラ効果は、禁止事項や制限されたことに対してその行為を行いたくなる心理効果のことです。「絶対〇〇しないでください」や「〇〇の人のみ購入することが出来ます。」などといった文言は広告でよく利用されています。何かを禁止されると制限を掛けられ自由を奪われたことに対してストレスを感じ、ストレスの反発として効果が表れます。人の行動に制限をかけて興味を引くという手法です。

ツァイガルニック効果のメリット

生産性が向上する

ツァイガルニック効果のメリットは、生産性が向上する点です。仕事中に新しい依頼を引き受けると、それまでやっていた業務は中途半端な状態になります。切りのいいところまでは終わらせたい、という心理が働くと元の業務を再開したときに集中力を発揮し、効果的に業務を進める事が出来ます。また元々行っていた業務を早く終わらせたいという心理状態が働く為、新規で受けた業務も効率的に進められ業務全体の生産性向上に繋がります。

社員のモチベーション向上に繋がる

ツァイガルニック効果は、社員のモチベーション向上に繋がるメリットがあります。ツァイガルニック効果によって生産性が向上したことにより、業務やその他物事に対して積極的に取り組めるようになりモチベーション維持や向上も期待することが可能です。中断したままの業務があることで適度な緊張感が生まれます。早く終わらせたいという気持ちをコントロールすることで、高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できるようになります。

営業における1つの手法となる

営業における1つの手法になるのも、ツァイガルニック効果のメリットです。CMや広告を作成する際に、あえて不完全な状態や中途半端な状態にしておくことで視聴者や顧客の「より続きが知りたい」という気持ちを掻き立てる事が出来ます。電子書籍などでも最初にお試しで少し読むことができ、続きを読みたい人は会員登録が必要などもツァイガルニック効果を利用しています。意識的に不完全な状態を作ることで、消費者などの興味関心を引くことが可能です。

ツァイガルニック効果のデメリット

ストレスが溜まりやすくなる

ツァイガルニック効果のデメリットは、ストレスが溜まりやすくなることです。ツァイガルニック効果は未完成や中途半端な状態の何かがある時に発生する効果です。その効果を上手く活用することが出来れば生産性向上やモチベーション維持をすることが出来ますが、やり残した状態が続くとストレスの原因にもなり得ます。そのため、仕事への意識が高い人やストレスを感じやすい人は特にストレスを大きく感じてしまいます。人によって効果の差が大きいため、しっかりと判断することが大切です。

モチベーション低下の可能性もある

ツァイガルニック効果は、モチベーション低下の可能性もあります。中途半端な状態で発揮する効果ですが業務が完結しない状態が続くと、モチベーション維持が難しくなります。そういった状況が続いてしまうと、どんどんと業務へのやる気が失われていくため業務が止まっている従業員がいる際は声をかけるようにしましょう。時間内にどうしても業務を完遂させられない場合には、業務を考え直す・ツァイガルニック効果の狙いを考え直す必要があります。

他の仕事が気になって1つの仕事に集中できない

他の仕事が気になって1つの仕事に集中出来なくなってしまう可能性があるのも、ツァイガルニック効果のデメリットです。中途半端な状態の業務を残していることで、手を付けていない業務に意識が行ってしまい集中力が持たずにいつも以上に時間が掛かってしまう可能性があります。生産性向上を期待してツァイガルニック効果を活用する場合でも、上手くいかないこともあります。行っている業務の作業時間やタスクをしっかりと把握し、生産性を低下させないようにしましょう。

ビジネスにおけるツァイガルニック効果の例

CMや広告の「続きはwebで」といった誘導的な言葉

ビジネスにおけるツァイガルニック効果の例は、CMや広告の「続きはwebで」といった誘導的な言葉です。ツァイガルニック効果はwebマーケティングの常とう手段として活用されています。CMや広告で情報を少し見せておき「続きはwebで」と記載することによって、見た人は続きが気になって検索してしまうという心理状態を利用しています。情報の全てを見せないことで、より強く印象を残すツァイガルニック効果を活用しています。

引く営業によって購入意欲を高める

ビジネスにおいて引く営業を行う事で購買意欲を高めるのも、ツァイガルニック効果の一つです。新しい商品やサービスに関して新規や既存の取引先や顧客に対して紹介を行う際にも活用されています。アポイントを調整する際や、商談の場などで紹介したいと考えているサービスや商品の詳細な情報を1度に全て伝えてしまうのではなく、概要だけを伝え雑談などを挟みます。こういった状況にすることで、顧客や取引先から興味を引くことができ購入への動機づけを行うことが出来ます。

途中から有料サービスに変える

途中から有料サービスに変えるのも、ビジネスにおけるツァイガルニック効果です。専門性の高い情報を扱っているサイトでは、記事を途中まで読める仕組みになっており最後まで読むには会員登録や月額料金の支払いが必要になります。途中まで読めるようにしておくことで、最後まで読みたいという欲求を持たせるテクニックの一つです。漫画や小説を扱うサイトでも同様のシステムになっており、1話を無料で読むことができ、続きが気になる人には購入してもらうシステムになっています。

社内でのツァイガルニック効果の活用事例

タスク管理を行う

社内でツァイガルニック効果を活用するには、タスク管理を行うとよいでしょう。ツァイガルニック効果を活用して生産性やモチベーションを向上させるためには、適量の負荷を維持する必要があります。中途半端な状態を増やしストレスを感じない為にも、タスク管理の徹底が欠かせません。チーム内のタスクが適正か、ストレス耐性が弱い人などツァイガルニック効果がデメリットになりやすい人に負荷が掛かっていないか配慮が必要です。必要なタスクを割り振って、生産性が最大化出来るタスク管理を行っていきましょう。

作業時間を決め計測する

社内では作業時間を決めて計測することで、ツァイガルニック効果を活用することが出来ます。作業時間を計ることで適正な業務量が分かり、ツァイガルニック効果によっておこる負荷が掛からない時間を自分で把握することが可能です。日々業務を行う中で作業時間の記録を行い、どういった状況が最も生産性が高くなるのかを知ることで適正な作業時間を設定できます。日々の作業時間を計ることで、メンバーの作業効率の把握ができ適性な作業量の設定や、生産性の向上へ繋げられます。

こまめに休憩を取る

こまめに休憩を取るのも、社内でツァイガルニック効果を活用する方法の一つです。仕事中や勉強している最中に切りのいいところまでやってから休憩しようと考える人が多いはずです。しかしタスクを完了させた状態で休憩をしてしまうと、焦る必要がないため時間を区切って休憩しようと考えてもダラダラ長く休憩してしまいがちになります。効果的に休憩をとるためには、タスクを中途半端な状態に残しておくのが最適です。やり残していることが印象に残り休憩を短く済ませ、仕事や勉強により集中することが出来ます。

仕事で有効なツァイガルニック効果の応用事例

不完全なプレゼンを行う

仕事で有効なツァイガルニック効果の応用として、不完全なプレゼンを行う事が挙げられます。プレゼンテーションを行う際に、完璧なプレゼンを目指している方も多いのではないでしょうか。しかし完璧なプレゼンを行ってしまうと、聞き手はそのプレゼンで満足してしまい興味を持たなくなる可能性があります。そのため、完璧なプレゼンよりも話すのが苦手な人や言葉に詰まってしまうが熱意が伝わる不完全なプレゼンの方が聞き手の興味を引くことが出来ます。完璧よりも熱意が伝わることを意識することが大切です。

ツァイガルニック効果に関連する本

パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史

ツァイガルニック効果に関連する本として、パブロフの犬:実験でたどる心理学の歴史があります。パブロフの犬はアダム・ハート=デイヴィスによって書かれたものです。パブロフの犬は聞いたことがある人も多いはずです。この本では、心理学の発展に貢献したとされる50の実験について解説されています。理論だけでなく立証可能な実験心理学を中心に解説しており、ツァイガルニック効果についても説明されています。この著書を読むことで、よりツァイガルニック効果について理解を深めることが出来ます。

まとめ

ツァイガルニック効果で相手の興味を引き出そう

ツァイガルニック効果のメリットや活用事例について解説しました。ツァイガルニック効果は、既に完結した物事よりもやり遂げてない中途半端な状態になっている物事の方が気になってしまうという心理現象です。ツァイガルニック効果を上手く活用することで、社員の生産性向上やモチベーションアップに繋げる事も出来ます。しかし、タスク管理などをしっかりと行いチーム内の業務を把握できていないと、従業員の負担が増え生産性やモチベーションの低下が起こる可能性もあります。ツァイガルニック効果の理解を深め、相手の興味を引き出していきましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら