組織活性化とは【活用できるフレームワークや企業の事例を解説します】

記事更新日:2022年11月01日 初回公開日:2022年11月02日

用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報
昨今、組織活性化の必要性が重要視されています。高度経済成長期には、終身雇用や年功序列、業務分担などにより、企業ごとの組織体制に大きな違いはありませんでした。しかし、働き方改革による労働時間や、ハラスメント意識の高さ、労働人口の減少により、企業は大きな変革を求められています。さらには人生百年時代と言われる、企業の寿命よりも、人の寿命の方が長くなっていることもあり、生涯1社のみで働くという考えから、転職が当たり前になっています。よって企業は社員にとって働きやすい環境を提供しつつ、適切な人材活用をし、離職率を下げなければなりません。今回は企業が成長するために必要な組織活性化について解説します。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

組織活性化とは

社員が主体的に業務へ取り組めるようにすること

組織が活性化されている状態とは、社員が自ら考えて行動できる状態を指します。そのためには企業の理念やビジョンが浸透し、共感されている必要があります。その上で社員間のコミュニケーションがとれ、相互に支え合うことができる組織が活性化した組織と言えるでしょう。このような企業の環境下では、社員一人ひとりが能動的且つ主体的に行動することで、社員は目標達成への意欲や、高いモチベーションで仕事をすることができます。それにより企業のなかで自分の存在意義を感じ、自分の役割を果たす気持ちを継続することができます。

組織活性化が必要とされる理由

コミュニケーションの不足が課題とされている

組織活性化が必要とされる背景の一つが、IT化による業務の細分化や、リモートワークによって対面でのコミュニケーションが不足すると思うのですが、いかがでしょうか?IT化では業務効率を優先して、業務を細分化した上で社員へ業務が割り振られ、業務は独立したものとなっています。また社員それぞれが自分の業務を独立して行いますので、コミュニケーションがとりづらい環境になりやすいでしょう。またリモートワークは便利な反面、職場で直接のコミュニケーションが無くなります。よって企業はこれらの課題を解決する必要があるのです。

市場の変化が著しい

組織活性化が必要とされるもう一つの背景が、変化の激しい市場に対応できる組織をつくることです。企業の目的は顧客の創造だと、経営学者のピーター・ドラッカーが言うように、顧客のニーズは常に変化し続けています。特にネットやスマートフォンの普及により情報量が爆発的に増えた今、変化の速度はさらに加速していると言えるでしょう。そんな変化に対応するためには、組織間の隔たりを無くし、円滑な情報共有、業務の効率化による活性化した組織づくりが重要になります。

組織活性化における目標

コミュニケーションを円滑にする

組織活性化をするためには、社員のコミュニケーションを円滑に行うことが重要です。昔からの手法として飲み会やランチ会など、食事やお酒を活用したコミュニケーションが用いられます。しかし思ったほどの効果がないと感じるのではないでしょうか。最近、取り入れられているのは、業務の延長線上にあるコミュニケーションです。例えば社内SNSによる情報共有や、工夫を凝らした体験型の研修などを通じて、自然にコミュニケーションがとれる手法を採用する企業が増えています。他にも上司と部下が定期的に面談を行うことで不安や悩みを解消するコミュニケーションも効果があります。

社員のモチベーションを高める

組織を活性化するには、社員のモチベーションを高めることも大切です。仕事における人のモチベーションは大きく分けて二つです。一つは承認欲求と呼ばれる、自分の仕事が周りから認められることによる満足感や安心感です。もう一つは、社会的使命感です。これは企業の理念やビジョンに沿って、社会に対して貢献ができていると感じられることで満足感を得ることができます。人の役に立っているという感覚は社内での役割も同様です。社内における自分の役割や部署において、周りの社員と協力して目標達成することでモチベーションを高めることができます。

離職率を低下させる

組織活性化による効果は離職率を下げる効果があります。社員が離職する原因の多くは、企業内における環境との不適合によるものです。自分は貢献できていない、自分の価値が認められない、上司や周りの社員と合わない、などです。活性化された組織では上司や周りの社員とのコミュニケーションが自然と行われることで、疎外感を感じにくくなります。さらに、組織としての目標達成による満足感を得ることもできます。また適切なコミュニケーションは、お互いに不安や不満を共有し、解決に向けて協力しあう環境となります。

優秀な人材が育ちやすい環境を作る

人が仕事において一番感じる充実感は成長です。今までできなかったことが出来るようになった、目標を達成することが出来たなど、成長を感じる機会を提供できる人材育成の仕組みが必要です。成長は個人差がありますので、組織として必要なスキルや知識、技術を社員一人ひとりに合わせたカリキュラムにできるようにしておきましょう。人材育成は研修中だけでなく、研修後のサポート体制も重要です。定期的な面談の実施が有効とされています。また人事評価制度を明確にすることでキャリアアップのイメージを持ちやすくすることも大切です。自分の目標設定をしやすくなります。

生産性を向上させる

組織活性化における目標のうち最も企業が期待するのが生産性向上です。人材確保が難しい中で、今いる人材を活かして目標達成させるには社員一人ひとりの能力アップが鍵となります。個々の能力アップに必要なのが、企業の働く環境や、社員との適切なコミュニケーションから生まれる一体感です。これらにより社員のエンゲージメントを高めることができます。さらに組織の目標設定を共有し、一人ひとりが自分の役割を理解していることも重要です。それらにより組織として高いモチベーションを持つことでき、生産性を向上させることができます。

組織活性化に役立つフレームワーク

7S

組織活性化をするためには、企業の改革からはじめる経営者の方も多くいます。企業が改革をするためには、企業内の要素を包括的に捉えなければなりません。アメリカのコンサルティング企業のマッキンゼー社が提唱する「7S」は、組織全体と各要素との連携をとるためのフレームワークです。ハード面では戦略、組織、システム、ソフト面では価値観、スキル、人材、スタイルと7つに分類されています。このハードとソフトはどちらが優先ということはなく、互いに整合性が取れていることが重要です。7つの要素は線で繋がっており、課題解決の際は繋がった要素も影響していることがわかります。

組織活性化のためのアイデア

企業理念の共有を促す

組織活性化するために最初に必要になるのが、企業理念やビジョンの共有です。なぜ企業理念が出来たのか、なぜ必要なのかなどを社員と共有します。企業理念の共有とは社是を掲示するだけではなく、社員が意味を理解し、行動の規範となるレベルのことです。行動の規範とは社員が業務を行う際の判断基準となるまで落とし込むことです。ここまで行なうことで社員の共感を得ることができるでしょう。また企業理念と社員自身の目標とが繋がることが大切です。そうすることで自分ゴト化でき、経営層と共通認識を持って業務にあたることが出来ます。これにより自ら行動する主体的な社員となります。

定期的に面談を実施する

どんなに高いモチベーションで働いていたとしても社員は悩みや不安を感じているかもしれません。それらの対策として上司は部下との面談を行うのが良いでしょう。面談は1on1形式がオススメです。頻度は月に一度や、週に一度など組織の状況に合わせて行います。面談は約30分程度がおすすめです。面談では仕事で困っていることや悩んでいること、他の社員との関係性などを聞いていきます。指導ではないので、あくでも聞き役に徹し、必要に応じてアドバイスをします。面談を行うことで一人では解決できなかったことや、新たな発見により前向きな気持ちになり、信頼関係も構築できます。

ITツールを導入する

組織活性化に必要なのがITツールの導入です。ITによる業務の効率化をすることで業務時間を短縮し、組織全体の生産性を上げることが出来ます。まだまだ紙で報告書などを提出する企業が圧倒的に多くなっています。単純ですがエクセルやワードなどのオフィスツールの活用や、クラウドによるデータ管理をすることで業務効率は大きく改善されます。また社内の連絡のやり取りを電話中心で行うことも社員の時間を奪うことになります。社内コミュニケーションツールを導入し、メッセージのやり取りで済むことは電話はしないなどのルールを設ける企業もあります。まずは自社のIT活用レベルを把握しましょう。

人材育成の制度を整える

人が仕事を通じてやりがいを感じるのは、成長したという実感からです。また仕事への意欲が高い社員は、キャリアアップを大切にしているので、企業に成長できる仕組みがあるかどうかが重要になります。よって、企業は社員が成長できるように人材育成プログラムを用意しましょう。人材育成プログラムには一人ひとりに合わせられるように段階を設け、指導方法や手段などをシステム化することでスムーズに行えます。合わせて企業理念の理解度を高めるためのプログラムも整えましょう。

組織活性化の取り組み事例

カルビー株式会社

カルビー社では一般企業にはあって、カルビーには「無い」文化を紹介しています。まずは決まった席がないフリーアドレスを導入しており、社員は一人で行う業務、集中して行う業務、周りとコミュニケーションが必要な業務なとに合わせて席タイプを選択できるのが特徴です。それを出社時に入り口にあるダーツシステムにより席を決めるという面白い制度を導入しています。他にも定時のないフレックス制度や、会社に来ないモバイルワーク制度と働き方の自由度が高いと言えるでしょう。また社員間や経営者とも役職で呼びあわず、「さん」付けで呼びあいます。

サイボウズ株式会社

サイボウズ社では1on1ミーティングを「ザツダン」と名づけて行っています。以前は離職率28%と高く、ブラック企業と揶揄されてしまうほどだったそうです。そこで現副社長がはじめたのが社員一人ひとりと対話する1on1ミーティングです。ザツダンには型やルールはなく、自由に話しても良いことになっています。ただし、目的は明確で社員の悩みを解決することです。よって、コーチングやカウンセリング、ティーチングのような位置付けにしています。ザツダンを導入したことで組織内のコミュニケーションが増えて、チームワークあふれる企業になっています。

株式会社サイバーエージェント

サイバーエージェント社では、活躍した社員やチーム、プロジェクトに対して表彰を行う制度が好評です。グループ全体としては半期に一度、各事業部単位では毎月行います。目的は高い成果を褒め合うことで、互いに切磋琢磨する環境になり、モチベーションやチーム力の向上につながります。以前は全社員を集めて行っていましたが、現在はノミネートした社員は会場に招待し、その他の社員はライブ中継で見ながら、コメントを入れる形式で盛り上げています。他にも活躍するエンジニアやクリエイターを讃えるアワードの導入を社員の声から開設したそうです。

まとめ

組織活性化によって生産性の高い企業を目指しましょう

日本の企業における課題である労働人口の減少は今後さらに深刻になります。よって企業は人材の確保と共に、社員のエンゲージメントを高めることが重要となります。そのためにはコミュニケーションが円滑に行えるような仕組みが必要です。事例にあったような1on1ミーティングで一人ひとりの声を聞きましょう。また社員が精神的に安心して働ける環境と、キャリアアップのための人材育成制度の見直しも行いましょう。合わせて、企業理念を社員と共有、共感を得られるように伝えなければなりません。これらにより社員のエンゲージメントが高まることで、組織が活性化し、生産性の高い企業となるでしょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら