傾聴の意味とは【仕事で活用できる?傾聴を知るメリットをわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年05月15日 初回公開日:2024年05月15日

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傾聴とは、相手の話に耳を傾け気持ちを汲み取るコミュニケーションスキルのことです。傾聴は医療現場やカウンセリングなど密なコミュニケーションが必要な場面で多く用いられる手法です。しかし、ビジネスやプライベートに用いることでも、良好な人間関係を築く手助けになります。そんな傾聴ですが、実践するにはどんなことに気を付ければ良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は傾聴について、傾聴の目的やメリットだけでなく、具体的なポイントについてご紹介していきます。傾聴を学び、会話の質を向上させたい方はぜひご参考にしてみてください。

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傾聴とは

相手を受け入れ共感するコミュニケーション能力の1つ

傾聴とは相手を受け入れ、共感するコミュニケーション能力の一つです。傾聴は利用することで、周囲との相互理解を深め人間関係を良好に導く効果が期待できます。そのため、カウンセリングや看護だけでなく、ビジネスの現場でも注目されている能力です。また、コミュニケーションに傾聴の姿勢を用いることは、自分と違う価値観や考え方を持つ他者の気持ちを汲むことで多角的な視点を持つきっかけにもなります。このような観点から、個人の成長のためにも大きな意味を持つものと言えるでしょう。

カール・ロジャースの理論から広まった

傾聴は、アメリカの心理学者であるカール・ロジャースの理論から広まりました。カール・ロジャースの理論では、傾聴を「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の三つの要素を原則としています。「共感的理解」とは相手の話を相手の立場に立って共感すること、「無条件の肯定的関心」とは相手の話を自分の基準による善悪や価値観の分別を除外して聞くことです。そして、「自己一致」は相手の話の中で分からないことがあったら説教的に分からないことを伝え、真摯に話を受け止めることです。

傾聴の目的

他者を理解すること

傾聴の目的は、他者を理解することにあります。人は誰でも生育環境や生まれ持った性格により、価値観や考え方が異なります。考え方や価値観が異なれば、同じ言葉を聞いても自分や相手の受け止め方や取ろうとする行動にも違いが出るのは自然なことです。傾聴はこのように異なる立場や考え方を持っている相手が、何を考えどのような気持ちを持っているのかを知るためのものです。そのため、実践の際には「相手が何を伝えたいのか」「どんな気持ちでいるのか」を重視していかなくてはなりません。

傾聴を知るメリット

信頼関係が生まれる

傾聴の方法を知るメリットは、相手と自分との信頼関係が生まれるという点にあります。傾聴は実践することで、相手に「自分の話を聞いてもらえる」という印象を与えます。このような印象を与えると相手は聞き手を信頼しやすくなるだけでなく、自分の意見を積極的に伝えるようになり、積極的な意見交換の土台が生まれます。そのため、信頼関係の構築に成功すれば、相手への理解だけでなく、相手から自分に対する理解や尊重を促せるという部分も大きなメリットと言えるでしょう。

業務が円滑に進む

傾聴は、職場での業務が円滑に進む効果も期待できます。傾聴により職場での信頼関係が構築できれば、必然的に人間関係も良好に保てます。コミュニケーション不足の職場では、上司の一方的な指示によって社員に不満が生まれがちです。自分を理解してもらえないという不満は社員の仕事に対するモチベーションを低下させます。逆に、「自分の意見を聞いてもらえる」という信頼があれば、社員もモチベーションを保ちやすくなるため、結果的に業務の生産性の向上が期待できます。

話し手の自発的な問題解決に役立つ

傾聴は、話し手の自発的な問題解決に役立つ場合もあります。悩みや心配事は自分で抱え込んでいるだけでは、解決が難しいことも少なくありません。しかし、傾聴により人に話を聞いてもらうと、その過程で話し手は言葉で自分の気持ちを表現することになります。この行為は自分の考えを整理することにも繋がるので、自分自身を見直し抱えている問題を解決するきっかけになり得ます。そのため、話を聞いて相手に共感するだけでも、相手の成長を促すヒントになる効果も期待できます。

相手を尊重できる

傾聴は、相手を尊重できるという点もメリットの一つです。人は、どれほど相手を理解したいと心の中で思っていても、言葉でのコミュニケーションが無ければ実現するのは困難です。相手への理解が無ければ、自分に悪気が無くても一方的な気持ちや意見の押し付けにより相手を傷つける可能性も少なくありません。傾聴はこのようなリスクを防止する効果も期待でき、身につければ自分自身も相手を尊重できるようになります。そのため、大切にしたい相手ほど、辛抱強く傾聴の姿勢で対話に臨むことが重要です。

傾聴が活用される場面

看護

看護の現場では、傾聴が多く活用されます。看護は患者の身体的な不調を改善するというだけでなく、患者の治療への不安や心配をなるべく払拭し精神的な支えとなることが重要視されます。そのためには、患者の個人的な背景や性格を理解し、寄り添わなくてはなりません。そのため、患者を理解するためにも傾聴の姿勢が重要になっていきます。また、この場面では「自分がどう思うか」ではなく、相手の気持ちを受け入れることが大切です。

カウンセリング

カウンセリングとは患者の悩みなどの心理的な問題を対話や認知行動療法などの手法を用いて、改善に導く仕事のことです。カウンセリングは患者の心理的な問題に向き合う側面から、傾聴の姿勢が特に重んじられます。相手の考えや過去の出来事を深く理解しなければ、問題を解決に導くことは困難だからです。また、心に問題を抱える人は、自分を他人に受け入れてもらえるか不安を抱えやすく自分の考えを言語化できません。そのため、傾聴の姿勢を見せて患者と信頼関係を構築し、相手に自己開示を促すためにも必要です。

ビジネス

傾聴は前述した看護やカウンセリングの現場など、特殊な職業のみで有用と思われがちですが、ビジネスシーンでも大きな効果を発揮します。会議や商談などビジネスの現場でも、他者とコミュニケーションを取らなくてはならない場面は多く存在します。このような場面でも傾聴の姿勢を用いれば、表面的な社交辞令や一方的な会話でコミュニケーションを終えることにならず、より深い会話が可能です。そのため、仕事の生産性向上や顧客のニーズを明確に掴む観点からも、傾聴のスキルは重要な役割を果たすと言えるでしょう。

傾聴する際のポイント

相手の気持ちを汲み取る

傾聴する際のポイントとして重要なのは、相手の気持ちを汲み取る努力をすることです。会話中に相手の話を聞いていると、自分との考え方の違いから否定的な気持ちになってしまうことも少なくありません。しかし、自分から理解を拒絶してしまうと、相手と深い関係を築くことはできません。そのため、まずは否定的にならず相手の気持ちをなるべく汲み取れるように注意深く話を聞くことが大切です。また、分からないことがあれば、正直に「分からない」と伝えることも重要です。

相手の気持ちを反復する

相手の気持ちを反復するのも、効果的な傾聴のポイントです。例えば、相手が自分の気持ちを口に出した時に、「あなたはこう思ったんですね」ともう一度、相手の言葉を反復します。これを行うとただ無言で頷く、「はい」と返事をされるよりも、相手は「自分の気持ちをしっかり受け止めてくれる」と思えます。また、話が抽象的で分かりにくい場合は、「このように考えたということですか」と自分なりの解釈を説明して確認してみましょう。これを行うことで、曖昧な理解を防止できます。

パラフレーズを話に織り込む

会話に出てきたフレーズを、別の言葉に言い換えることをパラフレーズと呼びます。傾聴の場面では、このパラフレーズを利用するのも効果的です。此処で大切なのは、相手の発言をおうむ返しするのではなく、適切な語句を用いて言い換えることです。複雑な説明であれば、より簡単な言葉を用いて言い換えることで、話の内容を単純化することも可能です。また、相手と自分の間で認識の齟齬を防ぐことにも繋がります。ただし、意味が大きく異なる語句を用いると誤解を招くため、慎重に言葉を選ぶようにしましょう。

何が問題かを少しづつ掘り下げていく

傾聴では、ただ相手の話を黙って聞くだけでは問題解決には至りません。そのため、相手に気づきを与えるためにも、何が問題なのかを少しずつ掘り下げていく必要があります。例えば、会話の中で「もっと詳しく話せますか」「この時あなたはどう思いましたか」などの質問を盛り込んでいきましょう。相手の話を自分から掘り下げてより深く会話を広げることで、相手の抱える問題がどこにあるのか明確にできます。また、この時に結論を急ぎ過ぎると、相手の信用を失いかねないため辛抱強く質問を重ねていくようにしましょう。

相手の沈黙にも上手く対処する

傾聴を用いた会話を続けていくと、相手が言葉に詰まって沈黙することがあります。このような場合には、相手の表情や仕草を注意深く観察し、その時の気持ちを推し量る必要があります。考えている最中であれば、会話を催促せずに待つことも大切です。感情的になり、取り乱している時にも冷静に相手に共感の姿勢を示して落ち着くのを待ちましょう。相手の気持ちに刺激されて自分も感情的になってしまうと、傾聴しにくくなってしまうので、あくまで客観的な立場を維持することが大切です。

相手のできる範囲を探す

人の抱える悩みや心配事は、その人によって異なります。内容によっては、本人の努力だけでは解決できないことや、相手自身に責任の無いことで悩んでいることも珍しくありません。そのため、傾聴の場面では相手の気持ちに共感を示しつつも、相手のできることとできないことを明確にする必要があります。できることが明確になれば、的確なアドバイスがしやすくなるだけでなく、相手も自分の出来ることに注意が集中します。また、「自分にもできることがある」と思うと、解決不能な問題に対する無力感を軽減できます。

相手の主体的な解決を促す

どのような問題も、話し手本人の主体的な意思が無ければ解決は困難になります。一方的に解決策を提案して押し付けても、本人が納得できなければ根本的な解決にはなりません。そのため、傾聴のポイントとしては、あくまで自分は聞き役に徹し、決断を相手に委ねることも大切です。主体的に決断させることは、本人のモチベーション維持にも繋がります。また、この時には相手に自分はサポート側に徹することを伝えることで、安心感を与え問題に立ち向かう勇気を持たせることができます。

まとめ

傾聴を学び人間関係に活かそう

傾聴は看護やカウンセリングなどの特殊な業種だけでなく、普段のコミュニケーションでも活用できるスキルです。傾聴を用いて会話をすることで、相手と自分との相互理解を深め、職場においては業務の生産性向上にも繋がります。また、自分と違う価値観や生育環境で育った人の気持ちを理解することは、多角的な視点を得る上でも大きな効果が期待でき、自分自身の精神的な成長のきっかけにもなります。そのため、より良い人間関係の構築や自己成長のためにも、傾聴を学び積極的にコミュニケーションに取り入れていきましょう。

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