確証バイアスとは【具体例や対策方法について解説します】

記事更新日:2022年09月02日 初回公開日:2022年09月01日

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人事担当として採用を行うにあたってより良い人材を獲得することが主な目的であるのは当然と言えます。そのためには採用側は求職者の能力を面接やWebテストを通して客観的に判断することが望まれます。しかしながら、こうした判断は人間の下すものであるが故に、客観的な判断を下せない場合があります。その一例として今回ご紹介するものが確証バイアスです。では、確証バイアスとはどういったものであり具体的にどのような場面でそれが現れ、またどのように向き合っていけばいいのでしょうか。人事担当者の方は是非ご一読下さい。

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確証バイアスとは

自分に都合の良い情報ばかりを集める傾向

確証バイアスとは、自分に都合の良い情報ばかりを集めてしまう傾向のことを言います。自分が必要としている情報だけを無意識に信頼し、それを反証する情報には無関心でいるという非合理性のことを意味します。確証バイアスは心理学上の用語であり、ビジネスや恋愛に至るまで日常生活の中で多く見られる現象です。つまり、今回は人事面に焦点を置いて取り上げますが、確証バイアスはその他の領域にも及びすべての人に身近であるものと言えます。

確証バイアスと認知バイアスの関係

正常性バイアスの記述

確証バイアスは認知バイアスと呼ばれるものの一種に含まれます。認知バイアスとは先入観や偏見、思い込みなどによって合理的でない判断を下してしまうことを意味します。他にも認知バイアスの一種として、予期しない事態を信じない正常性バイアスや得をする人がいる分損をする人がいると思い込むゼロサム思考などが挙げられます。どれも人間の心理的負担を抑えるための作用として働くものですが、これらが深刻化すると選択場面において思わぬ失敗を起こしかねないと言えます。

確証バイアスが起こる理由

直観を頼りにする方が楽である

確証バイアスが起こる理由として、人間は直観を頼りにする方が楽に生きれるという理由があります。人は本能的に楽をして生きたいと考えます。本能的にというのは、人間が生存をするためには極力脳や身体を使った労力を使わずに生き抜くように脳が設計されているということです。つまり、直観に反する事実を反証してまで逆の考えを持つという動作は労力であるために直観的に生きようとする心理から確証バイアスが生まれるということです。

自意識過剰である

確証バイアスが起こる理由として、自意識過剰であるという点が挙げられます。一般的に人間は自分のことが好きであると言われています。そうでないとしても、少なくとも自身に対する評価は他人の評価よりも高い傾向にあるということが心理学的に立証されています。つまり、自己の評価や下した判断が人より優れていると考えることが自信過剰につながり、結果的に反証する情報を信じずに確証バイアスが生まれるということになります。

確証バイアスの具体例

恋愛

確証バイアスの具体例として恋愛が挙げられます。例えば、意中の人とのメールでのやりとりにおいて相手の返信が遅かった場合に確証バイアスが働くことがあります。相手の真意とは裏腹に自分に気がないと思い込んでしまい、思いが空回りして心身がかき乱されるというシーンはまさに確証バイアスです。実際は相手側が忙しかったりその他何らかの原因で返せていないとしても、好意がないと決めつけてしまうことはまさに自らの正当性を過信している状態と言えるでしょう。

コロナウイルス

確証バイアスの具体例としてコロナウイルスが挙げられます。コロナウイルスろいう未知のウイルスとその脅威にさらされる現在において確証バイアスは散見されます。代表的な目に見える影響がいわゆるフェイクニュースや陰謀論といったものでしょう。今までの類を見ない世界中での混乱の中、科学的には全く根拠のないコロナに関する情報が溢れています。こうした中で混乱からいち早く安心感を得るために最初に得た情報を信じ込んでしまい、確証バイアスにつながってしまいます。

血液型

確証バイアスの具体例として血液型が挙げられます。よく血液型占いなどがテレビや本などで取り上げられますが、こうした固定概念も実は確証バイアスの一種と言われています。というのも、A型は几帳面でO型はおおざっぱなどの血液型の固定概念には科学的根拠はないのにも関わらず勝手なイメージとしての偏見を持ってしまうからです。こうしたものは会話の中で盛り上がる分には良いですが、行き過ぎてしまうと差別につながってしまうので確証バイアスであるという自覚を持っていることが重要です。

投資

確証バイアスの具体例として投資が挙げられます。投資をするすべての人が確証バイアスを持っているのではなく、特に投資で失敗する人が確証バイアスに陥る傾向にあります。投資で失敗する人は自分の投資先に都合の良い情報ばかりを集め、逆に投資リスクなどのに関する情報を調べないことが多いです。結果的に投資先に絶対的な自信を持つために損切りなどができずに損失を生んでしまうという状況が生まれます。まさに確証バイアスの典型と言えるでしょう。

人事や採用

学歴のバイアス

確証バイアスの具体例として人事や採用が挙げられます。例えば、面接前にエントリーシートを見て高学歴と分かった段階で能力が高いという偏見を持ち、面接の有無にかかわらず採用する意思を変えないというケースが考えられます。逆に、学歴が低い人が面接やその後の仕事で能力が高いと客観的に分かっても、その時はまぐれに過ぎないと反証する事実を受け入れないという確証バイアスを持ってしまうことがあります。求職者や従業員が不公平感を感じれば会社への不信感につながりかねないので、人事の評価や採用はバイアスなしにして客観性を保つ意識が重要です。

確証バイアスの活用例

マーケティング

確証バイアスの活用例としてマーケティングが挙げられます。例えば、ウェブ広告の中にディスプレイネットワーク広告というものがあります。ディスプレイネットワーク広告とは広告配信システムを利用したディスプレイ広告のことを意味します。Webサイトやアプリに広告を頻繁に表示させることで人気商品であるという印象を持たせることができます。また、一度サイトに訪れたユーザーを追跡し、何度も広告表示をさせるリターゲティング広告においても同じ効果が期待されます。いずれの広告も確証バイアスを活用したマーケティングと言えます。

確証バイアスの対策方法

確証バイアスの存在を理解する

確証バイアスの対策方法として確証バイアスの存在を理解する点が挙げられます。確証バイアスという心理的な作用が存在することを知ることで、情報を収集する際にその情報に偏りがあるのではないかと意識することができます。また、本記事でも述べたような確証バイアスが日常生活で起こりうるケースを、より多く知ることで確証バイアスに対応しやすくなり、より客観的で公正な判断を下すことができるでしょう。

常に批判的な思考を持つ

反証データをしっかりと集める

確証バイアスの対策方法として常に批判的な思考を持つことが挙げられます。つまり、事実やデータを常に疑うことを意識するということです。これはいわゆるクリティカルシンキングと呼ばれるものであり、例えば人事においても検討している人材を検討する際にその判断に矛盾がないかを明らかにするのに役立ちます。クリティカルシンキングをしようと思ったときにするのは困難であり自分が当たり前と思っていることを疑うのは難しいため、常日頃から習慣づけて物事を疑うことが求められます。

第三者の意見を参考にする

確証バイアスの対策方法として第三者の意見を参考にする点が挙げられます。確証バイアスは自分の意見や考えが正しいと考えて行動する心理です。その意見が本当にあっているか確かめるために第三者に耳を傾けることは非常に重要です。特にその第三者は家族や友人ではない非利害関係者であると良いでしょう。第三者の意見に耳を傾ける目的は客観的な意見を取り入れることであり、仮に家族や友人に意見を求めたのならこちらの考えに若干肩入れしてしまうでしょう。中立的な立場で意見を述べる人の存在が重要です。

確証バイアスを人事面で回避する方法

明確な評価基準を設定する

確証バイアスを人事面で回避する方法として明確な評価基準を設定することが挙げられます。人事評価をする際には先に述べたように確証バイアスが起こりやすいです。印象に左右されることで公平性を欠くことを防ぐためにも基準を給与テーブル等で明確に定めて従業員に公表し、それに従って人事評価をすることが重要です。業績などの数値で分かるもの以外の評価、つまり従業員のコミュニケーション能力を推し量る時には特に客観的な評価を下すのは難しいので、他社の給与テーブルや評価基準を参考にするのが有用でしょう。

複数の社員の意見を取り入れる

確証バイアスを人事面で回避する方法として複数の社員の意見を取り入れる点が挙げられます。評価基準が明確である上に評価をする人が複数であることで評価の客観性がさらに高まるでしょう。上司や同僚などの複数人に意見を聞いた上でさらに評価をし直すことで客観性を高めていきます。上司と同僚では従業員に対する見方が異なるため様々な視点からの評価を期待できるという意味でもこうした複数人からの意見は重要です。また、この際上司は直属ではなく違う部所の上司であると、先に述べた家族や友人いがいである人と同様により中立的な立場で人事評価を下すことができます。

過去の実績に囚われない

確証バイアスを人事面で回避する方法として過去の実績に囚われない点が挙げられます。人事の評価を参考にする際に、やはりその人の前回や前々回の評価を参考にすることがあるでしょう。しかし、これは確証バイアスをはらむものであり前回この従業員の評価は悪かったから今回の評価もきっと悪いだろうと思い込む危険があります。これを回避するために過去の実績ばかりを参考せずに評価期間内での従業員の行ったことをよく確認して評価することが求められます。

まとめ

確証バイアスをよく理解し人事や日常に応用しましょう

確証バイアスは日常的な場面に多く潜んでおり、人事の面でも多くの偏見や思い込みによる判断が生じかねません。こうした中で公平性を担保するためには確証バイアス自体をよく理解し、常に批判的に物事を見つめる、また他者の意見を参考にすることが重要です。特に人事においてはこうした公平性が自身の他者からの人事評価の信頼につながります。確証バイアスを理解し、日常生活や人事において間違った情報意識を持たない、または安易に発信しないことを心掛けましょう。

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